身だしなみ

ノーネクタイでスーツを着るときのマナー6つ|就活生の服装

就活でスーツにノーネクタイの面接はアリ?

就職活動中は、スーツにネクタイが基本の服装です。しかし、時期や職種によっては、面接の服装をノーネクタイに指定されることもあります。この際、学生は「本当にノーネクタイで面接を受けていいのか」と悩む可能性が高いです。

また、夏場のスーツは暑く、ノーネクタイで仕事をしている人を街でもよく見かけます。そういった光景から「夏場の就活はノーネクタイでいいんじゃないか」と考える学生も多いです。

企業から指定があったのであれば、ノーネクタイで面接を受けるのは悪いことではありません。しかし、いくつかの注意点やどういった期間に指定される服装なのかを理解し、マナーを守る必要があります。

服装は学生の印象を決める大事な要素です。間違った服装で面接に臨むと、採用担当者にだらしない印象を与え、マイナスなイメージにつながります。面接で悪い印象を与えないためには、正しい服装を理解することが大切です。

この記事では、ノーネクタイの特徴・許可される場面や、その際のマナーについて解説していきます。参考にして、正しい服装で面接に臨みましょう。

ノーネクタイとは

ノーネクタイは、その名の通りネクタイをしない服装のことを指します。

本来、スーツにネクタイが就活では基本の服装です。しかし、主に夏場の熱中症対策「クールビズ」の一貫で、ノーネクタイを指定する企業が増え、近年ではネクタイをしないのも一般的になってきています。

ノーネクタイは決して間違った服装ではありません。ただし、基本的にはネクタイの着用がマナーとされる場合が多いため、時と場合に応じて判断する必要があります。

スーツにノーネクタイは状況に合わせて

前述したように、ノーネクタイは間違った服装ではありませんが、状況に合わせて問題ないか判断する必要があります。

企業から指示がない限りは、スーツにネクタイで面接に臨みましょう。就活の基本的な服装のため、採用担当者に悪い印象を与えることはありません。

しかし、企業によっては「クールビズ」「ビジネスカジュアル」「私服」と曖昧な指定をされることもあります。そのようなときに自分でも判断できるよう、どういった状況でノーネクタイは許されるのかを理解しておくことが大切です。

基本的にビジネスシーンでノーネクタイはNG

基本的にビジネスシーンでは、ノーネクタイはマナー違反とされています。

ビジネスシーンとは、自分が仕事として相手に対応する場面のことを指し、具体的には商談やプレゼンテーションが当てはまります。就活は仕事ではありませんが、面接官を相手に自分が社会人となることを想定して対応するため、同様の状況として挙げられます。

こういった場面では、相手に失礼のないよう気を配ることが大切であり、言葉遣いだけでなく服装も大切です。ノーネクタイだとだらしない印象を与える可能性があるため、基本的にはマナー違反とされています。

企業から服装の指定がない限りは、スーツにネクタイで面接に臨むのが確実です。

「クールビズ」の実施で普及

ノーネクタイは主に夏場の「クールビズ」実施中に許可されます。

【クールビズとは】

地球温暖化対策の一環として、平成17(2005)年度から政府が提唱する、過度な冷房に頼らず様々な工夫をして夏を快適に過ごすライフスタイル。

 室温の適正化とその温度に適した軽装などの取組を呼び掛けています。軽装以外の取組としては、これまでは、省エネ型エアコンへの買換え、西日よけのブラインド、日射の熱エネルギーを遮蔽する効果がある緑のカーテンなど、具体的なアクションなどを推奨してきました。

クールビズは2005年より開始され、例年5/1~9/30までが期間となっています。しかし、2021年からは実施期間が各企業の判断に変わったため、注意が必要です。このクールビズの実施と共に、ノーネクタイも一般的な服装として認知されていきました。

企業からノーネクタイと明確には言われていないが「クールビズでお越しください」と指定される場合があります。クールビズの服装としては、ノーネクタイ・ノージャケットが基本です。具体的には、トップスは半袖シャツかポロシャツ、ボトムスはスラックスやチノパンを着用します。

そのため、クールビズを指定された場合はノーネクタイで面接に臨んで問題ありません。

ただし、ポロシャツやチノパン、私服のスラックスは人によってはラフな印象を与える可能性があります。基本的には、ビジネスシャツにスーツのスラックスを着用するのが無難です。

