自己PR
【自己PRを短文で作成するには】作成時のポイントと例文を紹介
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目次
短文でないと履歴書やESの自己PR欄には収まらない
履歴書やESに書く自己PRは、自分を企業に売り込むための大切な項目のうちのひとつです。できるだけたくさん書いて、企業にしっかりとアピールしたいところですが、書ける量は限られています。特に、履歴書やESには学歴や住所など、他の情報も書き込むため、自己PRの欄は意外と小さいものです。
そのため、ボリュームのある自己PR文では欄内に収まりきらなくなってしまいます。記入欄の中に罫線がなければ、文字の大きさである程度調節はできます。しかし、あまりにも小さな文字では、面接官の読む気を削いでしまう危険性があります。こういった事情から、就活で自己PRを作成する際には、短くて100文字、長くても400文字程度の短文にまとめる必要性が生じてくるのです。
自己PRを短文でまとめる際のポイント
自己PRを作成する際、伝えたいことが多すぎて短くまとめられない、と悩む就活生も多いでしょう。短い文章では熱意や自分のよさを十分に伝えきれない、と感じる就活生もいるかもしれません。しかし、文章で大切なのは量より質です。
内容の薄い文章がだらだらと冗長に続くと、読んでいる方は疲れてしまいます。それよりも、簡潔で要点を絞った文章の方がメリハリがあり、より相手に伝わりやすくなります。そこで、自己PRを短文でまとめる際のポイントや効果的な伝え方をご紹介します。
結論ファーストで書く
自己PRなどの文章を書く際に「私が高校2年生の頃、~」と、物語のように書き始める人がいますが、それはNGです。このように結論を後回しにした書き方だと、最後の結論にたどり着く前に、読み手は疲れてしまいます。話の方向性が見えないまま「結局何をいいたいのだろう?」と思いながら読むのは意外と疲れてしまうものです。
自己PRなどの文章を作るときは基本的に「結論ファースト」を心がけましょう。はじめに「私の強みは○○なところです。」のように一文でいいきることで、読み手にも話の方向性が明確に伝わります。そして、その後に「いつ、どのような状況で、何をした」といった具体的なエピソードを交えて、より説得力のある自己PR文にしていくとよいでしょう。
下書きをして不要な部分を削っていく
はじめから要点を押さえた自己PRの短文を作るのは、なかなか難しいものです。伝えたいことを頭の中でまとめながら文章を作成するのは、案外時間がかかってしまいます。そこで、まずは文字数に囚われずに、自分に書ける長さで自己PR文を作成してみましょう。
その後で、必要な文字数に収まるように、書き換えたり削ったりして要約していきます。こうすることで、文章全体の見直しができますし、まとめ方を考えながら書くよりも、効率よく自己PRの短文が作れます。
どうしても文字数が大きくオーバーしてしまう場合は、要素を詰め込みすぎているのかも知れません。強みやエピソードを複数盛り込んでいる場合は、思い切ってメインをひとつに絞って書きましょう。
違う言い回しや同義語を活用する
「昨日は夕方に強い雨が降ったために、駅が人でごった返していた」(29文字)
「昨日は夕立のため、駅が大混雑していた」(18文字)
「あと数文字が減らせない」「一文が長くて読みづらい」と悩む方は、違う言い回しや同義語を活用しましょう。手持ちの国語辞典や電子辞書を使う、あるいはインターネットで検索をすれば、類語や同義語などは簡単に見つかります。こういった言葉を使えば、文章をより短く簡潔にまとめることができます。
例えば、「夕方の強い雨」は「夕立」、「人でごった返す」は「大混雑」と言い換えられます。さらに、雨や夕立は降るものなので、この場合は「降った」を省略しても意味は伝わります。このように、同義語などを駆使して上手に自己PRを要約しましょう。
仕事に活かせるアピールをする
