業界研究

地方銀行に就職する人が知っておきたい現状や特徴|志望動機例文あり

地方銀行は就職先として優れているのか

金融業界の中でも銀行は特に人気が高く、毎年多くの学生が志望しています。しかし、同じ銀行業界においても、どの銀行に就職するかで環境などが大きく違ってくるので注意が必要です。銀行といっても種類はさまざまであり、大型の都市銀行もあれば、地方に根ざした地方銀行、信用金庫なども挙げられます。

地方銀行への就職を目指すのであれば、地方銀行ならではの特徴、特色などを知っておくことが大切です。また、地方銀行が置かれている現状や抱えている課題、将来性なども知っておく必要があります。地方銀行についての理解を深め、就職先としてふさわしいか考えましょう。

地方銀行は地域に根差した事業展開をおこなっている

地方銀行とは、各都道府県に本店を置き、地域に根ざした事業展開をおこなっている銀行です。銀行の種類としては、大きく都市銀行、地方銀行、信用金庫などに分けられますが、それぞれ規模の違いや組織としての性質の違いなどによって分けられます。

都市銀行はメガバンクとも呼ばれる規模の大きい銀行ですが、実は明確な基準はありません。都市部に本店、あるいは支店を持つ銀行が都市銀行であり、基本的には地方銀行よりも規模の大きい銀行であると考えましょう。

対して信用金庫は地方銀行同様に地域に根ざして事業を展開していますが、地域住民が会員となって、運営している非営利の法人団体です。地方銀行は株式によって運営されている営利団体ですので、同じ地域に根ざした銀行でも、性質は大きく違っています。

地方銀行の現状

地方銀行への就職を考える上で、まずは現状について把握しておくことが大切です。どのような現状にあるかを知っておかなければ、就職してすぐ困ることもあり、場合によっては長く続けられないということもあります。現状が悪い状態にあったとしても、課題さえ解決できれば将来性はあります。現状を知ることは、業界の課題を知り、将来性を考えるベースをつくるためにも重要なことです。現状を正しく把握して、地方銀行が置かれている状況を知っておきましょう。

マイナス金利で収益は悪化

銀行業界はマイナス金利によって収益が悪化しており、業界全体として不景気な状態にあると言えます。都市銀行などは規模の大きさによって損失を最小限に抑え、収益も横ばい程度で推移しているものも多いですが、地方銀行は収益減少の波を受けているものも多いです。

地方銀行は規模が小さいため、収益が縮小してしまうと、他の部分でカバーするのが難しく、後手後手に回ってしまいます。そのため、再編によって規模を拡大し、収益拡大を目指す企業は多いです。マイナス金利がどこまで続くかは不透明であり、このまま続けばさらに追い込まれる企業が増えてしまうでしょう。

人口減少による需要の減少

収益の悪化は単にマイナス金利だけが原因ではなく、人口減少による需要の低下も影響しています。日本は少子高齢化社会を迎えており、人口は減少傾向にあります。特に地方では人口減少の波が加速度的に増している地域も多く、過疎地域の拡大も需要の減少に大きく影響しているでしょう。

地方銀行は地域に根ざした事業展開が特徴であり、過疎地域では地域からの収益が一気に閉ざされてしまうこともあり、需要の低下に苦しむ企業は多いです。人口減少は今後もさらに進み、長期的に見れば国内全体で需要は低下し続けるでしょう。低下し続ける需要をいかに食い止めることができるか、また別の観点から需要を増やし、減った収益を補うことができるかが、今後の課題と言えます。

採用難は続いている

地方銀行はマイナス金利や人口減少の煽りを受けて不景気な状態にあるため、ここ数年は採用難が続いています。収益が減少し続ける中で、新たに人員を確保することが難しく、新卒採用枠を大幅に削減するという企業も少なくありません。新卒の採用は即戦力ではなく、成長を重視したポテンシャル採用であることが多く、採用してからの教育などにコストがかかってしまいます。

収益の減少が続いている中で、採用にかかるコストを捻出するのが難しく、企業によっては新卒採用自体をおこなわないということもあるので注意しましょう。採用枠は確実に減っていますので、倍率も比例して高くな、就職の難易度は高いです。

地方銀行の業務内容

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地方銀行への就職を目指すのであれば、地方銀行の業務内容を押さえておかなくてはなりません。地方銀行を志望する理由はさまざまあると思いますが、どのような理由で志望していたとしても、実際の業務内容が自分に合っていなければ、就職できたとしても苦労するでしょう。

