筆記試験

【例題アリ】フェルミ推定を簡単に解くためのコツ|対策で役立つおすすめの本3選もご紹介します

フェルミ推定を解くコツ

フェルミ推定とは、普通に考えても分からないような数字を、さまざまな条件から推測することです。外資系企業の採用試験で出題されたり、面接で聞かれたりします。フェルミ推定を解くには、まず、前提条件を決めなければいけません。聞かれた数字をどの範囲で出すのかなど、前提となる条件を決めましょう。

前提条件が決まったら、フェルミ推定で聞かれた数字を出すために必要なデータを仮定してください。そのデータをもとに、聞かれた数字を出すための数式を組むのです。そして、数式に入れる数字をさらに仮定していきます。このように仮定を積み重ねていくことが、フェルミ推定を解くコツなのです。

フェルミ推定を解くコツについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

フェルミ推定の例題①ニューヨーク全体の窓を磨く際の請求額

フェルミ推定でよく出題されるのが、「○○で××するにはいくら必要か」という問題です。フェルミ推定の例題として、「ニューヨーク全体の窓を磨く際の請求額」を挙げましたが、細かい地名や内容については、いろいろと手が加えられて出題されるケースが多いです。

この例題の場合、実際にニューヨークにある窓をすべて磨くのは不可能であり、問われているのは費用総額を導き出す論理的思考となります。そのため、まずは論理的思考に基づいて、1つ1つ解答を進めていきましょう。

重要なのは正解・不正解ではなく思考過程

ニューヨークにある窓の枚数が分からなければ、この問題は解けません。そのため、おおよその数値を導き出す必要があります。この例題では、以下のような手順で考えると良いでしょう。

①ニューヨークの人口は約840万人

∟それぞれ自宅に10枚の窓がある

②オフィスにも1人あたり同数の窓が割り当てられている

③飲食店や観光施設などにも同数の窓がある

④自動車や電車でも1人あたり10枚の窓がある

⑤ニューヨークにやってくる観光客は1日あたり15万人

∟重複などを考えて、観光客向けの施設には1人当たり20枚の窓があるとする

∟観光客用の窓は30万枚

これらの仮定をもとに計算すると、ニューヨークにある窓の総数は336,300,000枚と推定されます。1枚当たりの窓磨き費用を1ドルとすれば、請求する費用は336,300,000ドルです。もちろん、この計算が正確なものである必要はありません。重要なのは思考過程ですから、どのように例題を解くのかがポイントといえるでしょう。

概要からオススメ本まで、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

フェルミ推定の例題②日本で1年間に売れる野球ボールの数

観測するのが難しい数字を導き出すのは、フェルミ推定の典型的な問題です。とくに就職試験では、あるモノの総数を計算する問題がよく出題されます。例として、「日本で1年間に売れる野球のボールの数」という例題の解き方を見ていきましょう。

この解答を導き出す最も簡単な方法は、資料を調べたりメーカーに問い合わせたりする方法です。しかし、そのような手法を使えば、フェルミ推定でなくなってしまいます。フェルミ推定では、あくまでも推定した数字をもとに、答えを導き出さなくてはいけません。

この例題の場合は、まず、日本における野球ボール需要を推定する必要があります。各都道府県にいくつチームがあるのかを推定し、そこでいくつのボールを消費するのかを考えていきましょう。

論理過程を明確にしてから回答する

上記にボールの消耗率を入れれば、さらに精度は高くなります。「プロ野球チームは1個のボールを1日で使い潰すが、小学生チームは半年間使い続ける」といった仮定を用いれば、より良いフェルミ推定が実践できるでしょう。

フェルミ推定において、正確な回答は必要ありません。どのような論理に基づいて解答を導き出すのかによって、応募者は評価されるのです。そのため、論理過程が明らかになるよう筋道を立てて、分かりやすく回答することが大切となります。

フェルミ推定の例題③空中に浮いているサッカーボールの数

今現在の状況について問われる問題も、フェルミ推定では多いです。「現在、空中に浮いているサッカーボールの数」という例題は、一軒突拍子もない問題といえます。しかし、きちんと論理立てて考えていけば、解答を出すことができるでしょう。

