面接対策

公務員試験の集団討論を突破するコツ5つ|練習方法やおすすめの本

公務員試験では集団討論がおこなわれる

公務員の採用試験は通常、1次試験と2次試験に分かれています。1次試験は筆記テストで、幅広い分野を網羅した教養試験のほか、いわゆる理系公務員と呼ばれる技術職志望者には専門試験が課されます。この第1関門を通過した人が、次の段階に進めるわけです。

2次試験は面接です。これには通常の個別面接のほか、集団討論(グループディスカッション)を行う場合があります。履歴書やエントリーシートの書き方、筆記試験や個別面接については対策本などが多く出ていますが、集団討論となると「どう準備していいのか分からない」という就活生が多いのではないでしょうか。

ぶっつけ本番で挑むという人いるかもしれませんが、実はこの集団討論こそライバルと差別化できるチャンスです。きちんと準備して臨みたいものです。では、集団討論におけるコツとは、どのようなものでしょうか。

集団討論とは

個別面接と集団討論とはどう違うのでしょう。個別面接は、文字どおり就活生1人に複数の試験官が質問し、その受け答えから人となりや能力、考え方を判断するものです。一方、集団討論は集団選考やグループディスカッションなどと呼ばれ、何人かの受験生を特定のテーマに沿って討論させる形の試験です。

もともと民間企業の採用試験で導入された方式ですが、人物評価をする上での有用性が認められ、昨今では多くの地方自治体で職員採用試験にこの方式が取り入れられています。また、国家公務員試験でも採用する省庁が増えています。

1つのテーマについて討論する試験

次に、集団討論の具体的なやり方を見ておきましょう。通常、受験生をおおむね5~10人程度に分けてグループを作り、1つのテーマに沿ってディスカッションさせる方法をとります。試験官が評価シートなどを使ってチェックする形でおこなわれます。与えられるテーマは、その時々の時事的な話題、当該官庁や自治体が取り組んでいる事業や課題についてなどさまざまです。

このテーマは事前に通知される場合と、討論直前に知らされる場合があり、直前にテーマが与えられるケースでは、考えをまとめる時間(通常10分程度)がとられることが多いです。討論の時間は省庁や自治体によって違いますが、45分から長くて1時間半程度で、通常は1時間ぐらいでしょう。

役割分担をする必要がある

集団討論は役割分担が必要です。イメージしやすい役割としては、進行役が挙げられるでしょう。進行役には、皆の意見を聞きながら議論をスムーズに進めていく役割が期待されています。進行役以外にはタイムキーパー、書記といった役割が代表的な役割として挙げられます。しっかりとした役割分担が討論を始める前に必要です。

この際、「どの役割にもなれなかった」と落ち込む必要はありません。これらの役割以外にも討論の中でやるべきことはあるのです。あまり話せていないメンバーに話を振る、しっかりと制限時間内に結論を出せるように適宜議論をまとめる、他のメンバーが話しやすいよう適宜あいづちを打つなど、集団討論においてやるべきことは多く存在するのです。

公務員試験の集団討論のコツ5つ

公務員試験では、集団討論の時間があります。人によっては集団討論というと、苦手にしている方も多いのではないでしょうか。しかし、ちょっとしたコツを意識すれば、失敗せず集団討論を突破できるようになるものなのです。そこで、ここからは公務員試験の集団討論で失敗しないためのコツを紹介します。

①聞く力をアピール

公務員試験の集団討論を突破するためには、聞く力をアピールすることが有効です。集団討論とは、誰もが意見を言い合うところです。しかし、言いたいことを適切にわかってくれる人がいないと、いつまでも議論は平行線です。だからこそ、聞く力がある人が必要で、そういう人は採用担当者の目を引き、いい印象を与えることが出来るのです。

公務員試験の集団討論で必要なのは、相手が何が言いたいかを理解する力と、質問する力です。相手が何を言いたいのかを理解して、言いたいことが言えるような質問を投げかけてあげてください。それができれば間違いなく与える印象はいくなっていき、公務員試験の集団討論も突破していけるようになるでしょう。

