業界研究

【土木業界研究ガイド】あなたの就活に役立つ情報を一挙大公開!

土木業界とは

土木業界とは、道路工事や工業事業を中心に業務をおこなう業界です。その業務は幅広く、通常の道路から高速道路、橋、トンネル、土地の整備も土木会社をおこなっています。建築業界と似ている部分もありますが、土木業界では建築をおこないません。

大工などは土木に当てはまらず、地面や地面の中、表面でおこなう作業が中心となります。そのため地上で建物を作る建築業とは似ているようで違うと考えてください。そんな土木業界について、詳しく解説していきます。

土木業界の現状

土木業界は、競争の激化、公共事業の低調、人件費の高騰が響いて厳しい経営環境が続いていました。しかし暗いことばかりではありません。震災関連による復興需要、老化したインフラ整備が各地で求められるようになり復調の兆しが見えています。政府の大規模な公共投資も見逃せません。

2020年に開催される、東京オリンピックのためのインフラ工事の需要が見込めるようにもなりました。そのため2015年は土木工事関連の会社の倒産が減少しています。ただ、慢性的な人手不足が問題が続いている状況です。危険、汚い、きついという3Kのイメージも影響しているでしょう。人手不足を解消するため、技能者を育成すると言った改革の動きもあります。

土木業界の業績推移について

  • 業界規模:2兆0,858億円
  • 平均年収:670万円
  • 平均継続年数:16.4年

土木業界の業界規模の推移ですが平成17~21年までは、ほぼ横ばいが続きました。平成22年になると減少したのですが、23年に再び上昇しています。22年に業界規模が減少した背景には20年の金融危機があります。

ただ、そればかりではなく、原材料価格が安定しなかったこと、公共投資が減ったこと、地方自治体の単独事業費が削減されたことの影響が大きいと言えます。平成23年になると、東日本大震災の復興需要や、株価の回復、公共工事への投資が入り低迷期から上昇しました。

平均年収は670万円です。これは平均以上の年収といえるでしょう。平均勤続年数が16.4年です。土木業界に携わる年齢層は非常に幅広いのが特徴でしょう。ただ、若者が土木業から離れていることは油断できません。

土木業界の細かい職種分類について

  • 土工事
  • 基礎工事
  • 型枠工事
  • 外装工事
  • 左官
  • 塗装
  • 内装
  • 現場監督

土木業界にもさまざまな職種があります。大きく分けると技術系と事務系です。技術系は、土木施工、建設施工、設備管理などが当てはまります。事務系は、企画、営業、総務事務などです。土工事をおこなう際はブルドーザーやダンプなどの重機が必要となります。そのため重機オペレーターも専門性が必要な職種のひとつです。

基礎工事は、コンクリート工事、とびや大工などが職種として当てはまるでしょう。もっと細分化すると、石工事、舗装、塗装、水道施設、躯体工事、外壁、内装など複数あります。さらに土木工事の現場には必ず現場監督が必要です。

現場監督は、現場において施工から安全までの管理、技術的な指導をおこないます。現場監督は現場の司令塔と言えるでしょう。

土木業界の課題

土木業界の現在の課題は、人材不足です。特に現状、オリンピックや高速道路などの回収が相次いでいる中、現場ではある程度資格や経験がある人材が必要不可欠になってきます。特に土木業界の業務は国家資格が必要な仕事も多くあるため、未経験者が多数いたとしても務まらない部分が多いというのも問題です。

このため、近年では未経験者の研修や教育、資格取得の支援などを積極的におこなう企業も増えつつあるようです。将来的には、これらの取り組みにより有能な技術者が増えることになるでしょう。

ですが未経験者が実際に有能な技術者に育つまでは、時間がかかってしまいます。このことを踏まえると、将来的な人材育成だけでなく、現状を解決するための有能な人材確保も課題のひとつといえるでしょう。

受注単価の下落が続いている

建設ラッシュが起きている現状ではありますが、受注単価は下落し続けています。基本的に土木業者の多くは下請け業者であることが多く、元請けである建設業者や大手土木工事業者の受注状況の影響を受けてしまいます。その元請けは、景気の動向や政府の施策で大きく左右されます。

日本の財政状況から建設投資が冷え込んでいる現状、公共事業費は削減を余儀なくされています。その分下請けである土木業者への費用も大きく削減されてしまっている状況です。

また一般競争入札制度の導入を受けて、ゼネコンや大手土木工事業者のコストダウン要求も激しさを増しており、受注量の減少と単価の下落に歯止めをかけられていない状況です。これらの問題を解決することも、今後の土木業界の課題となってくるでしょう。