サッカーボールが浮いている状況は、つまり、誰かが蹴っているという状況です。全てのサッカーボールのうち、蹴られた状況にある数を推定することが第一歩となります。まずは、世界中でおこなわれているサッカーの試合数を、推定してください。そこから、サッカーの試合中にボールが空中に浮いている割合を算出します。

空中に浮いている=蹴られているという想像が重要

試合時間の半分ボールが空中に浮いているのなら、単純に、全試合数の半分の数のサッカーボールが今この瞬間空中に浮いているという計算になります。重要なのは、「現時点で空中に浮いているサッカーボール」という言葉の捉え方です。蹴られて浮いている状態にあることが想像できれば、一軒わけのわからない例題も、スムーズに溶けるようになるでしょう。

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フェルミ推定の対策におすすめの本

上記の例文を見ても、フェルミ推定に対して不安を感じている人は多いでしょう。採用試験では、企業や採用担当者によって、出題されるフェルミ推定の問題がまったく異なります。そんなフェルミ推定を攻略するには、何よりも、「自分自身が問題を繰り返し解くこと」が大切です。実践でどんな感じかを把握しておかなければ、本番で焦って、解けなくなってしまうでしょう。

そこで以下では、フェルミ推定の解き方が分かる、もしくは実際の問題が解ける対策本を3冊ご紹介します。それぞれの特徴もあわせて説明するので、気になった対策本があれば、ぜひ購入を検討してみてください。

おすすめ本①

1つ目は、「サイエンス脳のためのフェルミ推定力養成ドリル」です。この本では、フェルミ推定の問題が73問も出題されているため、実際に1つずつ解いてから覚えることができます。フェルミ推定の解き方・解説はもちろん、注意点なども掲載してある魅力的な1冊だといえるでしょう。

この本の特徴は、エネルギーや環境などのサイエンス分野を題材とした、フェルミ推定の問題を出題している点です。サイエンス分野は、身近でありながらも、普段の生活では関わりのない領域だといえます。そのため、採用試験で出題された際には、困ってしまう可能性があるでしょう。そうならないための対策をおこなえるのが、この1冊なのです。

おすすめ本②

2つ目は、「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」です。この本には、フェルミ推定の基本体系の説明をはじめに、15問の練習問題と解説、おまけとしてベース別で分けた良問100選が掲載されています。そのため、初心者からある程度の応用問題が解きたいという人まで、幅広い層の人に適しているといえるでしょう。

この本の最大の特徴は、現役東大生が書いたという点です。大学生目線で分かりやすく解説をしつつ、重要箇所は下線・波線・網掛けなどで目立たせています。表で説明している部分もあるので、フェルミ推定が分かっていない人でも、比較的解きやすい作りの本なのです。

おすすめ本③

3つ目は、「就職活動対策シリーズ フェルミ推定の教科書」です。この本は、フェルミ推定に関する説明をする1章、解き方を説明する2章、実際に問題に取り組む3章から成り立っています。その名の通り、教科書のような作りだといえるでしょう。そのため、手順を踏んで学びたい方におすすめの1冊です。

問題自体は10問程度と少なめですが、この本は、「満点答案」ではなく「合格答案」を掲載しています。問題にもよりますが、対策本の満点答案が素晴らしすぎると、「自分が本番で思いつくわけがない」と考える人もいるのではないでしょうか。そういった方にとって、実際の選考の場で考えられた「合格答案」は、参考にできるポイントなのです。

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フェルミ推定の解き方と例題を参考に対策しよう

フェルミ推定を解くコツと例題をご紹介しましたが、これらをそのまま暗記したところで、何の役にも立ちません。重要なのは、どのように解答を導き出すのかというプロセスです。正しいプロセスが理解できていれば、どのようなフェルミ推定問題に対しても、正しい考え方で取り組めるようになるでしょう。その結果、簡単に解答を導き出せるようになるのです。

練習問題について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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