公務員の倍率の推移や低い地域の特徴|公立校の教員についてもご紹介
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目次
公務員の倍率はどれくらい高いのか
公務員を目指すのであれば、公務員の倍率についても知っておきましょう。公務員は一般的に高倍率であるといわれがちですが、実際にはどうなのでしょうか。
公務員の倍率を前もって知っておいた方がよい理由は、それが就職の難易度に直結するからです。自分の実力は同じであったとしても、倍率によって結果が大きく変わってしまうことがあり得るのです。
「公務員」と一口でいっても、さまざまな種類の公務員があります。国家公務員と地方公務員に大きく別れますが、国家公務員・地方公務員もさらに細かく分かれており、そのそれぞれで倍率が大きく異なっています。自分が志望する公務員の倍率を知り、就活に活かしていきましょう。
国家公務員の倍率
常に一定の人気のある仕事のひとつとして、公務員があります。しかし、一言で公務員と言っても国家公務員から地方公務員、教員まで様々な公務員が存在しています。そのような公務員の倍率を分析して、公務員という仕事の置かれている実情を紹介します。
国家公務員は人気の高い職業であり、倍率も低くはありません。2014年度の総合職では、院卒が5.6倍、大卒が13.2倍と比較的競争の激しい職業となっています。それに比べると一般職は、大卒5.7倍、高卒6.6倍と総合職よりは倍率が低いですが、それでも人気の職業である事は変わりません。それより少し前の2011年のデータを見てみると、総合職の倍率が19.8倍、2006年から2011年までの5年間は15~20倍の間を推移していました。
専門職を選んだとしても倍率は高い
一般職の倍率は10.5倍、2007年~2009年は7倍程度と低かったのですが、それを除くと11倍くらいが平均となります。また、その他の専門職である国家公務員として皇宮護衛官が49.6倍、入国警備官33.5倍、航空管制官13.6倍、労働基準監督官12.9倍、食品衛生監視員9.2倍など、どの公務員も倍率は高く、狭き門であると言えそうです。
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地方公務員の倍率
地方公務員は、地域になくてはならない住民を支える大切な仕事です。都道府県単位だと2011年では上級(大卒程度)8.6倍、中級(短大程度)8.1倍、初級(高卒程度)8.5倍と高い倍率を示しており、2006年から2011年まで倍率はほぼ横ばいです。これが市単位になると、上級が10.5倍、中級が4.9倍、初級が10.4倍となり、2006年から2011年まで倍率はほぼ横ばいに推移しています。
九州の地方公務員の倍率が最も高い
最も倍率の高い所は、順に沖縄県18.1倍、佐賀県17.2倍、北九州市15.9倍で、最も倍率の低い所は、東京消防庁2.9倍、岡山市5.7倍、青森6.1倍となっています。都道府県の公務員の男女比率が男性73.8%、女性26.2%とその値に開きがあるのに対し、市の公務員の男女比率は、男性49.6%、女性45.5%とほぼ同じ値になっている点も特徴のひとつであり、この点も採用の倍率に関わってくるものと思われます。
地方公務員の倍率は自治体によって差がある
地方公務員の倍率は、自治体によって大きな差があります。そのため、地方公務員の倍率の平均を出したところで、あまり役に立たないでしょう。自分が志望する自治体の倍率を調べるのがおすすめです。
自治体ごとの倍率の違いは非常に大きいです。例えば、都道府県別で見たとき、沖縄県(行政Ⅰ)の試験の倍率は16.1倍、京都府(行政ⅠA)の試験倍率が2.7倍といった具合です。このように、都道府県などの自治体によって、また職種によって、倍率はかなり大きく違っています。
もちろん都道府県だけではなく、市町村単位によっても異なりますし、政令指定都市であるかどうかや、特別区であるかどうかなどによっても異なってきます。規模の大きな自治体ほど倍率が上がりやすい傾向もうかがえるでしょう。
公務員の倍率が高い理由
公務員の倍率は高いといわれ、実際の数字を見ても高いわけですが、その理由はなんでしょうか。公務員の倍率が高いのには、それなりの理由があるはずです。公務員の倍率が高い理由はなぜか、その理由も把握しておきましょう。
