就活のマナー

「ご足労」の意味とは|知っておきたい言葉の正しい使い方

就活では日本語を正しく使うことも大事

就職活動をしていくにあたり、それまで知らなかった言葉を知る機会が増えた方は多いのではないでしょうか?それまでさまざまな教育を受けてきたなかで、学んできた言葉とは違う言葉や異なる表現など、今まで触れることなかった言葉を知る機会がもっと増えていきます。

そんな時に意味が分からなくて恥ずかしい思いをしてしまわないよう、日本語について改めて学ぶ心がけをしていきましょう。日本語はよく似た意味合いでもさまざまな表現方法があり、実に奥の深い言語といえます。日本語をもっと知ろう・学ぼうという気持ちが、就活の質をもっと向上させることにつながるでしょう。

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「ご足労頂き~」の意味とは

先程ご紹介した「ご足労頂き~」とは、応募先企業に面接や筆記試験などで足を運んだ後日に書面やメールの文面でよく見かける言葉です。「ご」がついていることから、敬語なのかな?ということはわかるかもしれませんが、初めて耳にした人にとっては、何のことかわからない場合もあるかもしれません。

書面やメールで初めて見たのならまだしも、顔を向き合わせて「先日はご足労頂き~」などと言われてきょとんとしてしまったら、それは少し問題です。応募先企業の担当者に「この人はあまり敬語や言葉について不慣れなのかな?」と思われてしまうと、その後の採用選考に影響が出る恐れもあります。ここで今一度「ご足労頂き~」の意味を理解しておきましょう。

「お越し頂いた事への感謝」の意である

【足労】

  • 「歩く」「行く」といった動詞を指している
  • 「足」を使って移動をする事を指す
  • この「足労」に丁寧語の「御」を付けた言葉が「ご足労」

「足労」とは、「足」を使って移動をすること、「歩く」「行く」といった動詞を指しており、「労」という漢字からは、相手を疲れさせる・労力を使わせるといった意味が含まれています。

この「足労」に丁寧語の「御」を付けた言葉が「ご足労」です。「ご足労」とは、わざわざ足を使って労力をかけて来てくれた事に対する感謝の意を表しています。本来ならば「こちらから出向くところ」をという意味も込められており、相手が深い感謝を持っていることが垣間見えます。「ご足労」とは敬語であり一般的に使うことは少なく、そのためビジネスシーンでよく耳にする言葉の一つとなっているのでしょう。

謝罪やお礼の場面でも使用できる

「ご足労」という言葉は、ビジネスシーンでかなり多くの場面で使うことのできる便利な言葉です。「ご足労いただき~」、「ご足労いただいたところ~」などと使うことでクッション言葉としての役割を果たすので丁寧で柔らかい印象を相手に与えることができます。

例えば、こちらに不手際があり、相手に謝罪しなければならないケースだと、「ご足労いただいたところ、非常に申し訳ございませんが~」「ご足労をおかけし、誠に申し訳ございません」などという風に使うと、非常に礼儀正しい言葉遣いに感じられます。

また、このように謝罪するときだけではなく、お礼の言葉を伝えるときにもこの言葉は非常に便利なので使いこなせるようなるといいでしょう。「本日は、ご足労いただきありがとうございました」などと使えるとスマートですね。

「ご足労」の正しい使い方

ご足労という言葉は、多くのシチュエーションで使うことができるので、非常に便利なのですが、その便利さゆえに気をつけなくてはいけないことがあります。それは、ありとあらゆる文に「ご足労」と使ってしまい本来の正しい使い方から離れてしますことです。実際にどのような場面で「ご足労」を使うのが正しくて正しくないのか見ていきましょう。

ご足労は、文字通り「足」を「労う」という考え方に由来しています。つまり、より具体的に言うと人がわざわざ尋ねてきてくれることに関して、感謝や敬意を伝えるための言葉です。そのため、どこかへ向かう人に向かって「ご足労おかけしますが、よろしくお願いします」という使い方はNGです。どこかへ向かう人には「お手数おかけしますが~」という表現を使うといいでしょう。

①訪問していただいた際の使い方

ここまでは、「ご足労」という言葉自体について説明してきました。ここからは実際にビジネスシーンで「ご足労」をどのように使えばいいのか、シチュエーションごとに見ていきましょう。

まずは、相手が自分のところに訪問してきてくれた場合についてです。この場合、先ほど見たように、相手がわざわざこちらに出向いてくれているので「ご足労」を使うことができる場面です。