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面接でノーネクタイがOKな2つのケース

ノーネクタイで面接に臨んでいいケースは、以下の2つが挙げられます。

①クールビズ実施期間中

②企業からの服装指定
 -1.ビジネスカジュアル
 -2.私服

    これらのケースに当てはまるときは、基本的に企業からその旨を伝える連絡があります。もし服装についての連絡がない場合は、通常通りスーツにネクタイで面接に臨みましょう。

    ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

    ①クールビズ実施期間中

    前述したとおり、企業からクールビズの服装を指定された場合は、ノーネクタイで問題ありません。

    クールビズに当てはまる服装としては、環境省が以下のように定めています。

    〇:可 (〇):可だが、徹底されていない ×:原則負荷

    クールビズ期間中の服装の違い1

    クールビズ期間中の服装の違い2

    クールビズ期間中の服装の違い3

    クールビズ期間中の服装の違い5

    クールビズの服装としては、ノーネクタイに半袖シャツが基本です。一般的にジャケットは羽織らなくても問題ありませんが、もし企業から指定があった場合はサマースーツを着用しましょう。

    サマースーツは夏用に生地が薄めに作られているため、夏場の移動も快適に過ごせます。また、一般的なスーツはネクタイの着用を考えてデザインされているため、ノーネクタイの見た目だとだらしなく感じる人もいます。サマースーツはクールビズの期間中を想定して作られているものが多いため、ノーネクタイでもバランスが悪く見えません。

    かりゆしシャツもノージャケットと同じく(〇)になっていますが、首元が広くかなりラフな印象を相手に与えます。就活には適していないため、基本的に半袖シャツを着用しましょう。

    パンツはスーツのスラックスで問題ありません。チノパンが(〇)になっていますが、ビジネスシャツに合わせると違和感があるため、ビジネスカジュアルなどの服装指定がない限りは着用しないようにしましょう。

    クールビズを指定されたら、それに適した服装で面接に臨むことが大切です。

    ②企業からの服装指定

    クールビズ以外のケースとして、企業にスーツ以外の服装を指定されることがあります。

    就活はスーツを着用するのが基本ですが、企業からそれ以外の指定があった場合は素直に従いましょう。スーツが悪いわけではありませんが、企業からの連絡を無視したことになり、悪い印象を与える可能性があります。

    ここでは、企業から服装を指定される2つのパターンを紹介します。

    ②-1.ビジネスカジュアル

    1つ目のパターンは「ビジネスカジュアル」です。

    ビジネスカジュアルとは「スーツよりラフだが、仕事を行う上で品格のあるコーディネート」を指します。具体的には、ビジネスの場、つまり社外の人を対応する際に相手に不快感を与えることがない服装です。

    企業はビジネスカジュアルを「スーツよりラフな格好をしてリラックスしてほしい」「ビジネスシーンにおいてのマナーがある身だしなみができるか確認したい」といった意図から指定します。また、似たような服装で「オフィスカジュアル」が指定される場合があり、違いとしては以下の内容です。

    オフィスカジュアル
     社内でのみ仕事をする場合の、会社のルールに従って礼儀をわきまえた服装

    ビジネスカジュアル
     仕事をするうえで、お客様や他企業の方を対応しても失礼にならない服装

    つまり、社外の方を対応するのにふさわしい服装かどうかが違いです。オフィスカジュアルは企業の社風によって違いがありますが、面接で指定された場合は基本的にビジネスカジュアルで臨めば問題ありません。

    一般的に、以下の業界の職種は職場の服装もビジネスカジュアル・オフィスカジュアルであることが多く、面接時に指定してくる可能性が高いです。

    • IT業界(システムエンジニア、WEBデザイナー等)
    • 広告業界(ディレクター、ライター等)
    • 金融業界(証券アナリスト、ファンドマネージャー等)

    状況や職種にもよりますが、会社内で業務に取り組む内勤がメインの業界が多い傾向にあります。

    基本的にビジネスカジュアルはスーツよりラフな格好を指します。そのため、ネクタイをしていないからといって、だらしない印象を与えることはありません。以下の4つのポイントを守り、面接に臨みましょう。

