内定について

【就活の内定率とは】2020卒と2019卒の内定者の割合

就活で知っておきたい内定率

近年、就活は売り手市場といわれています。少子化、人口不足が加速し、企業では人材が足りないという状況も多くなっています。実際に就活を希望していた人が、どのくらいの割合で内定をもらったのかは、内定率でみることが可能です。

毎年、さまざまな機関が内定率を公開しています。文部科学省と厚生労働省では「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」と呼ばれるデータを発表しています。また、大手就活ナビサイトや各大学でも独自に調査をおこない、内定率を発表しています。

就活の際に気になる内定率ですが、そもそもどのような数値なのでしょうか。ここでは、就活の際に知っておきたい内定率についてのポイントを解説していきます。数値をみる時の注意点も、合わせてお伝えします。

就活の内定率とは

就活の内定率という言葉はよく目にしますが、どのような方法で計算されているのかは、あまり知られていません。一般的に内定率は「内定をもらった人数÷就職希望者」で表されています。

しかし、対象人数や大学、どんな学部の学生のデータなのかによっても、数値に大きな差が出てきます。この計算式にある「就職希望者」の中には、進学する学生や留年する人、就職のために浪人を決めた人などは入っていません。

企業への就職を希望していても、就活の途中で諦めてしまった人は、内定率の対象にはならないのです。そのため、採用情報が解禁となる時期と、卒業時期では就職希望者の数も変わってくるということになります。内定率を見る時には、このような点にも注意してみましょう。

5月には50%を超える

就職活動では、会社説明会などがおこなわれるのが3月、面接などの本格的な選考試験が開始するのは6月頃といわれていました。しかし、近年は内定を早める企業も増えてきていて、5月1日時点で、内定率が50%を超えているというデータもあります。

5月の連休前に内定を出す企業もあり、今後も内定の時期はますます早まっていくと予測されています。これは、早い時期に内定を出して新卒者を確保することで、優秀な人材が他の企業へ入社してしまうのを防ぐ目的もあります。

多くの業界で人手不足が進み、早いうちから学生に対してアプローチをする企業も増加しています。内定を早くもらえることは就活生にとってメリットともいえますが、就職活動期間が短期化するために、スケジュールがタイトになるというデメリットもあります。

9月1日時点では90%以上

5月1日時点で50%を達していた内定率ですが、9月1日時点ではさらに増え、90%以上になっています。以前は10月以降に内定を出すことが一般的でしたが、就職活動に対する考え方も大きく変わっているといえます。

業界によっても時期は異なり、IT業界では7月までに、銀行や生命保険などの金融業界では6月までに内定を出す傾向があります。外資系やベンチャー企業などは、経団連に加盟していないことも多く、独自の採用スケジュールを立てています。そのため、一般的な採用時期より早い内定を出すと考えられます。

日系大手企業が加盟している経団連では「3月1日広報活動開始・6月1日選考活動開始」という方針を表明しているため、企業によって内定時期に大きな差があります。

早期に内定を出す企業が増えている

近年は人手不足の影響で、就活生にとって有利な「売り手市場」が続いているといわれています。採用選考も早期化し、早い時期に内定を出す企業が増えてきている状況です。経団連では、内定を10月1日に解禁するという指針を発表していますが、業界や企業によっては4月や5月にも内定を出しています。

早期の内定を出す企業が増えている一方で、内定を辞退する就活生の増加が問題となっています。内定の取得が早くなるほど、辞退者の数も多くなると考えられています。企業側は、優秀な人材を確保したいために内定を早期化するという狙いがありますが、その分就活生が内定後に、他の企業に応募するチャンスも広がってしまうことになります。

2021年卒の5月時点の内定率は45.7%

2021年卒の5月時点の就職内定率は、45.7%となっています。これは、2020年卒と比較すると5.7ポイント低く、現在の採用スケジュールとなった17年卒以降で初めて前年同月を下回りました。この調査はインターネットによるもので、2020年5月1日~5月7日の間におこなわれました。対象となったのは大学生1,080人、大学院生413人です。

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の影響で、オンライン面接などインターネットを利用した面接を受けた人が増え、面接のスタイルが変化したことが分かります。企業の採用活動も例年通りに進まず、さまざまな制限があったため、選考のスピードが鈍くなったといえます。

