筆記試験

筆記試験ができなくても面接選考に進める理由とは【対策本付き】

筆記試験が悪くでも面接に進める人もいる

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面接前におこなわれる筆記試験の多くは、企業によってつくられたものか、リクルート社やSHL社が提供する適性試験です。企業によってつくられた筆記試験がおこなわれる場合は、内容を予想することが難しいため、勉強方法に困る就活生が多いでしょう。そういった際には、「国・数・社・英・理」の5教科と、志望業界の専門知識を学んでおくことが無難です。

リクルート社やSHL社の適性検査がおこなわれる場合は、その種類によって出題内容が異なります。代表的な適性検査であるSPIの場合は、言語・非言語分野の勉強をすれば良いでしょう。玉手箱なら「言語・計数・英語」の勉強をしなければなりません。

思ったように回答できず、試験結果が悪そうだからと選考を諦める人は少なくありませんが、落胆するのは早いです。筆記試験が悪いと思っていても、面接に進める人もいるのです。

SPIの筆記試験対策

企業の筆記試験でよく使われる試験形態がSPIです。SPIには分野別に、言語分野、言語分野、性格分野と3つに分かれています。出題範囲はおよそ高校1.2年生程度までの内容です。

問われる量や問われ方が一般の試験と大きく異なっており、短時間で多くの問題を解くことを求められます。専門の対策をしないと高得点をマークすることが厳しい試験です。それでは、どのような問題が出題される傾向にあるのかを、以下で確認していきましょう。

言語

言語分野の問題は、高校までの受験用の科目で考えますと「現代文」に相当します。語句の意味や用法を問うものや、文章を正しい順番に並び替える問題などがあります。同意語や反意語、四字熟語といった暗記していれば瞬間的に答えることができるものもあれば、長文読解のように比較的時間をかけなければ解けない問題もあります。どの問題も、素早く正確に解いていくことが求められるのです。

非言語

非言語分野の問題は、「数学」に相当します。ただし、出題範囲としては数学1A程度までであり(確率・集合の問題があるため)、文系の学生でも高得点をマークすることが十分に可能な問題です。出題内容は数学分野に加えて、前提条件から論理的に正しいと言えるか、資料を読み取って正しいことを述べている文章を選びなさい、といった少し独特の分野も含まれています。

解き方を知っているか知らないかで、言語分野以上に回答時間に差が出ることが多いです。基本的な問題の解き方や計算の仕方を覚えておき、素早く計算して目的の答えにたどり着く必要があります。

性格

性格検査の問題は、あなたの性格や考え方について100問から150問程度の問題を極めて短時間で解く必要があります。問題と言っても、大体の場合は「はい」か「いいえ」、もしくは5段階でどれくらい問われた内容に自分が合っているか、あるいは合っていないかを答える試験です。

この試験で気をつけなければならないことは、企業によって求める性格が異なるということです。営業職なら、ストレスや提案力に優れた人が欲しいですし、経理なら慎重に用心深く仕事をする人が重宝されます。あなたの応募した企業がどんな人材を欲しているかを分析して、それに沿った回答をする必要があるのです。

筆記試験を突破する方法について悩んでいる人は、こちらの記事もおすすめです。

企業によっては小論文のテストもある

筆記試験の対策としては、SPIなどの適性検査の対策をしている人が多いですが、筆記試験はそれだけではありません。筆記試験では言語と非言語の問題だけではなく、企業によっては小論文の問題が出される場合もあります。

小論文の試験をおこなう企業はそれほど多くはありませんが、それでもゼロではありませんし、万が一に備えての対策が大切です。小論文は対策なしで攻略できるほど簡単なものではありませんので、事前対策は念入りにおこないましょう。

小論文の書き方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

基本的な書き方の理解は必須

小論文の対策としては、まずは基本的な書き方の理解が大切です。小論文に苦手意識を持つ人の多くは、書き方がわからないからであるケースが多いです。小論文は作文とは違いますし、正しい書き方をしていないと小論文として成立しない可能性もあります。

