業界研究

【化学業界徹底研究】主要企業5社や志望動機例文|専門用語などもご紹介

化学業界とは

化学業界は、就活生にとって関心の高い業界です。三菱や住友の財閥系や、TVCMでも聞くようななじみ深い企業の名があるのがその一因ともいえます。

また、四日市でみられる化学工場プラント群の壮大な景観から強い印象を感じている方も多いでしょう。

しかし一方で、「化学業界が具体的にどのような事業をおこなっているのかよく分からない」という声もよく聞かれます。化学業界を志すのであれば、まずは業界の基本的な情報を学ぶことから始めましょう。

化学業界の業務内容や動向を知ることで、業界研究や企業研究を進めることができ、自分に合っているかどうか判断することができます。

化学業界

化学製品になるまでを表した図

化学業界は、化学の技術を用いた関連産業の業界のことをいいます。化学業界は素材を作る産業になるため、車、スマートフォン、テレビのような身近なモノに関わっています。

簡単に説明すると、原料を化学反応させさまざまな工業に使用する素材を作ったり、それを用いた工業製品を生産しています。

例えば、日用品や住宅、家電に用いられる「プラスチック加工製品」や、衣料やインテリアに用いられる「合成繊維」、自動車に用いられる「合成ゴム」があります。

また、企業によって扱う化学技術や関連事業も大きく変わることから、それぞれの特色で競い合う業界ともいえます。

化学業界の歴史は古く、戦前から国内の経済の一端を支え続けてきました。化学研究の発達は今もとどまることを知らず、常にその発展に合わせて成長を続ける業界です。

しかし近年では、中東や中国が安価な製品を武器に目覚ましい躍進をみせていることから、国内の化学業界は新たな転換期に差し掛かっているといわれています。

化学業界で扱う化学製品
・プラスチック
・合成繊維
・合成ゴム
・塗料、溶剤
・洗剤
・その他の化学製品

化学業界の業績

化学業界の業績を表した図

業績規模:31兆2,000億円
平均年収:650万円
平均継続年数:15.9年

図では、「業績規模」「平均年収」「平均勤続年数」のカテゴリーのうち、それぞれトップの「卸売」「総合商社」「電力」の業界と航空業界を比較しています。

業界動向リサーチの「化学業界の現状・動向・ランキング・シェアを研究-業界動向サーチ」によれば、化学業界は毎年順調に業績を伸ばし続け、現在では業界規模31兆2,000億円となっています。業績の伸び率は+3.8%であり、142業界36位と高くなっております。

一方平均年収は650万円となっており、総合商社と比べると低いものの、サラリーマンの平均年収が400万円程度と言われているため、平均と比べると高めとなっています。

また平均勤続年数は15.9年となっております。国税庁が公表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によれば、全体の平均勤続年数は12.1年であるため、平均より長い勤続年数であることが分かります。

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化学業界の5つの職種と仕事内容

化学業界の5つの業種と業務内容を表した図

次に化学業界の職種と業務内容について解説します。製薬業界は「研究職」「開発職」「生産技術職」「調達・購買職」「品質管理職」と、5つの職種と仕事内容に分かれています。

5つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。

1.研究職

研究職では、各企業の商品研究や、新素材や新機能製品の研究、基盤技術の構築が仕事になります。研究職では、研究の成果が出るまでに長い時間を要するケースが多いです。そのため、根気強さが必要になる仕事になります。

研究職は理系学生でしかエントリーは難しく、さらに大学院以上の学歴を求められる場合が多くなっております。また化学、化学工学、機械、電気、電子制御のような学科を専攻している学生を募集している傾向があります。

研究職では主に、研究や化学実験を行いながら新たな商品の開発を模索し、さまざまな化合物の組み合わせや分析などを行っています。

また、研究職はチーム単位で行うことが多いため、コミュニケーションスキルが必要となります。研究職は最先端の化学技術に触れられる職種のため、新しい分野に触れたい人にとっては向いている職種になります。

「研究職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「研究職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