2020年卒の6月時点の内定率は74.4

日経新聞によると、2020年卒の6月時点の内定率は74.4%となっています。経団連の指針に従っている企業なら、面接が解禁となるのは6月です。しかし、実際には6月以前の時点で、すでに7割を超える学生が内定を獲得しています。

このことから、いかに素早く行動しなければならないかが分かり、6月から本腰を入れるのでは間に合わないことが理解できるでしょう。就活の情報解禁は3月ですが、実際にはこの時点から順次選考を始める企業も少なくありません。

また、外資系などは前年の10月ごろから選考を開始していることが多く、志望先によってはさらに早く行動する必要があります。6月時点で絶対に内定を取っておかなければならないわけではありませんが、早めに行動しておいたほうがよいことは覚えておきましょう。

2020年卒の10月時点の内定率は93.8%

就職プロセス調査によると、2020年卒の10月時点の内定率は93.8%です。内定式がおこなわれる10月時点では、ほぼすべての学生が内定を獲得している計算といえます。10月時点で選考がすべて終了するわけではありませんが、この時点で内定を獲得している人は多いため、できるだけ内定を獲得しておきたい時期です。

もちろん、10月時点で内定が1社もないからといって、諦める必要はありません。10月以降に内定辞退者が出て採用活動を再開したり、そもそも採用予定の人数に達していないために選考を続けている企業はまだ数多くあります。企業によっては4月1日ぎりぎりまで選考をおこなっていることもあるため、最後まで諦めずに就活を続けることが大切です。

内定後も就職活動を続ける学生が多い

内定を獲得したからといってそこで就活が終了するわけではなく、内定獲得後も精力的に就活をおこなう学生は少なくありません。人によって事情は違いますが、よりよい企業への就職を目指して就活を続行するケースが多いことは確かでしょう。

少しでも多くの内定を獲得し、豊富な選択肢から就職先を選びたいと考える人や、第一志望に落ちたものの、秋や冬採用を目指して選考に臨む学生も多いです。内定を承諾したり、内定式に出席したりしたからといって、その企業に絶対就職しなければならないわけではありません。就職の2週間前までなら内定辞退は可能であるため、ぎりぎりまで粘る人もいます。

就活にはいつまでという明確な期限がないため、納得できるまで続けることが大切です。

2019年卒の卒業時点内定率は95.9%

就職みらい研究所のおこなった調査では、2019年卒の卒業時期における内定率は95.9%となっています。こちらは2018年卒と同じ水準でした。内定を取得しているのは「第一志望の企業」が最も多いとの結果も出ています。

この調査を見ると、就職を希望していた就活生のほとんどが内定を取得したことが分かります。このまま人手不足で売り手市場が続いていけば、内定率も高い水準のまま推移していくと考えられます。

就活生にとっては、内定を取得しやすい状況になっているといえます。一方で企業側は、今後も人材確保に力を入れて、就活生へ効果的にアピールしていく必要があります。現在の採用スケジュールも、この先就活活動の状況や環境に合わせて変更する可能性もあるため、こまめに情報をチェックするようにしましょう。

2019卒文系は91.7%・理系は93.1%

厚生労働省の調査によると2019年卒の学生では、文系の内定率が91.7%、理系の内定率が93.1%となっていました。文系・理系ともに、前年の同じ時期と比較すると0.7ポイント上昇しています。一般的には、文系は理系よりも就職が難しいといわれていますが、内定率に大きな差はなく、前年度よりも上昇していることが分かります。

早い時期に内定を取得するのは理系の学生が多い傾向にありますが、最終的な数値を見ると一概に文系だから、理系だからとはいえないでしょう。理系の就活生は、所属している学部の研究内容と志望企業の仕事内容が関連しているという傾向がみられます。

一方、文系では幅広い業界・企業を志望先としています。理系・文系それぞれ就職活動の特徴が異なると理解しておきましょう。

2019年卒男性は91.4%・女性は92.6%

2019年卒男女別の内定率を見ると、男性は91.4%、女性は92.6%となっています。こちらも男女ともに前年度に比べて上昇しています。調査では、国立大学よりも私立大学において女性の内定率が高いとされています。男女の内定率にそれほど大きな差はありませんでした。

