公務員試験の難易度や倍率から考える受験の仕方や勉強法

公務員試験の難易度とは

公務員を就職先のひとつとして検討している人も少なくないでしょう。公務員を応募するあたり、公務員試験という言葉を聞いたことはあると思われます。公務員になるには、公務員試験に合格しなければ、なることができません。まずは、公務員試験の全体像を把握する必要があります。

公務員試験は、全国で年間約45万~50万人(教員含む)近い人が、受験するといわれています。しかし、実際の合格率はというと、各職種・各自治体・各省庁ごとに採用者数が個別で発表しているため全体を把握しても具体性がないのが現実です。受験するにあたって、どのくらいの難易度かというのは、とても気になる点です。では、実際にその難易度は、どのくらいなのでしょうか。

国家公務員は最高難易度

公務員は、大きく分けて国家公務員と地方公務員に分けられます。国家公務員の採用試験は、一般職国家公務員の採用試験と特別職国家公務員採用試験・外務省専門員採用試験があります。特別職国家公務員採用試験・外務省専門員採用試験については、大臣や自衛官や裁判官・外交員など、特別な専門知識の必要な試験なので、ここでは、人事院が行う一般職国家公務員試験についてみていきます。

一般職国家公務員試験では、総合職試験・一般職試験・専門職試験に職種ごとに別れており、試験内容も院卒者・大卒程度・高卒程度別かれております。その中でも難関なのが、総合職試験・院卒者試験となります。試験範囲も、一般教養から専門知識まで、幅広く、難易度の高い国家資格試験と比べても引けを取らない内容が問われます。公務員試験の中でも最高難易度といえます。

公務員の種類によって難易度は違う

公務員試験全体でみると、大きく国家公務員と地方公務員に分別され、そこからさらに各職種ごとに分別されます。人事院が行う国家公務員試験でも、平成28年度では、試験の種類は23種類あります。これに加え、地方公務員では、地方公務員法に基づいて各自治体で採用試験を行うため、試験の種類はさらに増えます。

平成28年では、大卒程度の試験だけでも47都道府県で業種ごとに、70種類の試験が行われました。公務員試験の種類は、省庁・自治体によって多岐にわたるといえます。公務員全体でみると、”公平な基準により適格と認定された者が職に充当されることを原則”の基に試験が行われます。

国家公務員・地方公務員ともに、試験内容については、高卒程度・大卒程度・院卒者に別れており、学識に応じて試験内容を選んで受験できます。採用基準については、省庁・自治体ごとにさまざまで、難易度の高いところもあれば、そうでないところもあります。

人物重視採用の自治体もあり、一定の条件(筆記試験も含む)をクリアすれば、合格となるところもあります。難易度については、レベルはこのくらいと一概に言えないのが、公務員試験といえるでしょう。

公務員試験の倍率はどれくらいなのか

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一般的に公務員試験の倍率は高いと言われており、実際に人気の地域や職種によっては10-20倍もの倍率になることも珍しくありません。しかし、全てが高い倍率になるかと言うとそういうわけでもないのです。

公務員試験の倍率は平均して5-6倍

各政令指定都市や保健士や栄養士のような人気職でもない限り、実際には5-6倍というのが平均的な倍率になります。もちろん年や地域によって倍率の変動はありえるのですが、おおむねこのあたりと思っていていいでしょう。

公務員試験を記念受験と考えている学生もいる

また、倍率が10倍を超える場合であっても、実際には記念受験と呼ばれる人たちがいるので実質倍率としてはそこまで高くない場合も考えられます。記念受験というのは、公務員試験の勉強をしている場合であってもその年の合格を狙っているわけではなく、腕試しという意味で受験するケースもあるのです。

筆記試験を通れば倍率は1-2倍になる

さらに、筆記試験さえ超えてしまえば、あとは面接試験を突破するのみです。その際の倍率は1‐2程度になるため、ここまで来ると公務員試験を通過する可能性も一気に高くなるのです。高い倍率を誇る公務員試験ではありますが、意外なところで倍率の低い職種も存在します。

専門職公務員は倍率が低め

本来募集人数の少ない専門職公務員では、多くの人は倍率が高くなることを不安に思いそもそも受験しようとすらしません。そのため、実際の倍率は比較的安定してることも多く、年や地域によっては通常の行政職員の試験よりも倍率が低くなることもあるのです。

あなたの就活力は何点?

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公務員試験の倍率が高いと思われる理由

公務員試験の倍率は高いと思われている人は多いかもしれません。テレビでも、公務員を希望する大学生が増えているという報道をよく耳にします。実際に、公務員試験での近年の最高倍率は、26.5倍という数字もあります。

数字だけでみると、26.5倍は高い数字といえます。はたして、この数字だけを鵜呑みにして、「公務員試験は難しい」と判断してもよいものでしょうか。この公務員試験の倍率に含まれる意味をもう少し掘り下げてみてみましょう。

記念受験する人が多い

記念受験とは、”合格の可能性を度外視して、有名であったり憧れている学校を受験すること”を指します。大学受験や高校受験で、経験のある人もいるでしょう。公務員試験でも、この記念受験で応募する人がいるのです。つまり、公務員試験の準備をしないまま応募している人もいるわけです。

そうなると、公務員試験申込者数の数は必然的に多くなります。倍率というのは、申込者数(もしくは受験者数)から採用者数を割ったものです。採用枠が決まっている以上申込者数が増えれば、倍率は大きくなります。実際に、どのくらいの人が記念受験をするのかという正確な数字はありませんが、そのことが倍率を高くしているのはほぼ間違いないでしょう。

