面接対策

【面接での受け答えのポイント】合否を左右する話し方とは

面接では受け答えが重要

面接は、企業とあなたとのコミュニケーションの場です。面接官はあなたがどんな人間なのかを知るために色々な質問をしてきます。学生時代にどんな経験をしたのか、なぜこの会社を志望しているのか、あなたの長所と短所はどんなところなのか。あなたはそれに対して、自分はこういう考え方のこういう人間なんだということを伝えます。

このときに注意すべき点は、あなたが一方的に話していないかということです。華々しい経歴をつらつらと並べて、さあ私を判断してください。ではいけません。面接は面接官との会話の場でもあります。面接官が話しているときはしっかり聞きましょう。そしてその質問に対してあなたが答える。そしてその話を面接官に聞いてもらう。これが面接官と会話をするということです。

面接はスピーチをする場所ではない

面接は会話をする場所であって、スピーチをする場ではないということを覚えておきましょう。なのでスピーチのように、がちがちに話す内容を決めるのは得策ではありません。

台本を作って行くのではなく、必ず伝える項目だけをピックアップして”話す”ということを心がけましょう。PRしたいことがたくさんあるのはいいのですが、何を伝えたらゴールなのかを決めると、より簡潔に話すことができるでしょう。また話す内容の暗記はNGです。暗記したものを話すと質問の意図とは違うことを話してしまったり、緊張してつっかえたときなど、話すべき内容すべてが飛んでしまう恐れもあります。

会話というからにはどちらかがずっと話しているだけではつまらないものです。長くても20秒以内に話せればお互いに不快感がないので、話したい内容が多いときは目安にするといいでしょう。

あなたにも企業を判断する権利がある

面接は企業があなたを知る場でもあり、あなたが企業のことをより詳しく知る場でもあります。ホームページや就活サイトには載っていない企業の本当の姿を見るチャンスでもあります。

例えば面接中に、面接官にあまり質問されない時は、それがその企業の社風であるケースが多い(仲間と協力する社風ではない、仕事は自分で取りに行くなど)と、いうことが分かったりもします。面接はこれからの自分の環境をリサーチできるまたとないチャンスです。この企業で自分がやっていけるかシミュレーションしてみましょう。

志望していた企業だったのに思っていた感じと違ったというときは、もう一度よく考えましょう。面接は、企業があなたを選ぶ場でもありますが、同時に企業の面接スタイルを見て、あなたにも企業を判断する権利があることを忘れてはいけません。

 

抑えておくべきポイント5つ

面接の対策はきちんとできているでしょうか。企業の人と直接顔を合わせて、自分のことを上手く相手に伝えなくてはいけません。しっかりと準備しておかないと不安になりますよね。

面接には抑えておくべきポイントが5つあります。対策しなくてはならないことの多い面接ですが、まずはその点に絞って準備していきましょう。

ポイント①話す順序

抑えておくべき受け答えのポイント1つ目は「話す順序」です。おおよその面接では、志望動機や社会で実現したいことを聞かれます。勉強、経験したことを会社に入ってどう活かしたいかを順序よく伝えます。

このときにコツとなるのが「結論→理由→まとめ」の順で話す構成を立てることです。「薬剤師になりたいから薬学部で勉強しました」だけでは、何が仕事の役に立つのか分かりません。「結論→理由→まとめ」の順序を踏まえた上で答えましょう。話す順番が分かりやすく、共感しやすい内容であれば、企業はあなたの伝えたいことを納得してくれます。

「私は高校生の頃に重度の中耳炎になりました。薬局で薬を処方してもらったときに、薬剤師の方は不安な私にとても優しく、薬の説明も丁寧で、いつも笑顔で接しくれました。おかげさまで体調だけではなく心から元気に回復しました。このことがきっかけで、医療の場に明るさを提供する仕事に就きたいと強く思うようになり、大学では薬学部に進学しました。御社が展開するにこにこ薬局では、かかりつけ薬剤師制度があります。患者様への配慮が充実しており、私が実現したい薬剤師の姿であると思い志望しました。」

