身だしなみ

【平服のコーディネート術】企業が指定する意図やNG例もご紹介

就活生が知っておきたい平服の意味

面接の通知が届き、さあこれから頑張るぞと意気込む就活生も多いでしょう。しかしそこに「平服(へいふく)でお越しください」との文字があったらどうしますか?

平服という言葉には企業側のさまざまな意図があります。一般常識を探ってみようという思惑や、堅苦しくならず気軽にお越しくださいという配慮、夏の暑い日であれば、スーツ姿の暑苦しさへの思いやりも考えられます。なので、企業の目的に沿った平服で面接に臨みたいものです。

この記事では平服で面接に臨む就活生のみなさんが、服装に迷わないようにアドバイスをするものです。平服の考え方から網羅していますのでぜひご参考にしてください。

面接時における失敗しない平服とは

平服とは一般的に私服として見なされます。私服というと、自分の普段の服装で良いと思われるかもしれません。しかしこの場合の平服とは、相手が好ましいと感じる服装のことを指します。

つまり、服装ひとつでも評価されるということでもあるのです。就活における好ましい平服とはどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。

平服とは私服のこと

平服は「ふだん着ている衣服・普段着」とされていますが、普段着ということは私服で良い、ということなのでしょうか?ここで一旦、冠婚葬祭でのドレスコードの考え方をおさらいしておきます。冠婚葬祭では大きく3つに服装が分類されます

礼服:タキシード・振り袖など
準礼服:ブラックスーツ、カクテルドレスなど
略礼服:平服

平服とは略礼服のことです。逆説的ですが、略礼服とは「礼服でなくてよい」ということでつまりタキシードや振り袖でなければ良い、ということになります。

しかし冠婚葬祭にTシャツやデニムのパンツなどで出席できません。その場に合わせた服装をしていかなければいけません。つまり平服とは普段着=私服ではあるけれど、場にふさわしい服装でお越しください、という意味です。

業界によって使い分ける平服

一般企業の面接で最もふさわしい平服はやはりリクルートスーツです。しかし業界によって「ふさわしい」服装は異なります。

例えばアパレルや美容師といったファッションセンスを求められる業界があります。この業界の仕事ははお客さまにファッションの提案やコーディネートのアドバイスをすることです。

そのためこの業界での平服は、「流行を押さえたコーディネートが提案できる人」や「ブランドイメージに合致した人物」をアピールする方が望ましいでしょう。志望する企業のブランドイメージや、一般人が思い描く業界の印象に合わせることが、平服の意図なのです。

平服におけるNGな服装

平服のもっとも大切な考え方は、自分よがりではない、ということです。平服=私服と思い込んでカジュアルな服装を選択してしまいそうですが、「(相手のことを考えて)私(自身が選んだ)服」のことを指します。

就活をしている身からすると、面接は内定のためのひとつの関門に過ぎませんが、企業の立場からするとどうでしょうか?長い期間一緒に働く人を探しているわけですから、自社のイメージに合った人を雇いたいと思うはずです。

ですから、企業HPやパンフレットを見たり、OB・OGに尋ねたりして、社風や企業イメージをリサーチすることが大切です。目立つため、印象強く見せるため、という独りよがりな平服では悪い結果しか残せません。

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企業が面接に平服を指定する意図

では、次に企業が面接に平服を指定する意図について考えてみましょう。通常、面接はスーツが指定されていますが、そこをあえて平服にするというのはそれなりの意図があると考えた方がよいかもしれません。

どのような意図かというのは企業によって大きく異なるところですが、主な理由としては下記のようなものが考えられるでしょう。企業が意図しているところをしっかりと把握し、適切な対応ができるように心がけることが大切です。

リラックスして面接を受けてほしい

1つ目の意図として考えられるのは、「応募者にリラックスして面接を受けてほしい」というものです。通常、企業の就職選考には筆記試験の他に面接試験が含まれており、そこを通過しないと内定を得ることはできません。

では、企業側は何故面接試験を設けるのでしょうか。それはもちろん企業によって異なりますが、多くは「応募者の人間性や特性を見たい」というものが挙げられるのではないでしょうか。

仕事というのはスキルや能力で決まるところも大きいですが、それ以上に人間性や適性が判断基準になることもあります。そもそも、信用できない人間に大きな仕事を任せることはできないでしょう。リラックスして臨むことにより、本来の資質を計れます。

学生の普段の雰囲気を見るため

2つ目の理由としては、「学生の普段の雰囲気を見るため」というものが挙げられるでしょう。面接にスーツで臨む場合は、ある程度画一的な装いが想定されますが、平服の場合は応募者それぞれの個性が反映されることになります。

そのため、「応募者が普段どのような服を着ているのか」「そこからどのような雰囲気を読み取れるか」という面を計ることができます。さすがに面接に相応しくない派手な格好で赴く人はいないとしても、服装には「センス」や「判断基準」といったものが如実に現れるものです。

そこから、面接官は応募者の特性や適性を見ることができます。業界によって求められるものは違いますので、適切な服装を心がけましょう。

マナーの有無を確かめるため

最後の理由は、「応募者のマナーの有無を確かめるため」です。こちらもスーツの場合はある程度画一的な装いになるため、大きくマナー違反をする学生はいないでしょう。しかし、平服の場合はもう少し選択肢の範囲が広いことになります。