②言い負かそうとしない

公務員試験の集団討論では、誰かを言い負かそうとしないことも大切になります。言い負かそうという姿勢の人は、間違いなく公務員としてふさわしくないですよね。野心があることはいいことですが、好戦的で挑戦的な人物より、相手を思いやれる真面目な人物の方が評価されるのが公務員なのです。ですから、無理に相手を打ち負かそうとしないでください。

公務員試験の集団討論を突破するためには、人の意見のいいところを認めるということも必要になります。対立する意見の中にもいいところはありますから、まずはそこを認めてから話をするようにすると、意見が違う人ともいいところで折り合いが付けられるようになりますし、そのような配慮はポイントが高いです。

③明るい声と表情を意識

公務員試験の集団討論では、明るい声と表情で話すことも大切です。明るい声と表情で話すようにすると、印象がよくなり突破できる可能性も高くなっていきます。公務員試験だけに限った話ではありませんが、集団討論では、ついつい厳しい表情や声になりがちです。しかし、雰囲気の悪さは見られていると考えましょう。

働く上では、協調性が求められます。チームの雰囲気が悪いと、協調性がないと思われても仕方がないでしょう。明るい表情と声でチームの雰囲気づくりに貢献していれば、協調性があると思われて、それだけで高評価になるのです。ですから、公務員試験の集団討論では、いつも明るい声と表情で話すようにしてください。

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④発言が少ない人を気遣う

集団討論では、発言が少ない人を気遣うことも重要なポイントになります。「その人の分まで、自分がどんどん発言してしまったほうがいいのでは」と考える就活生もいるでしょうが、それは違います。集団討論では、個人としてのスキルを見られているわけではありません。集団の中で、集団のパフォーマンスを最大限高めるために、どのような働きをすることが出来るのかを見られているのです。

集団のパフォーマンスを最大限発揮するためには、発言が少ない人の意見も重要になります。意見がないから発言が少ないのではなく、自ら話し出すのが苦手なだけかもしれないのです。発言の少ない人を気遣う姿勢は「チーム全体の状況を見渡すことが出来ているな」と、採用担当者に好感を持たれる可能性があるのです。

⑤適度に軌道修正をする

討論の流れを踏まえ、適宜軌道修正をおこなうことも集団討論において必要なことです。集団討論では、制限時間内に、お題に対するチームの答えを要求されることが多いです。討論に夢中になり、議論を収束する時間が足らず、チームとしての回答をすることが出来なくなってしまうのは最も避けるべき事態です。

社会で働く上で、期限を守って仕事を進めることは当たり前であり、それを守らない人は信用を得ることが出来ないのです。集団討論の中で、都度話の内容を整理し、適宜議論の流れを修正することは、制限時間内に回答をまとめる上で重要なことです。そのため、集団討論においては、ただ自分の意見を述べるだけでなく、議論の流れを見守り軌道修正を行うことが高得点に繋がるのです。

集団討論の練習方法3つ

つぎに、公務員の集団討論の練習方法について見ていきます。集団討論は、発言が少なすぎても多すぎても評価は低くなるでしょう。練習をしっかりおこなったうえで、集団討論に臨みましょう。

①受験先の過去問を利用する

公務員試験の集団討論の練習方法では【受験先の過去問を利用する】ということが挙げられるでしょう。自治体によっては、集団討論で過去に出題されたテーマをホームページに掲載しています。受験先の過去問を見たり練習したりすると、自治体の傾向を知れることにも繋がるでしょう。

集団討論課題例 地方公務員[都道府県]|傾向と対策|公務員(大卒)|東京アカデミー

②集団討論のコツを知る

集団討論のコツを知ることもいいでしょう。集団討論では、流れに沿って適切なフレーズを使うことが必要です。例えば、自分の意見を伝える場合は「私は、○○であると思います。そのように思う理由は○○です。」のようなフレーズを使います。

話を整理したいときは「今の発言は○○は△△である。その理由は□□だから、ということでよろしいでしょうか?」と伝えるといいです。集団討論で自然に使えるように練習しておきましょう。

ほかに使えるフレーズ

・どなたか、○○(役割)を担当していただけませんか?

