公務員の土木職の仕事内容とは|試験の例題3つや倍率などもご紹介します【例文あり】

公務員の職種はさまざま

公務員には、少なくとも国家公務員と地方公務員の違いがあり、その職種の種類も多種多様なものとなっています。

行政職として事務作業に従事する人もいれば、警察官や消防署の署員、および海上保安官といった公安職系統のもの、市役所の事務の人から公立高校及び中学校の教職員まで、その範囲は非常に広いものがあります。ここでお話しする土木職とは建築や機械工学、農業などの職員と同様に一般職の技術系職員に該当する技官にあたります。

公務員の土木職の仕事内容

公務員の専門職の中に土木の職種があります。これは、都市計画に合わせた工事のプランニングや、実際の施工、日々のメンテナンスや維持のための業務など、様々な分野に関わる仕事であり、やりがいを求める人も多く集まるのが特徴です。

工事の施工やメンテナンス

公務員の土木関連と言うとなかなか印象が湧きづらいこともあります。
しかし、身近な部分では道路の施工や、メンテナンスを行うのも土木の仕事であり、生活に密着した仕事とも言えます。公務員と土木に関しての印象が薄いのは、入札を行い、メーカーに仕事を振るケースがほとんどだからです。その大本になる計画を建て、施工状況の確認のための立ち合いや、契約内容の確認などを行うのが公務員なのです。

そのほか、市民や国民の声に合わせて、道路の補修や整備、拡張などと言った計画も立てています。交通インフラを支える仕事としても魅力も大きいのです。また、道路関連の仕事はごく一部であり、河川や公園などの整備を担当する場合もあります。

災害対策

近年はゲリラ豪雨や、自然災害なども多く、土木の仕事にスポットが当たることも多くなっています。公務員の土木の仕事として、災害を防ぐための環境づくりや各種補修計画業務も含まれているのが特徴です。

  • 決められた予算内で災害を防ぐための環境をつくる

川の氾濫など災害の被害も拡大する傾向にあり、新たな災害に強い都市づくりや、新たな技術の導入も準備されつつあります。土木はその計画の根本を支える仕事のひとつです。
いかに現実的に、安全に、予算を計画的に使うかの裁量ももっています。

与えられた予算の中で、どれだけの仕事が出来るかも公務員の土木職のやりがいのひとつと言えます。橋梁などの交通基盤の劣化も問題視されているため、計画性や実力も試される現場と言えます。

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公務員の土木職に必要な資格

一般的に公務員の土木職では、民間では確実に要求される資格はあったほうがよいという程度の認識であり、絶対に必要な資格というわけではありません。しかし、採用の過程において、エントリーシートは必ずチェックされるために、面接まで進んだ段階で資格を習得しておくと、力を発揮してきます。

土木職を受験するにあたり、有利になる資格は技術士(建設、総監建設)や1級土木施工管理技士、1級舗装施工管理技術者などの資格が採用において有利に働きます。

公務員の土木職の年収は民間企業に比べて控えめ

公務員の土木の仕事を民間と比べた場合、年収は低めの傾向があります。これは様々な見方がありますが、民間の土木の仕事は景気の影響を受けやすく、人員整理なども進みやすいのを覚えておく必要があります。公務員の土木は人員整理や、倒産で働き口を失う確率がない代わりに、年収が少なくても安定しているのが特徴なのです。

  • 収入は控えめだが将来の安定が保障されている

民間では競争も激しいため、ハッキリと収入による勝ち負けが出てくる場合があります。
もちろん、収入だけで人生の価値が決まるわけでなく、勝ち負けも大げさな表現となる場合もありますが、何よりも安定しているのが公務員の土木の強みなのです。収入だけでなく、いかにやりがいを見いだせるかも重要なポイントでしょう。

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公務員の土木職の倍率について

ここでは、【平成28年度の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の実施状況】を見てみましょう。試験の申込者数を最終合格者数で割ると、倍率は2.36倍となりました。また、土木職は4番目に倍率が低い区分となっています。土木職の最終合格者の人数は、行政職に続いて2番目に多いことも分かるでしょう。

平成28年度の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の実施状況

試験の区分 申込者数 第1次試験合格者数 最終合格者数 申込者数を最終合格者数で割ったもの
行政(計) 30,043 7,980 5,419 5.54
電気・電子・情報 780 451 351 2.22
機械 396 250 199 1.98
土木 1,815 1,137 766 2.36
建築 266 144 100 2.66
物理 381 221 174 2.18
化学 739 175 99 7.46
農学 854 283 166 5.14
農業農村工学 248 187 119 2.08
林学 476 318 190 2.50

