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管理栄養士が公務員として働くには|給与から試験突破の勉強法を紹介

公務員の管理栄養士になるには

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公務員の管理栄養士になるには、志望先の公務員試験に合格しなければなりません。もちろん、管理栄養士国家試験に合格している人が応募条件の前提になります。公務員の管理栄養士は、募集時期が不定期であることや、採用人数が少ないため倍率が高くなるケースが多いようです。

また、そのため、受験を考えている人は、志望先の採用情報や日程などを調べておくと良いでしょう。調べる方法として、【志望先の自治体のホームページを見る】ことや【管理栄養士の公務員試験の日程を掲載しているサイトを見る】などが挙げられます。

公務員の管理栄養士の仕事内容

公務員の管理栄養士は、保健所・保健センター・病院・学校と幅広く職場があります。
保健所や保健センターで働く場合は、行政栄養士といわれます。また学校で働く場合は、学校の栄養教諭や学校の栄養職員として働くことになります。

【保健所の仕事】
・栄養士免許の申請などの受付
・検診や予防接種
・食品衛生の管理
・医療・福祉・保険などの栄養士や管理栄養士の育成
・給食施設での栄養管理の指導や支援など

【保健センター】
・食育に関する講演や食育教室
・健康に関する料理講習会の開催
・市民の健康教育(個別栄養指導)
・乳児検診など

【学校や病院】
・医者の指示による給食管理
・献立作成
・厨房業務
・衛生管理
・栄養管理計画書の作成や栄養指導など

このように公務員の管理栄養士は、幅広い業務があるのです。

倍率は非常に高い

公務員の管理栄養士の倍率は非常に高く、就職するための難易度はかなり高いと言えます。公務員全体で見ても倍率は高いですが、特に病院はかなり高い傾向にありますので注意が必要です。病院で管理栄養士として働きたい場合は特に念入りな対策が必要ですし、早めから準備を進めておかなければ就職することはできません。

公務員の管理栄養士の倍率は自治体によって違いますが、5~50倍程度です。5倍であればそれほど高いとは言えませんが、場合によっては50倍など超難関であることもありますので、注意しなければなりません。自治体ごとに倍率が大きく変動していますので、志望する自治体ごとの倍率を知っておくことが大切です。どの場合でも公務員の管理栄養士は難関ですので、早めから対策をおこなっておきましょう。

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年齢制限もある

公務員の管理栄養士は倍率が高いところも多く、1年で就職が決まるとは限りません。そのため何年もかけてようやく希望する仕事が得られる場合もありますが、年齢制限もありますので注意が必要です。上限となる年齢は自治体によりますが、大卒程度の公務員試験で30歳前後がほとんどです。

場合によっては35歳程度までOKであることもありますが、自治体ごとに違うのでそれぞれ確認しておく必要があります。また年齢をクリアしても栄養士専門試験の勉強はかなり大変ですので、勉強を始めるのであれば若いうちが有利です。管理栄養士の国家試験に合格し、その上でそれぞれの志望先の試験を受けることになりますので、年齢制限には充分に注意しておきましょう。

管理栄養士の国家・地方公務員の違い

管理栄養士の国家公務員と地方公務員との違いですが、国家公務員は全国を管轄するため転勤はやはりあります。しかし、地方公務員の転勤は原則ありません(自治体によって異なりますが)。国家公務員の勤務範囲としては、国会や警察・教師・国家行政機関などになり、給与は国家公務員制度によって規定されています。

国家公務員は管轄が全国のため転勤がある

地方公務員の管理栄養士の勤務範囲は地方の行政機関となりますので、市区町村役場や県庁などになり、給与も地方自治団体によって規定されています。地方公務員の管理栄養士の就業場所は、主に各都道府県庁や市役所・保健所・病院・学校・福祉施設などです。
休みも120日程度ですが、学校や病院などでも求職業務は委託されていることが多いため、管理栄養士でも基本的には土日祝が休みの場合が多いようです。

収入や職種の幅の違い

同じ公務員の管理栄養士であっても、国家公務員なのか、地方公務員なのかによって給料などは違っています。公務員は棒給表によって給料が決められていますが、国家と地方ではそもそも給料の水準が違います。より高い給料を獲得できるのは国家公務員であり、給料の伸び率が高いのも国家公務員です。

また職種についても国家と地方では違いがあります。国が運営している機関、組織で働くことができる栄養士が国家公務員であり、自治体などが運営している機関、組織で働く栄養士が地方公務員です。どちらも基本的な仕事内容については大幅には変わらず、メニューを考えたり、実際に調理をおこなう場合もあります。また場合によっては栄養指導や講演会などをおこなう場合もあり、活躍の幅はそれぞれ広いです。