    具体的なビジネスカジュアルとしては、以下の4つのポイントを抑えた服装を指します。

    ビジネスカジュアルのポイント

    ビジネスカジュアルは基本的にノーネクタイで構いません。しかし、スーツのときよりも服装の選択肢がある分、カジュアルになりすぎて「だらしない印象」を与えないように注意が必要です。

    また、ビジネスカジュアルを指定されても、スーツで行ってマイナスな評価になることはありません。金銭的な理由で用意できなかったり、その日に別の企業の面接も控えている場合、スーツで臨みましょう。もし面接で服装について聞かれた場合に、理由を答えれば問題ありません。

    こちらの記事でビジネスカジュアル・オフィスカジュアルについて、より詳しく解説しています。

    ②-2.私服

    2つ目は「私服」を指定されるパターンです。

    面接時の服装に、以下のような文章で私服を指定する企業もあります。

    • 私服でお越しください。
    • あなたらしい服装でお越しください。
    • カジュアルな服装でお越しください。
    • 私服可

    企業が私服を指定する理由としては「服装にこだわらない自由な社風をアピールしたい」「リラックスして面接に臨んでほしい」といった理由がほとんどです。そのため、基本的にはビジネスカジュアルと同様の服装で問題ありません。

    しかし、アパレル業界などファッションに関係する職種だと、学生のそれぞれの個性を見るために私服を指定することがあります。その場合は、応募する企業のブランドコンセプトに沿った自分なりのコーディネートで面接に臨みましょう。

    私服面接については、こちらの記事で詳しく解説してあります。気になる方は参考にしてください。

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    スーツにノーネクタイの6つのマナー

    ノーネクタイといっても、ただ普段の就活の服装からネクタイを外しただけでは正しいとはいえません。就活での服装は、第一印象に影響する重要な要素であり、選考の評価に関わります。

    ノーネクタイの際も意識するべきマナーがあり、具体的には以下の6つです。

    ①ジャケットなし、もしくはサマースーツを着用

    ②襟周りに注意

    ③クールビズ用シャツを着用する

    ④シャツのボタンは第一ボタンまで留める

    ⑤冷え性の場合は羽織るものを持っていく

    ⑥インナーが透けないように注意する

      マナーを守っていない服装で面接に臨むと、だらしなく思われてしまいます。マイナスな印象を与えないためにも、正しいマナーを理解することが大切です。

      ここでは、それぞれのマナーについて詳しく解説していきます。

      ①ジャケットなし、もしくはサマースーツを着用

      スーツにノーネクタイの際はジャケットなし、もしくはサマースーツを着用しましょう。

      オフィスカジュアルや私服ではなく、スーツにノーネクタイを指定する場合のほとんどは、クールビズが理由です。前述したように、クールビズの服装は半袖シャツにノーネクタイが基本です。

      通常、スーツのジャケットはネクタイを着用することを前提にデザインされています。そのため、ノーネクタイでジャケットを着用すると見た目のバランスが悪く、相手にだらしない印象を与えてしまう恐れがあります。クールビズの期間中は、ジャケットを着用しないことを意識しましょう。

      もしクールビズでもジャケットの着用を指定された場合、サマースーツを着用するのがおすすめです。こちらも前述しましたが、サマースーツはクールビズを想定してデザインされているため、ノーネクタイでもだらしない見た目にはなりません。

      ②襟周りに注意

      ノーネクタイの服装では、襟周りに注意が必要です。

      ノーネクタイは襟周りが見えやすく、シャツの首元がヨレているとすぐにわかります。そうなると、面接官にだらしない印象を与える可能性が高いです。

      普段ネクタイをしていると気づかない場合もあるため、一度ノーネクタイでシャツを着用してみて、違和感がないか確認しましょう。首元のヨレや汗染みなどの汚れ、他には襟が開きすぎていないかを確認しておくことが大切です。

      また、通常のビジネスシャツは、スーツ同様ネクタイを着用することを前提でデザインされています。ジャケットに比べそこまで見た目に違和感を感じることはありませんが、こちらも面接前に確認しておきましょう。

      もし普段着用しているシャツでは違和感を感じる場合、ボタンダウンシャツがおすすめです。ボタンダウンシャツは襟先に小さいボタンがついており、これを留めることで襟が立ち、ノーネクタイでも様になります。

