面接対策

集団面接での入室・退室マナー【手順ごとに徹底解説】

集団面接で慌てないために入退室マナーを徹底解説

個人面接は自分と面接官の一対一ですが、集団面接になると他の就活生と肩を並べて面接を受けることになります。これが何を意味するかというと、その場で身だしなみやマナーなどを比較されてしまうのです。

マナーを身に付けておくには、事前に対策しておく必要があります。マナー面で他の就活生と差をつけられてしまってはもったいないです。この記事では、集団面接を控えた就活生に向けて入退室のマナーを詳しくご紹介していきます。

集団面接の入室は第一印象に影響を与える

集団面接において、重要視されているのは他の就活生との回答の違いや、回答時間の短さだと思っている就活生がよくいます。確かにこれらも大事ですが、第一印象に影響を与える入室の仕方が大きく影響します。なぜなら、第一印象は5秒で決まると言われているからです。

入室した時の服装や姿勢、第一声で面接官は第一印象を決めてしまいます。人は見た目を重視するという研究結果もありますので、面接の受答えより入室は重要と言えます。しかし、入退室は練習すれば上手くなりますし、姿勢や声のトーンも練習でカバーすることもできますのでしっかり練習しましょう。この記事ではその後の行動について解説します。

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面接の時に一番手で入室する場合の手順とマナー

集団面接での入室の流れは、一番手の人とそれ以降の人とで少し違ってきます。そこで、まず、一番手の人の手順とマナーからお話ししましょう。

入室を促されたら、ドアを軽く3回ノックし、「どうぞ」と言われてから「失礼します」と応え、ドアを静かに開けます。これは、集団面接・個別面接共通の手順です。集団面接でのポイントはそのあとです。

①3回ノックして入室・一礼

まず先頭の人がノックを「3回」行います。2回か3回かで意見が分かれていますが、国際基準では「2回はトイレのとき」とされています。3回が無難でしょう。ノックした後はすぐに入室するのではなく、面接官からの「どうぞ」や「お入りください」の声がかかってから入るようにしましょう。

ドアは、後続の人のために開けたままにします。入室後は元気な明るい声で「失礼します」と言い、一礼します。緊張からか挨拶と一礼を同時にしてしまう人が多いですが、社会人のマナーとしてはふさわしくありません。「失礼します」と一礼は分けておこなうようにしましょう。

ひとつひとつの動作を意識して丁寧におこなうことで、第一印象が良くなり、その後も落ち着いて面接に臨めます。

②全員入室し声が掛けられたら着席

入室した後はすぐには座らず、椅子の右側にカバンを置き、椅子の左側で立ったまま待機します。「お座りください」と声がかかったら、「失礼します」と言い、15度程度の軽い会釈をしてから着席します。ここでも「失礼します」と会釈は同時におこなってはいけません。

深く腰掛けずにゆっくり着席しましょう。男性は軽く作った握りこぶしを太ももの上に置きます。女性は手を重ねるようにして、太ももに置き、足は揃えます。背もたれと背中は少しスペースを開けるように座ります。背筋を伸ばし、姿勢よく座ることを心がけましょう。

もちろんこの一連の動作でも笑顔をわすれてはいけません。入室から着席までは特に緊張するところです。普段の落ち着きを取り戻すため、ここでもひとつひとつの行動を意識して丁寧にしていきましょう。

③着席した後はカバンをイスと平行に置く

入室したら順番に席に向かいます。基本的には、入ってきた扉に近い側のイスの横に立ち、面接官の合図があってから着席するのが一般的な流れになってます。入室の練習をした就活生ならここまでの流れは知っていますが、面接当日はカバンも持っていますし寒い時期ならコートも着ています。

面接練習でここまで練習をしたことのない就活生は迷ってしまうでしょう。ですが、実は簡単なのです。カバンは自分の立っていた場所におけば、他の就活生とかぶることはありません。面接官は正面にいますので、イスの脚と平行になるようにおけば大丈夫です。イスの脚と斜めに置かれるとあまり印象がよくありません。

④コートはたたんでカバンの上に置く

寒い時期の就職活動ではコートも着ていくと思われます。入室後にコートを椅子にかけるのはNGです。また、コートは事前に脱いでおく必要があります。面接会場に着いた時点で脱いでおきましょう。面接会場に控え室や荷物を預かってくれる係の人がいない限り、当日の面接ではコートを持ちながらの入室になります。

入室してカバンを置いた後に、カバンの上にしっかりたたんで置きましょう。乱雑に置かず丁寧に扱うことが大切です。

集団面接で入る順番が二番手以降の場合

次に、集団面接で二番手以降に入室する際の流れを見ていきましょう。ポイントは前の人からのドアノブの引継ぎです。引いて開けるタイプのドアか、押すタイプのドアかによって異なって来ます。要は、前の人の動きをしっかり見ながら対応すること。

