業界研究

【繊維業界研究ガイド】あなたの就活に役立つ情報を一挙公開

繊維業界とは

繊維業界は、戦前より日本の経済を支えていた大きな産業です。最盛期と比較すると繊維産業は弱くなったといわれることもありますが、衣類をはじめとした私達の最も身近な材料のひとつであり、依然として巨大な業界といえます。

巨大な業界ですので毎年多くの就活生が志望していますが、その反面で巨大な業界を上手く把握できていない就活生も多いでしょう。そこで本記事では、繊維業界の基礎的な知識について丁寧にご紹介していきます。

繊維業界

繊維業界は、繊維の製造および開発をおこなっている業界です。広い目で見れば材料系の業界といえるでしょう。一重に繊維といっても、綿や絹などの天然繊維とPETやナイロンなどの化学繊維に分類することができ、企業によって得意としている繊維が異なります。

また、化学繊維の発達により、衣類だけではなくフィルターや補強材料など幅広い需要を獲得していますが、衣類に対する需要はまだまだ大きく中国などの海外企業にコスト面で苦戦を強いられています。

しかし海外の製造拠点の設立や、独自の高機能繊維などの高付加価値の創造を推し進めることで、海外企業に負けない競争力を維持しています。

繊維業界の業績推移について

繊維業界は、大手卸先でもある自動車業界がリーマンショックの影響を受けて業績が低迷したことにより、一時的に繊維業界も共に業績が落ち込みました。しかし、自動車業界が業績を回復した事により、繊維業界も徐々に回復して行き、ここ数年業績を伸ばしています。

平均年収は数ある業界の中でも、高いとはいえません。これは、繊維業界そのものが低い傾向にあるというわけではなく、業界内で所得差が大きいため結果的に平均収入が低くなっているためです。

また、平均勤続年数も短い傾向にありますが、これも業界内で大きな格差があり、平均勤続年数が20年以上の企業がある一方で10年以下の企業もあり偏っている傾向があります。

繊維業界の細かい職種分類について

  • 研究
  • 商品開発
  • 生産
  • 営業

人事や経理などを含めなければ繊維業界特有の職種は4種あげられます。どの職種も繊維に関する専門的な知識が求められます。研究は、商品の根幹的な技術を確立する職種で非常に高度な専門性が要求される職種でもあります。商品開発は、研究を基に顧客のニーズを考え実際に商品設計をおこなっていく職種で、専門性や視野の広さが問われてきます。

生産は、生産ラインの設計や品質の管理などをおこないます。商品の品質を左右する重要な職種で、繊維だけでなく機械工学などにも精通している必要があります。営業は、自社商品を売り込む職種です。よい商品を造れても使ってもらえなければ利益には繋がりません。このため営業には、商品に関する知識だけでなく提案力や交渉力など、複合的な力が必要になります。

繊維業界の現状

繊維業界を志望するなら、業界の現状がどのようになっているのかを知っておくことが大切です。繊維業界は右肩上がりに業績を回復させており、業界全体の売り上げとしては好調に推移しています。ただし、好調なのは自動車などの産業用繊維であり、衣料品などの分野は中国に圧迫されてやや不調といえるでしょう。

また、業界全体で見ても中国のシェア率は高く、世界的に見ても好調な分野といえます。産業用の繊維の大手企業は、M&Aを積極的におこなっており、繊維業界では生き残りをかけた競争が始まっています。

業界全体で変容の動きは大きく、国内でも変化を迫られている企業は多いです。繊維業界は好調に推移しながらも変化を続けているため、これからの動向に注目しておきましょう。

主要企業5選紹介

繊維業界は実に多様化している業界です。各企業で天然繊維を得意とする企業や化学繊維を得意とする企業など強みがそれぞれにあります。特に、化学繊維でも医療分野に力を入れている企業や複合材料に力を入れている企業など更に多彩になります。

各企業にどのような特色があるのかを知ることは就活をおこなう上で必須情報です。各業界でも同じことがいえますが、ここでは繊維業界を代表する主要企業を5つ紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

①東レ株式会社

  • 企業名 東レ株式会社
  • 代表取締役社長 日覺 昭廣
  • 従業員数 7,220名(単独 グループ全体は46,248名)
  • 設立年月日 1926年1月に創立

東レは、東洋レーヨンとして創業以来90年の歴史がある日本を代表する化学繊維メーカーです。主要事業は繊維製品の製造ですが、現在ではフィルムや電子情報材料など幅広く展開しています。また、戦前からあるだけに規模が大きく、関係会社は国内外で255社(国内99社 海外156社)にも上り国内最大級になります。