そうなると、倍率だけみて「倍率が高い=難しい」と判断するのは、少し待ったほうがいいかもしれません。公務員試験は、準備なしで合格できる試験ではないといえます。公務員試験の準備をして応募した人の総数を採用者数で割った倍率が、本来の倍率といえるのです。

公務員試験では、日本国籍で一定の年齢の範囲内であれば、誰でも受験可能です。そのため、記念受験であっても受験は可能です。ただし、記念受験なのかどうかについては、応募した人でないとわかりません。そのため、倍率が高くなるのです。

筆記試験と面接で倍率の差がある

公務員試験は、1次試験・筆記と2次試験・面接があります。倍率は、申込者数(もしくは、1次試験受験者数)から、採用人数を割ったものです。平成27年の東京都庁Ⅰ類Aの採用状況を例にとってみてみましょう。

平成27年東京都庁データ

申込者数2,577人1次合格者数395人 最終合格117人

申込者数に対し1次合格者の倍率は、約6.6倍、1次合格者数に対する最終合格者の倍率は、約3.3倍と、1次試験に比べて、倍率はかなり低くなります。申込者数の中には、先ほどの記念受験者数の人数もかなり含まれています。

さらに、1次試験は筆記試験ですので、しっかりと準備をして合格点に達すれば合格となります。1次試験・筆記試験の高い倍率だけを見て、倍率が高い=難しいと考えてしまいがちですが、筆記試験と面接では、倍率に大きな違いがあることを理解してください。

市区町村の地方公務員も低倍率

政令指定都市や県庁などの地方上級公務員であれば公務員試験の倍率も高くなりがちです。しかし、市区町村レベルの公務員であればその地域の人が出願するのみで、倍率もそこまで高くなることもありません。

公務員試験は地元採用が多い

とはいえ、市区町村レベルの公務員試験はその地域の人々が受験するため、印象の部分で地元に住んでいる人々のほうが有利になる可能性もあります。公務員試験を考える場合、自分が住んでいる地域を選択すると良いでしょう。

公務員試験の倍率を突破するための勉強法

比較的安定した倍率になったとはいえ、公務員試験の倍率は4‐5倍は確実にあります。これを突破するためには計画的に、かつ要所を押さえた学習が必要です。効率的な学習をするための注意点をご紹介致します。

公務員試験での一般教養は数的処理が鍵

公務員試験の2本柱の一つである一般教養は、数的処理が合格の鍵になります。この科目は対策が難しく、時間をかけただけ点数が伸びるというわけでもありません。ここは時間をかけずに乗り切ることが、高い倍率を超えることに繋がるのです。

公務員試験における専門科目は得点源

そこで、得点源にしたいのは、専門科目です。専門科目は法律や経済などが中心のハイレベルな内容揃いにはなっていますが、基本は暗記することで得点することは可能です。根気強く学習を繰り返し過去問にあたることで、確実に点数を上げることができるのです。

公務員を受けるために最低限知っておきたいこと

公務員試験は自治体によって、試験内容が異なるケースがあります。なかには、1次試験でSPI3を実施する自治体があるようです。また、2次試験で面接のほかにグループワークやケーススタディーなどを実施する自治体もあるようです。面接の形式は集団か個人か、作文の文字数や時間などは、受験先によって変わります。

公務員の受験を考えている人は【志望先の自治体の試験内容を知る】ようにしましょう。また、公務員に対して【ノルマが無い】【倒産しない】【安定している】などのイメージを持っている人がいます。しかし、公務員には激務な職種や業務もあります。公務員は楽な仕事ではないことも知っておきましょう。

公務員の筆記試験おすすめ対策本3選

つぎに、公務員の筆記試験のおすすめ対策本をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

対策本①『合格の500』シリーズ

おすすめの対策本1つめは、実務教育出版が出版している【『合格の500』シリーズ】です。【国家一般職(大卒)】【地方上級教養】【地方上級専門試験】など、試験ごとに対策ができます。そのため、自分の志望先に合ったものを選ぶと良いでしょう。この『合格の500』シリーズは、近年の過去問500問を収録しているため、徹底的に実践力を強化できるでしょう。

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対策本②数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱 改訂第2版 (公務員試験)

つぎに紹介するおすすめの対策本は【数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱 改訂第2版 (公務員試験) 】です。公務員試験では、数的推理の比重が大きいものとなっています。この対策本は最新の出題傾向に対応し、高卒から大卒・院卒程度の試験まで幅広く対応しているようです。また、数的推理の初学者向けの問題集といえるでしょう。判断推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱 改訂第2版 (公務員試験)もあります。

数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱 改訂第2版 (公務員試験)|Amazon

対策本③新スーパー過去問ゼミ5シリーズ

おすすめの対策本3つめは、【公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5シリーズ】です。このシリーズでは、【自然科学】【社会科学】【判断推理】【数的推理】【文章理解・資料解釈】【行政法】【民法Ⅰ】【社会学】【ミクロ経済学】【マクロ経済学】など、科目ごとに出版されています。

2017年10月には【経営学】【民法Ⅱ】【会計学】、その翌月(11月)には【社会学】が発売されるようです。このシリーズは【新スーパー過去問ゼミ4】が5に改訂されたものとなっています。このシリーズは、公務員試験合格者からの信頼が厚い対策本ともいえるでしょう。

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 マクロ経済学|Amazon

公務員試験の倍率を突破するためには綿密な受験プランが必要

倍率がどのようになったとしても、難易度の高い公務員試験を突破しなければならないことには変わりありません。余裕を持って確実に合格を勝ち取れるよう、綿密な受験プランを立て、一心不乱に勉強に打ち込んでください。

監修者プロフィール

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吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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