前の人からドアノブを譲られたら、やはり穏やかな表情で目礼し、それを引き継ぐようにしましょう。この「目礼をしあう」という動作が、お互いの人間的な思いやりの表現になるのです。そのあとは、最初の人を同様に入室。「失礼します」とあいさつし、面接官に一礼します。

最後にドアを閉めたら直立し深く一礼する

最後の人には「ドアを閉める」という動作が加わります。ドアを静かにしめたら、ドアの前に直立し、深めに一礼しましょう。つまり、集団面接の場合はドアノブをリレーのように引き継いでいくところが、流れの一番のポイントとなり、またマナーの良しあしがはっきりわかる動作にもなるわけです。

集団面接では他の就活生が受け答えしている時も注意が必要

集団面接では他の人が受け答えしている時も気を緩めてはいけません。面接官は傾聴力、協調性、空気を読む力、も見ているからです。ボーっとしていたり、自分の回答を考え過ぎて、人の話を聞いていないと低評価に繋がります。

人の話を聞く能力は社会人には欠かせないスキルです。協調性を大事にする日本企業では発言内容より、聞く姿勢や空気を読む力が大事と言っても過言ではありません。聞く姿勢を見られるのは集団面接の特徴です。しっかり練習しておきましょう。

耳を傾けうなずきやリアクションをする

少し口角を上げながら発言者の方に顔を向け、話に合わせてうなずきを入れていきます。また協調性や空気を読む力をアピールするには、話し手のテンションに合わせながらリアクションをする必要があります。話し手が笑えば、同じように笑い、話し手が深刻になれば、真面目な顔を作りましょう。

皆が笑っているのに、一人だけしかめっ面をしていたら、話しを聞いていなかったのかとも思われる可能性があります。しかし、ここで気をつけて欲しいのが、あまり大げさにリアクションをしないことです。ワザとらしさはマイナス評価につながる恐れがあります。面接中は楽しい雰囲気に包まれることも多いですが、笑うときはあまり大きな声を出さずに笑います。面接中ということを念頭に置いて、控えめなリアクションを心がけましょう。

逆質問のときは積極的に質問していく

集団面接に限らず、逆質問は自分はどれだけ企業研究をしてきたか、をアピールする絶好の場です。黙っているメリットは全くないので、積極的に質問していきましょう。しかし、ここでも周りへの気配りが大事になってきます。集団面接は質問時間が限られているので、一人でも多く質問ができるよう、自分の質問はあまり長過ぎず、わかりやすく簡潔にまとめましょう。

また自分だけが関係する質問よりも、皆が知りたがっている質問や、皆が聞きにくい質問を積極的にすると「思いやりがある」と好評価につながるかもしれません。少々勇気がいる行動ですが、面接が終わった後は他の就活生からも一目置かれる存在になるでしょう。自分のアピールを積極的にしていくのはもちろん必要ですが、他の就活生への気配りや配慮も忘れないように心がけましょう。

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集団面接の退室マナー

面接官からの「以上になります」で質疑応答は終わりですが、面接が終わったわけではありません。退室の仕方も評価の一部です。去り際の印象は強く頭に残ります。最後が良くないと、その日いくらうまく回答できたとしてもマイナスの評価が付いてしまいます。

特に面接が楽しい雰囲気になったり、うまく回答できた時は浮かれてしまい気が緩みがちです。そういうときこそ注意が必要です。入室した時の緊張感を再び取り戻し、最後の瞬間まで気を抜かないようにしましょう。

①起立し一言述べてドアに向かう

面接官の終わりの合図で、荷物は置いたまま席を立ちます。背筋を伸ばし「本日はありがとうございました」と言った後、一礼をします。ここでも挨拶と一礼は分けておこないます。挨拶の言葉と一礼のタイミングは他の就活生と合わせてください。いくら面接に満足していなくても、無理して自己アピールなどはしないほうがいいです。「協調性がない」「往生際が悪い」と確実にマイナス評価になります。

入り口に一番近い人からドアに向かいます。ここで先頭の人は後ろが続いているので「早くしなければ迷惑がかかる」と焦ってしまいがちです。最後の最後にアタフタした姿を見せないように注意しましょう。丁寧に動けば、焦ることはなく、迷惑をかけることもありません。

②ドアを出る時点でもう一度お礼を述べる

ドアの前まで来たら、元気な明るい声で「失礼します」と言い、一礼します。挨拶と一礼は別々にします。もし面接内容に満足していなくても、最後は意識して特に明るく挨拶をしましょう。先頭の人は外に出たら、後続の人のためにドアは開けたままにします。最後の人はゆっくり音をあまり立てずに、両手でドアを閉めましょう。

