業界研究

【飲食業の志望動機】作成のポイントと5つの例文を紹介

飲食業の志望動機を書くには企業研究が重要

飲食業界は、私たちの生活にとってとても身近な業界のひとつです。「食べることは生きること」であり、人々の生活や命を支えるやりがいのある仕事ともいえるでしょう。同じようなメニューを提供していても、原材料へのこだわりや店の雰囲気などの特徴は店によってさまざまです。

ここでは、そんな飲食の業務内容と志望動機を書く際のポイントや例文を紹介していきます。ぜひ、履歴書を書く際の参考にしてみてください。

飲食業の主な業務内容

飲食の主な業務内容は、調理と接客です。調理担当の場合は、通常の調理業務に加え新しいメニューの開発も任されることもあります。接客は主に配膳や会計などですが、店の印象を左右する重要な役割であり、お客様への気遣いなど臨機応変な対応が求められます。

その他、店内の清掃や材料の発注などの業務をおこなう場合もあります。小規模な店舗の場合は、一人で複数の業務をこなさなければならないこともあるでしょう。店長の場合は、スタッフのシフト管理や教育、売上管理など運営に関わる業務も担当します。

チェーン店の場合は、店長からエリアマネージャーに昇格し、複数の店舗のサービスや売上向上のための業務をおこなうこともあります。

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飲食業の志望動機を書く際のポイント

  • 飲食業と一言でいっても、レストランや定食屋、居酒屋など幅広い職種があります。志望動機を作成する際には、志望する企業の事業内容をしっかりと理解することから始めましょう。

    そこから、なぜ飲食業で働きたいと思うのか、なぜ他の企業ではなく、その企業を志望するのかなどの理由を明確にしていきましょう。ここでは、飲食業の志望動機を書く際におさえておきたいポイントを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

    なぜ飲食業を志すのか理由を明確にする

    志望動機を作成する際には、なぜ飲食業で働きたいと思うのかその理由を明確にしましょう。飲食業は過酷な労働環境というイメージがあり、働くのは大変だと考える人も多い業界です。それでも飲食業の企業へ入社したいと思う理由は何でしょうか。「料理が好きだから」「食べることが好きだから」というだけでは、志望動機としては曖昧で、大変な環境であっても働きたいという熱意は感じられません。

    また、「思っていたイメージと違うからとすぐに辞めてしまうのでは」と感じられる志望動機では企業は内定を出さないでしょう。「厳しいといわれている飲食業でも入社して働きたい」という熱意を伝え、効果的なアピールができるように作成してみてください。

    飲食業のなかでもなぜその企業を選んだのか伝える

    飲食業には数多くの企業があります。企業によってサービスの内容や提供する商品は異なり、特徴もそれぞれです。志望動機では、なぜ同じ飲食業のほかの企業ではなく、その企業へ入社したいと思ったのかが大切なポイントとなります。たくさんの企業の中で、この企業で働きたいと思ったきっかけや、理由、熱意がしっかりと伝わるようにしましょう。

    企業を選んだ理由がはっきりしていないと、効果的な志望動機になりません。企業の特徴や強みを事前に理解しておき、その企業にしかない魅力的だと感じる点を伝えて、理由を明確にしましょう。飲食業界全体についても研究しておくと、他の企業との違いがよく分かりますので、業界研究も念入りにおこなってみてください。

    将来のビジョンを述べる

  • 入社後にどのような仕事をしたいのか、どんな目標があるのかなど将来のビジョンも志望動機のポイントのひとつです。飲食業には、調理スタッフやホールスタッフなどそれぞれの役割があります。自分はどのような立場で活躍したいのか、どんな強みを活かして企業へ貢献したいかを志望動機に盛り込んでみましょう。