2.開発職

開発職では、研究によって得られた成果を生産に繋げるために、技術やプロセスの構築を担っています。商品開発において担当者と連携を取ったり、お客さまに製品情報のヒアリングを行ったり、顧客のニーズを把握したり、仕事は多岐にわたる職種です。

また研究職とは違い、実際に化学製品として売ることができるか検討したり、生産技術と連携し大量に生産することが可能かどうか議論を重ね、考える職種になります。主に「プラスチック」や「合成繊維」などの誘導品が上記に該当し、「日用品」や「衣料」などを生産する関連産業へ販売されます。

そのため、機敏な行動力と柔軟なコミュニケーション能力が求められるでしょう。製品開発において最も大切な仕事であるため、やりがいを感じながら働けます。

「開発職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「開発職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

3.生産技術職

生産技術職では、調達した原料を加工して製品にする仕事です。生産工程における管理や、生産計画表通りの実績が出ているか管理も担っています。どうすれば商品を効率良く、大量に生産することができるかなどを考える職種です。

仕事内容は様々であり、「新製品の生産ライン立ち上げ」や「工場や生産機の増設・新設」だけでなく、稼働している生産工程の問題点を抽出して改善もおこないます。

また「研究職」や「開発職」と連携して、「生産設備の改善」から「作業内容の改善」、「人員の配置」をおこない、生産効率アップをはかります。

大量に生産し、大量に売れたとしても膨大な生産コストがかかってしまっては意味はありません。少ないコストで効率よく生産することで利益の幅を広げ、企業の利益を追求していくのが生産技術の役割です。

高品質な製品を作るだけでなく、製造コストの管理やコストの削減も仕事になります。

「生産技術職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「生産技術職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

4.調達・購買職

調達・購買職では、調達する原料の発注から、仕入先や供給元、納品業者の選定を行っています。品質はもちろん、価格交渉も行っているため、コミュニケーション能力が必要な職種になります。

また、調達する際の物流コストに関しても任されているため、効率的な運搬を考える能力も求められます。

さらに調達する原料は、海外との取引になることも多いため、語学力を必要とされることもあります。

5.品質管理職

品質管理では、商品の品質を管理する職種です。品質が顧客の要望をクリアしているのかをチェックしたり、そのような品質のよい製品を効率よく製造するための方法を考える仕事になります。

仕事内容は、製品の製造管理や品質管理、国内外取引先の対応など多岐にわたります。品質管理の仕事は製品がきちんとした品質で顧客の元に届くようにすることです。

決められた条件で必要な品質が確保できない場合、生産工程を見直し、何が問題でどう解決すべきかを的確に見極め、解決することが求められます。

「品質管理職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「品質管理職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

化学業界の主要企業5選

化学業界の主要企業5選

  1. 1株式会社三菱ケミカルホールディングス
  2. 2住友化学株式会社
  3. 3信越化学工業株式会社
  4. 4三井化学株式会社
  5. 5旭化成株式会社
化学業界は国内産業の黎明期から発展成長をしてきました。そのため数多くの企業が存在し、企業によってさまざまな事業を展開しています。

ここ数年での業績は好調ですが、中東や中国を始めとした海外企業の躍進により、国内各社とも危機感を募らせているのが現状です。

そうした厳しい現状であればこそ、化学業界における主要企業の強みや取り組みを知ることは重要です。主要企業の特徴や動きを知ることは、化学業界の今後を見通す見識につながります。

主要企業をみることは単にその企業を知るだけでなく、質の高い業界研究にもつながりますので、ぜひ活用して下さい。

各データは2020年3月時点での有価証券報告書に基づいております。

1.株式会社三菱ケミカルホールディングス

企業名:株式会社三菱ケミカルホールディングス
代表執行役社長:越智 仁
従業員数:69,609名(2020年3月)
設立年月日:2005年(平成17年)10月3日

株式会社三菱ケミカルホールディングスは、国内最大手の化学系企業グループです。主力の三菱ケミカル株式会社は三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの合併により発足しており、この統合は経営資源の最大限活用と競争力の強化が狙いといいます。