女性作業員の働きやすい環境づくりが必要

近年の土木業界の人材に関する課題のひとつが、女性作業員の増加です。国土交通省や日本建設連合会が働きかけ、2018年までに女性の技術者や技能者を現在の2倍にあたる18万人にする目標を立てて行動しています。

ですが実際の工事現場はまだ女性が働きやすい環境が整っているとは言えない状態です。女性作業員が利用できる更衣室やトイレが工事現場に少ない、更衣室があっても女性用の備品が整っていないなどの職場環境の問題が解決しないことには、女性作業員が定着しやすい環境とはいえません。そのため、女性作業員が働きやすい環境改善も重要となってきます。

今後は官民あげて、女性作業員を増やす以外にも女性が働きやすい環境にするための整備を、おこなっていく必要があるでしょう。

36の質問に答えて自分のタイプを把握しよう

自分がどのようなタイプなのかを知るためにおすすめなのが「自己分析マニュアル」です。このマニュアルを使えば、質問に答えるだけで自分のパーソナリティタイプを診断できます。

技術者タイプやクリエータータイプ、実務家タイプなどがありますが、あなたはどのタイプでしょうか?無料でダウンロードできるため、すでに自己分析が終わっているけどさらに深めたいという就活生にもおすすめです。

主要企業5選紹介

土木業界で日本を代表する主要企業5社を解説します。土木に関する企業と言っても、その事業は幅広いのが特徴です。基本は一般土木事業に重きを置いている企業が多いのですが、他にも不動産事業などを行っている企業も少なくありません。

社風としては、大手の場合、少し硬さを感じる企業が多い傾向です。そのため、なかなか新しい分野に対し積極的に挑戦するという企業は少ないと言えるでしょう。ただ、中にはある程度、個人のやり方を尊重してくれる企業もあります。

主要5社の歴史は、基本的に古くからあるのが特徴でしょう。昭和一桁代だけではなく、明治に創業している企業もあります。では主要企業5社について解説しますので、土木業界を目指す就活生は参考にしてみてください。

①株式会社NIPPO

企業名:株式会社 NIPPO
代表者名:代表取締役社長  岩田 裕美
従業員数:1,778名
設立年月日:明治40年 中外アスファルト株式会社創業(NIPPOの前身)

株式会社NIPPOは道路やテストコース空港からスポーツ施設、一般土木、一般建築や水道施設まで幅広い事業を行っています。産業廃棄物の処理や、再生製品の販売、ホテルやゴルフ場経営、公共施設などの企画や建設や運営も業務の幅は広いです。

社風は硬い傾向にあります。基本的に、得意、専門性が明確で、他分野へのチャレンジには消極的な傾向にあります。しかし得意分野では、官庁工事や民間工事、アスファルト合材なども販売していますから経営は安定していると言えるでしょう。

チャレンジ精神はあまりないのですが、社員それぞれの責任感が強く生真面目な社風と言えます。そのため、生活への安心感と安定が良いという就活生には適した企業と言えるでしょう。

②前田道路株式会社

企業名:前田道路株式会社
代表者名:今枝 良三
従業員数:2,265人(平成29年3月31日現在)
設立年月日:1930年7月19日

前田道路株式会社は一般土木建設事業から、上下水工事、施設整備や環境事業、リサイクルから景観事業、道路整備事業など業務は幅広いです。道路土木や舗装や道路の改良、宅地や工場敷地の造成、軟弱な地盤を改良することから土壌改良、油汚染土壌の浄化なども行っています。特に舗装業界では日本トップクラスで、経営が安定しているのが特徴でしょう。

他にも高速道路なども手がけています。地球環境に対しての意識も高く、バイオマス燃料や、グリーン電力など、環境を意識した製品の開発や技術について積極的に取り組んでいる企業です。福利厚生もしっかりしており、仕事は個人のやり方でもOKなケースもあります。どちらかと言うと、体育会系の雰囲気と言えるでしょう。

③日本道路株式会社

企業名:日本道路株式会社
代表者名:久松博三(ヒサマツ ヒロミ)
従業員数:1,295名
設立年月日:1929年3月10日

日本道路株式会社は、道路建設や舗装工事、一般土木工事から建築工事まで幅広く請け負っています。環境整備工事や、スポーツ、レジャー施設の工事、アスファルト合材や、産業廃棄物の処理や再生製品の販売も行っている企業です。建設コンサルタントや賃貸業務、不動産業務も行っています。建設設計や監理なども業務の一貫です。