さて、具体的に用いいられるフレーズですが、一般的には、「ご足労いただきまして、誠にありがとうございます」と使います。これは、天候やその他の条件に合わせるとバリエーションが増やせます。例えば雨の日には「足元の悪い中、ご足労いただき~」と使うことができます。

②謝罪の際の使い方

次は、こちらの不手際で相手に不都合なことが及んで謝罪しなければならない場合について見ていきましょう。繰り返しになりますが、このケースでも相手がこちらに出向いてくれたときに起こった内容を謝罪するという前提は忘れないでください。あくまでも、使用できる場合は相手が出向いてくれた時に限ります。このような場合は「先日はご足労をおかけいたしまして申し訳ございませんでした」と使います。

謝罪する内容に合わせて、ご足労という言葉の前後にその内容を付け加えると、より具体的な謝罪となるでしょう。例えば、相手が出向いてくれたのに、必要な書類が準備できていなかったりした場合には、「ご足労いただきましたところ、~できず誠に申し訳ございません」と使うことができます。

③お礼を伝える場合の使い方

「ご足労」は、相手に感謝の気持ちを伝えるときにも用いることができます。先ほども説明したように「ご足労」とは、わざわざ出向いてくれた相手の「足」を「労う」気持ちに丁寧語の「御」がついた形のため、感謝の気持ちを伝えるのにぴったりの言葉です。

ビジネスシーンではよくこのような相手に出向いてもらう場面があるので、「ご足労」を使って感謝の気持ちを伝える表現はぜひともマスターしておきたいところです。最もベーシックなパターンとして、「本日は、ご足労いただきありがとうございます」という風に使います。あとはこのパターンを基本に「足元の悪い中、ご足労いただきありがとうございます」や「遠方からご足労いただきありがとうございます」という風にバリエーションを増やすこともできます。

ビジネスシーンでのクッション言葉として使用する

応募先企業の採用担当者は、わざわざ来てもらったことに対する感謝の意味で「ご足労頂き~」という表現を使う場合とは別に、クッション言葉として使用する場合もあります。クッション言葉とは、ビジネスシーンで非常に役立つ言葉になります。

ビジネスにおいては相手に対して使用する言葉には細心の注意を払う必要があり、失礼な表現をするのは無礼な行為にあたるのです。そのため、相手にお願いを聞き入れてもらいたい時、相手に嫌な気持ちをさせることなく受け入れてもらいたい時に前置きとしてクッション言葉を使うとその後の関係が円満に進む手助けをしてくれるでしょう。

顧客などに対して利用する

「ご足労」とい言葉の意味は、簡単にいうと「わざわざ足を運んでいただきありがとうございます」という感謝の気持ちと尊敬の気持ちを伝えることができるというのはここまで何度か確認してきました。そのため、目上の人だけでなく自分の元を訪ねてくれた顧客に対しても使用することができる言葉です。

例えば、窓口にいらっしゃった顧客に対して、「ご足労いただき、誠にありがとうございます」と伝えると非常に丁寧な印象を与えるでしょう。「ご足労」はもちろん口頭だけでなく文章やメールにも使えるので、来店や来社のお礼の気持ちを伝える手紙やメールにも広く使われています。この時も同様に「ご足労いただき、ありがとうございます」という基本形をベースに伝えるといいでしょう。

クッション言葉としての正しい使い方

「ご足労」には、クッション言葉としての役割もあります。クッション言葉とは、簡単にいうと本題や言いたいことに言及する前に前置き(=クッション)となるような単語や文を入れることで相手に柔らかい印象を与えるための言葉です。

「足元の悪い中、ご足労いただき誠にありがとうございます」と伝えると、ただ「足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます」と伝えたほうが柔らかく丁寧な印象を与えるだけでなくよりポライトな印象もありますね。

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「ご足労」と言い換えられる言葉

「ご足労」は、ほかの言葉に言い換えることもできます。気のしれた間柄あまりビジネス用語を使わずに、仲の良さをアピールしたい場合には少しカジュアルな言い回しを用いることで相手との心理的な距離感を近づけることができ、物事がうまく運ぶことがあるかもしれません。

では、具体的に例文を紹介していきましょう。「ご足労かけし申し訳ございませんでした」をもう少しカジュアルに言い換えるとすると「お手数おかけし申し訳ございませんでした」という風になります。ほかの例文も紹介しましょう。

