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面接では「誠実戦略」が一番|就活塾キャリアアカデミー講師が教える面接対策とは

キャリアアカデミー講師鈴木さんの紹介

キャリアアカデミー講師鈴木さんの写真
キャリアアカデミー講師:鈴木潤さん

【経歴】
文学部心理学科を卒業。新卒で証券会社に入社。営業と人事を経験。
IT企業に転職後は300〜350名を採用する新卒採用リーダーを務める。現在は、主に新入社員および内定者の人材育成を担当している。大学でのキャリア講演や面接指導を多数経験。国家資格キャリアコンサルタント。

ーー就活塾キャリアアカデミーの現役講師、鈴木さんに面接対策についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

鈴木さん:こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

ーー鈴木さんは「新卒採用リーダー」を担当されていたということですが、具体的にどんなことをされていたのでしょう。

鈴木さん:300〜350名を採用する新卒採用のチームリーダーを任されていました。会社説明会の企画・運営、面接官担当、内定者のフォローアップ、内定式運営など、新卒採用に関連する業務は全て行っていました。

ーー今回のテーマ「面接」について、面接官としてのご経験をお聞きしてもよいでしょうか。

鈴木さん:はい、当時は1次面接の面接官をしていました。また、役員がメインの最終面接にも同席していました。1日で多い時は10人くらい面接していました。1年間で私だけで200〜300人は面接していたと思います。

面接で落ちてしまう就活生の特徴とは

ーーまずは面接に落ちてしまう就活生の特徴について教えてください。

鈴木さん:私の人事としての経験をもとにお話ししますね。面接に落ちる理由は2つです。

「相性が合わない」と「何者か分からない」です。
「相性が合わない」について、本人も十分に自己PRできた、面接官も聞きたいことは全部聞けたとします。そのうえで、就活生のパーソナリティや能力、志向性などから、「うちの会社に合わない」と判断されて不合格になる場合です。

この場合の不合格は悪いことではありません。面接のときに話を盛ったり嘘をついて入社してしまったら、本人が入社後に苦労します。不採用という判断は決して「その学生がダメ」だったということではありません。「相性が合わない」という判断をされるまで、面接官の前で自分が表現できたのであれば、それはよいことです。

ーー相性が合わなくて、不合格になるのは悪いことではないんですね。

鈴木さん:問題は「何者か分からない」と面接官に思われてしまい、面接に落ちるケースです。何者か分からない人を採用して、仮に定年退職まで勤務した場合、その人に払う生涯賃金は3~5億円です。採用とは企業にとって投資なので、何者か分からない人にそんな投資はできないです。

面接官に「何者か分からない」と思われないためには

ーーでは、「何者か分からない」と面接官に思われないためにできることはありますか?

鈴木さん:面接官に「分からない」と思われてしまう理由の1つに、就活生が、人事は完璧な人を求めているのではないかと思い込んでいることが挙げられます。そのような就活生は、面接用にエピソードを美化しなくてはいけないと思っています。その結果、「何者か分からない人」だと人事に判断され、面接に落ちてしまうことがよくあります。

就活を頑張ってはいるが、結果が出ない人は、頑張り方が間違っているかもしれないです。そうならないために私が普段学生にアドバイスしているのは「嘘をつかずに、誠実に自分を表現する」ということです。

ポイントは、無理なく自己開示の範囲を広げることです。自分では隠した方がいいと思っていたことが、実は面接官が聞くと「そういう心の変化こそが面白いんだ」とか、「人間味があっていいんだ」ということがあります。

嘘をつかずに自分を表現する「誠実戦略」が内定への一番の近道である、ということは、キャリアアカデミー全体でも毎年言い続けています。

ーー実は私は就活がうまくいかなかったタイプでした。うまくいってなかったので、よけいに話を盛っていました。そのような塾生にどんな指導をされているのか気になります。

鈴木さん:そんな学生には、「面接官・人事が考えていることを知ろう」とアドバイスしています。面接官・人事は、成功体験や実績を聞きたいわけではありません。

結果に至る過程で何を考えて行動したのか、少しでもいいから自分なりにどんなことを工夫したのか、が聞きたいんです。

結果的にその工夫が失敗だったっていうオチでも問題ありません、という人事の気持ちの裏話を学生にします。「人事だって人間だからね」と。

ーーすごく心強いですね(笑)