土木業界の中では自由な社風と言えるでしょう。配属先によって、運営方法から仕事内容が違うことが特徴です。年齢が若くても、大きな現場で仕事をし、早い時期から小さな現場なら任せられるので、プロとして成長できます。土木業務が好きでやりがいを求めている人におすすめです。

④東鉄工業株式会社

企業名:東鉄工業株式会社
代表者名:代表取締役 社長 柳下尚道
従業員数:1,750名(連結)1,583名(単体)
設立年月日:1943年7月7日

東鉄工業株式会社は土木や建築や線路、電気工事の施工などを行っています。他にも砕石、土木、建築工事用の資材、鉄道関連製品の製造や販売、合成樹脂製品や産業廃棄物の処理や再生も業務です。環境保全に関わる水や空気の浄化やその施設の施工や管理運営なども行っています。

電力や燃料、コンピューターの映像ソフトウェアの企画や開発から不動産関連まで幅広い業務です。土木と建築と線路などの部門があるのですが、多くの利益が土木部門からとなります。線路部門はJR東日本との関係が強く、維持補修工事で安定的な経営です。

小規模から維持補修工事までするため、仕事が忙しいのが特徴でしょう。社風は年配者が多く、堅実傾向な企業です。

 ⑤大林道路株式会社

企業名:大林道路株式会社
代表者名:代表取締役社長 福本 勝司
従業員数:1,054名
設立年月日:1993年8月26日

大林道路株式会社は道路工事や舗装工事、敷地造成工事や上下水道工事など土木工事全般業務を行います。関連する企画や調査や設計や監理も業務です。工事に使う資材の製造や販売、建設機械器具や車両の製造や修理や販売、一般廃棄物や産業廃棄物関連から、土壌汚染の調査や修復や浄化に関する事業も行っています。テニスコースや競技場、宿泊施設や飲食施設の経営、コンサルティング業務など幅広いです。

年配者が多く、個人ではなく協調性が重視されます。落ち着いた社風ですが、プレイベートより仕事重視な雰囲気です。残業は比較的多いですが、やりがいや充実感を覚える人も少なくありません。年齢が若くてもさまざまな経験を得られます。

土木業界研究のおすすめ書籍紹介

土木業界はインターネットやニュースでも情報はたくさんあります。しかし、書籍にも多くの参考になる情報が書かれているので、目を通しておいて損はありません。土木作業は日常生活でさまざまな所で見ることはできます。ただ、具体的に何をしているのかと聞かれると、いまいち分からない場合もあるでしょう。

視野を広げて土木業界全体で見ると、分からないことばかりです。動向や土木業界の将来性なども気になるポイントでしょう。書籍にはインターネット以上に情報が詰まっていることも少なくありません。だからこそ書籍で業界研究をすることはおすすめできます。土木業界を深く知るため参考にしておきたい2つの書籍をご紹介するのでチェックしてみてください。

図解入門業界研究最新土木業界の動向とカラクリがよ~くわかる本

図解入門業界研究最新土木業界の動向とカラクリがよ~くわかる本は、MBAコンサルティング代表で、一級建築士などさまざまな肩書を持つ阿部守氏による著作です。土木業界は素人にはなかなか分からない業界です。一般生活で土木工事をしている光景はたくさん見ることはできます。

しかし実際に土木業界全体を見るとなかなか分かりません。図解入門業界研究最新土木業界の動向とカラクリがよ~くわかる本では、その土木業界の問題点などを指摘しています。土木業界が人気になるための方法や、過去に行われた大きなプロジェクトについても解説されています。土木業界とはどんな業界か、とりあえず概要だけをチェックしたいという就活生には参考になるでしょう。

未来は土木がつくる これが僕らの土木スタイル!

未来は土木がつくる。これが僕らの土木スタイル!は、土木業界に携わる産、官、学の特に若い世代で結成された「将来ビジョン特別小委員会」の検討内容の一部を書籍にしたものです。土木についての将来的なビジョンへの提案や方策が詰め込まれています。土木業界が行わなければならない業務は多数です。

インフラのメンテナンスだけではなく、災害も関連しますし、新興国のインフラ整備でも日本の土木業界が一役買っています。土木業は人気がない、人手不足と言われることも多いです。しかしこの書籍には本当に土木にやりがいを感じ、将来を憂いている人たちの想いが詰め込まれています。土木技術者による執筆記事や、座談会やコラムなども掲載されています。

土木業界を深く知って就活を有利に進めよう!

土木業界は人材不足です。しかし誰でも採用されるわけではありません。土木のことを理解し人々の交通インフラなどを作り、守るという責任感と情熱がないと難しいでしょう。土木業界に入るためには深い知識を得て就活に挑んでください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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