平成28年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況|人事院

公務員の土木職の試験問題例

公務員の土木職の試験問題例をご紹介します。受験する際は、土木分野に関する基礎的な用語や水理学、土質力学、測量などの計算問題の解法などを理解しておくと良いでしょう。

「土木」区分は、工学の基礎に関する問題が20題、土木分野に関する問題が20題の計40題で構成されており、その全てを解答する必要があります。
土木分野に関する問題は、次のとおり出題されます。
(1)構造力学(土木)・水理学・土質力額・測量 11題
(2)土木材料・土木設計・土木施工 3題
(3)土木計画 4題
(4)環境工学(土木)・衛生工学 2題

まず、国家公務員一般職試験(大卒程度試験)の土木の試験問題例と解答をご紹介します。国家公務員では40問出題されるようです。

土木職の試験問題例1

国家公務員一般職試験(大卒程度試験)の土木の試験問題例と解答をご紹介します。これは、多肢選択式の問題です。

我が国の都市計画に関する記述㋐,㋑,㋒の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ 市街化区域は、既に市街地を形成している区域であり,市街化調整区域は,おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である。
㋑ 都市計画において用途地域を定めた場合は,用途地域に関する都市計画として,建築物の容積率(建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合)を定めなければならない。
㋒ 市街化調整区域における開発行為であっても,学校や病院等の公共公益施設の場合は,開発許可が不要である。

㋐ ㋑  ㋒
1. 正 正 誤
2. 正 誤 正
3. 誤 正 正
4. 誤 正 誤
5. 誤 誤 正

公務員試験の土木職の試験問題例2

つぎに、国家公務員一般職試験(大卒程度試験)の土木の試験問題例をご紹介します。これは、記述式の問題です。

河川,道路,港湾などの社会資本の整備に当たっては,利便性,安全性,コスト,環境への影響などを評価軸として,これらを総合的に勘案して事業の内容等を決定していくことが必要である。しかしながら,ある評価軸で高い評価となる場合であっても他の評価軸では低い評価になるというトレードオフの関係となることが多く、バランスに配慮して対応を検討する必要がある。,このことについて,以下の問いに答えよ。

⑴ 社会資本整備に係る公共事業において,「①経済活動の活性化・効率化」,「②自然災害に対する防災機能の向上」,「③事業に係る費用」,「④自然環境や生活環境の保全」の四つの観点を評価軸っとして,これらのうちいずれか二つがトレードオフの関係となる事例を一つ挙げよ。
⑵ ⑴で挙げた公共事業の推進,中止,計画修正を判断するに当たり,その公共事業を担当する行政の技術者としてどのような検討をすべきか,あなたの考えを述べよ。
なお、必要に応じて以下のキーワードを用いてよい。
〔キーワード:費用対効果分析,環境影響評価,コスト縮減〕
試験問題例 一般職(大卒)|国家公務員試験採用情報NAVI

土木職の試験問題例3

つぎに、地方公務員である横浜市の試験問題例を紹介します。

下水道に関する次の記述のうち妥当なのはどれか。
1.下水道法において,下水道は,流域下水道,公共下水道,都市下水路に分類され,それぞれ国,都道府県,市町村が管理することとされている。
2.下水道の排除方式には合流式と分流式があるが,分流式は,合流式に比べて終末処理場の規模が大きくなるため,近年は採用されなくなっている。
3.下水道の送水においては,汚水に含まれる固形物の沈殿を防ぐため,ポンプ圧送による管水路方式を原則とする。
4.下水処理場における水処理の工程は,一次処理,二次処理及び高度処理に大別され、二次処理には生物処理が用いられるのが一般的である。
5.活性汚泥法は,生物処理法のうちの固着生物法(生物膜法)に分類され、小規模な処理場でしか用いられない。

公務員の土木職で使える例文

公務員の土木職を志望する際、回答例を3つをご紹介します。まず、「あなたの強みは?」という項目に対しての回答例について見ていきましょう。回答では、土木に関することも交えると、採用担当者へのアピールに繋がるでしょう。

公務員の土木職の例文1

あなたの強みは?

私は変化し続ける環境でも臨機応変に対応し、チームや議論をまとめられることが強みです。○○は、一つ一つの区や市で成り立っており、一つの区の事業に集中して取り組めるため志望いたしました。私は○○の土木職員として、変化する環境や仕事内容に臨機応変に対応したいと考えています。積極的な行動で問題点を見つけたり改善点を画策したりして、○○のまちづくりに貢献したいと思います。

「あなたの強みは?」の回答例について見ていきます。回答する際は、「私は○○が強みです」と最初に結論を述べて、その後に理由を伝えられると良いでしょう。最初に結論を述べると、採用担当者に内容が伝わりやすくなります。

公務員の土木職の例文2

公務員になってやりたい仕事は?

