業界研究

【ベンチャー企業へ就職するか悩む人向け】事前に知っておきたい実態

ベンチャー企業に就職したい就活生は増えている

ベンチャー企業に就職したいと考えている就活生は年々増加していますが、その実態がよく分からないという声も同時によく聞かれます。求人情報を見てもどの会社がベンチャー企業なのか見分けることが難しいとも言われています。ベンチャー企業の定義すら明確ではなく、一部上場のベンチャー企業を除いて社会での知名度も低いため、知られていないことが多いのです。

一般企業とベンチャー企業の違いはどういう点なのでしょうか。どういう点に注意すればベンチャー企業だと判断できるのでしょうか。この記事では、具体的にベンチャー企業とはどういう会社のことを言うのか、ポイントを絞って紹介していきたいと思います。

ベンチャー企業とは

大企業や中小企業と違い、ベンチャー企業には明確な定義がありません。イメージとしては少数精鋭で斬新・創造的なビジネス展開を行っている企業と言えるでしょう。また成長過程にあり、発足してから5年未満の会社や投資機関から資金援助を受けている、ベンチャー指定を受けているなどの条件にあてはまる企業もベンチャーと呼ばれています。2000年以降はIT業界の急速な進化や規制が緩和されたことなどが影響し、ベンチャー企業が増加傾向にあります。

ベンチャーの意味

ベンチャー(venture)の意味は「冒険的な」という意味です。その言葉通り、時代の最先端をいく分野で自社の技術や製品で急激な成長を遂げる企業を指して「ベンチャー企業」という言葉は使われます。情報化社会における急激な変化に対応しているIT業界(情報提供サービス、周辺機器、ソフトウェアの開発)などでは、数多くのベンチャー企業が誕生しています。

ベンチャー企業は少数精鋭で会社を運営していることが多いため、あらゆる業務を任される傾向があると言えるでしょう。企業側も年齢や勤続年数などに重点を置かず、あくまでも実力主義が主流です。常に新しいビジネスを手がけていくので、従来の企業のようにマニュアルなどもなく、自由な発想で柔軟に仕事をしていくスキルが必要になってくるでしょう。

設立が新しく様々なことにチャレンジしやすい

人材と資金面に余裕がないベンチャー企業では、やりたい仕事にどんどんチャレンジできるメリットがあります。仕事での功績が目に見えて分かりやすく、仕事での評価が待遇面にダイレクトに反映されることも魅力の一つです。入社早々で昇進したり、勤続年数が少ないのに役員に抜擢されたり、一般企業では考えられないチャンスがあるのもベンチャー企業ならではです。

発足して間もないことも多いため、会社の成長に参加できるのも魅力の一つと言えます。たとえば、手がけている仕事が突然マスメディアに注目されて急成長し、取材にCMなど引く手あまたなどということが起きる可能性も秘めているのがベンチャー企業です。やりがいがあることは確かです。

ベンチャー企業の実態は会社ごとに異なる

ベンチャー企業といっても企業によって事業内容や特徴はさまざまです。インターネットサービスなどに関する仕事が多い傾向にありますが、ベンチャー企業の明確な定義は決められていません。

希望する企業がどのような事業をおこなっているのか、従業員数はどのくらいか、社風はどのようになっているかなどを事前にしっかりと研究しておくとよいでしょう。勤務時間、給与などの労働条件もよく確認しておくと入社後のミスマッチを防ぐことが可能です。

ベンチャー=高収入は間違い

ベンチャー企業は高収入というイメージを抱いている人も多いですが、一概に正しいとはいえません。一般的に老舗企業や誰もが知っている大手企業では、長い期間安定的に高い収入を得られる場合が多くなっていますが、ベンチャー企業は成長過程で歴史が浅く、売上が不安定なこともあります。

中には募集要項として高収入を提示しているベンチャー企業もありますが、福利厚生などの待遇面に注意が必要です。東京都心の住まいを社宅として安価で社員に貸し出したりする大手企業がある一方で、多くのベンチャー企業はそのような制度がありません。

企業を選ぶ際には、収入に関する点も重要なポイントになります。しかし、給与額だけで選ぶのではなく、福利厚生や手当など全体をみてから判断しましょう。

若手が裁量権を握るには実力が求められる

ベンチャー企業は若手も活躍できる環境が整っているといわれていますが、誰にでもそのようなチャンスが訪れるというわけではありません。実力を重視している企業が多いため、優秀で結果を残すことができなければ、新入社員のうちから裁量権を握れる可能性は低くなります。

逆にいうと、成果を出せば認められるとも考えられます。また、競合相手は同じ時期に入った同僚ではなく、すでに活躍している先輩や上司です。長年の経験やスキルを持つ社員も多くいるでしょう。