    入社後の希望職種と合わせて、将来的なビジョンも述べると効果的です。例えば、「最初は店舗のスタッフとして仕事をして経験を積み、いずれは本社で商品開発に携わりたい」など、長期的な目標を挙げるとよいでしょう。将来のビジョンを伝えることで、入社の熱意や仕事に対する前向きな姿勢をアピールすることができます。

    アルバイトなどの経験が活かせるとアピールする

    これまでに飲食業界でアルバイトなどの経験があれば、志望動機でアピールしましょう。飲食店で仕事をしたことがあれば、飲食業界についてある程度の知識があり、即戦力になれる可能性が高くなります。飲食業でも店舗ごとにそれぞれの特徴やルールは異なりますが、接客や配膳など基本的なサービスは同じです。

    企業にとっては、何も経験がない人よりも採用するメリットが大きくなるといえるでしょう。2年や3年など、飲食店で長く働き続けた経験があるなら、勤務年数もアピール材料になります。長く働き続けることができる人材は企業からみても魅力的に感じます。反対に、すぐに辞めてしまった場合は、あえて期間をいう必要はないでしょう。

    飲食業の正しい志望動機例文5選

  • 飲食業の志望動機を作成する際に参考となる例文をご紹介します。志望動機では最初に結論を述べ、要点を明確にすることがポイントです。説明が長く続くと何を伝えたいか分からなくなってしまうことがありますので注意しましょう。

    また、過去の経験を述べる時には具体的なエピソードを紹介することで、説得力のある志望動機になります。これまでにご紹介した飲食業の志望動機作成のポイントと合わせて、確認してみてください。

例文①

私が貴社を志望した動機は、貴店の看板商品である「◯◯」がとても好きだからです。「◯◯」は、北海道産の有機小麦や平飼いの卵を使用するなど、原材料にとことんこだわっています。私は幼い頃アトピー性皮膚炎を発症したため、食べる物には気をつけて過ごしてきましたが、貴社の商品は安心して食べることができます。
私のような人たちのためにも、原材料にこだわった商品をもっと広めていきたいと思い、貴社を志望いたしました。

まず、志望企業の商品について、その特徴や商品に対する思いを書いた志望動機の例です。商品についてより具体的な話を盛り込むことができれば、企業研究がしっかりできているという印象を与えることができるでしょう。また、その商品が「好き」だという気持ちを素直に伝えることも好印象につながるはずです。

例文②

私が貴社を志望した動機は、「食べることは生きること」という企業理念に共感したからです。私は大学で栄養学を専攻していますが、実習などを通じて、食べたものが人を作っているのだということを強く実感しました。
栄養学の観点から、貴社の◯◯の分野で自分の経験を生かし、「食べることは生きること」なのだという貴社の理念をより多くの人に広めていきたいと思っています。

次に、自分の知識や資格を志望企業にどう生かしていけるかを書いた志望動機の例です。企業理念も盛り込むことで、その企業を志望する理由も明確に伝わりやすくなります。また、企業理念にいかに共感しているかを伝えることで、一緒に働きやすそうだなというイメージを採用担当者に抱かせやすくなるでしょう。

例文③

私が貴社を志望した動機は、社員一人一人のメンタルを大切にする社風に惹かれたからです。大学時代、居酒屋でアルバイトをしていたのですが、その時の店長がスタッフ一人一人の様子にいつも気を配ってくれる人でした。そのため、辛い時に相談などもしやすく、結果長く勤めることができたと思っています。
私も貴社で、店長としてスタッフのメンタルや働く意欲を支え、風通しの良い職場環境づくりに貢献したいと思っています。

最後に、自分のこれまでの経験をふまえてどのように志望企業に貢献できるかを書いた志望動機の例です。アルバイト経験やそこから得た教訓などのエピソードは、話の具体性が高まりますし、働いた経験があることをアピールすることもできます。企業の社風について盛り込むことで、企業研究していることも伝わりやすくなるでしょう。