内容はどうあれ、まずは小論文として成立させることが大切であり、基本はしっかりと覚えておきましょう。小論文は事実をもとに自分の主張を述べるものです。テーマに対して自分の意見を主張していきますが、根拠のないもの、事実に基づかないものはすべてNGですし、感想なども当然NGです。事実を積み重ねて自分の意見を主張するのが小論文ですので、感想文と混同しないように注意しましょう。

時事問題もチェックをしておく

小論文の対策は、時事問題を日ごろからチェックしておくことです。小論文では時事問題がテーマのことも多く、テーマを理解していないことには書き進められません。小論文はテーマに対して自分の意見を主張していくものですし、そもそもテーマを理解していることが書き進める条件になります。

分からないものについて意見を主張するのは無理な話ですので、こまめにニュースをチェックしておき、大きく取り上げられている物事や希望する業界に関する内容は頭に入れておく必要があります。業界に関係するニュースはもちろん、その他経済関係などのニュースもチェックが必要です。時事問題は面接でも問われることが多いので、就活対策としてもニュースはこまめにチェックしておきましょう。

筆記試験が悪くても選考を通過できる主な理由

筆記試験が悪くても、面接に進める理由を紹介していきましょう。筆記試験に自信がない人は要チェックです。

志望度の高さをアピールする

筆記試験が建前でおこなわれている企業の面接で注意しておきたいポイントは、以下の通りです。

・企業への志望動機が本当であることのアピール
・学校で勉強以外に打ち込んだことのアピール
・面接官に確実にやる気や熱意を伝えること

同じ大学もしくは同レベルの大学で筆記試験の結果が良かった学生には、面接の時点で差をつけられています。その差を縮めるためにも、面接での挽回が重要となるのです。面接で挽回するためには、学力ではなく、志望度の高さなどをアピールしてください。

筆記試験が建前

筆記試験は建前とされている企業でも、準備をせずに筆記試験に挑むというのは間違いであると言えるでしょう。確かに建前と言われると、一生懸命事前の準備をする必要はないと思う人もいるかもしれませんが、建前だからと言って、点数が極端に悪かったり、解答箇所があまり埋まっていない場合、もしあなたが採用担当者ならどのように感じるでしょうか。とてもやる気がある、誠意をもってこの企業に就職したいという希望に溢れているようには見えないでしょう。

また、採用担当者の立場からすれば、評価が同じくらいの人の中で、ボーダーラインに立っている場合、筆記試験で高得点をとっている人と、低い得点の人ではもちろん、高得点の人の方が印象が良くなってしまいます。建前だとしてもしっかり筆記試験を解き、高得点を目指すことはとても重要であると言えるでしょう。

企業が面接重視である場合の対処法

多くの企業において、新卒採用の場合は、筆記試験後にその合格者を面接するという流れが多いです。より多くの学生と面接をするために、筆記試験の合格基準をかなり低く設定している企業も、珍しくありません。

そのような企業は、勉強ができるかどうかをあまり気にしていないといえるでしょう。そのため、面接でもマニュアル通りではなく、自分だけのオリジナルの回答ができる学生を求めている可能性が高いです。

自分の付加価値についてアピールする

筆記試験の結果を重視せず、面接が大切だと考えている企業への効果的なアピール方法は、以下の通りです。

・自分がその企業の仕事を通してどうなりたいのかを伝える
・企業の仕事の改善案など、具体的な提案をする
・自分で考えて仕事に新たな付加価値をつけていけることを述べる

学力重視でない企業が、筆記試験の結果にこだわらず多くの学生を面接する場合には、個人の積極性や独創性を求めているケースが多いです。そのため、面接では優等生のような回答よりも、オリジナリティを感じさせる回答の方が高評価を得られるでしょう。