そこで勝ち抜いていくことで初めて裁量権を握ることができます。ベンチャー企業に入社すれば、すぐに好きなことができるわけではないと覚えておきましょう。

ベンチャー企業に就職する前に注意しておきたいポイント

ベンチャー企業は近年人気の志望先となっています。自由な社風で面白そうだと考えている人も多いですが、決してよいところばかりではありません。入社してから「こんなはずではなかった」と思うことのないよう、ベンチャー企業の特徴を事前によく確認しておきましょう。

ここでは、ベンチャー企業に就職を決める前に知っておくべきポイントを紹介していきます。ベンチャー企業に就職したいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

労働環境が整っていない場合がある

企業としての歴史が浅いベンチャー企業は、福利厚生面などの労働環境が整っていない場合があります。従業員が多い大手企業には労働組合があり、職場環境や給与、休暇についても現場の従業員の意見が反映されているのが一般的です。

一方、ベンチャー企業は従業員数も少なく労働組合がないことも珍しくありません。たとえ収入が高くても残業時間が多かったり、交通費が支給されなかったりすることも考えられます。住宅手当などもベンチャー企業では支給されないこともあるでしょう。

福利厚生面が充実していないと、結果的に手元に残るお金が少なくなることも考えられますので、初任給や給与額だけにとらわれず、職場環境や労働組合の有無、住宅手当・交通費の支給条件などの細かな点も忘れずにチェックしておきましょう。

人手不足で雑務に追われることがある

人手不足は多くの企業が抱えている問題のひとつですが、ベンチャー企業も同様です。小規模で必要最低限の社員数で業務をおこなっている場合、基本的な仕事の担当は決まっていても、手が空いていれば他の雑務を引き受けなければなりません。

特にまだ経験の浅い新入社員は、誰にでもできるような雑務を任されることもあります。自分の希望していた仕事ができずに、それ以外の事務仕事や書類整理などに追われて、入社前の目標や目的を見失ってしまう人もいます。

仕事に対するモチベーションが下がり意欲がなくなってしまわないように、毎日の業務の中で「なぜこの企業に入社したかったのか」という信念を忘れないように持ち続けることが重要です。

ベンチャー企業に向いている人の特徴

企業にはそれぞれメリット・デメリットがあります。長く働き続けるためにはどのような企業が自分に合っているのかを見極めることが大切です。ベンチャー企業にはどのような人が向いているのでしょうか。

自己分析・企業研究をして自分がベンチャー企業に向いているか確認してみましょう。ここでは、ベンチャー企業に向いている人の特徴を紹介していきます。自分自身と照らし合わせながら、ポイントをチェックしてみてください。

会社を育てていくことにやりがいを感じる

ベンチャー企業は創立してから日が浅く、まだひとつの会社として成長過程にあります。社員は会社を育て上げていく重要な役割も担っているといえるでしょう。すでに完成されている大手企業では、どれだけあなたが努力して活躍しても事業が多少拡大するだけですが、ベンチャー企業では社員が頑張った分だけ会社自体もどんどん成長していきます。

ひとつの会社を育て上げていくというやりがいを感じられるのは、ベンチャー企業の大きな魅力です。新しい会社を育て上げていく経験は、将来のキャリアにも役立つ経験となるでしょう。「仲間と協力して会社を今より成長させていきたい」と熱意を持って業務に取り組める人こそ、ベンチャー企業に向いていると考えられます。

将来は自分も起業したいと考えている

将来的に独立して自ら起業したいと考えているなら、ベンチャー企業での経験が役立つはずです。大手企業に就職した場合には、どの企業がどのように設立されて一流企業として成長していったのかを体験することができません。

一方、立ち上がってからそれほど経っていないベンチャー企業なら、内部から成長の過程を見守ることが可能です。小規模からどのような過程を経て企業が大きくなっていくのかを、自分自身で体験しながら学ぶことができるでしょう。

もし入社したベンチャー企業がよくない状態になってしまっても、失敗の原因を知ることで自分が起業する時の教訓として活かすことができます。将来のためのモデルとして起業から仕事のやり方、成長するために必要なことなどを勉強しながら実務経験を積みたいと考えている人に向いています。

ベンチャー企業に求められる人材

そんなベンチャー企業に求められる人材とは具体的にどんな人材なのでしょうか。それ以外の一般企業に比べて達成感ややりがいを実感でき、若くして急激な成長を遂げることも可能な仕事環境ですが、やはり向く人と向かない人がいます。どんなタイプの人がベンチャー企業で活躍できるのかは、ベンチャー企業を志望する前に知っておいた方がよいでしょう。

その上でもう一度、就活の対象がベンチャー企業で間違いないのか確認してみましょう。「意外と自分が考えていたイメージと違っていた」──そんな気づきもあるかもしれません。ここからは適性のある人をまとめてみました。

