筆記試験

【就活のSPI対策】テストの問題例と受験に必要な準備とは

SPIとは適性検査のこと

就活を始めたばかりでは、SPIってなに?と疑問を持っている人は多く、就活攻略のためにはSPIについてきちんを理解しておくことが大切です。SPIとは適性検査のひとつであり、就活をしていればほとんどの人が経験するものです。適性検査は多くの企業が採用している選考方式であり、ここで多くの学生がふるい分けられます。

しっかりと対策をしておかなければ攻略することは難しいですし、選考を勝ち抜いていくためには適性検査は必須だと言えます。SPIは適性検査として有名ですが、必ずしも適性検査=SPIというわけではありません。SPIは適性検査のひとつであって、他にもさまざまな種類がありますので、就活攻略のためにはSPI以外の適性検査についても理解しておくことが大切です。

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SPIの受験内容

SPIについて知り、対策を立てていこうと思ったら、まず最初にすべきは受験内容を把握することです。就活が始まる時期は何かと忙しいですし、するべきことの全体像が見えていなければ時間を有効に使うこともできません。

早めに受験内容を知り、計画的に対策していかないと、直前で焦ることになってしまうでしょう。就職はSPIだけで決まるわけではもちろんありませんが、SPIで評価が低ければ、面接のチャンスが得られない可能性もあります。十分な準備をするためにも、最初に受験内容を押さえておきましょう。

能力検査

SPIは大きく2つに分けることができます。1つは「能力検査」であり、もう1つは「性格検査」です。能力検査では、仕事をしていく上で必要となる基礎的な能力があるかどうかを、さまざまな点から見極めていくことが目的となっています。能力検査はさらに「言語分野」「非言語分野」「英語」の3つに分かれますが、「英語」に関しては必須ではなく、一部の企業がおこないます。

「言語分野」はいわゆる国語の問題であり、受験方法によって出題内容が変わりますが、語句の関係や意味、語句や文の並び替え、熟語、長文読解などが出題されます。「非言語分野」はいわゆる数学の問題であり、推論や確率、損益算、速度算、表や資料の読み取りなどが出題されます。英語は語句問題、和文英訳、長文読解などが出題範囲です。

能力検査の問題例【言語分野】

■次の文章を読んで答えなさい。

人生の大半は、小さくいえばその人の個人としての進歩・飛躍、大きくいえば人類の進歩・飛躍 とは無関係な、エネルギーの消費に終始しているのであろうか。決してそうではないように思われ る。むしろ無駄に終わってしまったように見える努力のくりかえしのほうが、たまにしか訪れない決定的瞬間より、ずっと深い大きな意味を持つ場合があるのではないか。 ある科学者が画期的な発見をするとか、基本的に新しい着想から出発した、ある学説を提唱するとかした場合、私たちはもちろん、その学者を高く評価する。一言にして言えば、科学者をその業績によって評価する、それは確かに公正な態度である。どんなにその学者が苦心惨憺したにせ よ、そこから独創的な業績が生まれなかったら、多くの場合、私たちはその人の価値を認める正当な理由を持ち得ないであろう。それはそうに違いない。しかし同時に、それは外から見たときの、 やや離れて見たときの評価でもある。(湯川秀樹『現代科学と人間』)

文中下線部「それ」の内容として適切なものを次から 1 つ選びなさい。

1)単なる業績よりも努力の過程を重視すること
2)苦心した結果、業績が生まれない科学者を認めないこと
3)科学者を業績ではなく人柄から判断すること
4)優れた業績を残した学者のみが立派だということ
5)科学そのものを基本的に否定すること

この問題の場合は、消去法で答えを導き出すことが可能です。最初に、本文で全く触れられていないものを除外しましょう。それぞれ本文に関係のあることが書かれているように見えますが、 5)については本文とは全く無関係な内容ですの真っ先に除外できるでしょう。筆者は全体として、科学者を業績のみで評価することを「公正な態度」と認めつつも、そこに疑問も差し挟んでいます。「それ」は筆者が疑問を投げかける対象ですので、1)と3)は除外できるでしょう。2)と4)で悩みますが、4)のように「立派かどうか」は問題にされていないので、2)が正解です。

能力検査の問題例【非言語分野】

A、B、Cの商品を3個1セットで販売することにした。1セットの販売価格は19,980円である。これは原価に対し、11%の利益を見込んでいる。A商品は原価7,000円をそのまま販売価格とし、B 商品は原価に対し12%の利益を見込んで販売価格を5,600円とした。C商品の販売価格は原価に対して何%か。