また、志望動機や自己PRなども、実際の業務内容を知った上でまとめるべきです。実際の業務内容を踏まえずに作成した場合、採用側から見て業務に役立たないアピールをしてしまう可能性もあるのです。それでは地方銀行の業務について見ていきましょう。

預金・ローン

銀行といってまず思い浮かぶのが「預金」という方は多いでしょう。個人や企業から資金を預かるのが預金業務であり、銀行のメインとなる機能の一つです。ただし、一口に預金といっても複数の種類があり、銀行によって取り扱っている商品に違いがあります。

例えば私たちに最も身近であり、実際に利用している人が多いのが普通預金でしょう。この商品は日々の生活の中で、財布のような役割として使用されています。このほか、一定の期限が来ないと引き出すことができない定期預金、主に企業が小切手や手形を発行するのに使用する当座預金などがあります。

お金を預かり、利息を支払うのが主な業務です。銀行ごとに取り扱っている商品が違っていたり、個性的な取り組みもあったりするので、事前に調べておくのがよいでしょう。

融資

融資とは、預金業務で預かったお金を、必要としている企業や個人に貸し出す業務です。企業向けにしても個人向けにしても、複数の融資があります。我々に身近なマイカーローンや住宅ローンなどのさまざまなローンも、全て融資に含まれています。

例えば、マイカーローンであれば自動車、住宅ローンであれば住宅など、購入に必要な費用を銀行が肩代わりする仕組みです。その上で、ローン利用者から毎月一定額の返済をおこなってもらうのです。

融資は銀行にとって大きな収入源ですが、それだけリスクも高い業務ともいえるでしょう。貸したお金を万が一相手が返さない場合、不良債権という形で銀行の経営に悪影響を与えてしまいます。こうしたリスクを未然に防ぐための審査も、大切な業務の1つとなっています。

為替

「為替」というと、「1ドルXXX円」というように、外国為替が特に思い浮かぶ方が多いでしょう。しかし、為替は外国為替だけではありません。銀行業務でいう為替とは、お金をある口座から別の口座に振り込んだり、手形や小切手・証書などで金銭の受け渡しをすることを指します。現金を直接移動させることはありません。

為替業務は、内国為替業務と外国為替業務に二分可能です。内国為替業務は国内の振込や送金、口座振替や代金取立、両替などを扱います。外国為替業務は、外貨への両替や外国への送金、輸出入に関連したさまざまなサービス提供などが含まれています。輸出人に関するサービスとしては、輸出手形や輸入信用状の発行、為替予約などがあります。

地方銀行の平均年収

地方銀行への就職を目指すのであれば、当然地方銀行の平均年収も気になるところでしょう。dodaによれば、地方銀行の平均給与は、409万円となっています。生涯賃金は、およそ2億6089万円となるようです。また、男女別の平均年収でみると男性は473万円、女性は333万円です。

年代別で見ると20代の時点での平均年収は343万円ですが、50代を超えると653万円ほどになります。また、都市銀行については472万円となっており、地方銀行よりも63万円程度高いです。

地方銀行の就職に関する将来性

地方銀行の現状としては、苦しい部分も多いですが、将来性がないわけではありません。業界内では現状を打破するための動きもさまざま起こっており、突破口が見つかる可能性も十分にあります。

また、2020年には東京オリンピックも控えており、オリンピックによる経済効果が地域経済の活性化を促す可能性もあります。地方銀行にもさまざまな将来性が残されていますので、どのような点が期待されているのかを知り、さらに理解を深めていきましょう。

統合による再編に期待

地方銀行は経営難に苦しむ企業も多く、業界内で再編の動きが強まっています。統合による再編は後ろ向きなものばかりではなく、収益拡大に向けた前向きな統合も多く、これが将来性握るカギと言えるでしょう。都市銀行と地方銀行の違いを比べた場合、もっとも大きいのは規模の違いであり、基本的には規模が大きいほど競争力は高く、何事も有利になりやすいです。

地方銀行ならではの地域に根ざした事業展開という強みに加え、規模の拡大という競争力も加われば、現状を打破できる可能性は十分にあります。統合が進んでいるため、どの銀行に就職するかが非常に重要であり、淘汰されない力のある銀行を選ぶことが大切です。業界内では今後もさらに統合、再編の動きが強まりますので、しっかり流れをチェックしておきましょう。

銀行業務以外の事業展開

地方銀行の将来性は、銀行業務以外への事業展開が握っており、いかに広範囲に収益の場を拡大できるかが生き残るポイントだと言えます。人口減少により、長期的な需要の減少は明らかであり、これは避けられるものではありません。

