業界研究

マスコミ業界の研究ガイド|就活に役立つ企業情報やトピックを紹介

マスコミ業界とは

その華やかなイメージから、マスコミ業界は就職先としてとても人気が高いです。とはいえ、「マスコミ」と一言でまとめられるものの、さまざまな業種を含んでいることは意外と知られていません。

端的に言ってしまえば、マスコミの役割は、メディアを通して情報発信です。具体的には、「放送」「新聞」「出版」がマスコミ業界となります。そして、各媒体を横断的に利用する「広告」もそのひとつに加えられるでしょう。

マスコミ業界

デジタル化の波が押し寄せ、新規参入してくる企業がもっとも目立つのがこの業界でしょう。スマホやタブレットの所持が当たり前になった世の中では、各新聞社・出版社は、大急ぎでデジタル化・電子化に舵を切っています。とはいえ、まだまだ大きなマーケットとして確立している状況とは言えません。

一方、広告に関しては、各種デジタル機器に合わせた広告の展開により、順調に市場規模を拡大しています。電通・博報堂のような広告代理店だけでなく、ネット広告企業の活躍も目立ちはじめてきました。

放送業界は、テレビ局とは異なったスタイルの事業を展開する外資系企業が参入し、人気を獲得しています。定額制で独自のコンテンツを楽しめたり、タダで見放題だったり、今後のビジネス動向に目が離せない業界です。

マスコミ業界の業績推移について

  • 業界規模:13兆7357億円
  • 平均年収:868万円
  • 平均勤続年数:12.2年

マスコミ業界の市場規模は、全体として見てものすごく巨大かと言えば、決してそうとは言い切れません。自動車や電気機器などの業界と比較すれば、小さいと言えるでしょう。しかし、市場規模の大きさに比べると平均年収はとても高いです。「高給取り」のイメージがある業界ですが、そのイメージ通りといっても過言ではありません。

マスコミ業界のなかでも伸びているのは、広告業界です。「新聞」「出版」「放送」に比べると年収面では見劣りしますが、年々市場規模は拡大しています。勤続年数に関しては、他の業界と同様に、有名な企業ほど腰を据えて働いている傾向があるようです。

マスコミ業界の細かい職種分類について

  • プロデューサー
  • ディレクター
  • 記者
  • 編集者
  • 企画
  • 営業

テレビ番組の方向性を決定したり、予算管理や芸能人との折衷など、総指揮を担うのがプロデューサーの役割です。その下のポジションとして、ディレクターという仕事があります。番組の企画や編集に携わり、面白い番組になるよう現場を仕切っていく存在です。

新聞社の花形となる職種は「記者」でしょう。洗練された取材力・文章力を持ち、読み手に確かな情報を発信していきます。編集者は、出版社などに勤務し、書籍・雑誌の立案・企画を担当し、各種専門家をまとめてひとつ作品を仕上げていくポジションです。

企画職も重要な役割を担うでしょう。マスコミ系の各社で、戦略を立てたり、市場を分析したり、さまざまな企画を練っていきます。営業は、自社メディア・自社商品の売り込み担当です。業界により、求められるパフォーマンスは異なってくるでしょう。

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主要企業5選

マスコミ業界で躍進している企業名を並べれば、ほとんどの社名を見聞きしたことがあるものになるでしょう。放送・出版・新聞・広告は、典型的なBtoBの企業とは異なり、多くの消費者のライフスタイルにダイレクトに関わりがあるとも言えます。

とはいえ、「社名は知っているけれども、詳しくは知らない」「業界の幅広い知識が欲しい」そんな方々のために、以下で5つの主要企業をまとめました。マスコミ業界をより詳しく知るための足がかりとしてお役立てください。

①株式会社フジ・メディア・ホールディングス

  • 企業名 株式会社フジ・メディア・ホールディングス
  • 代表者名  宮内正喜
  • 従業員数 8,049名(連結)
  • 設立年月日 1957年(昭和32年)11月18日

株式会社フジ・メディア・ホールディングスは、テレビ業界最大の売り上げを誇る企業です。近年、フジテレビの視聴率低下が注目されていますが、フジテレビジョン以外に、「ニッポン放送」や「ポニーキャニオン」も同グループの一員です。国内有数のメディア・コングロマリットと呼べるでしょう。

株式会社フジ・メディア・ホールディングスで働く際は、もちろん各子会社や各部署で仕事内容は異なります。「フジテレビの女子アナ」のような有名かつ華やかなポジションもあれば、千差万別と言えるでしょう。インターネットの台頭により、テレビ局は、今後の動向がもっとも注目されている業界のひとつです。「華やかな舞台に身を置きたい」「インターネットとの関係性を模索したい」という方にとって、輝ける職場と言えるでしょう。

②株式会社電通

  • 企業名 株式会社電通
  • 代表者名 山本 敏博
  • 従業員数 55,843名(連結)
  • 設立年月日 1901年(明治34年)7月1日

株式会社電通は、日本で一番有名な広告代理店といっても過言ではありません。業績・知名度、ともに国内最大手で、業界では世界的にも知られている企業です。海外の広告会社を買収、もしくは資本を提携して、グローバル展開にも磐石な基盤を築いています。