三菱ケミカルの主要事業は多岐にわたり、食品や医療品のためのラベルやフィルム、自動車や航空機に用いる高機能ポリマーが有名です。

グループには他にも田辺三菱製薬や大陽日酸を保有していますが、今後の成長についても余念がなく、東南アジアを始めとした海外進出の計画も推進しています。

世界トップレベルの化学研究をおこなう企業なので、化学系の研究生にとってはもっとも気になる職場のひとつです。

2.住友化学株式会社

企業名:住友化学株式会社
代表取締役兼 社長執行役員:十倉 雅和
従業員数:33,586名(2020年3月)
設立年月日:1925年(大正14年)06月01日

住友化学株式会社は、戦前から化学業界をリードしてきた歴史ある国内有力企業です。ポリエチレンの合成樹脂や合成繊維原料の石油化学製品を主力事業として、国内のみならずシンガポールやサウジアラビアをはじめとした海外への進出も盛んです。

また、高い研究開発力をさらに活かした成長戦略をとっており、近年では情報電子事業など将来性のある事業にも注力しています。住友化学のコーポレートスローガンは「豊かな明日を支える創造的ハイブリッド・ケミストリー」です。

革新的な技術をもとに社会に広く貢献することをやりがいとする人材を求めています。

3.信越化学工業株式会社

企業名:信越化学工業株式会社
代表取締役社長:斉藤 恭彦
従業員数:22,783(2020年3月)
設立年月日:1926年(大正15年)9月16日

信越化学工業株式会社は、1926年に設立された信越窒素肥料株式会社としてスタートした、化学企業です。

もとは窒素肥料を主力とした事業をおこなっていましたが業態を転換させ、今では塩化ビニル樹脂・半導体シリコーンウェハーの分野で世界トップの企業となっています。

社名に違わず新潟や福井、茨城や群馬をはじめとした甲信越地方に工場を多く保有しているのも特徴です。国内のみならず世界中に生産拠点を持ち、売上高の7割強は海外での成果とのことです。

今後に向けた成長プランとして、主力製品の安定した収益のもと、新たな価値を生み出す製品の研究開発に取り組んでいます。

「信越化学工業」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「信越化学工業」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

4.三井化学株式会社

企業名:三井化学株式会社
代表取締役社長:淡輪敏
従業員数:17,979名(2020年3月)
設立年月日:1955年(昭和30年)7月1日

三井化学株式会社は、三井財閥系の総合化学企業です。石油化学を主力事業としており、中でもポリプロピレンに関しては国内首位の売上を誇っています。また、自社の製品を通して環境問題や社会問題の解決に貢献することで、自社の持続成長の実現を目指しています。

注力している製品として、白色印刷が不要な食品包装用フィルムのような環境に配慮した製品や、高齢化問題に配慮した紙おむつ用の不織布が挙げられるでしょう。

トップメッセージでは、このような社会ニーズの変化に対応するには、まだまだ社風が真面目すぎるとして意識改革を提言しています。

5.旭化成株式会社

企業名:旭化成株式会社
代表取締役社長:小堀 秀毅
従業員数:40,689名(2020年3月)
設立年月日:1931年(昭和6年)5月21日

旭化成株式会社は、歴史ある総合化学企業の代表格です。旭化成の企業名は、同社陸上部や柔道部のオリンピックでの活躍を通して知った方も多いでしょう。

その他にも家庭用ラップ製品で一般的な知名度の高い旭化成ですが、手がける事業は多彩をきわめています。化学成品や繊維にはじまり住宅・建材や電子部材、医薬・医療事業にいたるまで幅広く展開しています。

社会の変化や経済の状況に合わせ、事業ポートフォリオを転換しながら成長するのが、旭化成の一貫した経営方針です。今後は国際的な競争力を高めるために、独自性を強みとした高付加価値型事業を目指しています。

「旭化成」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「旭化成」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