倍率について調べると、その数字だけで判断をしてしまいがちです。しかし、その数字が何を意味するのか、その根拠をイメージすることも大切なことといえるでしょう。ここからは、公務員の倍率が高い理由を見ていきます。高倍率の背景を知り、冷静に状況を分析していきましょう。
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記念受験をする人がいる
公務員の倍率が異常に高い理由の1つに、「記念受験をする人がいる」ことが挙げられます。記念受験とは、合格するかしないか関係なく、憧れなどの理由から受験することをいいます。そのような人たちの中には、公務員試験の対策を実際におこなっていない人も含まれるでしょう。
つまり、合格する確率がほとんどない人も受験している可能性があり、公務員の倍率にはそのような人たちも含まれてしまっています。その結果、倍率が異常に高くなっている可能性が指摘できるでしょう。
このことを踏まえると、一概に倍率の数値を見るだけでは合格難易度を測ることが難しいことがわかります。異常な高倍率のせいで、実際よりも難易度が高いと錯覚してしまい、諦めてしまうようなことがあれば、もったいないといえるでしょう。記念受験する人の多い自治体かどうかなども踏まえていかなくてはなりません。
筆記試験と面接で倍率に違いがある
公務員の倍率が異常に高い理由の2つ目として、「筆記試験と面接試験で倍率に違いがある」点も挙げられます。そもそも、公務員試験には一次試験(筆記試験)と二次試験(面接)があります。しかし、公務員の倍率といったときには、筆記試験の時点での受験人数と面接での合格人数で計算されており、2つの試験の倍率の違いは反映されていません。
例えば平成27年度の東京都庁の場合、筆記試験の申込者数が2,577人で合格者395人、倍率は約6.6倍です。しかし、面接試験の場合は筆記試験の合格者の内、最終合格者が117人で倍率は3.3倍です。このように、記念受験している人や十分に準備をしない人などは筆記試験の時点で不合格となりますので、倍率でみる難易度ほど実際は難しくないということもあり得るのです。
倍率が低い地域の特徴
公務員試験の倍率が低い地域の特徴として「受験者数に対して採用数が多い」「民間企業の数が多い」などが挙げられるでしょう。受験者に対して採用人数が多いと、自然と倍率は低くなります。また、民間企業の数が多い地域は求人も多くなるでしょう。民間企業のなかには、公務員より給料が高かったり福利厚生が充実しているところもあるようです。民間企業が多い地域は、公務員ではなく民間企業を受験する人が多くなるため、倍率が低いといえるでしょう。つぎに、教員の倍率について見ていきます。
公立小中高の教員の倍率
学校の先生である教員も公務員のひとつです。私立の学校を除く公立の学校の教員は地方公務員扱いになります。2014年の教員全体の倍率は5.7倍で決して低くはありません。加えて、教員の場合、勤務地や職種、教える教科によって採用倍率が大きく異なるので注意しましょう。
少子化の影響で需要が減り倍率が高くなる
例えば、小学校の教員だと倍率は4.1倍で、ここ10年のあいだ4倍付近を推移しており、比較的安定しています。中学校の教員だと倍率は7.4倍にあがります。2006年は11倍と非常に高い倍率でしたが、この値も2014年になると7.4倍まで下がりました。かつては18倍という年もあり、その頃と比べると近年は採用されやすくなっています。高校では倍率は7.2倍で、2006年に14倍であった倍率は、近年7倍付近で推移しています。近年の少子化の影響に伴い、必要な教員の数も減少し、倍率が高くなるという見方も存在しています。
公務員の採用倍率は地域や職種によって大きく異なる
公務員の採用倍率は高いとよくいわれています。中には倍率が高いということで、公務員を志望するのを敬遠している人も居るかもしれません。しかし、倍率が高いというだけで敬遠するのはもったいないといえるでしょう。
これまで見てきた通り、公務員と一口でいっても国家公務員、地方公務員があります。その中にもさまざまな職種があり、自治体によって倍率が大きく変わるのです。さらに、倍率が高い理由の中には記念受験や筆記・面接試験の倍率差もあります。
倍率をみて難易度を測るというのは、公務員試験に限らず、自分の進路を決めていく上で大切なことです。しかし、具体的に細かく背景も含めて見ていけば、思ったほど難易度が高くないというケースもあり得るでしょう。できるだけ多くの情報を集めて多角的に捉え、自分にとって最適な進路選択をしていってください。