1) 121%
2) 123%
3) 125%
4) 127%
5) 129%

このような文章題の場合、それぞれの金額の関係などをわかりやすく表に整理するといった工夫が必要です。1セットの販売価格19,980円であることから、原価は19,980÷1.11=18,000(円)であることがわかります。B商品の原価は5,600÷1.12=5,000(円)です。ここから、C商品の原価は18,000-7,000-5,000=6,000(円)、C商品の販売価格は19,980-7,000-5,600=7,380(円)とわかります。販売価格と原価日から、7,380÷6,000×100で123%という答えが導かれます。

性格検査

SPIには「性格検査」もあります。就職して仕事を長く続けていくには、その仕事に適した能力があるだけではなく、自分の性格が仕事・職場に適しているかどうかも非常に重要です。

例えば仕事には短期的に結果が出る仕事と長期にわたって粘り強く取り組まないと結果が出ない仕事があります。人と関わる仕事もあれば、物と関わることの方が多い仕事もあるでしょう。短期的に結果を出すことをモチベーションにする人が、結果が出るまでに期間を要する仕事に就けば、途中で挫折してしまうかも知れません。

就職してから「イメージと違う」「合わない」「辞めよう」となってしまうと、新入社員にとっても企業側にとってもダメージとなってしまうでしょう。そうならないためには事前に性格のマッチングを見極めておくことが大切であり、その方法の1つがSPIの「性格検査」なのです。

性格検査の問題例

◆当てはまる/当てはまらないを選択する問題
・何かをする時には計画を立てる
・思いついたらすぐに行動することが多い
・冗談を言うのが好きだ

◆選択問題
・A「みんなが気持ちよく過ごすことが大切」/B「間違ったことはきちんと指摘して正すべきだ」

◆ライスケールを判定するための問題
・「私は一切ウソをついたことがない」
・「勉強など、自分がするべきことを嫌だと思ったことがない」
など

性格検査の問題には答えがありません。基本的には自分の思ったことを素直に答えていくという形になるでしょう。気をつけなくてはならないのは、この検査でライスケールの判定がなされていることです。ライスケールとは、学生がウソをついていないかを判定するために用いられているものです。

中には「自分をよく見せたい」という学生も多いでしょう。その想いから、つい事実と違ったことを回答してしまう人も一定数存在します。しかし、例えば「計画的に行動するのが好きだ」「思いついたらすぐ行動に移すのが好きだ」など、イメージの良い回答を重ねていくことで回答の一貫性がなくなり、信憑性がないと判断されることもあるのです。

それだけでなく、ライスケールを判定するためだけの問題もあります。「一切ウソをついたことがない」など強い断定口調のものは要注意です。誰でも小さなウソくらいはついた経験を持っているものですので、このような問いで「ウソをついたことがない」という回答を選んでしまうと、自分を良く見せるためにウソをつく傾向があると見なされてしまうでしょう。

SPIの受験方法

SPIを攻略するためには、テストの形式についても理解しておく必要があります。一口にSPIといってもテストの形式はさまざまであり、複数の種類があります。種類ごとに特徴は異なりますので、違いを正しく理解して対策を進めることが高得点獲得の第一歩です。同じSPIでも種類が違えば勝手が違いますので、すべてに対応できるようにしておくことが大切です。SPIにはどのような種類があるのか、それぞれどのような特徴があるのかを知っていきましょう。

WEBテスト

SPIのテスト形式としてはWEBテストが挙げられ、これは自宅のパソコンで受検します。エントリー後に企業のマイページから受検できる場合が多く、期限が決められていますので期限内に受検しておかなければなりません。逆に言えば期限いっぱいまでは受検を引き延ばすことができますので、慌てて受検する必要はなく、しっかりと対策をしてから臨むことができます。

期限ぎりぎりまでじっくりと対策をしておき、充分な準備をしてから臨むことが高得点獲得のポイントです。また非言語の問題では電卓を使用することができますので、受検の際には忘れずに用意しておきましょう。電卓以外ではメモ帳など何でも使用することができますので、しっかり準備をしてから受検することが大切です。

ペーパーテスト

SPIではペーパーテストの形式もあり、これは企業で受検します。ペーパーテストの場合はマーク式の筆記試験になりますので、筆記用具は必須です。企業によっては事前に適性検査の通知をしない場合もありますが、持ち物に筆記用具と書かれている場合はペーパーテストをおこなう可能性が高いので注意しましょう。

ペーパーテストの場合は適性検査だけがおこなわれるのではなく、面接などと並行しておこなわれることが多いです。面接だけのつもりで参加すれば適性検査も受けなければならないということもありますし、場合によっては説明会後にそのまま筆記試験となることもあります。筆記試験の場合は電卓などの持ち込みはできませんので、問題用紙の余白を計算スペースに利用するなどの工夫が大切です。