人口減少による需要の減少に対応するためには、別の観点からの需要や収益の拡大を目指すことが大切です。実際に人材仲介サービスや地方銀行ならではの地域性を活かした事業を展開する銀行は増えており、今後も拡大の動きは加速するでしょう。

銀行という枠内に縛られない事業拡大によって、収益の確保を考える企業は増えています。幅広い事業展開と銀行や地域の特色を活かした業務展開が、地方銀行の将来を分けるカギです。

地方銀行に就職する際に考えておきたいこと

地方銀行に就職するためには、考えておくべきことがたくさんあります。就職するには選考を受けなければならず、志望動機でいかに上手にアピールできるかが、選考を攻略するカギと言えるでしょう。

志望動機は単に地方銀行を志望したきっかけや理由を述べるだけではなく、さらに細部まで深堀りして仕事への熱意を伝えることが大切です。地方銀行に就職するためには、細かい部分まで理解を深めることが大切ですので、細部まで目を向けておきましょう。

その銀行ならではの特徴

ひとくちに銀行といっても、それぞれで違いはあり、特徴などが大きく異なることもあります。都市銀行、地方銀行、信用金庫など、種類による違いもありますが、それだけではなく同じ地方銀行でもさまざまな違いがあります。地方銀行の中でもなぜその銀行を志望するのか、その銀行にしかない魅力、就職するメリットは何かを考えておくことが大切です。

同じ地方銀行に就職する場合でも、就職先によっては魅力や就職メリットなどは異なり、働き方や環境なども違ってきます。地方銀行とまとめて考えるのではなく、それぞれの違いを正しく把握することが、就職への近道と言えます。より自分に合った銀行を見つけるためにも、志望先ならではの特徴を理解しておきましょう。

銀行周辺地域の特徴

地方銀行は地域に根ざした事業展開が特徴なので、銀行周辺地域ならではの特徴を把握しておくことも大切です。地域ならではの特徴を把握し、志望動機に組み込むことができれば、よりアピール力は高められるでしょう。地方銀行の志望動機では、地域への愛情や貢献などを含めることが大切であり、その地域のその銀行だからこそ働きたいとアピールすることが大切です。

もちろん、地方銀行は営利を目的としていますので、完全に地域貢献だけでは志望動機としては弱いですが、地域に対する気持ちの強さが重要になるのは確かです。銀行の特徴だけではなく、地域の特徴や魅力、強みなども知った上で志望先を選びましょう。

他の銀行との差別化

銀行と考えただけでも選択肢はたくさんあるので、他の銀行との差別化を考えることも大切です。銀行業界の中でもなぜその銀行なのか、他の銀行ではダメな理由は何かを明確にしておきましょう。その銀行ならではの特徴を考えることはもちろん、地方銀行ならではの特徴や性質なども踏まえて、志望動機に反映させることが大切です。

地方銀行でしかできないこと、地方銀行だからこそできることなど、限定性を意識すれば差別化を図りやすくなります。他の銀行でもいいと思われてしまうと、アピール力は一気に下がってしまいます。他の銀行ではなく、その地方銀行だからこそ志望したという気持ちが伝わるように、志望動機はしっかり深堀りしておきましょう。

地方銀行の志望動機を作成するポイント

地方銀行の志望動機を作成するポイント

ここからは、地方銀行の志望動機を作成する上でのポイントを見ていくことにしましょう。志望動機は履歴書やエントリーシート、面接などあらゆる場面で最重要視される項目の1つです。就活全体を通して採用側が得られる情報は限られており、その中でも志望動機は重要な位置づけを持っています。

志望動機が上手く書けるかどうかで就活の成否が大きく影響されるといえるでしょう。そのため、志望動機を書くに当たっては事前にポイントを押さえておくことがとても重要です。それでは魅力的な志望動機にするためのポイントを見ていきましょう。

なぜこの業界を選んだのか明確にする

まずは、なぜこの業界を選んだのかを明確に伝えましょう。地方銀行は金融業界に属しています。最初になぜ金融業界に就職しようと考えたのか、それを伝えていくことです。就活や社会人として仕事をする中では、結論から伝えることが基本です。最初の時点で明確に金融業界を目指した理由を伝えましょう。

金融業界を目指した理由の伝え方ですが、基本的には「金融業界の仕事を通して自分は○○したい」という形で伝えるのがよいでしょう。その上で、なぜそのように考えたのかといった背景を伝えるのがわかりやすいです。そのためには、事前の十分な自己分析と業界研究が欠かせません。業界の特徴を十分に踏まえた上で、自分が金融業界を目指すきっかけになったことを自分の言葉で具体的に書けば説得力が生まれます。