管理栄養士として働く場合は公務員だけではなく、民間で働く選択肢もあります。公務員と民間の差はさまざまなところにありますが、給料にも違いがありますので注意が必要です。民間の食品関係の有名企業の研究職であれば、年収は600~760万円程度の人が多いです。

仕事内容の似ている公務員であれば、年収は600万円前後になりますので、場合によっては民間の方が高くなる可能性もあります。また品質管理職の場合は、民間では初任給で年収は300~400万円程度です。公務員の場合も初任給だけで言えばそれほど大きくは変わりませんが、昇給を考えれば公務員の方が年収は高い傾向にあります。民間企業では昇給が少ない場合も多く、安定して昇給のある公務員の方が年収は高くなりやすく、人気は高いです。

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公務員の管理栄養士の給料は?

ここでは、国家公務員の管理栄養士の平均給料について見ていきましょう。

医療職俸給表(二) 病院、療養所、診療所等に勤務する薬剤師、栄養士その他の職員で人事院規則で定めるもの

国家公務員の管理栄養士は、医療職俸給表(二)に該当することがわかります。

医療職俸給表(二)の平均俸給額(学歴計)
経験年数
1年以上  2年未満 196,025円
2年以上  3年未満 209,657円
3年以上  5年未満 226,774円
5年以上  7年未満 232,227円
7年以上   10年未満 241,070円
10年以上 15年未満 269,067円
15年以上 20年未満 300,810円
20年以上 25年未満 332,710円
25年以上 30年未満 348,045円
30年以上 35年未満 358,075円
35年以上      371,012円

人事院の平成28年国家公務員給与等実態調査を見ると、経験年数別の平均俸給額(学歴計)は上記のようになっています。経験年数が重なるほど、平均俸給額は上がっていることがわかるでしょう。

公務員の管理栄養士には定期昇給や賞与がある

公務員の管理栄養士は、管理栄養士の免許を持って勤務している公務員という扱いなので、基本的に公務員なのです。そのために、国家公務員と地方公務員としての定めの違いがあるとはいえ、定期昇給の定めはどちらにも明確にあるために、それに従って年々昇給していくことになります。

懲戒を受けなければほぼ確実に毎年少しずつでも昇給していく公務員は人気が高いと言えます。また、退職する時も公務員の規定にそった退職金が給付されるので、30年35年と勤務した人が退職金を受け取る時にはそれなりの金額を受け取ることができます。

公務員の場合は優遇がある分、忙しいことも多いので注意しなければなりません。さまざまな面で金銭的には優れていることも多いですが、忙しさは民間企業よりも格段に上であることもあり、生半可な覚悟では長く続けるのは難しいからです。

管理栄養士の試験内容

管理栄養士の試験は、厚生労働省が実施する試験を実地し、合格すれば管理栄養士の免許が付与されるという形式を取っています。試験は合計200問で構成されており、その内容は「社会・環境と健康」「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、」「食べ物と健康」「基礎栄養学」「応用栄養学」「栄養教育論」「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」の9科目となっています。

これら全てについて200問で1日の時間をかけて問われます。公務員試験とはまた別に広範囲を勉強する必要があり、計画的に効率よく勉強しないと全ての試験範囲を一通り学習することすら難しくなってしまい、合格が遠のいてしまうことを覚えておく必要があります。

管理栄養士の公務員試験日程

管理栄養士の試験が受けられる都道府県や日程を確認しておく必要があります。ご自身の一番近くて受けられる場所はどこなのか、また締切日が最も近くて素早く1次試験を受けることができる会場はどこなのかを調べてみるとよいでしょう。

どの自治体も、大体5月から最も遅くても翌年の1月までの応募日程となっており、各自治体でバラツキがあります。1次試験の試験日は応募締切日から、およそ1ヶ月後となっています。また場所によっては、1次試験の日程自体を明記していないところもあります。

これは、受験する人数によって使用する会場を変更する必要があるため、およその受験者の数がわからないと、日程や場所を決定できないためです。こうした会場で受ける時には、応募時に担当者に問い合わせることが必要です。

公務員の管理栄養士の具体的な難易度

民間と公務員の両方を見比べ、公務員として管理栄養士を目指すのであれば、試験の具体的な難易度を知っておきましょう。公務員の管理栄養士は人気が高いですし、応募者も多く倍率が高くなっている場合も多いです。

就職難易度は高いので、事前の対策が必須になります。しっかりと対策しておかなければ公務員の管理栄養士にはなれません。民間ではなく、公務員として管理栄養士になりたいのであれば、試験の具体的な難易度を理解して、念入りに準備を進めておきましょう。