・Aさんはこれについてどう思いますか?

・私はAさんの意見に賛成です。

・Aさんの意見に私は賛成です。ただ、△△という点については○○という意見です。○○では●●だと思うからですが、いかがでしょう?

③時間内に意見をまとめる

集団討論の練習方法として【時間内に意見をまとめる】ということが挙げられるでしょう。30分や40分、1時間など集団討論の時間は自治体によって異なります。集団討論は時間内に意見をまとめなければなりません。

そのため、タイムキーパーの指示にあわせて討論をまとめられると良いです。タイムキーパーの役割を練習して時間の管理の仕方を覚えたり、全員が時間に気を配ったりして集団討論を進められるようにしましょう。

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集団討論対策におすすめな本3選

実際に採用試験に集団討論が課せられるとして、どのような準備をすればいいのでしょう。前述したように、筆記試験であれば詳細な対策本は何種類も出ていますし、ネットで練習問題を公開しているサイトもあります。

一方、集団討論はその場にならないと、どんな意見が出るか分からないため、前述したように「ぶっつけ本番」で臨む就活生もいるようです。集団討論こそ他の就活生に差をつけるチャンスなので、自分の意見だけでなく積極的に司会やまとめ役をすることで、評価がグンとアップします。そこで、オススメの対策本を3つ紹介します。

おすすめ本①

1冊目は「集団面接・集団討論完全対策マニュアル」です。公務員試験に特化した本ではありませんが、「集団面接は準備しない方が自分らしさが発揮できる」と考えている就活生に喝を入れる内容です。集団選考は運が左右することを認めながらも、それ以上に「事前対策で勝負が決まる」と指摘しています。

集団討論の概要に始まり、「落ちるのはこんな展開のとき」「絶対NGな行為は」「適した話し方・表情・立ち振る舞い・見た目と服装」などを解説しています。試験当日の受け答えだけにとどまらず、「本番の前々日」から「本番直後」まで集団選考の対策、試験官に好印象を与えるためのノウハウを徹底的に学べます。

おすすめ本②

2冊目は一ツ橋書店の「集団討論・集団面接」。単なる筆記試験対策を超えたプラスアルファの力が得られる「アルファシリーズ」の1冊です。教員採用試験を中心に解説していますが、公務員試験全般に共通する内容を含んでいます。

筆者は元公立中学校校長で、実際に自治体で行われている試験内容を分析し、その対策を解説。集団討論や集団面接でどのような力が問われ、どのような面が評価されるのかを詳説。それを身につけることを主眼とし、協調性や調整力、表現力など受かるためのテクニックを養うことができる実践本です。

おすすめ本③

最後は、日経就職シリーズの「ロジカル・プレゼンテーション就活 面接・グループディスカッション対策 2019年度版」です。筆者の高田貴久氏は三菱商事やトヨタ自動車などで人材育成に携わっている人物で、そうした多数のリーディングカンパニーでの経験を踏まえた1冊です。

仮説思考・課題解決型思考を就活シーンで実践することを目指し、集団面接に臨む心構え、対等な議論に持ち込むテクニック、限られた時間を有効活用する方法、出題の意図、必勝法、よくあるテーマとその対策などを解説。2018年度の採用試験で実際に出た面接試験の情報も紹介しています。

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公務員試験の集団討論を突破するためには聞く力をアピールすること

以上、公務員試験の集団討論で失敗しないためのコツのご紹介でした。これらのコツを意識していけば、公務員試験の集団討論においての印象は大きく変わります。ちょっとしたことで大きく評価や印象が変わるのですから、ぜひこうしたことを意識して挑んでみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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