昔は女性が就職に不利だといわれていた時代もありましたが、近年は女性の内定率も上昇してきています。企業が求める人材も多様化し、様々な側面から応募者の可能性を評価しています。

なかには、女性を積極的に採用する企業もあります。志望する企業で、どのような人材が活躍しているのか、事前に調べておくと就職活動にも役立ちます。企業研究の際にも、確認しておきましょう。

2019年卒地域別内定率は関東地方が最も高く93.7%

地域別の内定率を見てみると、関東地方の内定率が最も高く、93.7%となっています。これは前年の同じ時期と比べると、1.3ポイント上昇しています。関東地方では企業の数が多いために、内定率も高い傾向にあります。

しかし、上昇率を見るとその他の地方が高くなっています。関東地区の他には、近畿地区、中部地区、北海道・東北地区、中国・四国地区、九州地区の順となりました。内定率の最も高い関東地区と、最も低い九州地区を比較すると10ポイントの差があります。

大学の場所や企業の拠点によっても内定率に差があることがよく分かります。応募者が集まらない中小企業が、地方の大学から積極的に採用をおこなう動きもあります。

内定率は上昇傾向にある

内定率は年々上昇傾向になっています。学部別、男女別、地方別のデータをみると、いずれも前年よりも数値がアップしています。2011年はリーマンショックの影響から、3月の卒業時点での内定率が低く、70%未満となっていました。

しかし、それ以降は内定率は年々上昇しています。就活生にとっては、売り手市場はメリットが大きいといえますが、企業は人手不足が進み苦しい状況が続いています。また、一定の業界・企業ばかりに応募者が偏ってしまい、倍率の差が激しくなっているという現状もあります。

売り手市場では内定を取得しやすいといわれていますが、金融業やサービス・情報業など人気の職種では応募者が多く、以前と変わらず狭き門となっています。

ただし2021年は新型コロナウィルスの影響で低下している

近年、増加傾向にあった就職内定率ですが、2021年卒の就活は新型コロナウイルス感染症の影響を直接受け、前年より低くなりました。2~4月の3ヶ月間は前年を上回るペースでしたが、感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されてから、企業の採用活動は鈍化を余儀なくされました。

早い時期から積極的に就職活動をおこなっていた学生と、そうでない学生には内定率に大きな差が出たといえます。多くの人が集まる説明会やセミナー、対面で受ける面接を取りやめ、Webでのやり取りに移行した企業が増加しました。

説明会などの就活イベントの中止が影響している

例年4~5月には、企業説明会やセミナー、合同説明会が全国各地で開催され、多くの就活生が集まります。しかし、2021年卒の学生を対象にした大規模な就活イベントのほとんどは、コロナウイルスの感染拡大防止のために中止となりました。

企業の説明会やセミナーに参加した人は、20年卒と比べると半数以下に減っているようです。また、同じく対面で面接などの選考を受けた人も前年より大幅に減っています。志望企業と直接話ができる貴重な機会となる説明会やセミナーの中止は、就職内定率にも大きく関わっています。

Web上で開催されるセミナーや面接が増加している

2021年卒は、対面式の説明会やセミナー、面接などの中止に伴いインターネットを利用した活動が増加しました。Web上でおこなわれた企業の説明会やセミナーに参加した人は多いようです。

コロナウイルス感染症の緊急事態宣言中は、大人数の集まりや対面での会話は極力控えるという企業が多く、例年通りの採用活動はおこなえないと判断しオンラインに切り替える傾向がみられました。しかし、採用活動はオンライン上で進めることはできても、採用担当者が一度も会わないまま内定を出すのは難しいと考える企業もあり、内定率は低い推移となっています。

内定率を上げるためのポイント

これまで2019年卒のデータを中心に内定率をみてきました。全体の傾向として、内定率は年々上昇していることが分かりましたが、個人の内定率を上げるためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

内定率が高い売り手市場といわれていますが、内定を取得できないとプレッシャーを感じることになります。データをみることも大切ですが、まずは自分自身が内定を取得できるように、就職活動を進めていきましょう。ここでは、内定率を上げるためのポイントを紹介していきます。

自分の軸をしっかりと持つ

時期によっては、周りが内定をもらっているからと焦ってしまうこともありますが、自分自身の希望をはっきりと持つようにしましょう。すでに紹介した通り、9月の段階ではほとんどの就活生が内定を取得しています。