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化学業界の志望動機例文

化学業界の特徴は、そのまま世に出ていく製品を作っているわけではないということです。化学業界はあくまで、各メーカーの製品の素材を作る業界です。

その点を理解したうえで志望動機を書かなければ「それなら製品のメーカーを志望したほうがいいんじゃない?」と思われてしまうこともあります。

化学業界は他業界と比べて少し特殊な業界です。志望動機を書く際にも、化学業界だからこその強みや特徴に触れ、化学業界でなければならない理由をしっかりと持っておきましょう。

ここからは、志望動機の例文を3つ紹介していきます。

例文①学業を活かせる場合

私は、貴社を通して世界のものづくりを変えていきたいと考えています。私は大学生の間に、ものづくりが与える環境への影響について研究してきました。

その中で、ものづくりによって排出される温室効果ガスや、使用する素材による地球環境への影響がとても大きいことを学びました。

貴社は、化学業界の中でも特に環境保全を考えた素材づくりを推進していることを知り志望しました。私は、大学で学んだ知識を活かして、より地球環境への影響を考えた素材開発をしていきたいと考えています。

まずは化学業界を志望した理由を述べられています。その後、その企業でなければならない理由、そして、自分がどういった形で貢献できるのかを順序よく説明しています。

さらに、企業の主力素材や理念を交えることができれば、より具体性がましていい志望動機となるでしょう。

例文②製品に共感している場合

私が貴社を志望した理由は、素材を通してさまざまな分野での「ものづくりの根幹」を支えることができるからです。

貴社の製品は衣服やパソコン、スマホなど、私たちの生活に密接に関係しているものに使われており、貴社はまさに「暮らしを支えている企業」だといえます。

また、海外への進出も積極的に行っている貴社であれば、私の強みである語学力を使って貴社に貢献できると考えています。

化学業界の強みは、多くの製品の素となる素材を作っており、ものづくりの根幹を支えていることです。その点に関して触れ、さらに自分の強みを活かして企業にどんな貢献ができるかを書くことで、自分のスキルをアピールすることが可能です。

また、その企業独自の理念や製品に関して具体的に書くことで、よりよい志望動機にすることができるでしょう。

例文③事業内容へ感心している場合

私は、ものづくりの源流として経済や社会へ大きく貢献できることから、化学業界を志望しています。

中でも貴社は、他社と比べて積極的に海外へ進出したり、新たな素材開発を次々と始めていたりすることから、リスクを恐れることなく積極的に挑戦していく企業だと感じています。

私も、大学生のころから新たな素材開発の研究を積極的に行ってきました。貴社に入社した際は、大学時代に専攻していた化学の知識を活かし、貴社の研究開発部門で貢献していきたいと考えています。

化学業界を選んだ理由と企業の強みを具体的に示し、その上で自分の強みと実際の業務とを結びつけています。

特に化学業界の研究開発関連の部門では、大学での研究内容に興味を持たれることが多々あります。大学で化学関連の研究を行っていた場合は、積極的にアピールしていきましょう。

化学業界を志望するうえで覚えるべき3つの用語

化学業界を志望するうえで覚えるべ3つの用語を表した図

どの業界にも話題を集める重要なキーワードというものがあります。化学業界も例外ではありません。ここでは、化学業界に身を置くなら必ず覚えておきたい用語を解説します。

こうした用語を知っておくと、それを軸とした深い業界研究が可能になります。また、面接や志望動機で専門的な用語を用いることで、業界についての高い理解度をアピールできるでしょう。ぜひ参考にしてください。