もちろん、平服とはいえある程度一般的なマナーが存在します。しかし、面接に必要以上のアクセサリーをつけていく、主張の激しい服装で出向くようであればマイナス評価は避けられず、選考を通過するのが難しくなってしまうかもしれません。

仕事は能力も重要ですが、同じくらい人間性やマナーも大事です。誰も人間性やマナーに不安のある人と一緒に仕事をしたいとは思わないため、就活ではその辺りをしっかりとカバーしておきましょう。

男性の平服コーディネート術

一般的に男性の場合の平服は、リクルートスーツをお手本にコーディネートを決めると無難にまとまります。

ジャケットやパンツは明るすぎない色を選び、革靴は前日までに美しく磨いておくと間違いは少ないはずです。シャツの色は白を基調とし、業界に合わせて淡色をやワンポイントあるものを選ぶと良いでしょう。飾り立てるよりも引き算で服装を選ぶと清潔感が増します。

それでは男性の平服における考え方、具体的なコーディネート術の例を業界のイメージごとに紹介します。

業界に合わせた男性の平服コーディネート

公務員、金融、製薬など堅いイメージの業界ではクリーンで誠実、信頼できる、といったイメージを非常に大事にしています。ですから面接では誠実さをアピールするような平服を選びましょう。

具体的には、ジャケットは黒か濃紺で、襟付きの白いシャツ、落ち着いた柄・色のネクタイに黒の紐靴(きちんと磨いておく)を着用します。ただしお客さまに威圧感を与えるという理由で、黒のスーツを嫌う会社もあります。

通信やマスコミ、広告他、IT関連などは華やかな印象がありますが、非常にハードな業界です。そのためフットワークの軽さや、説得力を持たせるような服装を選ぶと良いでしょう。スーツは濃紺やグレーなど明るすぎない物を選び、淡色のシャツ(ラインなど柄があっても可)、レジメンタル(斜めストライプ)、チェック柄などを着用します。

男性の平服コーディネートNG例

  • 短パン・ジーンズ
  • サンダル・スニーカー
  • 柄が派手なシャツ

まず短パンは日本のビジネス上ほとんど認められていません。一部の外資系企業はハーフパンツを認めている場合もありますが、面接では避けて置いた方が無難です。

ジーンズも特に営業や顧客面談等が多い会社では「カジュアルすぎる」という理由でふさわしくないとすることがほとんどです。

男性の場合は特に足下に気を配ると清潔感や誠実さが増します。パンツの裾のほつれ、丈が合っていなくてダボついていないか、靴は磨かれているか。この三点を守るだけで印象はガラリと変わります。

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女性の平服コーディネート術

女性の平服のコーディネート術を解説していきます。女性の場合は華美になりすぎないことを意識します。上品さを損ねるような、光沢が強いエナメル素材の靴や体の線を強調させるような服は避けましょう。

清潔感やフレッシュ感を大切にした服装なら、どんなコーディネートでも許容できるのが女性の強みです。それでは女性の平服における考え方、具体的なコーディネート術の例を業界のイメージごとに紹介します。

業界に合わせた女性の平服コーディネート

公務員、証券、保険など堅いイメージの業界は、お客さまの大事なお金や生命に関わるものを扱う業種です。そのため服装もオーソドックスにまとめると責任感があって頼りになりそう、という印象づけられます。スーツは黒か濃紺のものを選びます。タイトスカートと襟付きの白いブラウスを着用し、髪は顔にかからないように一つにまとめましょう。

パンツスーツはフットワーク軽く仕事ができる印象を与えます。しかし柔らかい雰囲気をお客さまに出したいという理由から、スカートが望ましいとする会社が多いです。

通信・マスコミ・アパレルなど柔らかい業界では、グレーまたは濃紺のスーツ(パンツスーツでも可)に襟なしブラウス(淡色でも可)を着用し、髪は顔に掛からないようにだけ気をつけます。

この時、センスの良さをさりげなく印象づけるような、地模様が入ったスーツでもいいでしょう。フットワークの軽さをアピールするためにパンツスーツもアリです。

女性の平服コーディネートNG例

  • アクセサリー
  • スカートの丈が短い
  • サンダル・スニーカー・ブーツ

見落としがちなのがスカートの適正な丈です。座ったときに膝よりも5㎝長いのが適性です。自分ではわかりにくいものですから、親や友人、販売員さんにチェックしてもらうことをオススメします。

腕時計、結婚指輪以外のアクセサリーは外します。指先は見られがちなのでマニキュアは落とすか、透明の色だけにします。男性と同じく足下には配慮しましょう。パンプスは汚れがないように磨いておきます。

TPOを考えた平服を心がけよう

面接での「平服でお越しください」には企業の様々な意図や配慮が込められています。その目的に答えるような服装を選ぶことが求められているのです。

これをTPO(Time、Place、Occasion)といいます。平服とは、「(相手のことを考えて)私(自身が選んだ)服」のことです。そこでは社会人の教養や気遣い、マナーといったものが試されます。高級レストランでドレスコードが指定されるように、面接の場でもそれにふさわしい服装が求められるのです。

もしも平服に迷ったら、企業HPやOB・OGの方の話を参考にして、会社・業界にあった服装選びをしましょう。TPOを考えた感じの良い平服は事前の調査からも明らかになるものです。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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