「ご多忙とは存じますが、ご足労いただけますと幸いです」を言い換えると「ご足労」を「お越しいただく」に言い換えると「ご多忙とは存じますが、弊社までお越しいただけますと幸いです」と言い換えることができます。言い換えた後の方が、ビジネスの場でもカジュアルになりすぎない言い回しができていますね。

「ご足労」の言葉を使うときの注意点

せっかく「ご足労」という言葉を知っていてもいざ実際に使ったときに間違った使い方をしてしまうと相手に悪い印象を与えてくれるかもしれません。正しく使えてこそビジネスシーンでこの言葉の威力が発揮されるのでもう一度正しい使い方を確認しておきましょう。

この文章の中でも何度か言及しましたが、大切なことなので繰り返します。「ご足労」とは、わざわざ出向いてくれた相手の「足」を「労う」気持ちに丁寧語の「御」がついた形です。

そのため、相手がこちらをたづねて来るときにしか使うことができません。このポイントさえ押さえていれば、「ご足労」の用法について大火傷をすることはないでしょう。感謝や尊敬の気持ちを伝えたい人が出向くようにお願いする場合は「お手数おかけしますが~」などのクッション言葉を使うといいでしょう。

自社の上司には使用しない

自社の上司に対して「ご足労」と使うときは注意して使う必要があります。基本的に、自社の上司には「本日は、ご足労いただきありがとうございます」と使うことはありません。基本的にというのは、例外的に自社の上司に対しても使えるケースが存在するからです。それはどんなケースでしょうか。もう一度「ご足労」の意味を確認しましょう。ご足労は「わざわざ自分所にきてくれたことへの感謝」が基本のイメージです。

そのため、いま自分が働いている所と離れたいるオフィスや支社から上司にあたる人が来る場合は「ご足労いただきありがとうございます」と使うことができます。それ以外のシチュエーションでは自分の上司にあたる人物に対して「ご足労」と使う場面を探すことは難しいでしょう。

学生には慣れない言葉が多い就活

学生時代では、先生や友人・家族やアルバイト仲間など、カジュアルな言葉を使ったコミュニケーションのなかで過ごしてきた方が多いでしょう。それが就活が始まったことにより、これまで使ってきた言葉とは大きく種類の異なる言葉を知るきっかけとなり、自分の将来などに対して期待と不安が入り混じる生活の中で聞き慣れない言葉を耳にすればするほど、不安や動揺といった感情を持つ場面も出てきます。

まずは知らないことをそのままにしておかずに、学ぶ姿勢を持ってみましょう。前向きな行動が、あなたに新しい知識をもたらします。

分からない事はリサーチする

ありがたいことに、今はネットで簡単に情報を入手できる時代です。ITの技術が日々進歩してきており、インターネットやPCがあることで、実に多くの情報を簡単に手に入れることが可能になりました。

そのため、分からない事はすぐにリサーチして自分の知識に変えることができます。もちろん、図書館や大学など、自分で足を使って得られる情報も非常に重要です。しかしながら、それだけではなくさらにインターネットを使うことによって得られる知識の量は膨大です。わからないことがあれば、どんどんリサーチして自分の知識を増やしていきましょう。

社会人になっても役立つ知識

ビジネスでよく使われるフレーズは就活でも頻出します。就活において、社会人になる前にさまざまな知識を増やしておけば、社会人になった時に慌てなくて済みますし、自分に自信を持って先輩や上司とコミュニケーションをとることができることにつながるでしょう。

社会人になっても役立つ知識のため知っておいて損はなく、分からない事はすぐに調べるという習慣自体も社会人になってから役立つため、今のうちに身につけておくことがおすすめです。どんなことにも「好奇心」を持つこと、「学び」に変えていく習慣は、ビジネスシーンにおいても、仕事に対するやる気や反省・改善などにつながるスキルとなるでしょう。

言葉の正しい使い方について悩んでいる人は、こちらの記事もおすすめです。

「ご足労」の意味とは主に「お越し頂いた事への感謝」

さて、最後になりましたが「ご足労」の意味についてまとめます。この言葉の語源等をしっかりと理解しておくと社会人として押さえておきたい言葉遣いのうちの一つをマスターできるでしょう。

「ご足労」とは、わざわざ出向いてくれた相手の「足」を「労う」気持ちに丁寧語の「御」がついた形です。「相手がこちらに出向いてくれているかどうか」がカギの言葉なのでこのポイントに注意して使ってください。この言葉を使って、一段うえの言葉遣いとビジネスマナーを手に入れましょう。

同上の正しい使い方について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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