履歴書

履歴書の特記事項に書く内容とは?高評価につながる書き方と記入例

履歴書の特記事項は必ず埋める

履歴書の項目として主なものは氏名や住所、学歴、志望動機、自己PR、資格などでありそれらについては問題なく書き進める人も多いです。しかし「履歴書の最後の項目の特記事項については何を書いていいか分からない人」や「空白のまま企業に提出してしまう人」も多いのではないでしょうか。

結論としては項目に限らず、履歴書に空白はNGですので、特記事項も必ず埋めてから提出しなければなりません。

本記事では、履歴書の「特記事項」について解説しています。空白は視覚的に志望度の低さを表してしまうので、空白があるというだけで大きなマイナスポイントになってしまいます。履歴書の特記事項について正しく理解し、就活を優位に進めていきましょう。

特記事項・本人希望記入欄の5つの書き方と記入例

特記事項・本人希望記入欄の5つの書き方と記入例を表した図

履歴書はすべて記入することが大切ですが、その内容についても精査しなければなりません。そもそも特記事項とは、企業に特別に伝えておかなければならないことを記入する欄であって、場合によっては非常に大切な項目になります。

きちんと埋められていればそれでいいというわけではもちろんなく、その内容や書き方によっては失礼に当たってしまうことで、マイナスの評価を与えてしまう可能性もあるでしょう。

履歴書の項目には一つとして無駄なものはありません。また履歴書によっては特記事項が本人希望記入欄となっている場合もありますが、基本的には同じ意味になります。

1.特記事項が特にない場合

・貴社規定に準じます
・特になし

特記事項や本人希望記入欄は、企業に特別に伝えておきたいことを記す項目になります。そのため、特別に伝えておくべきことがないということもよくあります。

特記事項に記すべき内容が何もない場合は空白にするのではなく「貴社規定に準じます」あるいは「特になし」と記入して提出する必要があります。前述したように履歴書の空白はどの項目であっても絶対にNGなので、何もない場合でも何かしら記入はしておかなくてはなりません。

「貴社規定に準じます」は、企業の決められた通りに動くということを意味します。そのため、採用に当たって職種や勤務地が当初のものと変更になっても問題ないという意思を表明したものです。特になしでも構いませんが、特別に希望などがないのであれば貴社規定に準じますを使用した方が無難であると言えます。

2.転居をする予定がある場合

◯月◯日に転居予定
転居後の住所:〒000-0000 東京都〇〇区〇〇 〇〇マンション201


履歴書で住所を記載しますが、これは現住所です。転居の予定があったとしても応募した段階での住所を記載しなくてはなりません。履歴書に住所を記載するのは現住所から勤務地についての配慮があったり、何かトラブルがあった際に必要となるもので、氏名などと同様に就職する際には必須の情報です。
 
しかし応募当初は書かれた住所であっても、その後転居してしまえば新しい住所を企業に伝えなければなりません。転居予定がある場合はその予定を、特記事項に記入する必要があります。記入する事項は何月何日に転居予定なのか、そして転居先の住所です。

3.取得中の資格がある場合

〇〇1級の取得に向けて勉強中
〇〇試験合格に向けて勉強中

履歴書には資格などを記す欄がありますが、そこで記入できるのは当然取得している資格になります。しかし資格は取得はできていないものの、取得に向けて勉強をしているのであればそれをアピールしないのは勿体ないです。そこで活用できるのが特記事項になります。特記事項では勉強中の資格についても記入し、その努力をアピールすることができます。もちろん資格をきちんと持っているわけではありませんので、大きく評価されることはありません。

しかし勉強する姿勢を認められたり、特記事項がきっかけで興味を持ってもらったり、面接でも話が広がる可能性もあります。就活では小さな積み重ねが大切ですので少しのスペースでも無駄にすることはできません。勉強中の場合でも嘘は絶対にNGですが、本当に勉強しているなら少しでもアピールに繋げるために必ず記載するようにしましょう。

「資格」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「資格」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

