企業探検隊
変化を楽しみながら業界NO.1を目指す|出前館
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今回訪問したのは、出前館。国内最大級のデリバリーサイト「出前館」を運営しているデリバリーサービス業界の老舗企業です。
1999年に設立、2000年という早い段階から出前の注文を受け付ける専用サイト「出前館」をスタート。2017年より、配達機能を持たない飲食店の代わりに「出前館」が配達を担うサービス「シェアリングデリバリーⓇ」をスタートし全国へ展開。新型コロナウイルス感染症の流行を機に市場が急速に拡大し、多くの外資系デリバリー企業が参入するなかでも日本発のデリバリーサービス企業として力強い成長を見せています。
また、現在はLINEヤフーのグループ会社という顔も持ち、ノン・フード領域である日用品を届けるクイックコマース「Yahoo!クイックマート」を共同で運営しています。
そんな出前館の成長の原動力や社風について、人事部門の相良ひかるさんに取材しました。
企業体験隊の発見|出前館の社風
Q.出前館の企業カルチャーとは何でしょう?
役割や部署の垣根がなく、みんなで協力しあって最後までやりきろう、というカルチャーがあります。
サービスの知名度から、有難いことに大企業という印象を持っていただくことも多いですが、社員数は350名ほどです。プロダクト、セールス、CX、コーポレート、事業戦略などの部門があり、それぞれの担当領域を超えて協力し合っています。
スピーディーに成果を出すため、部署横断的な動きやプロジェクトが生まれることも多い会社です。私もセールス部門でコンサル営業を担っていた頃は、プロダクト部門のエンジニアと一緒にシステムの改善を図っていましたし、現在のコーポレート部門に来てからは、デザインや広報を担当するメンバーたちと密に連携を取っています。
ちなみに、社員たちに「出前館の良いところは?」と聞くと、「人が良い」という答えが圧倒的多数を占めます。これは仲間としての協力意識が強く、何かを頼んだときに断らない、気持ち良く引き受けてくれる人ばかりだからだと思いますね。
Q.頼み事をしやすい関係性なのですね。その基盤となる日頃のコミュニケーションはどのようにおこなわれているのでしょうか。
本部や部署単位では、週次や月次の定例会議でコミュニケーションを図っていますが、四半期に一度「チームビルディング費用」が支給されるため、それを活用して業務外での交流も積極的におこなわれています。社内に広いカフェスペースがあるので、出前館でフードデリバリーをして食事をしながら親睦を深めているチームは多いですね。自社や他社のサービスの研究も兼ねて一石二鳥の制度だと思います(笑)。
また非公式ではありますが、部署を横断したスポーツやお寿司、餃子の食べ比べイベントなども開催されており、社員同士が仲を深める良い機会になっています。新入社員向けにはメンター制度もありますし、内定者インターンとして早めに会社の雰囲気を知れる機会もあり、新しい人も溶け込みやすい環境を作ることができていると思います。
企業探検隊の発見|出前館の採用面接
Q.どのような採用選考なのか気になります。新卒の採用面接ではどのようなところを見ているのでしょうか。
「変化を楽しめるタイプか」「柔軟性があるか」「成長意欲が高いか」といった点を重視しています。
当社は東証スタンダード市場にも上場している設立26年目の会社ですが、2020年以降に急成長し、現在は第二創業期に入っています。背景としては、新型コロナウイルス感染症の流行を機にフードデリバリー市場が大きく拡大したことが挙げられます。2020年にはLINEグループ(当時)との資本業務提携をおこない、出店数の拡大や認知向上に努めてきました。現在は黒字化を目指しています。
社員一人ひとりが常に成長と進化を求められる状況のため、面接でもそのあたりを重点的に見させていただいています。海外に比べて日本のデリバリー市場はまだまだ発展途上で、今後もいろいろな動きが起こると予想されるので、変化に対してスピーディーに、かつ柔軟に適応していく姿勢は不可欠です。
現在の出前館は「正解がない課題に対し、人を巻き込みながら試行錯誤したい」「会社と一緒に自分も大きく成長したい」という志向の人には、ピッタリの会社だと思います。
Q.デリバリー市場は、確かにここ数年で一気に拡大しましたよね。
新型コロナウイルス感染症流行の最中には10社を超える競合がいましたが、現在は主要プレイヤーも絞られ、実質的に当社ともう一社が大きく市場を占めている状況です。当社としては日本企業の強みであるきめ細やかなホスピタリティを発揮し、サービスの質や満足度を追求しながらNo.1を目指しています。実際に配達品質や時間の正確性など、お客様に高評価をいただいています。
ただ、採用面接に応募いただく方には、「当社はフードデリバリーだけではない会社になりつつある」ということを知っておいてほしいですね。ノン・フード領域にも幅を広げており、2024年夏にはコンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアなどの日用品を最短30分以内で自宅までお届けするクイックコマースサービス「Yahoo!クイックマート」をリリースし、事業領域を拡大しています。Yahoo!ショッピングよりご注文いただき、出前館の配達員がストアで該当商品をピックアップして最短30分でお届けするというサービスです。
Q.逆に「こういう人は当社に合わないかも」という要素はありますか?
