地方中級公務員を目指すなら知っておくべき仕事内容|必要な資格や職種もご紹介

地方中級公務員の仕事内容

公務員試験の要綱を見てみると、初級・中級・上級といった受験区分でそれぞれ受験資格も異なっています。中級公務員の仕事内容は初級とそれほど大差はなく、市役所などでの窓口業務などを仕事がほとんどの内容です。一般的に雑用業務を課せられると勘違いされがちですが、それは上級職の仕事範囲となり、一般職である初級・中級職は毎日決まった仕事を行うような職種であるといえます。

  • 上級には劣るが中級でも出世コースは用意されている

上級職は民間企業でいう総合職に相当するため、昇給ペースも役職付きへの出世なども優遇されていますが、中級職であればそれには劣ってしまいます。それでも初級とは違ってある程度の出世コースは用意されていますが、普段の業務を疎かにしてはそのコースから外れてしまうため注意したいところです。

公務員試験の中級に必要な資格とは

中級の公務員試験は年齢制限はほぼないに等しいものの、一般的に「短大卒程度」の学歴が必要となります。あくまで程度という位置づけであるため、高卒でも大学卒でも受験は可能です。各受験要綱で異なるためきちんとした確認が必要です。

  • 公務員試験の中級は面接の比重が高い傾向にある

試験の内容も各自治体で異なりますが、教養科目・論述科目・面接の3つの内容で構成されているようです。特に面接の比重高い傾向にあるため、万遍なく対策を施すことが求められます。

  • 土木などの専門知識を要する職種は必ず資格が必要!

中級試験では窓口業務を行う一般行政の募集よりは、学校事務や警察事務などの職種の募集を行っているケースが多く、そのため特別な資格は必要とはしません。しかし、それ以外の土木など専門知識を要する職種の募集であれば資格が必要になる場合はあります。
志望する職種によって必要資格などは変化するため、受験要綱を確認するようにしましょう。

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地方中級公務員の職種

一口に地方中級公務員といっても、職種にはいろいろなものがあります。地方公務員には上級・中級・初級があると前述しましたが、大雑把にいうと、上級は総合職であり、もちろん事務的な仕事もしますが、企画立案といった高度でクリエイティブな業務を任される立場です。

自治体の幹部候補生として育てられる人材といってもいいでしょう。一方、中級と初級は担う仕事に大きな違いはありません。しかし、一般企業でもそうであるように、どの部署に配属されるかで仕事内容は大きく違います。また、いわゆる文系・理系のどちらに属するかによっても業務は大きく異なります。

また、中級で採用されても、経験や研修を積んで上級と同じ立場になれる制度を持つ自治体もあります。さらに、大卒であるにもかかわらず、中級の試験を受けて公務員になる人もいます(制度上禁止しているところもあります)。かつては上級は「幹部」、中級・初級は「それ以外」といった区分が明確にありましたが、最近では徐々に垣根がなくなっているのも現状です。

事務職

中級公務員の中で、皆さんにとって一番分かりやすく、かつなじみ深いのは「一般行政職」ではないでしょうか。皆さんが都道府県庁や市町村役場などに各種手続きをしに行ったり、証明書を取りに行ったりした際に対応してくれる人たちが、その代表です。

カウンターの向こうで、デスクで書類とにらめっこしている人の多くも行政職。つまり、窓口応対や事務を執っている人たちのことですね。そのほかになじみ深いのが、学校の事務員でしょう。

小中学校、高校の先生は4年制大学や大学院を出て所定の教員免許を取得し教育公務員として採用された人たちですが、事務室でデスクワークをしているのは都道府県や市町村役場から教育員会に形式的に派遣された地方公務員です。

また、都道府県の警察本部や所轄の警察署で事務を担っているのも、いわゆる警察官とは違う立場の地方公務員。地元の警察署に行く機会があれば「会計課」というプレートが下がっている部署を見ることがあると思いますが、そこに所属している人のほとんどは警察官以外の地方公務員です。ちなみに、所轄署の会計課では拾得物や迷い犬なども扱っています。

資格免許系

大学や地方自治体の図書館に足しげく通う就活生も多いと思われますが、そこに勤務する図書館司書も地方中級公務員であることが多いです。司書は、書籍や資料の選択・発注・受け入れ・分類・目録作成はもちろん、貸し出し業務や来館者の案内なども担う専門職です。

短大を含む大学や高等専門学校の卒業者、司書補としての実務経験者などが資格を取得して就きます。また、小さいころにお世話になった人も多い保育士、いわゆる保母さんも地方中級公務員ですね。ただ、幼稚園の場合は学校ですので、そこに勤務する「先生」の多くは、幼稚園教諭の免許を取得できる4年制大学の卒業生、いわゆる教育公務員です。

このほか、公立病院の臨床検査技師なども地方中級公務員です。臨床検査技師の資格は、3年制の短大や専門学校など専門の養成学科・コースを卒業・修了し、国家試験を経て取得。公立病院に就職するには、病院の設置主体である自治体や一部事務組合などが実施する採用試験に合格する必要があります。

技術職

短大や専門学校で土木・建築・機械・電機など専門的な知識・技能を身に付けた人には、地方中級公務員としてそのスキルを活かせる道があります。地方公共団体の上級職の中には1級建築士など高度な資格を持つ人もおり、基本設計などを行ったりもしています。

道路や各種建築物など公共事業は多岐にわたっており、技術職、いわゆる理系公務員が活躍する分野は広いのが現状です。また、近年では特産の農林産物を使い、民間とコラボして新商品を開発したり観光商品を造成して売り込みを図っている自治体も多く、そういった際にサポートできる知識を持つ人材は重宝されます。

さらに、公立高校には農業や畜産、酪農、林業などの専門学科、コースを設置しているところも多いことから、そういった学校に事務兼支援員的な立場で派遣されるケースもあります。資格免許系も含め一般行政職に比べ採用時の倍率はあまり高くないですが、採用枠も少ないので、志望者は情報のアンテナを高くしておきましょう。

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中級公務員の給料や昇給ペース

中級公務員の月給や年収は、他の民間企業などと比較してみると低い傾向があります。勤務初年度であれば年収が300万円も貰えない自治体もありますが、しかし昇給ペースを見てみると年々ほぼ確実に昇給していくため、30歳くらいにもなれば平均以上の年収になることもあります。中級公務員であればある程度の出世は約束されているため、昇給ペースはもちろん、役職も付けばそれなりの年収を手にすることも可能でしょう。

  • 確実に増えていく年収と取得しやすい休暇という安定した待遇!

扶養手当や通勤手当、時間外勤務手当など、一般的な福利厚生などはしっかりと受けられやすいのが特徴です。また民間企業などでの職歴を有している場合は、さらに多くの給料を貰うこともできます。近年では民間企業からの転職先として人気の公務員ですが、やはり安定した待遇が魅力なのは間違いないようです。

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中級公務員は将来的には安定した給料や待遇を得られるメリットがある

近年では初級・中級の区分はあまりされない傾向にありますが、役所での一般的な窓口業務や学校事務などを担当するのが中級公務員の仕事となります。高卒であっても将来的には安定した給料や待遇を得られるため、目指す人も多くいます。
民間企業からの転職も目立っており、受験のしやすやすさからも人気が再び高まっているようです。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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