前述したように東レは、繊維材料の中でも最先端といえる炭素繊維の世界シェアを保持しており、世界的な技術競争力のある企業です。そんな東レは「Innovation by Chemistry」を企業スローガンとして掲げています。

「Innovation by Chemistry」化学を中心に革新と創造に挑戦する。つまりは、先端材料で世界トップ企業を目指すという思いが込められており、スローガン通り最先端材料の世界シェアを保持するほど挑戦をしてきた企業ともいえます。

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②帝人株式会社

  • 企業名 帝人株式会社
  • 代表取締役社長 鈴木 純
  • 従業員数 19,292
  • 設立年月日 1918年6月17日に創立

帝人は、東レに次ぐ規模を誇る化学繊維メーカーです。帝人も単なる化学繊維メーカーではなく、繊維をはじめとした素材事業だけでなくIT事業やヘルスケア事業など3つの事業形態を展開しており、素材とIT、素材とヘルスケアといった具合に自身の強みを掛け合わせることで発展戦略をおこなっています。

また、帝人はヘルスケアの中でも特に在宅医療に力を入れており、在宅酸素医療法や睡眠時無呼吸諸侯軍に関する事業は国内トップシェアを誇っています。帝人の人と環境に配慮し、社会や人々が期待する価値提供の基本理念「Human Chemistry, Human Solutions」に基づき幅広い取り組みをおこなっています。

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③東洋紡株式会社

  • 企業名 東洋紡株式会社
  • 代表取締役社長 楢原 誠慈
  • 従業員数 3,021(単独 グループ全体は9,215名)
  • 設立年月日 1914年5月3日に創立

東洋紡は創立から100年以上経過した繊維企業の老舗です。長い歴史の中で培った技術を用いて、工業フィルムや自動車部品、フィルター、高機能繊維など広い分野をグローバルに展開している企業です。

技術の蓄積に強い東洋紡は、高いレベルの技術を要する海水を真水に分離する淡水化膜である逆浸透膜の製造に強く、人口爆発で水不足が急速に進み食糧難などが深刻化している中東で5割を超えるほどのシェアを有しています。

東洋紡は2012年に新しく据えた「Ideas & Chemistry」企業スローガンに基づき、新しい価値を創造できかつ様々な場所でネットワークを構築できる人物が力を発揮している企業です。

④倉敷紡績株式会社

  • 企業名 倉敷紡績株式会社
  • 代表取締役社長 藤田 晴哉
  • 従業員数 4,642名
  • 設立年月日 1888年6月17日に創立

倉敷紡績(以下クラボウ)は、実に様々な事業形態を持つ企業です。繊維事業はもちろん、化成品事業、食品・サービス事業、不動産事業など実に幅の広い事業展開をおこなっています。

本記事の趣旨である繊維事業でも、現在化学繊維が主流となっていますが、クラボウではイブリックと呼ばれる電子線を用いて分子レベルから天然繊維の改質技術から消臭や抗菌などの機能を有した天然繊維を作り出しています。

また、クラボウでは求める人材を公表していません。これは、景気や社会情勢や配属部署など自身の立ち位置で変わるというのが根底にあるためです。逆にいえば、環境に対して柔軟かつ自身がおこなうことが周りにどう影響を与えるかのビジョンを持っている人物が求められているとも汲み取れれます。

⑤ユニチカ株式会社

  • 企業名 ユニチカ株式会社
  • 代表取締役社長 注連 浩行
  • 従業員数 1,117名(単独 グループ全体は3,697名)
  • 設立年月日 1889年6月19日に創立

ユニチカも東洋紡やクラボウに並ぶ長い歴史を持つ企業です。繊維事業と高分子事業、機能材事業の3本柱を強みとしている企業です。現在は、事業のグローバル化に精力的でアジアや新興国を中心に事業拡大をおこなっており、フィルムや不織布、繊維事業は既にグローバル展開しています。

ユニチカは一時的に繊維事業が悪化しましたが、食品包装用ナイロンフィルムでは世界トップレベルのシェアを持つなど強みのある企業です。現在では、繊維事業の見直しを図り多角的な戦略を目指しています。

グローバル化に力を入れているユニチカではビジネスや活躍をグローバルに捉えるグローバルマインドを持つ人材を求めており、海外でも活躍したい人におすすめです。

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繊維業界の志望動機

実際に志望動機を作成するにあたって、どのような内容や構成で記入するのか例を参考にしていきましょう。例文を参考にすることで、どのような内容ならスムーズにアピールできるのかがわかり、実際に自分で作成する際の参考にもなります。例文はそのままコピーして使用せず、自分の場合に置き換えて内容を作ることが大切です。志望動機作成のポイントを押さえながら例文もチェックして、選考で評価される内容を考えていきましょう。