4.持病を抱えている場合

現在〇〇病を患っているため定期的な通院が必要だが、残業には柔軟に対応可能。
通院中の病院:東京〇〇病院

持病を抱えている場合には特記事項にその旨を記載しておく必要があります。どのような病気で、どの程度の病状なのか、仕事にはどのような影響があるのかを記しておく必要があるのです。持病が非常に軽度なものであったとしても就職してから急激に進行して仕事に影響する可能性もあります。

持病があることで採用に不利になるかもしれないと隠そうとする人もいます。しかし、仕事に影響したり、周囲の人に迷惑をかけるだけではなく、自分の命が危険に晒される可能性もあります。持病は必ず伝え、企業の理解を得た上で働くということが大切です。

5.配属先に希望がある場合

職種:営業を希望致します。

就活では企業にエントリーし、選考に進みますが同じ企業でも複数の職種に応募できる場合もあります。その場合は自分が働きたい職種で応募しなければなりませんが、企業によっては総合職とひとまとめにされていたり、就職後に研修などを経て配属先が決定する場合もあるでしょう。配属先は企業が適性などを考えて決定しますが、就活生からも希望を伝えることができます。

希望が必ずしも叶えられるとは限りませんが、参考にされる場合はありますので、書いておくに越したことはありません。配属先の決定だけではなく、面接時にもなぜその職種を希望するのかなどを掘り下げられる可能性もありますので、自分に興味を持ってもらうという意味でも配属先の希望は必ず記しておくようにしましょう。

「希望職種」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「希望職種」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

履歴書の特記事項をアピールする3つの方法

履歴書の特記事項をアピールする3つの方法を表した図

特記事項に書くような「伝えておかなければならないこと」がなかった場合、先の見出しでは「貴社規定に準じます」などと書くべきだということをお伝えしました。しかし、ここは積極的なアピールの場としても使うことが実はできるのです。

本気で臨むのであれば、このような小さなスペースも有効活用するようにしましょう。ここでは、履歴書の特記事項をアピールとして使う際に、書いておいたら良いものを2つご紹介していきます。

1.取得予定資格など他の欄に書けない事柄をアピール

特記事項をアピール欄として使う際に書いておくべきことの1つ目が、「ほかの欄に書けない事柄」です。例えば「取得予定資格」や「試験の結果待ちの資格」など、まだ形としては残っていないものの、行動していることは伝えておきたいものなどが挙げられるでしょう。

特に書類選考の場合、履歴書やエントリーシートに書かれている情報のみでしか合否を判断することができません。そのため、伝えておきたい情報は漏れなく伝えておく必要があります。それらの大小については問われませんので、少しでも採用担当者に伝えておきたいと思うのであれば記入しておきましょう。

ただし、志望業界にまったく関係のない事柄なのであれば、あえてこの場を使う必要はないとも言えます。書く際には、「本当に伝えるべきなのか」ということも精査しておいたほうが良いでしょう。

・取得予定資格
・試験の結果待ちの資格

2.他の欄で書いた事柄の詳細を記載

特記事項をアピール欄として使う際に書いておくべきことの2つ目が、「ほかの欄で書いた事柄の詳細」です。履歴書の各項目はスペースが限られているため、情報の取捨選択が必要になりますが、どうしても書いておきたいという場合には、この欄も活用していきましょう。

例えば、「住所は一人暮らしのマンションを記載しているが、新型コロナウイルスの影響により、実家に帰省している」などの場合です。選考結果が郵送で送られてくる場合などは、実家の住所を特記事項で指定した方が都合が良くなるでしょう。

どうしても補足的内容を伝えなければならない場合は、特記事項を使うようにしましょう。ただし、この欄もスペースは限られていますので、情報は簡潔に記すようにしてください。

3.企業側への質問

選考の際、企業側に質問をしたいという就活生も多いのではないでしょうか。そのような場合には、特記事項を使うと便利です。

例えば、「御社では〇〇事業に携わりたいのですが、1年目からの配属はありえますか」や「〇〇の職種へは、何年目から就くことができますでしょうか」などの質問があります。

