【公務員と民間企業の違いとは】就活生が知っておくべきこと

公務員と民間企業の併願は可能なのか

就職活動では、多くの就活生が民間企業や団体への就職を目指していろいろな準備をしていくことになるでしょう。また一方で、公務員を目指して試験対策を重ねている方もいます。ところでこの「民間企業」と「公務員」ですが、最初からどちらも狙ってるという方はあまり多くないのではないでしょうか。しかし、「公務員と民間企業の併願」というのも現実的な選択肢の1つです。

この記事では「公務員と民間企業との併願」にフォーカスし、選考のスケジュールや特徴の相違点などから同時期の受験が本当に可能なのかどうかについて解説していきます。併せて、公務員・民間企業それぞれで働くメリットもご紹介しますので、どちらか一方しか見ていなかったという方も参考にしていただけると幸いです。

公務員と民間企業のそれぞれのメリット

公務員と民間企業のそれぞれのメリットについて解説していきます。公務員として働くメリットは、給料の未払いがなく、年功序列の給与形態であり、勤続年数によって給与が年々上がっていくことです。そして、何よりも社会的信頼が高く安定性があることです。

一方、民間企業で働くメリットは、与えられる裁量が大きく、インセンティブが高い傾向にあり、自分の意見がトップに届きやすいことが挙げられます。また、ベンチャー企業での就業や、経験を積んで起業することで、若い世代でも大金を得るチャンスがあるということは大きな魅力です。誰しもが億万長者になることを実現できるわけではありませんが、個人の裁量が大きいため、どんどん成長していきたい人には向いているといえます。

公務員と民間企業のメリットはどちらも魅力的です。それでは次の項目で詳細に解説していきますので、しっかりと目を通して両者の比較検討をしてみてください。

公務員として働くメリット

  • 給料の未払いがない
  • 年功序列で給料が上がる仕組み
  • 社会的信頼が高い

公務員として働く代表的なメリットは上記3点です。民間企業で給料の未払いが問題視されることもありますが、公務員であればそういうトラブルに陥るということはまずありません。公務員の報酬削減なども叫ばれていますが、それでも毎月の一定期日に支払われないということはないので安心です。

また日本の公務員は、勤続年数が長いほどに基本給が上がる仕組みです。あまりがつがつした性格でない人にとってはありがたい制度だと言えるでしょう。

さらに日本国内では「公務員」と聞くと、「安定した仕事・収入」とイメージする方が多いことでしょう。それほどまでに信頼が厚いことから、「公務員」という身分を明かすだけで住宅ローンが最低金利で借りられたり、借入額の上限を高く設定できたりします。

民間企業で働くメリット

  • 個人の裁量が大きい
  • インセンティブが高い
  • 意見がトップに届きやすい

逆に、民間企業に就職することの代表的なメリットは上記3点です。特に中小企業であれば、個人で決められる仕事の割合が多くなります。そのため仕事ぶりなどが認められていれば、ある程度は自分のペースで仕事をしていくことが可能です。

また企業では、個人の仕事の成績が給料やボーナス・昇進に大きく反映される仕組みがとられています。そのため目標や理想を高く持ち、バリバリと仕事をこなした結果が人事の方に認められれば、若いうちから大金をつかむことも夢ではありません。

さらに公務員では個の力が非常に弱いため、自己発信で内部の改革をしていくのは非常に難しいですが、会社員であれば実現できないという話ではありません。特に中小企業であればトップとの距離も非常に近くなるため、意見を伝えられる機会も多いです。

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公務員と民間企業の特徴と仕事内容

それでは次に、公務員と民間企業の特徴と仕事内容についてご紹介します。公務員と民間企業の大きな違いは、仕事をする目的にあります。それは、利益を生むためにどのように自己実現をするかということです。

公務員の仕事内容は、国民や地域住民、暮らしをサポートしながら支える仕事です。そして、それに伴う機関や部署に配属され業務をします。また、安定した環境の下で就業できることが特徴です。税金を基に活動するため、業務に必要な予算は毎年必ずもらえます。利益を生まなくても、自動的に活動資金が発生します。

一方、民間企業は売上がないと会社を存続させることができません。そして売上がないと事業を継続できませんし、給与も払えません。競合他社に負けないで、利益を勝ち取っていかなければならない環境下にあります。もちろん公務員の仕事であっても、職種によっては利益を追求しなくてはならない仕事もあるため一概にはいえませんが、公務員と民間企業は利益を生む目的と利益を追求し続ける姿勢に大きな違いがあります。