受け身な姿勢の人、変化を楽しめない人などはフィットしにくい環境だと思います。また安定を最重視するタイプの人にとっても、少々ギャップを感じる瞬間があるかもしれません。
ただ誤解なきように伝えておきたいのは、当社は設立から26年にわたり、取引先との信頼関係構築やノウハウを積み上げてきた、業界では老舗企業です。私が入社を決めた理由も「安定」と「挑戦」の両方の良さを持った会社だと思ったから。ベンチャー的な社風と事業基盤の安定性の両方の魅力を持った会社であることを、人事としても伝えていきたいと思っています。
企業探検隊の発見|出前館で活躍する社員の特徴
Q.活躍している社員の共通点はありますか?
当社では「ホスピタリティ」「チャレンジ」「クリエイティビティ」の3つをバリューとして掲げており、これらの行動姿勢を重視している社員は多いですね。
もう少し具体的に言うならば、「与えられた業務をこなすだけでなく、新たなチャレンジにも積極的に取り組む姿勢を持った人」や、「自分が所属する部署の最適化にとどまらず、会社全体の成長を見すえ、どの部門に移っても柔軟に成果を出せる人」が活躍しており、そういった人が評価される会社だと思います。
Q.部署ごとに違いはありますか?
新卒入社の場合、「エンジニア職」「ビジネス総合職」という2つの職種で毎年採用をしています。エンジニア職は、当社のプロダクトの抜本的な改善に取り組むことがミッションなので、そこで力を発揮できるメンバーが活躍しています。
ビジネス総合職の場合は、さまざまな活躍フィールドがあり、ユーザー満足度の向上で力を発揮しているメンバーもいれば、クライアントとの関係構築に尽力しているメンバーもおり、それぞれの専門性や役割に応じた特徴を持っています。
中途入社のメンバーも多数在籍しており、バックグラウンドもさまざまです。異業種から来ている方と話をしていると「そんなアイデアがあるのか!」と気づきをもらうことも多いですね。
Q.社員の入社理由としては、どのようなものが多いですか?
当社は「テクノロジーで時間価値を高める」というミッションと、「地域の人々の幸せをつなぐライフインフラ」というビジョンを掲げているのですが、こうしたメッセージに共感して入社してきている社員はかなり多いと思います。私自身もその一人です。
「出前館」を利用いただくことで、食事作りに費やしていた時間が短縮し、それによって生まれた時間を有意義に使うことができます。時間価値を高められるサービスは、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する人が増えた現代において求められているものだと思います。
また、フードやノン・フードなど領域を問わず、「デリバリーを生活になくてはならないサービス(=ライフインフラ)にしていこう、それによって地域経済を活性化させていこう」というチャレンジをしている会社なので、そこにかかわりたいという思いを持っている社員も少なくないですね。
企業体験隊の発見|出前館で描けるキャリアパス
Q.入社後はどのようなキャリアパスになるのでしょうか。
事業のベース部分を理解するため、最初にセールスを経験してから他部門に活躍の幅を広げていくキャリアパスが一般的でしたが、個々のチャレンジ意欲や成長に応じてさまざまな道が開かれています。
実際の社員の例を挙げますと、1年目から大手飲食チェーンのコンサルティング担当として活躍しているメンバーもいますし、2年目にして新規事業の企画に従事しているメンバーもいます。4年目でマネージャーに抜擢され、20名以上のチームをマネジメントしている例もあります。
年齢に関係なく成果を評価してくれる会社で、キャリアアップにも制限はありません。1年目にセールス部門で新人賞を受賞し、2年目からプロダクトマネージャーとして活躍している社員もいます。入社2年目で全社MVPを受賞した社員は、5年目になる現在、経営企画本部で戦略立案を担当しています。
Q.若手の活躍も目覚ましい会社なのですね。最後に就活生へのメッセージをお願いします。
当社の一般的なイメージは「出前をする会社」「フードデリバリーの出前館」だと思いますが、私たちはそこにとどまらず、サービスを利用いただいた皆さまに時間価値の最大化を実現していきたいと考えています。
出前館のサービスは47都道府県で利用可能ですが、市区町村によっては利用できない地域や利用できる店舗が少ない地域もあります。そのため近年は自動搬送ロボットやドローン配送の実用化に向けた実証実験などもおこなっています。一人でも多くの人の生活に欠かせないライフインフラになるよう、ひいては日本経済の発展に貢献できるサービスになるよう、現在進行形でたくさんの取り組みを進めていますので、当社が目指している「これからの出前館」の姿にもぜひ注目いただきたいですね。
事業やカルチャー、実際の社員の例など、さまざまな視点で当社をより深く知っていただけるためのコンテンツ(公式note、採用サイト、各種インタビュー記事)も積極的に発信していますので、ぜひ一度目を通してきていただけたらと思います。当社が目指す将来像や考え方についても理解を深めていただいたうえで、面接で一緒に未来についてのお話ができるとうれしいです。
出前館 コーポレート部門 相良 ひかるさん
Hikaru Sagara・2021年に新卒で出前館に入社後、インバウンドセールスグループやエンタープライズグループにて出前館加盟店の出店促進や売り上げ向上営業を経験。2023年9月より人事部へ異動し、おもに新卒採用を担当