自己PRを作成する際は、自分がその企業で働く姿を面接官に想像させるつもりで書きましょう。例えば、水泳が得意、映画鑑賞が趣味、といった特技や趣味の披露だけでは、内定には繋がりません。就活の自己PRなのですから、仕事に活かせるアピールをしましょう。
特技や趣味から派生させると、「水泳が得意」の裏側にある「水泳を10年続けた継続力と忍耐力」や、「映画鑑賞」から「洋画も字幕なしで見られる英語力」のように繋げられます。このように、「仕事に活かせる能力」に結び付けられるアピールをしましょう。
最終的に、この強みを活かしてこんな社員になりたい、企業にこんな形で貢献していきたい、といった結びにすると、より説得力と訴求力のある自己PRになります。
短文の自己PRにおすすめの構成
自己PRを短文で効果的に伝えるためには、分かりやすい文章の構成を覚えておくと便利です。構成パターンを知っておくと、短い文章の中でも伝えたいポイントをしっかり表現できるようになります。
また、読みやすい文章は担当者にも内容がすぐに理解できます。ここでは短文の自己PRに使えるおすすめのPREP法、PDCAという2つの構成パターンをご紹介します。覚えておくと様々な場面で使えますので、ぜひ活用してみてください。
PREP法を使う
PREP法は「Point(要点)・Reason(理由)・Example(例文)・Point(要点)」のそれぞれの頭文字をとったものです。この流れに沿って文章を作成していくと、短文でも効果的な自己PRが可能です。ビジネス文書やプレゼンテーションでもよく使われる構成パターンですので、覚えておくと便利でしょう。要点が伝わりやすく、説得力がある文章にすることができるといわれています。
具体的には、まず要点(結論)を述べます。それから、なぜそうなのかという理由を説明します。そして、これまでの経験などから具体的なエピソードを加えさらに分かりやすくしていきます。最後にもう一度要点を述べましょう。一番伝えたいことを繰り返すことで、印象に残りやすくなります。
PDCAを使う
PDCAは「PDCAサイクル」とも呼ばれ、ビジネスシーンでもよく使われるパターンです。元々は生産管理や品質管理の現場で使われてきた言葉ですが、PDCAを繰り返しおこなうことで仕事を効率的に進めることが可能になります。また、このパターンに当てはめ文章を構成すると、分かりやすい自己PR文が作成できます。
文章を作成する時には、「Plan(計画)・Do(実行)・Check(測定・評価)・Action(改善)」の構成で考えてみましょう。まず最初にしようと思ったこと(計画)、次に実際におこなったこと(実行)、そこで何があったのか(測定・評価)、問題があったら解決するために何をしたのか(改善)の順で考えていきます。PDCAを構成に使うと短文でも具体的な自己PRができあがります。
自己PRの例文・NG例文
自己PRを短文でまとめる際のポイントは、わかったでしょうか。これらのポイントさえしっかりと押さえておけば、自己PRでアピールしたいことを、より的確に採用担当者に伝えることができるでしょう。
ではここで、自己PRの例文と、NG例文とをご紹介していきます。良い点は見本として取り入れ、悪い点は反面教師として参考にし、同じようなミスをしないように気を付けましょう。例を参考にしながら、きちんと自分の言葉で文章を作るようにしてください。
例文① :行動力がある
私の強みは、気づいた問題点をすぐに解決に導く行動力です。それが発揮されたのはアルバイト先のパン屋でした。そこでは店員がパンの種類と値段を暗記し、レジではその都度、値段と個数を入力する方法が取られていました。しかし、このやり方ではシフトの少ない人や新人は中々戦力になれず、1日5件は入力間違いが起こっていました。
そこで、パンの料金表を作成し、間違えやすいパンの見分け方も併記して、レジ横の壁に貼りました。その結果、入力間違いは1週間に1~2件ほどにまで減り、店長からは行動力を見込んでバイトリーダーを任されるようになりました。御社でも、この行動力を活かして、顧客のニーズに素早く対応できる営業になりたいと考えております。