例文④

私は両親が喫茶店を経営していることもあり、小さな頃から飲食店で仕事をしたいと思っておりました。喫茶店に来たお客様の笑顔を見ると自分も嬉しくなり、料理を通してたくさんの人を笑顔にしたいと考えるようになりました。以前、御社のレストランに伺った際、忙しくてもお客様への気遣いを忘れず楽しそうに仕事をしてるスタッフの姿がとても印象に残っています。
私も貴社の一員として働き、お客様に楽しく食事をして笑顔になって頂きたいと感じました。両親の店を高校生の時から手伝ってきた経験を活かし、お客様への丁寧な接客を心掛けていきたいです。

両親が飲食店を経営していたことから、自分自身も飲食業で働きたいという志望動機です。両親の仕事だからというだけでなく、「お客様を笑顔にしたい」と飲食業を選んだ理由が明確に述べられています。また、企業のレストランへ行った際のエピソードを入れ、ほかの企業ではなくこの企業に入社したいと思った理由も伝えています。

例文⑤

私はもともと料理を作るのが好きで、学生時代はレストランのキッチンで3年間アルバイトをしておりました。御社の居酒屋チェーンはメニューの種類が豊富で、お店ごとにスタッフが考案した独自の料理がとても面白いです。スタッフの意見を取り入れ、店舗ごとの特色を出すことで、色々な店舗へ行ってみたいと感じさせてくれます。
また、忙しい時にも質を保ちながら迅速に料理が提供されている点も素晴らしいと思います。これまでの料理経験を活かしさらに腕を磨き、いずれはメニュー開発にも携わりたいと考えております。まずは、ひとつひとつの調理を丁寧におこない、お客様に満足頂くことで貴社に貢献していきたいです。

もともと料理が好きなこと、アルバイト経験を活かして企業へ貢献したいことを志望動機として伝えています。店舗の特徴である独自のメニューや迅速な料理提供など、魅力に感じた点も分かりやすく述べていることで、その企業への熱意を表現しています。将来のビジョンで仕事に対する積極的な姿勢が伝わる文章です。

飲食業の志望動機NG例

私が貴社を志望する動機は、労務管理がしっかりしているため、業務時間が長引かず早めに家に帰ることができそうだからです。私は将来独立して自分の店を持ちたいという夢があるため、それに向けての勉強や準備などに時間を使いたいのです。
また、貴社のメニューは非常に個性的ですが、より多くの人たちに召し上がっていただけるようにメニューの改良にも貢献していきたいです。

志望動機として労務管理や福利厚生のことを挙げる際には、その言い方に注意が必要です。例文のような「早く帰ることができる」という言い方では、「あまりやる気がないのではないか」と不安に思われかねません。

また、飲食業界を目指している人のなかには、将来独立したいと考えている人も少なくないでしょう。しかし、仮にそういう夢があったとしても、まずはこの店でしっかりと働いていきたいという意志を伝えることが大切です。

さらに、店をより良くするために尽力していきたいという姿勢は素晴らしいですが、店の方針を無視してはいないか客観的に考えてみることも大切です。店が求めているであろうこととズレたことを書いていては、企業研究が足りていない印象を与えてしまいますし、一緒に働くことを不安に感じさせてしまうでしょう。

例文を参考に飲食店の志望動機を作成しよう

ここまで、飲食の業務内容や志望動機を書く際のポイントなどをご紹介してきました。飲食の志望動機では、他の店ではなくその店でなければならない理由や、将来のビジョンを盛り込むように意識しましょう。

飲食で働く際には、店やその店の商品が好きだという気持ちが大切です。その気持ちは、働く姿にも自然と表れてくるものです。採用側にとってみても、一緒に気持ちのよいお店作りをしていけそうな人は魅力的に感じることでしょう。

ただし、食べることが好き、その企業の料理が好き、と述べられているだけの志望動機では熱意は感じられません。なぜその企業を選んだのか、具体的に説明するように心がけましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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