部屋の外に出ても気を緩めないように。社員の人は面接以外の所でも就活生のふるまいをしっかり見ています。部屋の外に出た瞬間、ため息をついたり、おしゃべりをしたりするのは禁物です。会社内はもちろんですが、もしかしたら最寄駅にも社員の方がいるかもしれません。「常に誰かから見られている」という意識を持ち、社会人らしい立派なふるまいを心がけましょう。

集団面接で入室する時のNGな行動3つ

最後に、集団面接での入室の際に注意すべきマナー違反、NG例を紹介しておきます。

①後ろに人がいるのにドアを閉める

自分が先に入り、後の人はお構いなしにドアを閉めてしまうなど、ふだんはまずしないマナー違反です。しかし、集団面接という特殊なシーンでは、極度の緊張のためにそんな大失敗をする人が、実際にいるのです。

②入室を譲り合ってドアの外でもたもたする

これは集団面接ならではの失敗例です。一番手を譲り合ったり、先頭の人がドアを開けて次の人に「お先にどうぞ」と譲り、次の人が「いえいえ、あなたがお先に」というように譲り合ったりするのはNGです。集団面接では、そのグループ全員が不採用になるというケースが少なくありません。そうしたもたもたした行動が「全員NG」ということにもなりかねないのです。

③先に入室した人が着席してしまう

個別面接ではほぼ100%の人が、面接官から「どうぞ」と促されてから着席します。ところが、集団面接では不慣れなためか、先に入室した人がその原則を忘れてしまうことがあるのです。「全員が入室し、面接官から促されるまでは、椅子の横で直立」が鉄則です。

集団面接に備えて練習をしておこう

集団面接では入退室のマナーが大切だと紹介しましたが、合格を勝ち取るには面接中の態度にも配慮が必要です。集団面接は緊張する就活生が多いと思われますが、和やかな雰囲気で面接官とコミュニケーションを取ることが大切です。

気持ちのいいコミュニケーションが取れる人は、仕事をする上でも円滑なやり取りができると期待されます。では、具体的にどのようなコミュニケーションを取ればいいのでしょうか。

笑顔とアイコンタクトを意識する

集団面接では、笑顔とアイコンタクトを意識してください。面接官は一度に複数の就活生を相手にするため、笑顔が印象的な就活生には好感を抱きやすいです。また、アイコンタクトを意識して面接官の目を見て話すことで、誠実さや熱意をアピールできます。

面接官から視線を外して緊張を紛らわせようとする就活生もいますが、他の就活生がきちんと目を見て話していた場合、マイナスの印象を持たれる可能性が高いです。また、面接官の話を聞く際は適度に相づちをしましょう。相手の話を聞く姿勢も、集団面接では大切です。他の就活生が話しているときも上の空にならず、姿勢を崩さないように気を付けてください。

自然な身振りや手振りを取り入れる

話の最中には、適度な身振りや手振りを取り入れるのも効果的です。こうすることによって、話によりリアリティを持たせることができるので、手をずっと膝に置いているよりかは話が分かりやすくなります。

身振りや手振りを取り入れる際には、動きは気持ち大きめに、そしてゆっくりとした動きでやることが大切です。早くて小さい動きになってしまうと、それはそれで「手遊びをしている」という印象を見ている人に与えることになりかねません。こうなってしまうと、面接官から見た自分の印象が下がってしまうことになりますので、話す練習をしているときの動画を撮ったり、人に見てもらったりなどして、自分の動きを細かく確認するようにしてください。

動画を参考に練習してみよう

集団面接のマナーは、YouTubeなどの動画を参考にすると分かりやすいです。入退室のマナーから、面接中のマナーの細かな身のこなしが確認できます。集団面接ではおじぎをする回数が多いため、場面ごとのおじぎの角度を確認しておくのがおすすめです。

浅くおじぎをする場面と深くおじぎをする場面のメリハリをつけることで、誠実な印象を与えられます。動画ではどのくらい頭を下げておけばいいのかも確認できるため、おじぎの深さや時間をおさえられます。他にも面接中の話し方や態度など、文章では分かりづらいところも確認しておきましょう。

集団面接の入室時には他の人の事も考えるのがマナー

集団面接での入室について、その流れや手順、マナーをお話ししてきました。ポイントは、ドアノブの引き継ぎと、その際の人間的な表現です。「前後の人との目礼」という、ほんの小さな動作ではありますが、それが自然にできると、社会性のアピールにつながります。集団面接ならではのNG例も参考にしながら、事前の練習をすることをおすすめします。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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