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士業とは
弁護士、公認会計士など、高度な専門知識をもって仕事をする職業をまとめて士業と呼びます。多くは国家資格を取得する必要があり、その取得もかなりの倍率であることがほとんどです。しかしながら、これら士業の仕事の現場では困っている人のために、という大きな目標があり、やりがいとしてはこれ以上ないほどの充足感があることでしょう。ここではそんな士業の、年収面を中心にご紹介します。
士業の種類について
難関資格系
- 弁護士
- 公認会計士
- 一級建築士
- 航空機操縦士
これら上記の職業は、非常に高度な国家試験を合格する必要があります。加えて、受験に際して一定の期間、経験した上でなければ受験できなかったり、大学で一定期間講義を受けなければならなかったりするので、目指す際には早ければ大学選択の段階から決めておかねばならないので、注意が必要です。
医療系
- 理学療法士
- 歯科衛生士
- 救急救命士
上記は医師と看護師以外で医療の現場、病院などで活躍する士業職です。これらは医療系の専門学校を卒業し、試験に合格することで携わることができます。
士業の業務内容
士業の仕事は高度な専門知識を持って専門分野の課題や問題を解決することにあります。例えば弁護士は法律案件の解決のエキスパートで、法律の条文を理解しているだけでなく直近の判例がどうであったか、実際に法律をどのように運用するのかを正しく助言するのが仕事です。それだけに資格をとることも大変ですが、職務に当たってからも絶え間なく勉強し続けなければなりません。
これは他の士業にも当てはまり、医療系であれば日々医療技術が発達していく中で、どのような治療が選択できるか、どうすれば医師の診断がスムーズになるかを検討しながら業務に当たるなど、一般的な営業職に比べて業務内容が広がっていく傾向にあります。また、年収面では所属する団体、組織の規模によっても変動しますので、知識を多く持ち、正確に運用できる人ほど高収入になる傾向があります。
士業に求められる能力について
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
- 向上心
士業は基本的に人を相手にしています。したがって高度なコミュニケーション能力は欠かせません。どのような士業についても、わかりやすく説明したり、相手に言いづらいことを伝えたりしなければいけないことが多いでしょう。それには、一般的な仕事以上に、正確で配慮した言葉を選んで使う必要があります。
また、士業にはマネジメント能力も必要です。特に士業で開業をした場合、自分で営業までこなさなければなりません。それまでそつなく業務ができていても、肝心の営業力が低くては事業所を運営していくことができません。そういった意味では、マネジメント能力も求められるでしょう。
また、日進月歩で進んでいく自分の専門領域に対応するため、常に勉強を続けていく向上心が必要です。既存の常識にとらわれず、新しい知識を次々と学んでいく必要があるのも、士業の大変な一面です。
士業の平均年収と他職種との比較
士業の平均年収について
士業は非常に多種多様です。厚生労働省の賃金構造調査によると、士業の平均年収は約501万円でした。また、平均年齢は41.7歳でした。
他の職種・平均との比較
- 日本の平均年収:422万円
- 医師:835万円
日本の平均年収は422万円ですから、平均以上の年収が期待できます。しかし、これは所属している事業所が大きければ大きいほど、年収も高くなる傾向があり、加えて航空機操縦士(パイロット)といった一部の士業が平均を大きく底上げしていることが関係しています。士業と同様に専門性の高い職種である医師の平均年収は、835万円です。
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士業のボーナス・昇給事情
ボーナスについて
男女を問わず、ボーナスの平均は年間で約77万円前後です。しかし、ボーナス支給については、完全に事業所次第といえるでしょう。一般企業よりも、支給要件はシビアであるかもしれません。
昇給について
士業の昇給は、その職務内容によって異なります。会社のように雇用されている場合、その有無は企業の規程によって決定されるでしょう。しかし雇用環境が会社とは少し異なる事務所である場合は、その昇給要件もまたシビアであるかもしれません。
士業の年齢別平均年収推移シミュレーション
事務職の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。
年齢 | 年収 | 月給 | ボーナス |
20~24歳 | 312.9万円 | 21.5万円 | 55.3万円 |
25~29歳 | 407.5万円 | 28.0万円 | 72.0万円 |
30~34歳 | 469.5万円 | 32.2万円 | 82.9万円 |
35~39歳 | 514.5万円 | 35.3万円 | 90.9万円 |
40~44歳 | 554.5万円 | 38.0万円 | 98.0万円 |
45~49歳 | 586.2万円 | 40.2万円 | 103.6万円 |
50~54歳 | 610.7万円 | 41.9万円 | 107.9万円 |
55~59歳 | 601.9万円 | 41.3万円 | 106.3万円 |
60~64歳 | 451.2万円 | 31.0万円 | 79.7万円 |
士業の年収シミュレートはこのようになりました。このシミュレートの他に、弁護士であれば案件によって、またその件数によって年収は変動していきますし、開業されている士業の方は変動もあるかもしれません。あくまで事業所勤めの士業の平均、と考えてください。
士業と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション
年齢 | 士業の平均年収 | 日本の平均年収 |
20~24歳 | 312.9万円 | 263.5万円 |
25~29歳 | 407.5万円 | 343.3万円 |
30~34歳 | 469.5万円 | 395.5万円 |
35~39歳 | 514.5万円 | 433.4万円 |
40~44歳 | 554.5万円 | 467.1万円 |
45~49歳 | 586.2万円 | 493.8万円 |
50~54歳 | 610.7万円 | 514.4万円 |
55~59歳 | 601.9万円 | 507.0万円 |
60~64歳 | 451.2万円 | 380.1万円 |
士業の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると比較的高めに推移すると言えるでしょう。30~34歳の平均年収がすでに約469万円程度で、働き盛りの40~44歳では約554万円の予測です。
※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。
士業の生涯賃金シミュレーション
士業の平均年収 | 日本の平均年収 | |
生涯賃金 | 2.25億円 | 1.90億円 |
日本の平均的な生涯賃金と士業の生涯賃金を比較してみましょう。士業の平均年収は約501万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。
士業の生涯賃金は、平均約2.25億円と予想されます。日本の平均生涯賃金と比較すると約3,500万円ほど多いと推測されます。
※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。
まとめ
士業は一部のパイロットや弁護士、公認会計士の年収が高く、全体的な水準を押し上げていることもあって、業界全体としての年収水準はあまり高くありません。しかしながら、社会的に必要とされている仕事であることに変わりはありません。
そして、この業界はまだまだ発展途上です。未だにIT化されていない、ローカルなシステムで業務をおこなっている業種も少なくありません。だからこそ、若い世代が中心となって活気をつけるチャンスがあるでしょう。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。