例文①

私は衣料品の提供を通じて、QOLを上げたいと考えて貴社を志望しました。衣料品は嗜好品としての意味合いもあり、充実した衣料を提供することで、生活の質や満足度は上がると考えます。貴社はハイブランドからファストファッションまで幅広いクライアントを持っており、より多くの人に衣料品を届けるのに最適な企業だと考えます。
貴社では営業として働き、新規開拓で販路を増やすことで、より多くの人に衣料品を届け、生活の質の向上と企業の利益に貢献したいです。

繊維業界は衣料品とも密接にかかわっているため、これを題材にしてアピールしてもよいでしょう。企業でどのような仕事をしたいのか、なぜその企業を選んだのかが明確に示されており、他の企業を志望する理由との差別化ができています。

例文②

産業繊維の提供を通じて、工業の発展に寄与し、経済成長の一助になりたいと考え、貴社を志望しました。貴社は自動車などで使用される産業繊維の供給量が国内トップクラスであり、より多くの人に繊維を届けられる点が他社にはない魅力と考えます。
貴社で開発部として働き、現状の繊維の改良から、新しい繊維の開発まで手掛けたいです。現場の意見にも積極的に耳を傾け、何が必要とされているのかを知りながら、開発部で活躍したいと感じています。

産業繊維という、ピンポイントで例をあげてアピールすることも方法のひとつです。繊維業界といっても商品の幅は広いため、どのような分野で働きたいのか、またいかなる仕事をしたいかをあげると、志望度の高さは伝わりやすいでしょう。

繊維業界研究のおすすめ書籍紹介

繊維業界は、歴史が古い業界の1つです。そのため、現在に至るまで多様化が進んでおり、業界を深く知るためにはそれなりに研究する必要があります。また、多様化が進んでいる分業界が複雑化している側面もあるので、ネットなどで断面的な情報を集めるよりも書籍を用いる事をおすすめします。

書籍は料金が発生する分、効率的に業界内を理解するための知識が集約されています。就職活動は、事前準備がものをいいます。そのため、時間を確保する能力も重要な要素になります。効率的により繊維業界の理解を深めるのであれば、書籍を参考にすることも視野に入れましょう。

繊維 (日経文庫―業界研究シリーズ)

繊維 (日経文庫―業界研究シリーズ)』は、2006年に出版された繊維の業界の解説本です。繊維業界の現状はもちろん、市場や動向だけでなく展望まで基本から発展的な解説がされています。比較的に古い書籍ではありますが、現在の状況と照らし合わせることで飛躍的に理解は深まるでしょう。

また、業界解説の他に付録として知っておきたい化学・繊維用語が収録されているので繊維の基本を知る上では補助的に役に立つでしょう。

はじめて学ぶ繊維

はじめて学ぶ繊維 』は、現在の日本では唯一繊維の名を冠する学部を持つ信州大学繊維学部が編集に携わった書籍です。繊維の特徴、技術体系をはじめ用途や将来繊維がどのように利用されていくなど繊維の基本が詰まった書籍です。

繊維を理解できれば業界の流れがわかります。例えば、ナノファイバーを理解できればどのような製品に強いのかが見えてきます。繊維業界を知る上で基本的な知識が丁寧に解説されているので、参考にしてみてください。

人気業界の年収をチェック

就職先を決めるには、自分自身に合った業界を知ることも大切です。そのためには、まず業界について知っておく必要があります。そこでおすすめなのが「人気21業界丸わかりマップ」です。こちらでは、就活生に人気の21業界をピックアップしています。

21の業界ごとに主要企業の売上高や年収も掲載しているため、この1冊でたくさんの情報を無料で収集することができます。就活は、時間との戦いでもあります。無料でダウンロードできるため、就活を効率よく進めるためにも、GETしておきましょう。

繊維産業界を深く知って就活を有利に進めよう

繊維業界の業界研究・企業研究についてみてきました。枯渇あるいは衰退したといわれた繊維業界ですが、依然として成長を続けている分野です。歴史もある分、幅広い知識はやはり必要になってきます。

まずは、繊維業界をよく理解することが大切です。業界をしっかり研究して就活を有利に進めましょう。業界研究に役立つ書籍もぜひ参考にしてみてください。志望動機も選考突破には大事な要素です。繊維業界の選考に向けた準備を進めていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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