鈴木さん:これが「相手を知る」ということです。もう一つ、「何者か分からない」と思われないために、熟語とかカタカナ言葉とか、借り物になってしまうような、きれいな言葉じゃない「自分の言葉」で、表現できるよう一緒に考えていきます。

学生のみなさんが、いろんな就活指導を受けていると「結論から端的に言え」と指導されます。その指導自体は間違いではないのですが、結果的に学生は自分で考えたことを集約して、それっぽい言葉にまとめようとします。

それっぽい言葉でまとめられた話って、初対面で聞いた人は「キミは一体何者だ」って感じちゃうんですよね。

ーーそうですね(笑)

鈴木さん:だから、キャリアアカデミーでは、過去の出来事とか、その時の気持ちとか、その時にやったことを丁寧にヒアリングする中で「あ、今でてきたその言葉が大事だよ」って教えています。例えば「この時悔しかったんですよね」「この時ほんと悩んで…」とポロッと出てきたら、「あ、その言葉そのまま使おうよ」とかって。出てきた言葉を褒めて、それを生かす。

ーー本音の言葉を引き出すんですね。

鈴木さん:「相手を知る」ことと「自分の言葉で話す」ことを意識的に行う。これらを組み合わせれば、心理的ストレスが少ない状態で、相手に自分のことを正しく伝えることができます。

ーー学生がポロっと言ったことを「それがいいよ」と教えてあげる、ということですね。

鈴木さん:そうすると話を盛らないで、自分のことを人事に伝えることができるでしょう。

――おもしろいですね。今、就活塾に通っていればよかったなって思ってます。

鈴木さん:そうですね。

面接を通過する就活生の特徴とは

キャリアアカデミー講師鈴木さんの写真

ーー反対に面接に通過する就活生の特徴はありますか?

鈴木さん:「みんなにいい顔する必要ない」「企業側にごまをする必要はない」と考えている学生です。こういう学生は結果的に、頼もしくも見えるし、自信があるように見えるので受かりやすいですよね。

面接官がチェックしているポイントとは?

ーー過去の学生との面接で、必ず見ていたチェックポイントがあれば教えてください。

鈴木さん:私の場合、「人生の選択理由」を大事にしています。

「なぜその高校を選んだのか」
「なぜその学部学科を選んだのか」
「なぜそのサークルを選んだのか」
「なぜそのバイトなのか」
などです。

何かを選択する時って、その人の価値観が必ず見えてきます。その価値観と、会社とか仕事の価値観がマッチするか確認します。

ーー人生の選択理由について、どういう価値観を持った学生に「あってるな」「あわないかも」って思うんでしょうか。

鈴木さん:価値観は学生と企業とのマッチングなので、どんな価値観が絶対的に良いとか悪いというのはありません。ただ、面接の受かりやすさでいうと「意図的に選択している人」かもしれません。

「こういう意図を持って○○を選びました」
「こういう意図を持って○○しました」

という考え方や思考パターンが相手に伝われば、少なくとも「何者か分からない」とは判断されません。
逆に人生の選択に意図を感じられない場合は、「うちの会社を選択したことも意図がない」と判断されかねない場合があると思います。

ーー意図がなく選択したということは、今後も意図がなく転職してしまうとか、そういったリスクをもった人材であると判断をされるということでしょうか。

鈴木さん:そうですね。特に長く勤めてもらいたいと思っている会社の場合は、企業とのマッチングを重視する傾向にあります。その時々の流行り廃りや、ちょっと給料が良い悪いとで転職してしまうのではないか、と心配する人事もいます。