自分の強みが何かをはじめに述べ、それがどこで活かされたか、どんな問題に対してどう行動し、その結果どうなったかが、具体的かつ簡潔にまとめられています。特に「1日5件」「1週間に1~2件」と具体的な数字を出すことで、成果の具体性が増しています。
例文②:コツコツと努力できる
私の強みは、コツコツと努力し続けられることです。将来は海外でも活躍できる人材になりたいと考え、大学で専攻していた機械工学の他に、独学で英語能力の向上に努めました。
具体的には、単語・文章読解・リスニングをローテーションで毎日2時間ずつ、時には英語の本や洋画・洋楽鑑賞なども交えながら勉強しました。知識だけでなく実際に英語を話すことも必要だと考え、海外からの留学生や外国人講師と英語で会話し、時には発音や言い回しの間違いを指摘してもらいました。
これを2年間継続した結果、TOEICで910点を取得できました。この経験を活かし、海外支社の多い御社で、パイプ役の営業事務として、日々精進していきたいと考えています。
この自己PRでは、「努力を続けるところ」と「英語能力」とを合わせてアピールできています。それだけでなく、努力の方法が多岐に渡り、思考の柔軟さなども伝わってきます。「課題を解決した実績」がなくとも、「努力の過程と到達点」で十分な自己PRになっているといえるでしょう。
NG例文①
私の強みは、リーダーシップがあるところです。私は吹奏楽部でトランペットのパートリーダーを任され、パートメンバーの技術向上に努めなければと考えました。そこで、他のパートの練習法を取り入れたり、パートメンバー達と納得いくまで話し合いをしたりして、パート一丸となって練習に取り組みました。その結果、全国大会で金賞を受賞し、大きな自信に繋がりました。
このリーダーシップを活かして、御社ではプロジェクトをけん引できるようなリーダーになっていきたいと考えています。
重要な「リーダーシップを発揮したポイント」が不明瞭で、このままでは「大したことはしていないのでは?」という印象が残ります。どんな練習法を取り入れたのか、話し合いではどんなことに気を配ったのかなど、実際に何をしたのかを具体的に書くようにしましょう。
NG例文②
私の強みは、何事にも実直に取り組む責任感です。私は大学4年間の授業に無遅刻無欠席で出席し、課題やレポートの提出も必ず期限に遅れることなく提出し、週3日のアルバイトにも休むことなく出勤し、時には他のスタッフの急なシフト変更の穴埋めにも率先して入るようにしていました。そんな実直さを見込んでか、店長からバイトリーダーを任され、教授からは授業の助手として手伝いを依頼されることも多々あり、実直に取り組む姿勢は、必ず誰かに評価されるのだと感じました。
この実直に取り組む責任感を活かし、クライアントから信頼される営業になりたいと考えております。
まず、エピソードの一文一文が長く、非常に読みづらいです。文章を適度に区切り、一文は長くても70文字程度に収めるようにしましょう。また、「無遅刻無欠席」や「期限内の提出」は社会人にとっては当たり前です。体調管理に気を遣って○○をした、期限内に提出するためにスケジュール管理を徹底した、など、人とは違う努力や工夫をしたエピソードを盛り込むようにしましょう。
主張したい内容を絞って短文の自己PRを作成しよう
就活の自己PRでは、伝えたいことが沢山あるでしょう。しかし、それを全て書き切るには、履歴書やESの自己PR欄は小さく、まとめるのに苦労するかもしれません。
それをまとめるのに必要なのが、要約する力です。純粋な文章力、表現力、そして時には言い回しを工夫する語彙力など、総合すると「国語力」が必要となります。これは社会人になってからの書類作成やチーム内での報告をする際にも必要な能力のひとつです。今の内から訓練しておいても損はありません。
まずは長くてもいいので自分の伝えたいことを書き出し、そこから必要な情報に絞っていきましょう。そうやって、要点が伝わる短文にブラッシュアップしていき、自己PRを完成させましょう。