公務員の管理栄養士の過去問を見てみよう

公務員の管理栄養士になるための対策としては、過去問を見て勉強をするのもおすすめです。自治体のHPでは過去問を掲載しているのでそれを活用し、選択問題と記述問題を見て問題の形式を掴んでいきましょう。選択問題としては、「経営管理のプロセスとその内容の組合せである。正しいのはどれか」などが挙げられ、これは給食経営管理論の問題です。

選択問題の場合はいくつかの選択肢があり、その中から一つを選んで回答します。この問題では「調整ー計画と実施の適合性の確認」が正解になります。記述問題は「給食施設におけるウェルシュ菌による食中毒の原因食品と予防策について、400字程度で説明しなさい」などです。問題の形式を理解して、上手に対策を進めていきましょう。

参考:堺市管理栄養士

管理栄養士を目指す人がおこなうべき対策

それでは、管理栄養士になりたい人がおこなうべき対策とはどのような対策なのでしょうか。一般的には専門学校か資格学校に通って、免許を取ってから公務員の管理栄養士採用試験を受けることになりますが、ここではそれ以外の方法として以下のような内容も挙げられることを述べます。資格学校もそれなりのお金を払って学校で勉強するメリットを受けることができますが、以下の二つに関しては意外なメリットがあります。

セミナーを受ける

同じ学校に通うと言っても、学校に定期的に通うことができる人は高校を卒業して専門学校や資格修得学校などに入校した人、または管理栄養学部の大学生といった時間的に余裕がある人に限られてしまいます。社会人などで普段管理栄養士としてではなく「栄養士」として勤務しているような人向けに、オンラインでセミナーを受けられるような学校もあります。

こうした学校は、様々な事情を抱えた人向けに時間を柔軟に組めるプログラムを用意して、コースを開設していることが多く自分の都合のよい時間に、また空いた隙間時間などに勉強できるようになっています。こうしたところで、自分に必要なセミナーを受け、合格をより確かなものにすることが大切です。

対策本を読む

勉強に費やすまとまった時間を確保することが困難であったり、セミナーを受けるお金を、わずかでも節約したいといった人向けには対策本を学習することが効果的です。Amazonなどではすでに2018年度版の管理栄養士の過去問とその解説集が販売されており、3000円ほどの出費で一冊買うことができます。

管理栄養士の試験に合格するためには、具体的にどんな参考書を使えば良いのか迷う人もいるでしょう。管理栄養士の国家資格は数ある資格の中でも高難易度と言われているので、出来る限り早い段階から準備する方が良いです。国家試験の合格者の調査では、試験日の6か月前から準備をしていた方が最も多く合格するという調査報告があります。

ここでは、おすすめ参考書3選をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

おすすめ本①

数ある管理栄養士国家試験対策本の過去問題集の中でも、1番と言って良いほど見やすくて調べやすい参考書です。2016年3月実施試験の解答と解説、および過去4年間に出題された全1,000問の解答と解説を完全収録しています。

ですが、一通り勉強していることが最低条件なので、いきなりこの参考書で勉強を始めても理解するのは難しいかもしれません。中級者向けの参考書ですが、合格する上で絶対に必要な参考書なので、最初に買っておいても良いでしょう。

おすすめ本②

管理栄養士の勉強はしたいけれどなかなか時間が取れない人や、本番直前の総仕上げ本を探している人におすすめの本です。管理栄養士試験に出る問題を徹底分析しています。また持ち運びにおすすめの単行本サイズなので、いつでもどこでも勉強することができるのも魅力の一つです。複数の科目にまたがって、よく出題されるワードごとにまとめてあるので非常に便利です。何回も解くことで合格ラインの実力を身に付けることができます。

おすすめ本③

受験生をはじめ、管理栄養士養成施設の国家試験対策の授業で好評のシリーズになります。過去問の徹底分析により選ばれたキーワードに、新しく注目すべきキーワードを加えて、約3,400語を収録した用語辞典です。さらに、1つ1つに難易度が☆マークで記されており、重要度が高ければ最高5つ星で表示されています。実際に管理栄養士になってからも使っていける一冊になるので、実際に業務に携わっている方にもおすすめです。

公務員の管理栄養士とは異動が多く就業場所も幅広いのが特徴

このように、公務員の管理栄養士にはさまざまな働き方がありますので、働く場所や業務内容によっては業務もともないます。

公務員の管理栄養士の試験はかなりの難関になりますので、公務員として働きたい人はここで紹介した対策を参考にしながら、専門の勉強に加えて一般教養・論文にも取り組みましょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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