しかし、早く内定が欲しいからと企業選びの基準を崩してしまうと、自分が本当に希望している企業ではなく、「内定をくれる企業」を選ぶようになってしまいます。入社後にこんなはずではなかった、というミスマッチを引き起こす可能性もあります。

また、そのような企業と面接をおこなっても、担当者には志望度の低さが分かってしまい、内定をもらえず不合格になってしまうことも考えられます。自分の軸をしっかりと持ち、どのような企業でどんなことがしたいのかを、もう一度確認しておきましょう。

視野を広げて就活をおこなう

希望の職種や条件、待遇などはしっかりと決めておかなければなりませんが、内定を取得するためには、視野を広げていくことも大切です。職種はひとつにこだわらず、幅をもって検討してみましょう。

待遇面についても、初任給だけをみるのではなく、成果報酬や賞与、残業代や昇給のペース、福利厚生などを確認して総合的に考えるのがおすすめです。特に総合職は、応募者の適性によって配置が決まることが多いため、自分の希望する職種に就ける可能性もあります。

勤務地については、転勤の有無を確認しておくとよいでしょう。特定の地域だけに絞り込むのではなく、条件を事前に調べてみてください。また、大手企業だけに絞らず、中小企業も視野に入れてみましょう。あまり知られていなくても、優良企業といわれているところはたくさんあります。

情報に振り回されないようにする

就職活動をおこなう際には、情報収集が大切になります。最近では、情報を集めるのにSNSを利用する人も多いでしょう。しかし、企業の評判や信憑性に欠ける書き込みも多いのが現状です。

自由に発言できるインターネット上には、事実もありますが嘘の情報もたくさんあります。どの情報が正しいのか判断するのは、非常に難しいはずです。就職活動中にSNSなどを見る時には、参考程度にするのが無難でしょう。

調べる時には、企業の公式ホームページなど信頼できるものをみることが大切です。疑問に感じた点をどうしても確認しておきたいなら、企業へ直接問い合わせる方法もあります。知りたいことは、きちんと調べて情報に振り回されないように注意しましょう。

効率よく就活を進める

就職活動中はやるべきことも多く、期間も限られているため忙しいスケジュールになります。志望先を絞り込む、会社説明会への参加、エントリーシートの提出、選考試験などスムーズに進めていく必要があります。

ひとつの企業に対してじっくりと時間をかけ過ぎると、残りの時間が足りなくなってしまうでしょう。複数の企業に同時に取り組み、効率よく就職活動を進めていくことが大切です。履歴書は多めに用意しておく、自己PRや志望動機はパターン化していくつかの文章を準備しておく、などを心掛けましょう。

内定が早期化しているからこそ、限られた時間を有効に使うための工夫が必要です。早めに準備を始め、無理なく取り組めるようにスケジュールを調整してみてください。

その企業でなければならないことを面接でアピールする

選考の大きなポイントとなる志望動機では、ほかの企業ではなく、その企業でなければならない理由をアピールして、入社への熱意を伝えましょう。面接で話すのは、採用担当者が納得できるような内容でなければなりません。

志望する理由を述べても、実は業界全体に当てはまることだったり、ほかの企業にも通用する内容だったりすると説得力はありません。もう一度、志望動機を見直してその企業でなければならない理由となっているか確認してみましょう。

担当者から「ほかの企業でもいいのでは」と思われないように、その企業だけに当てはまる志望動機を伝えるように心がけてみてください。企業の特徴や商品、社風、企業独自の制度など、その企業にしかない魅力をみつけましょう。

内定率を参考にして就活を進めよう

近年の内定率を見ると、年々上昇傾向になっていました。文系・理系別、男女別、地域別の調査でも、すべての数値が前年よりも増えていることが分かりました。

人手不足の業界も多く、就活は売り手市場といわれています。また、企業が人材を確保するために早期に内定を出すことも多くなっています。そのため就活が始まってから早い段階で内定率が高くなり、9月1日時点で90%を超えるという調査結果もありました。

しかし、業界や企業の規模によっても、内定率は大きく異なります。データを知ることは有益ですが、情報に振り回されないように注意が必要です。これまでの内定率を参考にして、就職活動を効率よく進めていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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