国家公務員を目指すなら知っておくべき専門職10選~国税専門官・労働基準監督官など~
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目次
国家公務員の職種
国家公務員の仕事というと、一日じゅう机にかじりついて政策の起案をしたり、深夜まで残業して国会質問用の答弁を作成したりしているイメージが強いかと思いますが、けっしてそれだけではありません。
国家公務員の職種には「総合職」「一般職」「専門職」「特別職」と試験区分ごとに大きく分けて4つのカテゴリがあります。総合職というのは、先に述べたような政策の企画立案にかかわる仕事です。いわゆる「官僚」というのはこの総合職になります。一般職は、事務処理などの定型的な業務に従事する仕事です。総合職ほど高度な知識・技術を必要としない点で異なります。
専門職はスペシャリスト的な技能を要する仕事
専門職は、行政機関の特定の分野で活躍する仕事です。総合職や一般職がゼネラリスト的な能力を必要とする仕事であるのに対し、専門職はスペシャリスト的な技能を要する仕事です。特別職というのは、行政機関以外の国家公務員のことで、立法機関である国会で働く職員や司法機関で働く裁判所職員などが該当します。そしてこれらの職に就くためには、それぞれ別々の採用試験を受けなくてはなりません。以上を理解したところで、専門職の種類にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。
国家公務員専門職の具体例10選
一般的なイメージの公務員の仕事とは違う業務に従事している、専門職の国家公務員についてご説明したいと思います。よく知られたメジャーな仕事からマイナーな仕事までいろいろあります。
専門職①国税専門官
国税専門官は、国税局や全国の税務署で税金にかかわる業務に従事する仕事です。国税専門官として実務経験を積んだのちに「国税調査官」「国税徴収官」「国税査察官」になることができます。国税査察官というのはいわゆる「マルサ」のことなので、どんな仕事なのか理解しやすいのではないでしょうか。
国税専門官試験採用|国税庁概要・採用|国税庁 - 国税庁ホームページ
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専門職②労働基準監督官
労働基準監督官は、全国の労働基準監督署などに勤務し、企業の労働条件が適正であるかどうかを監視・監督する仕事です。こちらもテレビドラマなどで取り上げられたりしたので、業務内容が想像しやすいでしょう。
専門職③財務専門官
財務専門官は、財務省の財務局や金融庁などで予算執行調査や国有財産の管理、金融機関の検査・監督などをおこなっています。平成24年度の国家公務員試験から財務専門官は新設されました。財務専門官は財政、金融のプロフェッショナルといえます。
専門職④外務省専門職員
外務省専門職員は、日本の外交官として相手国との交渉や政治・経済などの情報の収集、通訳、外交政策の企画などをおこなっています。外務省専門職員は高い語学力が必要になるでしょう。試験では専門試験のほかに外国語試験も実施されます。また、平成30年度から専門試験の試験科目や配点比率が変更されるようです。平成29年度までは、憲法、国際、経済学の3科目とも必須科目でしたが、平成30年度からは国際法のみ必須科目となります。憲法と経済学はどちらか1科目を選択となるようです。
専門職⑤刑務官
刑務官は、全国の刑務所において収容者の矯正教化に従事しています。具体的に言うと、作業の監督やカウンセリング、生活の指導などをおこなっているようです。刑務官は、夜勤があります。また、刑務所内で何か問題が起こった時の対処や規則違反している収容者の対応もあるため、【体力・精神力に自信のある人】や【正義感が強い人】が向いているといえるでしょう。
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専門職⑥入国警備官
入国警備官とは、全国の入国管理局などで不法入国をした外国人の調査や摘発、強制送還などに従事する国家公務員です。法律に違反する外国人を対処し、日本の安全と国民生活を守る重要な指名を担っています。入国警備官は年齢制限のほかに、身長や体重、視力などの身体要件も設けられています。2次試験では体力検査もあるようです。外国人と話す機会が多いため【外国語が得意な人】や【体力のある人】が入国警備官に向いているといえるでしょう。
専門職⑦皇宮護衛官
皇宮護衛官は皇族の護衛と皇居などの警備をおこなうスペシャリストです。警察官と同じように事件を捜査したり犯罪者を逮捕したりする権限をもっています。皇室護衛官は大卒だけではなく、高卒の人も受験できます。皇居の中にある皇宮警察学校では、皇室に関する教養や刑法、行政法、武道などの授業があるようです。皇室護衛官は皇居でしか勤務しないと思われがちですが、東京都の赤坂御用地や奈良県の正倉院など、配属先はさまざまだといえます。
採用情報 | 皇宮警察本部-IMPERIAL GUARD HEADQUARTERS-
専門職⑧食品衛生監視員
食品衛生監視員は全国の保健所や検疫所に勤務し、食品関係の事業者の監視・指導をおこなったり、輸入食品の病害虫検査などをおこなったりしています。この試験は、年齢制限のほかに、大学において薬学、畜産学、水産学、または農芸化学の課程を修めて卒業した者、都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者などの条件があるため、受験資格に該当するかの確認が必要になるでしょう。食品衛生監視員は食品に関する知識が必要だったり、食品関係の事業者などと接する機会が多くあったりします。そのため、【食に興味がある人】や【コミュニケーション能力がある人】が向いているといえるでしょう。
専門職⑨海上保安官
海上保安官は、全国の巡視船艇や航空機、海上保安部などに勤務しています。主な仕事内容は、捜索救助やパトロール、災害対応などです。海上保安官になるには、試験を受けたあとには海上保安大学校または海上保安学校に入学しなければなりません。幹部職員候補として養成される場合は海上保安大学校、一般職員として養成されるなら海上保安学校になります。
専門職⑩航空管制官
「航空管制官」は全国各地の空港などで航空管制業務をおこなう仕事です。英語やレーダー管制などの専門知識が必要となるので、これも国家公務員の専門職となっています。航空管制官の受験でも、視力や色覚など身体要件を満たす必要があるようです。試験に合格したらすぐに航空管制官になれるわけではなく、航空保安大学校で研修を受けなければなりません。航空管制官は、【英語力がある人】や【責任感のある人】が向いているといえるでしょう。
国家公務員を目指すなら知っておくべき専門職まとめ
このように見ていくと、国家公務員の専門職は国民の生活や生命の安全に直接かかわっているので、採用後の研修制度が充実しているものが多いです。総合職や一般職では味わえないやりがいを感じたいという公務員志望者は、受験を考えてみてはいかがでしょうか。