私は、○○県が昨年から進めている「○○まちづくり計画事業」の仕事に携わりたいと考えています。私は大学時代、都市計画や防災、●●について学んできました。そこで得た経験を活かして、○○県の都市計画に関わりたいです。この事業は、○○県を国際競争力のあるまちにする大プロジェクトでもあります。私も○○県の土木職員として「○○まちづくり計画事業」に携わり、日本を代表するまちをつくりたいと思っています。

つぎに「公務員になってやりたい仕事は?」の回答例について見ていきましょう。この場合は、受験先の土木職が関わっている取り組みや政策を、自分の回答と交えると良いです。下記の例も、受験先の政策について交えながら回答しています。

公務員の土木職の例文3

あなたが向いていると思う仕事は?

私が向いていると思う仕事は、人と人との対話ができる住民説明やグループディスカッション、プレゼンテーションです。私は大学時代○○科に在籍していました。授業で毎週おこなったプレゼンテーションやグループディスカッションの経験を通して、自分の伝えたいことや○○の技術を聞いている人に分かりやすく伝えることが得意になりました。人と関わることが好きな私にとって、それらの仕事は向いていると考えています。

最後に「あなたが向いていると思う仕事は?」という回答例について見ていきます。この回答も「私が向いていると思う仕事は○○です」と、最初に結論を述べましょう。結論を述べた後は、その仕事が向いていると思う理由や自分の経験を伝えられると良いです。

公務員の土木職を目指す就活生におすすめ参考書3選

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土木職の公務員採用試験では、一次試験として教養試験と土木の専門試験を受けることになります。そのための対策として、教養試験と土木の専門試験の両方において、高得点をマークできるようにしておく必要があります。

ここでは、それらの対策に備えておすすめの本を3冊上げ、教養試験の各分野の対策と、土木の専門試験の各分野に対策できる本を紹介していきます。特に教養試験はかなりの広範囲の試験となりますので、計画的に学習して準備をしていくようにしましょう。

おすすめ本①

初めにおすすめする本は、国家総合職 教養試験 過去問500 2019年度 (公務員試験 合格の500シリーズ1)です。この本は国家総合職の教養試験を扱っていますが、このシリーズの本はそれぞれ、国家公務員の総合職と一般職、及び地方公務員の上級と一般の過去問をそれぞれ掲載し、丁寧な解説を加えたものになります。

まず、過去問を一通り見て繰り返し学習することによって、自分の苦手な分野を把握し、そこを補強し強化していくという戦術が有効です。公務員試験の教養試験は、非常に広範囲に出題範囲が渡りますので、苦手な分野があるとそこで確実に点を落としてしまい、試験を突破しにくくなるため、克服していく必要があります。

おすすめ本②

次におすすめする本は、公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 人文科学 (公務員試験新スーパー過去問ゼミ)です。この本も、タイトルは「人文科学」の分野を扱っていますが、他に「自然科学」と「社会科学」の分野を扱ったシリーズ本が同様にあります。土木職を受験しようとする学生は、大半が理系学科の出身の学生であることが多く、文系科目はあまり勉強しないで臨む人も多いです。

しかし、文系科目こそ理系科目よりも、覚えているか覚えていないかをダイレクトに問われる問題が多いため、ここで点を落としている学生が非常に多いことも特徴です。言い換えれば、ここで得点をできるようになれば他の受験者に比べて一歩リードすることができると言えます。

おすすめ本③

最後に紹介する本は、土木職公務員試験 専門問題と解答[必修科目編]です。これは、一次試験での教養試験と同時に行われる土木科目の専門試験用の対策本になります。これは土木職の専門試験の最も大切な要素である構造力学、水理学、土質力学を全て網羅した1冊となっています。

これ1冊をマスターした後に、残りの土木材料楽屋、耐震工学、測量といった選択科目を総まとめした同シリーズの本が出版されていますので、まず必修科目の対策が十分に終わった後、選択科目編を読んで、自分が得意とする科目を伸ばしていく勉強の仕方をすると、高い効果を得ることができます。専門科目は大きく差がつくことは一般的にあまりないので、知識を深め、試験に臨むことが求められます。

公務員の土木職は交通のインフラや災害対策など国民の生活に密着した仕事

公務員の土木の仕事は、道路計画や港湾、河川、ダムなど、様々な計画や維持に関わる仕事です。近年は災害対策に強い街づくりも叫ばれており、縁の下の力持ちとして働きが期待されています。民間よりも年収は低い傾向があるものの、安定性の高さなどで非常に優れているため、やりがいと安定度が両立した職場と言えます。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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