なぜこの地方銀行を選んだのかアピールする

もちろん、金融業界を選んだ理由だけを伝えるのでは不十分です、金融業界には銀行以外の会社はたくさんありますし、銀行だけでも国内に多数あります。その中でもなぜその地方銀行を志望するのか、その理由を明確にしなければ説得力は生まれないでしょう。

ここでも大事になってくるのは十分な自己分析と企業研究です。「なぜ○○銀行なのか?」と自問自答を繰り返し、理由を深掘りしていきましょう。企業研究では、その銀行ならではの特徴をつかむようにし、自己分析した内容と結びつけるようにすべきです。

自分が金融業界を志望する理由、その中でもその銀行を選んだ理由、そしてその銀行の特徴、これらが全てつながって初めて説得力のある志望動機となります。もし自分の書いた志望動機に違和感があれば、この観点で見直し、必要であれば再度自己分析、業界・企業研究を繰り返しおこなうのがよいでしょう。

地方銀行の志望動機例文

地方銀行についての知識を深めれば、実際に志望動機を作成していきましょう。志望動機の内容は人によってさまざまですが、地方銀行の場合は地元で就職する場合と地元以外で就職する場合の2つに分けられることが多いです。

地元で就職する場合は問題ありませんが、地元以外で就職する場合は、地域への愛情などを示すのが難しいです。それぞれの志望動機の違いをチェックしながら、イメージをさらに膨らませていきましょう。

地元の場合

私は地域の活性化を金融の立場からサポートすることで、生まれ育った地元に恩返しをしたいと考えています。貴行は地元企業への融資だけではなく、地域への企業誘致も積極的におこなっています。企業誘致に力を入れることで、地域のさらなる活性化を目指したいと考えています。
私は生まれてから大学までずっとこの地域で過ごし、地域の人たちと触れ合う中でコミュニケーション能力を身につけました。貴行ではコミュニケーション能力を活かして、地域の人たちに本当に求められるものは何かを引き出し、必要とされる企業の誘致に力を注ぎたいと考えています。

地元の場合の例文では、地域の活性化を金融の立場からサポートし、地元に恩返しをしたいと志望動機が語らています。地元への愛情と地方銀行を志望する理由が示されており、より明確なアピールができているでしょう。

さらにその銀行ならではの特徴を踏まえて志望動機に絡めることで、他の銀行を志望する理由とも差別化ができています。地元への気持ちを語るだけではなく、仕事でどのように活躍したいかも具体的に示されており、志望度や成長意欲の高さもアピールできています。

地元以外の場合

私は地域企業の活性化を目指すことで、地方経済のさらなる発展のサポートをしたいと考えています。貴行は他行に比べて地域企業への融資に積極的であり、実際に多くの企業の成功をサポートしてきたのが魅力だと感じています。
私は大学からこの地域に来ましたが、大学生活を通して地域の方々には大変お世話になり、地域の活性化を通じて恩返しをしたいと考えています。大学時代は課外活動で地域の方々と接し、地域の魅力を知りました。
現在ある地域の魅力と外から来た自分だからこそ分かる視点を組みわせ、本当に融資すべき企業を見つけて、地域と企業と銀行、3つの同時成長を目指したいと考えています。

地元以外場合の例文では、地域企業の活性化を目指し、地域経済発展のサポートがしたいと志望動機が語られています。地方銀行を志望する理由と後に続くアピールで、その銀行ならではの志望理由が語られており、差別化は図れています。

大学からこの地域に来たという点がポイントであり、地域との関係性を示すことで、地元以外で志望するというマイナス点を解消できているでしょう。地元以外の場合でも、地域との関係性を提示できれば、問題はありません。仕事への活かし方でも、外から来た自分だからこそと個性を活かしたアピールができており、これも評価されるポイントです。

地方銀行の将来性を見極めて就職しよう

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金融業界の中でも銀行は常に人気の就職先であり、毎年多くの学生が志望しています。銀行といってもさまざまな選択肢があるため、それぞれの違いを把握しておくことが大切です。地方銀行は、地域に根ざして事業展開していることが特徴であり、地域密着で仕事ができるのが魅力です。

地方銀行が抱える問題はさまざまありますが、将来性が全くないわけではなく、解決の道筋も見えています。もちろん、別の問題が降りかかる可能性もあるため、業界の情報には常に目を光らせておかなければなりません。就職先を決める上で、業界の将来性は非常に重要なポイントです。地方銀行について理解を深め、現状や将来性をしっかりと把握した上で、就職の選択肢として考えてみましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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