ポイント②目線

ポイント2つ目は「目線」です。面接中に面接官の方を向かないで話すことはNGです。目線を合わせることは「伝えたい気持ちがあります」という意思を意味します。

目線を合わせることによって説得力も増しますので、恥ずかしがらず意識して目を合わせてください。目線を合わせるのが苦手な人は、相手の鼻を見ながら話すと、先方からは目が合っているように見えますので、この方法を覚えておくとよいでしょう。また、ジェスチャーも場合によっては効果的です。ずっと畏まりながら堅いままでいるよりも、手を使いながら話すことで、自分の話のイメージを描きやすくする効果もあります。

ただし、面接はおしゃべりではないので、過度な動きは避けてください。あくまでも面接官を相手に話をするので、小振りに動かしてオーバーリアクションにならないように話をしてください。

ポイント③話し言葉にならない

ポイント2つ目は「話し言葉にならない」です。就職活動中という身である以上は、ビジネスの世界にいることを自覚しましょう。

「えっと~」「~だから~」のような話し言葉をつかうと幼稚な印象になります。また、相手側の企業を呼びたいときに「そちらの企業は~」とは言ってはなりません。「そちら」という言葉は、「そちら様」というように人称として使用する場合もありますが、企業のことを呼びたい場合は「御社」と言ってください。

(例)そちらに応募しました。→「御社に応募しました。」

ポイント④声の大きさ・速度

ポイント4つ目は「声の大きさ・速度」です。声が小さくて聞き取れないのは、もってのほかです。面接官が座っているところまで、確実に声が届くボリュームで話をするようにします。せっかくの回答が、非常に内容がよくても、聞き取れないと意味がありません。

早口で話す癖がある人は要注意です。緊張すると早口になってしまう、伝えたいことが多く焦って早口になってしまった、というような失敗は過去の面接でありませんでしたか。程よいスピードは、説得力と安定感を与えます。

「この人なら会社の仲間になってもいいな」と想像しやすくすることも面接での上手な受け答え方のひとつです。癖は矯正しにくいですが、一歩先の思いやりを考えて話す癖をつけることで、受け答えの最大のアピールができます。

ポイント⑤抽象的な表現をしない

ポイント5つ目は「抽象的な表現をしない」です。「このような」「そういった」「こんな感じ」を使用すると、話が分かりにくくなるので使わないようにしてください。

主語を省略しがちになると、話が飛び飛びになっているように感じ、気の抜けた内容に聞こえてしまいます。面接官の質問に対して、「いや」「でも」というように否定することは避けてください。幼稚な反論と思われ、ビジネスの場にふさわしくない振る舞いと認識されます。

もしも否定しなければならないときには、「おっしゃる通りです」「ご指摘ありがとうございます」などの、相手の主張を受け入れる一文を添えるとよいでしょう。

面接での受け答えはポイントを抑えてのぞもう!

以上、抑えておくべき受け答えのポイント5つを紹介しました。5つのポイントのうち、今までの自分に足りなかった部分はありましたか。もし改善すべき部分があった人は、今からでも受け答え方は変えられますので、ぜひ練習してみてください。

その際におすすめなのが、複数の友達に話し方を見てもらうことです。客観的に第三者目線で模擬面接をしてもらってください。模擬面接をする際には、「面接評価シート」を利用してみると良いでしょう。実際の面接でも使用されている学生評価シートですから、面接の際に面接官が見ているポイントや受け答えに関する評価などを、面接官視点で採点してもらうことができます。
自身の受け答えの癖や良かった点をフィードバックしてもらうことで、より魅力的な受け答えのスキルが身に付きますので、一つの面接ごとに、良かった点、悪かった点を見直すとよいでしょう。
 

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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