ーー自分なりの論理があった上で判断する人は、面接に通過しやすい傾向にあるのですね。

面接通過のためには「自分を知ること」「相手を知ること」「ストレスをコントロールすること」

面接日までの準備で大切なことを教えてください

ーー改めて面接日までの準備で大切なことを教えてください。

鈴木さん:今までの話のまとめになりますが、「自分を知ること」「相手を知ること」「ストレスをコントロールすること」の3つだと思っています。

「自分を知る」というのは、これまでお話したように、話を盛らず、また、きれいな言葉を使いすぎないで、自分を表現することです。

「相手を知る」ことを分解すると、「会社を知る」「仕事を知る」「人を知る」の3軸になると思っています。
「会社を知る」ときに、学生のみなさんはホームページやパンフレットだけを見ることが多いと思います。しかし、本当に志望度が高い会社については、上場企業なら有価証券報告書を見ることをおすすめしています。有価証券報告書には平均年収や平均年齢も出ていますし、経営としての課題も書いてあります。見せ物として作られたパンフレット以上の情報が記載されています。
「仕事を知る」「人を知る」には、OB・OG訪問が有効ですね。会社説明会へ行ったときに人事に積極的に質問をすることで知れることも多いです。

「ストレスをコントロールすること」は、先程言った誠実戦略が、結果的に「話を盛らなきゃいけない」とか「嘘をつかなきゃいけない」というストレスを減らすことにつながる、ということです。

ーー「自分を知る」とは、まさに自己分析のことだと思うのですが、就活生にとっては難しいと思っています。どのように指導されていますか?方法やコツがあれば教えてください。

鈴木さん:キャリアアカデミーでは、オーソドックスに過去の自分史を作成するワークがあります。

何歳の時にどんなことがあって、どう思ったかを紡ぎ出していく中で、特徴的な出来事をピックアップしていきます。長所短所も含めて、自分自身がどのような存在と言えるのか、を考える作業です。

それをエントリーシートの形式で整えていくのですが、かしこまりすぎない言葉に直し、面談しながらその学生なりの「いい表現」「個性的な表現」をうまく活かすようにしています。

ーー伴走してあげるイメージですね。

鈴木さん:そうですね。ただ、自己分析は、やりすぎると迷子になるんですよね。

ーーよく聞きます

鈴木さん:自己分析はどんな業界、どんな仕事、どんな会社があるのか知った時に、それに興味が持てるかどうか、なぜ自分がそれに興味を持てたんだろう、と考えることです。
例えば、洋服が欲しい時に「世の中にない洋服が欲しい」と言える人って、天才デザイナーだと思うんです。多くの人は洋服を見てそれが欲しいかどうか、自分が似合うかどうかを考えるんですよ。自己分析だけをしても、世の中にどんな服があるか知らないと欲しい服は見つからない。

「自己分析が終わらないと業界分析できない」と思い込んでいる人の誤解を解くのも、キャリアアカデミーでの仕事ですね。

面接日当日に大切なことを教えてください

ーーここまで面接の準備についてお聞きしましたが、当日に意識することがあれば教えてください。

鈴木さん:面接で伝えたいことを一言一句暗記しようとするのではなく、キーワードだけを意識しておきましょう。そうすると自然な会話になります。文章化されたものを一生懸命覚えようとすると、「自分の言葉」ではなくなってしまいますし、本番で緊張して思い出せなかったり、棒読みになったりしますから。あとは、十分な睡眠や時間に余裕を持つなどを心がけるといいですね。

塾生には実際にどんなことを教えているのか?

やりたいことが見つからない学生のサポート

ーー実際にキャリアアカデミーで就活をしている学生は、どんなことで悩み、困っているのでしょうか?

鈴木さん:「やりたいことが見つからない」という学生が圧倒的に多いですね。就活を始めた時にやりたいことが見つからないというのは今に始まったことではなく、私が学生の頃からありました。
ただ今の学生にとって20年前と違うのは、キャリア教育が学校の中でも盛んになっているので「やりたいことを見つけなければいけない」というプレッシャーが私の世代より遥かに強いことですね。だから「やりたいことがないことは悪い」ことだと思っているようです。

ーーそうなんですね。僕も当時、就活初期に同じことで悩みました。
やりたいことがない学生に実際相談されたとき、具体的にはどのように指導されていますか?