自分自身を知ってもらえるような面接にする

面接に力を入れている会社では、応募者ももちろん面接に力を入れている人が多いと予想されます。面接官からの質問は、統一している場合が多いので、短い時間、数少ない質問の中で、応募者を見極めるので、みんなと同じような答え、ありきたりな回答ばかりをしているようでは印象に残らず、不採用となるケースもあるのです。

そのため、自分自身を一度見つめなおして、まず自分がどういった人間であるかをしっかりと知ったうえで面接官にアピールし、知ってもらえるような対策が重要です。それにより、他の人と同じ面接ではなく、自分自身の個性を出し、アピール重視の面接にできます。

筆記試験の結果を重視する面接官への対処法

面接では、最低でも2人以上の面接官がいるケースが多いです。そのため、筆記試験が良くない学生を面接する場合は、その結果に否定的な意見を持つ面接官が1人はいる可能性が高いでしょう。一次面接でそういった人がいないとしても、最終面接までの間に、勉強に関する厳しい質問をされることがあるかもしれません。

面接官の不安を覆す解答をすることが大切

筆記試験の結果に否定的な意見を持つ面接官からは、以下のような質問をされる可能性があります。

・大学では勉強以外に何を学んだのか
・仕事に勉強は関係ないと思うか
・仕事を覚えていく上で、新たな知識などの勉強が必要な場合、どのように対処していくか

ある程度厳しい質問を想定しておき、面接官の不安を覆す回答を考えておきましょう。あなたが自信を持って答えれば、「勉強が苦手でも仕事をするための資質を持っている」と思われる可能性も少なくありません。筆記試験の結果が良くないからと卑屈にならず、面接で挽回しようという強気な気持ちで盛り返してください。

強い熱意を伝えることが大切

筆記試験を重視する面接官には、会社に対する強い熱意のアピールが重要なポイントです。筆記試験は一度結果が出てしまえば、その結果は変えられませんが、面接では人の心を動かすことが出来る可能性が十分に残っています。済んでしまった筆記試験の結果を引きずるのではなく、結果が良くても悪くても面接への切り替えが必要です。

いくら筆記試験を重視するといっても、面接での応対や態度、考え方が企業の方針と合わないと判断されたり、熱意や意欲がないととられてしまうと、良い結果が得られないでしょう。いかに自分自身が会社に貢献できる人材であるのかを大いにアピールするし、熱意を伝えられるかが、重要になるといっても過言ではないでしょう。

筆記試験の対策におすすめの本

ここで、玉手箱やSPIなどの対策をするための必需品ともいえるテキストのご紹介をします。今やSPIや玉手箱のための対策テキスト・本は非常に多くの種類が販売されています。その特徴も様々なので、しっかりと自分に合ったテキストを見つけ、本番前にしっかりと練習しておきましょう。

おすすめの本①

【主要3方式対応】これが本当のSPI3だ! 【2020年度版】

2017年、通販サイトAmazonにおいて「適性検査・SPI」部門で堂々の売上第1位となったのが、このテキストです。やはり、もっとも売れているだけに、これまでたくさんの就活生がお世話になった一冊です。テストセンターやペーパーテスト、WEBテスティングなどひとえに「SPIの受験」といってもその受験方法は様々であり、その方式によって出題される問題の特性も変わってきます。

このテキストはそういった主要3方式にしっかりと対応しており、この一冊でそれぞれの方式の対策ができます。また、過去に実際にSPIを受検した就活生から寄せられた報告にもとづいて、問題を高い精度で再現しているため、非常に本番の試験に近い内容を勉強できます。

おすすめの本②

2020最新版 史上最強SPI&テストセンター 超実践問題集

より本番に近い問題を解きたいという方におすすめのテキストです。過去に出題された最新の頻出問題を記載しており、記載されている科目の内容は命題、正誤、内訳、割合と比、料金割引、鶴亀算、仕事算、円順列、重複組み合わせ、情報の読み取り、熟語の成り立ち、英語分野【ENG】というようにこの一冊で非常に多くの分野を網羅しています。