1.高生産量既存化学物質

高生産量既存化学物質とは、一国につき少なくとも年間1,000トン以上生産される化学物質のことで、これはOECD(経済協力開発機構)がリストアップしています。

OECDでは加盟国に高生産量既存化学物質の安全性やリスクの確認を呼びかけており、日本でも官民が連携して情報収集に取り組んでいます。

通称Japanチャレンジプログラムと呼ばれるこの取り組みに、これまで業界団体や多くの企業がスポンサーという形で協力をしてきました。

このプログラムは、国際的取り組みへの協調という側面だけでなく、化学物質の安全性情報を広く国民に発信するという大きな意義があります。

公害や環境問題対策に常に向き合わなければならない化学業界が、社会的信頼や理解を得るために、今後とも注力すべき取り組みといえるでしょう。

2.持続可能な開発目標

「持続可能な開発目標」(SDGs)とは、貧困解消や環境保全など、現在および将来に配慮した節度ある開発、つまり持続可能な開発にあたっての国際的目標のことです。

2015年国連総会で採択されました。過去の環境汚染で苦い経験を持つ化学業界は、SDGsへの積極的な姿勢を早くから示してきました。

業界団体である日本化学工業協会がSDGsに貢献するためのビジョンを発表している他、多くの企業が自社技術や製品によるSDGsへの貢献や計画を打ち出しています。持続可能な開発を支えるさまざまな分野を抱えているのが化学業界です。

SDGsへどれだけ貢献できるかは今後の化学業界の成長発展を大きく左右する最重要課題といっていいでしょう。

3.IoT

IoT(Internet of Things)とは、あらゆるモノをインターネットにつなげて、制御や情報交換に活用する取り組みのことです。

IoTは今や産業界全体の新たなステップを握る鍵として注目を集めており、化学業界も例外ではありません。化学業界でのIoTの活用法は主に2つあります。

1つは生産プラントの制御です。プラントはこれまで多くの部分を自動化してきましたが、安全性や最適化のような細かい部分は人間の判断による微調整が必要でした。そうした領域をIoTやビックデータ解析を用いることで、代替や改善を図ります。

もう1つは設備の保全へのIoT活用です。設備に取り付けたIoTのセンサーで故障や不具合を未然に防ぐ予知保全に取り組むことで、コストを削減しつつ安全に設備を操業しようという動きがあります。

化学業界研究のおすすめ書籍2選

化学業界研究のおすすめ書籍2選を表した図

化学業界を知るためにはネットやニュースのトピックを調べるほかに、書籍を用いた研究方法もあります。書籍を手に入れるにはお金がかかりますが、その分有用な情報が得られるといってよいでしょう。

ニュースやネットに比べ、書籍は慎重に時間をかけて取材されているものが多く、その意味で信頼性が高い情報が得られるといえます。

化学業界へ就職するには、質の高い業界研究が必須の課題です。質の高い業界研究をおこなうために、ぜひ書籍を活用しましょう。

1.図解入門業界研究 最新化学業界の動向とカラクリがよ~くわかる本

図解入門業界研究 最新化学業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』は、業界の仕事の内容やその全体像を、図解を用いながら分かりやすく解説した定番の業界入門書です。

化学業界のしくみから、石油化学の主要分野、職種や関連する法規制を、網羅的に知ることができます。

化学業界で内定を獲得するためには業界研究が欠かせませんが、業界のしくみは複雑で専門用語も多く、とっつきがよいものとはいえません。

しかし本書では化学業界は一般的になじみがうすいという前提のもとに書かれています。順を追って読み進めば、今後の就活に役立つ知識がきっと得られることでしょう。

2.世界の化学企業: グローバル企業21社の強みを探る (科学のとびら)

世界の化学企業: グローバル企業21社の強みを探る (科学のとびら)』という本は、グローバルに展開する世界の化学企業21社について書かれているものです。

経済のグローバル化により、日本の化学業界は海外の有力な企業と競わざるをえない状況にあります。

そこで本書では、欧米の名門化学企業や、存在感を強めつつあるアジア・中東の新興化学企業の代表的な21社の強みについて解説しています。化学業界で生き残るためには、台頭する海外勢の動向は必須の情報です。

本書を読めば、世界で躍進する企業の経営方針や研究開発力を知ることができます。就活対策にとどまらない今後にも生かせる知識が得られる格好の一冊です。

化学業界を深く知って就活を有利に進めよう

化学業界は日本経済への影響力も高く、事業も法人から一般まで幅広く関わる製品を扱うので、非常にやりがいのある仕事だといえます。

就活生にとって見逃せない業界の1つといえますが、今後の展望が見えにくい面もあります。そのため、化学業界を目指すのであればできるだけ質の高い業界研究をおこなうことがおすすめです。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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