経験者採用で公務員になるために必要なもの

公務員を目指すのは何も学生だけではありません。
昨今公務員の採用に、「xx業務に精通していること」「xx業務経験者優遇」等の記載が目立ってきました。
これは公務員が経験者採用に積極的に取り組んでいる証拠です。
この記事では、地方・国家公務員の経験者採用に関することを記載していきます。

経験者採用の公務員について


公務員は新卒の新入社員のみを採っていたのは今は昔。
かなり小規模な自治体ですら、民間の経験者採用を積極的に行っています。その背景には、業務の多角化がまずは挙げられます。ちょっと古い話ですが、公務員は主に紙媒体を通じた業務を中心に行っていました。
戸籍や土地の台帳等はまだ紙媒体は保管していると思います。そういった中迫ってきたのが、業務のIT化。色々な業務はIT化されさらに効率が増しました。
そのうち、住民基本台帳ネットワークなるものも敷設され、住民サービスのレベルはIT化の普及とともに向上していったわけです。こうなるとその空いた時間にさらに質の良いサービスを行うため、様々な事業を公務員は行うのです。

  • 新しい事業を展開していくためには民間企業の経験者が必要になる!

さて、そうなってくるのが人の問題です。事業が増えたが、人は予算の関係で減少傾向にある…。という状況が生まれます。
ここに公務員の経験者採用のニーズが高まるのです。
新しい事業を展開するためにはノウハウが必要だが、全くわからない。
業者への完全なる委託は予算の都合や法令の問題で厳しい。そうなるとそのノウハウを持った人間を雇うことになります。これが、経験者採用です。今後もさらに増えることが予想されています。

あなたが受けない方がいい公務員の職業をチェックしよう!

自分の適性や性格が公務員に向いているのか気になりませんか?

そんな時は「適職診断」を活用して、自分と志望する公務員の相性を診断してみましょう。36の質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

あなたの強み・弱みを理解し、自分が公務員に向いているタイプか、診断してみましょう。

適職診断で今すぐ診断する【無料】

経験者採用に求められる能力

では経験者採用の方に、採用側が求めるものは一体どういうものでしょうか。
答えは、現場での即戦力です。前項で記載したとおり、IT化を契機として業務が非常に多様化していきました。
昔は、図面等も手書きでくみ上げていくことが多かったですが、今ではCADというツールを使って設計図を作成することも珍しくありません。
窓口でも、ITを使用した色々なサービスや制度が増えており、マイナンバー制度というものはまさにこの良い例です。

  • 経験者にはノウハウと実行力が必ず必要!

そういった業務において、公務員側が考えるのが「初めての業務・制度を上手く扱えるか?」という点。
新しいことを始めるためには、ノウハウと実行力が必ず必要となります。
初めての業務や新制度などは、どういった実務になるかが皆目見当もつかないこともしばしば。
そうなると、それを実行するための体制や予算も組めず、ノウハウもないため、マニュアルに従って行う以外ありません。

  • 経験者採用は新しい事業を任される場合も!

つまり、突発的な出来事に対応できる状態ではないのです。
そこに求められるのが、民間からの転職者。所謂経験者採用枠で採用された方々です。
公務員における経験者採用の方に求めるものとは、新しいまたは強化したい事業のノウハウや深い知識をもって、その業務を遂行する。
それと同時に、上長に業務の内容を説明し、それを他の職員に展開するといえるでしょう。

経験者採用の公務員のデメリット

さて、公務員における経験者採用に求められるものは前項で記載しました。
ここまで見ると、非常にやりがいがあると思いませんか?
自分の能力や専門性を発揮しながら、周りを巻き込んで当該業務の遂行における引っ張り役となる…。
素晴らしい仕事ですよね。ただし、やりがいと感じる面にはやはりマイナスな点もあるのも事実。
一般的な公務員は、非常に幅広い業務を行っていることが多いのです。ルーティンの事務作業であったり、イベント時の手伝いであったりと担当業務以外に関わっていきます。
スペシャリストがあまり育たないのはこういった環境からきているのです。

  • 業務量が多くなってしまい心身ともに疲れてします場合も

そんな中、経験者採用として入った方に求められるのは、スペシャリストとしての業務なのですが、現場の雰囲気や上長次第では、スペシャリスト的な業務+他の職員が行っている業務を行わなければならなくなります。
もちろん、経験者採用だからと言って結局は新人です。こういった風土であるため、色々な業務を複数兼任してしまい、苦悩し、心身ともに疲れていってしまうパターンも非常に多いのです。

経験者採用で公務員になるには前職の業務で得たノウハウやスキルをアピールしよう!

公務員における経験者採用について書いてきましたが、最後に採用されるためのコツを少々。
筆記試験対策については書籍に譲るとして、面接対策について。これは志望するところによっても様々ですが、共通して採用側が注目するのは、やはり今までの経験業務であったり、そこで得たノウハウや知識です。そこを重点的にアピールするわけですが、採用側はあくまでもその専門分野では素人。その深い知識やノウハウをいかにかみ砕きわかりやすく説明するかがポイントです。これは現場に配属されても求められることですので。皆さんのご活躍を期待します。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