特記事項などに事前に自分の質問を記しておけば、面接に進めた際に、それに対する答えを担当者が返してくれる場合があります。知りたいことを確実に知りたいという場合には、このような特記事項の使い方も非常に有意義なものになります。

「企業への質問」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「企業への質問」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

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履歴書の特記事項を記載する時の3つの注意点

履歴書の特記事項を記載する時の3つの注意点を表した図

特記事項や本人希望記入欄は転居予定や持病について、業務上での必要事項を記すこともあれば、資格取得に向けて勉強中であったり、希望する職種についてアピールできたり、自由度の高い項目です。

伝えるべきことが何もない場合はその旨を記してもマイナスの評価となることはありません。しかし自分の希望を伝えるなど様々なことが可能な特記事項ですが、使い方を誤れば当然マイナスの評価になる可能性もあります。

特記事項を記載する際には注意点がありますので、それをしっかりと守り、少なくともマイナスの評価を与えることは避けるようにしましょう。

1.希望が多いと印象は良くない

特記事項は希望する職種などについても記載することができ、それが配属先の決定や面接官の興味を惹く可能性はあります。しかし、だからといって希望が多いのは印象が良くありません。

例えば、希望の職種があったとしても、「御社に内定をいただけた際は、〇〇職で活躍したいと考えております」など、限定したような発言は避けましょう。

新卒から職種や配属先の希望が多いと、働く条件が多いのは視野が狭いという印象を与えてしまう可能性があり、扱いにくいと評価される場合があります。

最初から希望する条件で働けないとしても、そこで培った経験が役に立つこともあります。また企業に考えがあり、あえて希望通りではない職種を経験させるということもあります。

社会人経験のない新卒の学生からの希望が多いとそれだけで印象が悪くなる可能性があります。基本的には希望を出すのは控え、どうしても伝えておきたい場合は希望職種だけを伝えるなどに抑えておきましょう。

2.給与や休日に関する希望はNG

特記事項では各種の希望を企業に伝えることができますが、「働く」ために応募しているので、意欲が低い印象を与える休日の希望はNGです。職種によっては休日がまばらだったり、シフト制の場合は土日に休めないということもあります。土日に休みたいなどの休日の希望があったとしても、それを記載するのは控えましょう。

まずは働くために内定を勝ち取り、実際に働いてから休日の交渉をするようにしましょう。また休日と同様に給与に関しても希望を出すのはNGです。新卒は即戦力ではなく、ポテンシャル採用なので、給与額を自ら指定する行為は控えるようにしてください。

「福利厚生」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「福利厚生」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

3.長文は避け簡潔にまとめる

特記事項に書く文章は、簡潔にまとめるのが鉄則です。あまり長々とした文章を書かないように心がけてください。「キーワードの提示」や「箇条書き」くらいのシンプルなものでも問題はないでしょう。

特記事項は副次的なものなので、本文に比べるとじっくり読まれることはありません。むしろ、長すぎてしまうと、読み手が「読みにくい」と判断してしまいます。そのため、さっと見ただけでも判断できる程度のものに留めておいたほうが良いのです。

それを実現するためには、情報の取捨選択や適切なキーワードの選定などを心がけましょう。読み手の立場になって考えてみて、どれくらいの文章にすべきなのかを慎重に見ていくようにしてください。

履歴書の特記事項は自己PRにうまく活用しよう

履歴書は記入する事項が多く内容についてもしっかりと考え、場合によっては何度も書き直さなければなりません。一枚を書き終える頃にはへとへとで、集中力が切れてしまっていることも多いです。

しかし履歴書は最後の特記事項までしっかりと注意を払って記入しなければなりません。空白は絶対にNGですし、書き方を間違えればマイナスの評価を与えてしまう可能性もあります。

それまでが完璧でも最後でミスをすればそれが致命的となってしまうこともありますので、最後まで絶対に気を抜かないようにしましょう。最後の項目は謙虚に締めくくるということを意識し、選考でもその気持ちを忘れないようにして就活に取り組んでいきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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