      ノーネクタイでは普段より襟周りが目立つため、その分注意が必要です。

      ③クールビズ用のシャツを着用する

      夏場のノーネクタイでは、クールビズ用のシャツを着用しましょう。

      クールビズ用シャツは通気性や吸水性・速乾性に優れている素材が使用され、半袖のデザインが特徴です。また、首元はノーネクタイ前提でボタンダウン形式のものが多く、夏場に快適に仕事をするためのシャツとして作られています。基本的に紳士服を取り扱っている店で売っているため、洋服の青山AOKIで購入可能です。

      夏場は暑く移動中に腕をまくりたくなりますが、そうすると袖に少なからずシワが残ります。シワの残った状態で面接に臨むと、面接官も「細部にまで気を配れていない」と感じ、マイナスなイメージにつながる可能性があります。

      クールビズ用のシャツは半袖のため、その心配はありません。また、前述したように通常のビジネスシャツはネクタイを着用することを前提に作られています。クールビズ用のシャツはノーネクタイ前提でデザインされているため、違和感が生じることはありません。

      マナーだけでなく、移動中の暑さも減少される利点もあるため、夏場の面接はクールビズ用のシャツを着用しましょう。

      ④シャツのボタンは一番上まで留める

      ネクタイ着用時と同様、シャツのボタンは一番上まで留めましょう。

      本来、社会人として働く上でのクールビズでは、第一ボタンまで留める必要はありません。しかし、就活の場においては留めた方が無難です。

      面接などの特別な場で第一ボタンを開けていることに対し、だらしないと考える人も中にはいます。もし面接官がそういった考えを持っていた場合、マイナスな評価につながるため、第一ボタンまで留めた方が確実です。

      ボタンを一番上まで留めていて悪い印象を与えることはありません。面接時は、第一ボタンまで留めましょう。

      ⑤冷え性の場合は羽織るものを持っていく

      冷え性の場合は、クールビズの期間中でもジャケットなどの羽織るものを用意しておきましょう。

      クールビズの期間は外が暑い分、面接会場によっては冷房が強めに効いている場所もあります。冷え性な場合、クーラーの冷気が面接中に気になる方もいます。

      寒さが原因で面接に100%集中できないと、自分の強みや志望動機をうまく伝えられない可能性が高いです。あまりに寒い場合は面接官にその旨を伝え、持ってきた上着を羽織りましょう。面接中であっても、理由を伝えて行動すればマイナスなイメージを与えることはありません。

      万が一を考え、冷え性の場合は上着を用意しておきましょう。

      ⑥インナーが透けないように注意する

      ノーネクタイでシャツを着用する際は、インナーが透けないように注意しましょう。

      ネクタイもジャケットもない状態だと、シャツの下のインナーが透けて見えやすくなります。インナーが透けてしまうとだらしなく感じるため、マイナスなイメージを与える可能性が高いです。

      インナーは、色と形選びに気をつけましょう。基本的に白などの淡い色を選べば、透けることはありません。また、柄のない無地のものを選びましょう。

      丸首のタイプだと、第一ボタンが外れていた場合に見えてしまう恐れがあるため、VネックやUネックを選んだほうが無難です。また、タンクトップは縫い目が目立ち、脇に汗染みができやすいため避けましょう。基本的に薄い生地のTシャツタイプを選べば問題ありません。

      ノーネクタイの際は、シャツだけでなくインナーにも気をつけましょう。ここまでのポイントをまとめると、以下のようになります。

      インナーの色(無地)

      • ベージュ
      • 薄めのグレー

      袖丈

      • 半袖(1~3分袖でシャツから出ない長さ)

      首元のタイプ

      • Vネック
      • Uネック

      これらのポイントを守ってインナーを選べば、クールビズの服装でも透けることはありません。インナー選びの参考にしてください。

      ノーネクタイの指示がない限りネクタイをしていこう

      この記事では、ノーネクタイは正しい服装なのか、どのようなマナーがあるのかについて解説しました。

      ノーネクタイは間違った服装ではありませんが、あくまで時と場合をわきまえたうえでのことです。社会人として働くにあたって相応しい服装は、スーツを着てネクタイを締めた服装だということを忘れてはいけません。

      企業からの指示がない限りは、基本的にスーツにネクタイを着用して面接に臨むことが大切です。もしノーネクタイの指示があった場合は、マナーを守った服装を心がけましょう。

      監修者プロフィール

      ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
      吉川 智也(よしかわ・ともや)
      1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
      現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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