鈴木さん:好きなもの、興味のあるものなど、仕事以外の部分から聞きます。

ーー例えば、学生が「映画が好き」と言った場合、映画の仕事を候補としてあげるようなイメージでしょうか?

鈴木さん:「映画」を因数分解します。因数分解しないと、短絡的に「映画が好きだからメディア系企業」となりますよね。

例えば鉄道が好きな人でも、乗り鉄もいれば撮り鉄もいますよね。好きなこと、興味のあることを因数分解することで、仕事との結びつきが見えてきます。しかし、因数分解をする際に「その何が好きなのか」を深く考えることは、1人だと難しいと思います。

旅行が好きだと言った時に、プランニングが好きという人もいるし、現地とのふれあいが好きという人もいます。自分が企画した場所で、誰かが喜んでくれるのが好きという人もいますよね。旅行好きでもさまざまな人がいるので、そこを掘り下げていきます。そしてプランニングができる仕事ってどんな仕事があるかな?と一緒に探しています。

ーー「好き」の理由を掘り下げるんですね。

鈴木さん:抽象と具体を行き来するような感じです。

ーーたしかにそれを一緒にやっていただけたら、モヤモヤしたものが晴れる気がします。

「就活をゴールとしない」が方針

ーー何に重きを置いて学生に就活指導をされているのでしょうか

鈴木さん:就活をゴールにしないということです。これはキャリアアカデミーの方針でもあり、私自身がここで講師をしている理由でもあります。

就職活動を通じて、社会に貢献できる人材が増えてくれたらいいなと考えています。自分を適切に表現できる人になるとか、相手のことを考えるようになれるとか、困難を乗り越えたり、ストレスをうまくコントロールしたりすることを、就活を通じて学べたら、社会に出てからも確実に活躍できる人になれると思っています。

適切な自己表現ができて、顧客目線を持ち、ストレスをうまくコントロールできる人を育てるために、就活という機会を通じて人材育成をしているつもりです。

ーーありがとうございます。最後に鈴木さんご本人のキャリアアカデミー講師や人事としてのやりがいを教えていただけたら嬉しいです。

鈴木さん:キャリアコンサルタントの資格取得をする人の共通点だと思うんですけど、「人と自分への興味」だと思います。人に興味があって、自分に興味がある。

人に何かをすることが実は、周りまわって自分のためになっているんですね。学生と面談をして、やりたいことを因数分解していると表情が明るくなったり、ポロッと出てきた言葉を誉めると自信を持ったりするわけですよ。そうすると、少し解決に導けたなという手応えを持つことができて、それが私にとっては報酬です。

ーーありがとうございます。学生だったり、人の助けになったり、喜んだりする顔を見ることが報酬で、おもしろいと感じていると。

鈴木さん:おもしろいですね。人の人生に触れた瞬間とか、「あ、こんな考え方もあるんだな」とか「ここで一皮むけるか」という瞬間に立ち会えるのもやりがいです。

ーーありがとうございました。本日のインタビューはこれで終わろうと思っています。鈴木さん、今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

鈴木さん:こちらこそ、ありがとうございました。

誠実戦略を意識して面接に挑もう

キャリアアカデミー講師鈴木さんとスタッフの後藤さんの写真
講師の鈴木さんとスタッフの後藤さん

今回は、就活塾キャリアアカデミーの現役講師鈴木さんにお話を聞きました。面接についてのたくさんの参考になるお話ありがとうございました。

「企業の人事は完璧な人を求めているわけじゃない」
「誠実戦略が大事」

この2点が印象的です。「面接」というかしこまった場面では、どうしても「自分をよく見せたい」という欲や、「本当の事を言ったら不合格になる」という恐怖などがあるでしょう。

そんな時は今回教えてもらった「誠実戦略」を思い出しましょう。自分の言葉で話せるようになると、気持ちや想いが面接官に響きます。

きれいな言葉で自分を隠さず、カッコつけず、面接を切り抜けましょう。就活塾キャリアアカデミーの詳細は以下リンク確認できます。鈴木講師をはじめとした、元人事の方が多数在籍している実績ある就活塾です。就活に困っている人はぜひ相談してみましょう。

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監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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