公務員の異動の決め方とは|希望した部署はかなうのか・拒否権限はあるのか【疑問解決】

公務員に異動はつきもの

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毎年、新年が明けると公務員の職場はそわそわと落ち着きがなくなってきます。それもそのはず。1月を過ぎれば管理職から順番に、4月からの異動の内示が始まるのです。デスクに座って業務をこなしていても、心はいつ上司から個室に呼ばれるか気が気でない状態。

テレビドラマを観ていると、所轄の刑事だった主人公が警視庁捜査一課に異動になったり、省庁のキャリア官僚だった主人公が地方の出先機関に異動になって、地方を盛り上げるのにひと役買ったりと、けっこう公務員の異動が取り上げられていますね。それくらい、「公務員」と「異動」というのは切っても切り離せないものです。

親密度が高まり癒着の温床になってしまう

実はこれには理由があって、公務員がずっとひとつところで仕事をしていると、いつしか特定の企業や地域社会との親密度が高まってしまい、癒着の温床になってしまうためです。そこまでいかなくても国民や住民の目には職務に不公正があると疑われてしまうおそれがあるので、それらを回避するという目的が公務員の異動にはあるのです。

2~4年で異動するケースが多い

異動の頻度としては、2~4年程度で異動するケースが多いです。上述の通りあまり長い期間、一つの業務に従事していると、そこで関わる企業や人物と親しくなりすぎてしまい、癒着の温床となってしまう恐れがあります。そのため企業や人物と慣れすぎる前に異動をさせるべく、2~4年程度への移動が多いのです。

またジョブローテーションの観点からもこのぐらいのスパンでの異動が多いといえます。様々な業務に幅広く触れることで経験を積むことが出来、自身の視野を広げることが出来るのです。もちろんこれは絶対のものではないので、長く同じ部署にいるケースも有り得ます。しかし一般的にはこれらの理由から2~4年程度での異動が多いのです。

公務員の異動の決め方

公務員の異動は【人事課】が決めているケースが一般的です。【同じ部署や課に○年勤務したら異動対象】【休職中の人は対象外】など、各自治体によって異動の年限や規定は異なります。公務員の異動を決める際は【退職者の人数】や【各部署や課の人数】を把握したうえで、その作業に取り掛かるケースが多いようです。

異動になる理由として【経験を積ませる】【癒着を防ぐ】【仕事の評価が高い・低い】【その人に異動先の部署が適している】【部署の人数を合わせる】などが挙げられます。

適当に異動を決めているわけではない

異動が決まると、「今までと全然関係ない部署だけど、大丈夫だろうか」と異動について不安を覚える人も多いでしょう。「人事は何を考えているのだろう」と不信感を持ってしまう人もいるかもしれません。しかし人事異動は適当に決めているわけではないのではないのです。

一般的に公務員は、様々な事業に対し幅広く知識を身につけ、自身の視野を広げていくことが求められています。そのためずっと一つの分野に関わってきた人が、全く異なる部門の仕事へ異動することも、その人の視野を広げるために行われているのです。人事異動は適当に決められているものではなく、あなたの将来を見据えたうえで行われるものです。異動をポジティブに捉え、異動先で精力的に業務にあたるようにしましょう。

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希望を出したら異動できるかどうか

公務員には異動希望調査があり、【異動を希望するか・しないか】【希望の部署】などの項目が設けられているようです。しかし、全員が希望通りに異動できるのは難しいという現実があります。異動を希望する際は【やりたい仕事がある】【経験を積みたい】など、前向きな理由だと良いでしょう。

【人間関係が面倒】【残業が多い】などの理由では、良い印象は持たれない場合が多いです。公務員は、異動を希望しても全員がかなうとは限らないことを理解しておきましょう。つぎは、異動が決まったらどうすればいいのかについて見ていきます。

公務員の異動が決まったらどうすればいいのか

では実際に異動が決まった公務員は、どのようにして4月の異動期までを過ごしていくのでしょうか。人事異動の内示が出ても、まだそのことを誰にも話してはいけないことになっています。人事異動は水もので、年功序列が根深く残っている公務員の世界では、ひとりでも辞退者が出ると芋づる式に異動先が変わってしまう可能性があるからです。

同僚に「どうだった?」と聞かれても、「いやあ」などと言ってお茶を濁す光景があちこちで見られます。ただ、家族には内示があったことを伝え、転居を伴う場合にはその準備を始めます。

3月に人事異動・後任への引継ぎ・異動先での勤務開始

3月になると人事異動の発表があります。こうしてオープンになると、後任への引継ぎが行われます。後任の職員が近くにいる場合には口頭で、遠くにいる場合には引継書を作成して、上司に確認をもらいましょう。

同時にあなた自身の4月からの異動先の引継ぎも受けることになります。引継ぎが終われば部署の送別会があり、4月1日に異動の辞令が出ます。辞令を受け取ったら荷物を持って、新しい部署に出向きます。こうして新しい仕事がスタートするのです。

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異動したくない公務員の拒否権限はあるのか

公務員は普通は2〜3年で異動となることが多いのですが、大きな政策に関わっていたりすると、そのプロジェクトの終了を待って異動という場合もよくあります。このように公務員と切っても切り離せない異動ですが、今やっている仕事にやりがいがあってどうしても異動したくない場合、何か打てる手があったりするのでしょうか。

職務命令に従う義務があるため自分勝手な移動拒否は認められない

以前、横須賀市の職員が異動を拒否して従前の部署に居座り、結局1か月の停職処分を受けたというニュースが報じられたことがありました。このように、公務員が異動を拒否した場合には、職務命令に従う義務(国家公務員法98条1項、地方公務員法32条)に違反したものとして処罰の対象になるのです。

自分勝手な異動拒否は認められないものと考えていいでしょう。ただ健康上の理由や家族の介護の問題があったりする場合には、人事も一定の考慮をしてくれるはずですので、内示の段階で相談をしてみるのが得策です。

人事が考慮してくれる場合もある

基本的に異動が決まると、公務員として働いていく以上、それに逆らうことは出来ません。しかしやむを得ない理由があれば、考慮してくれる場合もあります。家族の介護を自宅で行っており、自分が転居してしまっては、介護に支障が出てしまう場合もあることでしょう。

そのような場合は転居が伴わない範囲での異動に変更する等、人事が考慮してくれる可能性はあります。また、今は健康状態も安定しているが、異動により健康の保持が困難になる可能性があるのであれば、その旨をしっかりと話すことで考慮してもらえる場合もあります。

人事も例外なく何が何でも異動させるということはありません。異動できない事情があるのであれば、しっかりと聞き入れてくれることが多いです。そのような事情があるのであれば、事前に人事に話しておくようにしましょう。

公務員の異動は基本的に認められない!!問題がある場合は相談すること

公務員の異動は政策上のさまざまな理由からおこなわれるものなのです。たとえ興味のない部署でも、人事担当者はあなたの能力と適性を考慮して配置を決定したはずなのですから、まずはそこでできることを模索していきましょう。それが意外と天職だったなんてことは、結構よくある話だったりしますよ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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