文系学生にとって広告代理店は、金融系や航空会社に注ぐ人気企業と言えます。なかでも、「2強」である電通と「博報堂DYホールディングス」は、肩を並べる存在です。この2社の再編は加速を続け、今後も2強体制が続くと言われています。

マスコミ業界でもっとも伸びているのが「インターネット広告」なので、新しいことに果敢にチャレンジしたい方やグローバルで活躍したい方などは、向いている業界と言えるでしょう。

株式会社読売新聞グループ本社

  • 企業名 株式会社読売新聞グループ本社
  • 代表者名 山口寿一
  • 従業員数 3,029名(※読売新聞東京本社のみ)
  • 設立年月日 2002年(平成14年)7月1日

株式会社読売新聞グループ本社は、「読売新聞」を発行している新聞社の母体です。読売新聞の販売部数は世界一、会社規模は新聞業界で日本一という名実ともに、日本が世界に誇る新聞社と言えるでしょう。グループ会社には、野球でおなじみの「読売巨人軍」や歴史ある出版社「中央公論新社」などがあります。新聞だけでなく、スポーツや文化面でも活躍し、「総合メディア企業」として唯一無二の存在です。

新聞業界は、紙媒体が縮小し、いかにデジタル領域で躍進していくのかがポイントになります。海外の新聞社ではデジタル化にうまく対応できている企業もありますが、日本市場ではまだまだといった状況でしょう。そのため、インターネットや外国のメディアに興味がある方は、新聞社にとって貴重な存在になるかもしれません。

④カドカワ株式会社

  • 企業名 カドカワ株式会社
  • 代表者名 川上 量生
  • 従業員数 4,179名(連結)
  • 設立年月日 2014年(平成26年)10月1日

カドカワ株式会社は、「ニコニコ動画」で知られる「株式会社ドワンゴ」と、出版社・映画会社として有名な「株式会社KADOKAWA」など傘下にする企業です。この2社の提携は、出版業界において大きなニュースとなりました。複数のメディアによる相互作用に注力し、従来の出版事業から一線を画する試みを展開しています。出版業界は、インターネットの台頭により、新しいビジネスモデルを構築しなければなりません。

現状では、漫画を中心にアプリ開発が進行しています。スマホやタブレットで手軽に読める状況は、消費者ニーズを捉えているものでしょう。こうしたスマホ・タブレットにおけるサービスに興味や関心のある方は、出版業界に活かせる知識や経験をお持ちではないでしょうか。

⑤日本テレビホールディングス株式会社

  • 企業名 日本テレビホールディングス株式会社
  • 代表者名 大久保好男
  • 従業員数 182名
  • 設立年月日 1952年(昭和27年)10月15日

日本テレビホールディングス株式会社は、日本で最初の民放テレビ局を開いた「日本テレビ放送網株式会社」などをグループに持つ企業です。テレビ局以外にも、フィットネスクラブ「ティップネス」やアニメ制作会社「タツノコプロ」など、幅広く事業を展開しています。

「日テレ」は、民放局の間では視聴率が大変高く、ゴールデンタイムでは首位をキープしていますが、テレビの視聴率自体が低迷している傾向にあります。特にスマホに慣れ親しんでいる世代は、「テレビをまったく見ない」というパーセンテージが高く、将来的には厳しい業界とも判断できるでしょう。

とはいえ、今でも最大のメディアはテレビです。あっという間にインターネットに追い抜かれることは考えにくいでしょう。そのため、「とにかくテレビが好き」の人にはおすすめの業界です。

マスコミ業界の志望動機の書き方

マスコミ業界の志望動機を作成するにあたり、記載をおすすめする内容が3点あります。1つ目が「その企業じゃないといけない理由」2つ目が「やる気」3つ目が「専門知識やスキルのアピール」です。 これらを記載することがなぜおすすめなのか、下記で詳しくご紹介しましょう。

その企業じゃないといけない理由を記載

マスコミ業界のなかでも、テレビや新聞、ラジオ、広告などの業界があります。マスコミ業界に就職を希望する場合、先ずはこれらのなかから自分が行きたい業界はどこなのか決めましょう。

そして、テレビ局であれば、テレビ局のなかでもなぜその企業なのか理由を考えなくてはいけません。そうでなければ選考時に「それだったら、うちの会社でなくてもいいよね」と思われかねません。そうならないためにも、企業研究から会社の特徴を捉え、その企業でなくてはいけない理由について志望動機で記載しましょう。

やる気のアピール

マスコミ業界を目指すにあたり、次にアピールすべきは「やる気」です。マスコミ業界は、華やかなイメージもあり例年就職活動生に人気の業界です。クリエイティブ系の職種に就きたい場合は、専門学校で知識を学んできた人も就活に参戦するため、専門知識を学んでいない人にとっては、大変かもしれません。