テストセンター

テストセンター形式のSPIは、テストセンターと呼ばれる会場のパソコンを使って受検します。企業からテストセンター受検案内のメールが送られ、そこにURLが記載されていますのでそこからログインして受検へと進んでいきます。テストセンターも期限がありますので、期限内に受検を済まさなければなりませんが、受検の予約は自分でおこないますので注意しましょう。

選考が集中する時期はなかなか予約が取れない場合も多いこともあり、都合の良い時間を見つければ素早く予約することが大切です。またテストセンターでは会場で受けるのは能力検査のみです。性格検査については事前に自宅のパソコンで受検し、性格検査の受検終了をもって能力検査の受検予約が確定になります。

インハウスCBT

インハウスCBTとは、応募企業に行き、企業のパソコンを使ってSPIをWeb受検するという方法です。この方法でSPIを導入している企業は少ないですが、このような受検方法になる場合もありますので、知っておきましょう。

インハウスCBTは上述のWEBテストと実質ほとんど変わりません。違うのは、受検場所が企業であるという点だけです。そのため、インハウスCBTによる試験になるとわかった場合でも、インハウスCBT向けに特別な対策をおこなう必要はほとんどなく、WEBテストの対策をしておくだけで十分です。インハウスCBTが用いられる背景には、WEBテストにおける不正防止が挙げられるでしょう。各自が自分の部屋などで受検するWEBテストと違い、不正がしにくいので、企業の側からすれば安心というわけです。

SPIを受けるための準備

SPIを受けるための準備

SPIの概要がわかれば、今度はSPIに向けた具体的な準備について知っていきましょう。SPI受検に対して具体的な準備方法を教えてくれる企業は多くないでしょう。企業から指示がないからといって、何も準備せずにただ受検したのでは、もちろん良い結果を出すことは難しいです。

特にSPIには慣れも必要であり、慣れているかどうかで結果に差が付いてしまいます。それを知っている人は早めに準備をしてきますので、準備不足の人は勝ち目がないでしょう。SPIを受けるにあたり、するべき準備を把握し、気持ちに余裕を持って受検しましょう。

パソコン操作になれる

ペーパーテスト以外でSPIを受検する場合、パソコン操作に慣れておくことが必須です。「パソコン操作なんて、誰でもできる」と軽視している人もいるかも知れませんが、対策しておくに越したことはありません。ブラウザの操作を誤ってしまい、実力がテスト結果に反映されないなど、事故を招く恐れもあります。

また、パソコンの誤操作をする・しないに関わらず、「パソコン操作になれている」と自信を持って受検することで、落ち着いてSPIに取り組むことができるはずです。落ち着いて受験する方がミスが減ることは言うまでもありません。現在、WEB上でSPIの模擬試験を受けられるサイトもあります。それらを利用し、実際のWEB試験のイメージトレーニングをしておくのも良いでしょう。普段からパソコンを使い慣れている人でも、一度模擬試験を受けておくことをおすすめします。

練習問題を解く

SPI試験を攻略する上で、練習問題を解くことは必須です。SPIでは、特別難度の高い問題が出題されるということはありません。しかし出題範囲は広く、SPI特有の問題もあります。時間制限もあり、決められた時間内に多くの問題を正確に解くことが求められています。

もし練習問題を十分にこなしていないと、1つ1つの問題に対していちいち解く方法を考えなくてはならないため、時間がかかってしまうでしょう。問題を解く方法のパターンさえ押さえていればすぐに解ける問題もあるため、とても非効率です。「大学受験など、過去に勉強した範囲だから大丈夫」と思っていても、いざ受験となると思い出せないというケースもあり得ます。おすすめは、同じ参考書を何回も繰り返し解き、パターンに慣れておくことです。よくあるパターンに慣れているかどうかで結果に大きな差が出るため、練習問題を十分に解いていない学生は採用側からもすぐにわかってしまうでしょう。

就活におけるSPIは事前の対策が重要

この記事では、就活におけるSPIの適性検査について紹介してきました。適性検査は企業と学生のマッチングを判断するための大切な材料であり、きちんと自分の能力や性格が反映されるよう、対策しておくことが欠かせません。まずは試験の概要と目的を知り、自分の実力が発揮できるように準備をしていくようにしましょう。

試験内容はもちろんですが、受検の仕方、パソコンの扱い方などもきちんと理解し、落ち着いて受検できるようにしておきましょう。事前の対策がきちんとできているかどうかで結果が変わってきますし、その結果から、採用側はマッチング度や熱意(十分に準備し臨んでいるか)を判断していきます。適性検査の結果は面接に進めるかどうかの大切なポイントになりますし、就職後も使われるケースがあります。事前にわかることはきちんと把握し、時間をうまく使って対策して臨むようにしましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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