また、本番では正答率もさることながら回答スピードも求められるため、1秒も無駄にしないメモの取り方や計算方法などの解法を丁寧に解説されているのも特徴の一つです。

おすすめの本③

必勝・就職試験! 【玉手箱・C-GAB対策用】8割が落とされる「Webテスト」完全突破法【1】【2019年度版】

玉手箱の対策を重点的に行いたいという方であれば、こちらのテキストがおすすめです。このテキストは「Webテスト対策本」のジャンルで全国主要書店・大学生協で2017年シリーズ合計で売上1位を記録したテキストです。玉手箱は、言語、計数、英語、性格テストの4つで構成されています。

また、問題形式においても言語、計数はそれぞれ3種類、英語は2種類の問題形式があり、企業によって出題される組み合わせは異なります。このテキストはそれらすべての問題形式に対応しているため、この一冊で玉手箱のすべてを対策できるといっても過言ではありません。

また、毎年注目の『有力企業「Webテスト」使用速報』も記載されており、 どの企業が、昨年度、どのWebテストを実施したのかが一目でわかります。玉手箱を受験することが決まっているのであれば、是非とも持っておきたい一冊です。

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筆記試験のない企業を探すのもひとつの手

筆記試験に苦手意識を持っている人は多く、面接は合格できるものの、筆記試験で落とされてしまうという人も少なくありません。就活を攻略するためには、苦手でもしっかりと対策をおこない、筆記試験の攻略を目指すことが大切ですが、筆記試験のない企業を受けるという方法もあります。

企業によって選考の内容は違いますし、筆記試験のない企業も数多くあります。筆記試験のない企業を探して応募するのもひとつの手ですので、筆記試験のある企業とない企業の違いを知っておきましょう。

大企業はふるい分けのために筆記試験を行うことが多い

筆記試験は就活生の能力や仕事への適性を測るためにおこなわれるものですが、目的はそれだけではありません。能力を測るためだけではなく、応募者が多い場合のふるい分けとしての役割を担っていることも多く、大企業など応募者が多い場合は筆記試験をおこなう可能性も高いです。

大企業は毎年数多くの学生が応募しますので、一人ひとりとしっかり向き合って評価を決定していくのは非常に難しいのです。そのため選考の初期段階で筆記試験がおこなわれることが多く、結果によって足切りをして、応募者をふるいにかけています。筆記試験では足切りのボーダーは企業によって異なりますが、大企業は高水準であることが多いので、事前にしっかりと対策をしておかなければなりません。

中小企業は筆記試験のない企業も多い

筆記試験は応募者が多い場合のふるい分けの目的でおこなわれることが多いため、応募者の少ない企業では採用されていない可能性が高いです。大企業に比べると中小企業は応募者数も少ないため、筆記試験をおこなわない企業も多いです。もちろん中小企業だからといって、必ずしも筆記試験がないわけではありません。

たとえ応募者が1人であっても筆記試験はおこなうという企業もありますし、企業によって筆記試験の有無は違っています。ただ中小企業は筆記試験がない傾向が強いのは確かですし、筆記試験が苦手なら中小企業をメインに就活を進めるのもいいでしょう。中小企業でも優良企業はたくさんありますし、魅力的な企業も多いので、しっかりと探すことが大切です。

【39点以下は危険度MAX】
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筆記試験に失敗の場合も諦めずに意思を通そう

筆記試験は、経験を積むとどんどんできるようになるものです。そのため、失敗したからといちいち諦めずに、いい経験ができたと前向きに捉えるようにしてください。そのポジティブな考え方が、良い回答を導き出し、面接で好印象を与えることに繋がるでしょう。筆記試験でも面接でも、自分に自信を持つことを意識すると、好印象を残せるものなのです。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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