専門知識を持っている人と競うことができるのは「やる気」です。入社後の取り組みかたや、どんなにこの企業に入りたいのかについてしっかりとアピールしてください。

専門知識やスキルのアピール

希望する職種が企業内で、実際にはどのような業務を実施しているのかをよく知り、その業務内容も熟知した上で、専門知識やスキルを持っているのであれば、どのように活かせし企業に貢献したいのか記入しましょう。

しかし、現段階で持っている専門知識やスキルはプロにはかなわないものです。知識やスキルは入社後に身に付けられるため、自分のスキルを過大評価し過ぎず記載しましょう。

マスコミ業界の主要トピック3つ

マスコミ業界の情報は、比較的収集しやすいかもしれません。普段からテレビ・新聞・インターネットなどに接していれば、業界の主要トピックもすぐ目につくのではないでしょうか。情報を発信している側の業界だからこそ、こうした状況なのかもしれません。

とはいえ、できるだけ他の就活生と差別化を図るためには、アンテナを張り巡らせおくべきでしょう。一般的なニュースサイトだけではなく、業界専用ニュースサイトの閲覧、メルマガ購入などもオススメです。

①経済ニュースは「有料」で読むべし

ネット上の新聞社による無料記事は、どんどん縮小傾向にあり、有料記事がますます増えている状況のようです。かつては無料で記事を提供し、それをキュレーションサイトが発信して読者に届けることがよくありました。もちろん、まったくの「ゼロ」になることは考えにくいです。しかし、主に経済ニュースは「元が取れれば問題ない」とお金を払う消費者が多いため、新聞社としては、無料で記事公開するメリットはあまりないでしょう。

今後、商品の紹介ページなど、作成に手間やコストが関わらないものは「無料」、企業の人事情報などは「有料」として定着していくかもしれません。数字面などは公表されているため、誰でもアクセスが可能ですが、人の動きは、きちんと取材した記事ではないと、憶測すらできません。そして人事こそ、企業の進展にもっとも欠かせないものでしょう。

こうした情報を仕入れるためには、各企業のインタビュー・企画記事が有効と言われています。明らかに本音で話されていなかったり、社内のトラブルが記載されていたら、今後の進展を疑う必要があるでしょう。いずれにせよ、取引先や株の有益な情報を知るためには、信頼のおける紙媒体の方がベターかもしれません。

②Abema(アベマ)TVのこれから

11月初旬に72時間特番を実施した「Abema(アベマ)TV」が、ネットの生放送で他に例のない実績を上げ、話題となりました。サイバーエージェントとテレビ朝日の共同出資事業であるアベマTVは、他の動画サービスとは異なり、基本は無料で視聴できます。アプリの総ダウンロード数はすでに2,000万を超え、10〜20代を中心に人気を獲得しているのです。

サイバーエージェントは、この事業に200億円を投じ、自主制作番組に力を注いでいくと言われています。今では、特番のオリジナル番組だけではなく、帯番組もヒットを飛ばし、現場では各領域に詳しいスタッフを配置することにより、さらなる成長を図っているのです。

WebやSNS上での動画広告が急激に拡大しているなか、アベマTVも、広告枠の販促を本格稼働する見込みです。他動画サービスのようなスキップ機能のないことはメリットで、広告をすべて視聴する確率は極めて高く、クライアントから評価を得ています。

2016年に産声をあげたばかりのサービスなので、まだ先のことは読めませんが、社長自ら営業を行うなど、現状の勢いは、他の追随を許さないものになっています。ぜひ今後の動向に注目してみてください。

③記者の「働き方改革」

2017年4月、NHKは働き方の制度を変更しました。「裁量労働制(専門業務型)」を導入することにより、勤務時間の改善などを図ることになります。NHKだけではなく、他社でもすでに働き方を改めているケースが多いようです。

「裁量労働制」とは、実際に労働した時間ではなく、労働時間を一定の時間とみなすものです。そのため、出社するタイミングや退社する時間に制限はありません。「定時」という考えがないので、本人の自由な時間に働けるのです。

効率的に働けるメリットはあるものの、残業時間については曖昧となる可能性もあります。決められた時間内に終えられない仕事量でも、残業扱いとして認められないケースもあるのです。

また、各々のライフスタイルに合わせられる制度とはいえども、チームで仕事をする場合は、メンバーと同じ時間に顔を合わせる必要があるでしょう。そのため、結局は、時間を制限されることになるのです。

数々の社会的な問題が起こり、「働き方改革」が叫ばれている世の中ではありますが、制度を変更しただけで、労働者の待遇がそこまで大きく変わるとは限りません。マスコミ記者のような仕事内容の場合、なおさら難しい問題だと言えるでしょう。

マスコミ業界を深く知って就活を有利に進めよう!

憧れのマスコミ業界は、だれでも携われるものではありませんが、だからこそ、仕事が楽しく、年収も高めと言えます。そして今後はなんといっても、インターネットの存在がキーとなっていくでしょう。経験・スキルを培って、他の就活生に負けない能力を養い、マスコミ業界で羽ばたいてください。

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監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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