チャレンジ精神旺盛な人

新しいことに挑戦し続けることが鉄則でもあるベンチャー企業では、常に前向きに新しいことにチャレンジしていける人が好まれます。伝統や今までのあり方を打ち破りたいと思える人や、前のめりになるほどのポジティブさを持っている人なら一緒に会社を盛り立てていくことができるでしょう。

チャレンジするということは、自ら新しいことを発見して取り組んでいくことでもあります。言われたことだけをしているような人には向きません。常に物事に率先して取り組み、疑問点などがあれば改善案を積極的に提案していけるようなバイタリティーさが必要とも言えます。

環境の変化に柔軟に対応できる人

ある意味、革新的な企業のベンチャーでは、日々、何が起きるか分かりません。突発的なトラブルにも柔軟に対応できる人は向いていると言えるでしょう。ベンチャー企業は福利厚生や経営が不安定なことも多く、無名なことによる社会的な知名度や信用度の低さなど不安要素もありますが、まずその前に会社としての安定性を求める人には向いていません。

そういう不安要素があっても、自分で改善していくだけの行動力と気迫がなければ仕事をしていくことは難しいでしょう。現状で物事を判断せずに柔軟に物事を変えていこうとする人こそベンチャー企業向きと言えます。

向上心のある人

マニュアルがない職場環境で仕事をしていくには、常に自分で「今しなくてはいけないことは何なのか」を考えて、率先して仕事をしていく意識が必要になってきます。一人が抱えている仕事量が多くなりがちなベンチャー企業では、自分で率先して動くことが会社をスムーズに運営していくことにもつながっていきます。

指導してくれる先輩がいないことも多いでしょう。そういう点からしても、自ら学んでいくことが必須となります。それには向上心がないと難しいでしょう。足りない部分があったら率先して改善し補うことができる人がベンチャー企業では求められています。まさに従業員でありながら経営者としてのセンスを求められると言っても過言ではありません。

ベンチャー企業に就職するために必要なこと

一般企業と違い、基盤が安定していないベンチャー企業では、一緒に成長できる人を求めています。就職を考えた場合は、会社という組織で決められた仕事をするという認識は捨てた方がいいでしょう。ベンチャー企業ではそれは通用しません。履歴書でも自ら行動して仕事を実践していけるスキルがある点をアピールすることが大切です。就業経験がなくても、学生生活で成し遂げたこと、アルバイトで自分はどのような貢献ができたのかを記載しましょう。ベンチャー企業の特性を理解し就活することが大切です。

自分の未来のビジョンを持つ

常に新しいビジネスを構築していくベンチャー企業では、自ら動ける人を採用したいと思っています。自分が入社したらどんな仕事をしていきたいのか、明確なビジョンを持ち説明できることが大切です。そのためには、入社したい会社がどんな会社で何を求めているのか理解しておく必要があります。その上で、自分がやりたいことを考えて具体的に言葉にまとめてみましょう。

また、そのやりたいことはみんなと共有できるものなのか、その点も重要です。会社である以上、会社・社会へ貢献できるビジネスであることが条件になってきます。貢献できるビジネスならば、会社のスタッフとも共有できるはずです。

パソコンスキルを身に付けておく

ベンチャー企業はIT事業に携わることが多く、パソコンが使えることは必須条件と言えるでしょう。プライベートでもパソコンを使う人が多い時代ですので、まったく使えないという人はいないと思いますが、基本的操作(ブラインドタッチ)の他に、ワード・エクセルに始まり、エンジニア系のスキルなども持っていると強いかもしれません。

まず、「入社してからパソコンスキルを先輩に教わって…」というような状況は期待しない方がいいでしょう。何でも自分で処理していく気構えがないと働くのは難しいと言えます。自分が働きたい会社でどれくらいのパソコンスキルが必要なのか事前に調べておき、自分で習得するくらいの気構えが欲しいところです。

ベンチャー企業に就職するなら業界研究を徹底しよう

ベンチャー企業と言っても、業界は多岐にわたっています。介護、マーケティング、エンジニア、デザイナー、営業、建設業など、業界によって業務内容も異なります。共通している点は上述いたしました通り、急激に成長できる環境であること、会社自体が若いこと、自ら仕事をしていかなければならない点などです。

自分がどんな業界を選ぶのか、まずはその点を明確にすることから始め、決まったら業界研究をしっかりとすることが採用につながる重要なポイントになってくるでしょう。業界研究は企業をリサーチすることや自己分析をするのと同じように、就活するにあたってはとても重要です。働きたいと思う業界をリサーチすることは、その業界の知識を深め、自分が働いているイメージを具現化することにもつながるのです。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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