公務員の特徴と仕事内容

公務員は、国や地方公共団体、市役所、区役所などに配属されます。公務員の仕事の最大の目的は、国民、地域住民の暮らしをサポートすることにあり、より良い社会のためにそれに準じた仕事をおこないます。一言で公務員といえども、様々な職種があります。国家公務員、地方公務員、警察、消防士、教師などが公務員に当たります。人々の暮らしを支える仕事に就きたい人や、地域の人のために役立ちたい思考の人には向いています。

また、業務に必要な活動資金は、税金をもとに予算が組まれます。予算が枯渇したことにより事業をストップされてしまうことや、給与が未払いになることはありません。安定した環境で働くことができるので、コツコツ長期的に働きたい人にも向いています。

民間企業の特徴と仕事内容

民間企業の特徴は、公的な機関に所属せず、社会で生産活動をおこなうということが挙げられます。営利目的で活動するため、商品を作って販売したり、サービスを提供したりして利益を得ます。需要のある市場を見つけて売り込むことで、大きな利益を生み出すことができますし、反対に思ったよりも利益が生み出せない場合もあります。このように、民間企業は事業が失敗するリスクと隣合わせであるということです。

その分、自身のアイデアを事業に活かして、ヒット商品やブームを生み出すことができる世界です。世の中を動かしたり、自己実現が多様にできるステージがあります。民間企業の就職は、社会に何かを創出したい人や、利益を貪欲に追求していける人には向いています。

公務員と民間企業の就職方法

公務員と民間企業は、求人の応募方法が大きく異なります。応募、面接、試験という基本的な流れはおおよそ一緒なのですが、採用スケジュールや試験内容などが変わります。しっかり確認するようにしましょう。

公務員になるためには、ご存知の通り公務員試験を突破しなければなりません。難しいことで有名な公務員試験は、職種によって難易度も違ってくるので、試験対策をしっかりしないと合格をもらうことは大変難しいです。

民間企業では、適性検査や一般常識の試験が主流になってきています。民間企業と公務員の両方を志望する人は、各々の試験内容が違うので、それぞれの試験分野に合わせた勉強をしなくてはなりません。時間を見つけて対策するようにしましょう。

公務員の就職方法

公務員になるためには、公務員試験を受けなければなりません。地方公務員になるためには、地方公共団体が実施する地方公務員試験に合格することが必要です。そして、国家公務員になるためには、国家公務員試験に合格しなければなりません。国家公務員試験は、地方公務員試験と比較すると難易度は高く、倍率も非常に高いです。

この他にも面接試験などはありますが、まずは試験を受けて合格を得られなければ公務員になる一歩は踏み出せません。そして、公務員試験の内容は民間企業の採用試験とは違い、出題分野が広く問題数が多いです。早めに勉強をして対策をしないと、時間内に問題を解くことが難しいといわれています。

そのため、公務員を目指す人は民間企業に就職する人よりも早めに勉強をして対策する必要があります。また、公務員試験の日程がかぶらなければ、その他の公務員の職種と併願は可能です。

民間企業の就職方法

民間企業の就職方法は、主に新卒採用の就活ナビサイトを用いて求人に応募することが主流です。企業ごとに採用フローは違いますが、ナビサイト経由で応募をして、書類選考を受け、面接試験を重ねていき、最終面接を経て内定をもらいます。この採用フローの途中で、性格適性検査や一般常識などの試験を実施します。

基本的には、採用試験の日程が他社とかぶらなければ、何社でも応募して、選考を進めても大丈夫です。また、企業によって給与額や福利厚生、事業内容などが違うので、就活生は自分が求める企業を自身の力で探し出すことが求められます。何社でも応募はしても大丈夫ですが、選考スケジュールを意識して、計画的に進める必要があります。

公務員と民間企業のスケジュールの違い

前の見出しでは「公務員」・「会社員」それぞれのメリットを見ていきましたが、どちらも受験したいと考えている場合には、それぞれのスケジュールを把握したうえで自分の予定を組み立てなくてはなりません。

そこでここからは、「公務員」・「民間企業」それぞれの選考がスタートするタイミングを解説していきます。どちらか一方のみの選考を受けることを考えているという方も、視野を広げるという意味でぜひ参考にしてみてください。

国家公務員は4月・地方公務員は6~8月開始

ここまでの見出しでは「公務員」とひとまとめにしてきましたが、「国家公務員」と「地方公務員」では選考の時期が若干異なりますので注意しましょう。

国家公務員を目指している方の選考(総合職)がスタートするのは4月です(一般職は6月)。その後、筆記試験や口頭試験などの複数の試験を経て、6月(一般職は8月)には最終結果が発表されます。

一方、地方公務員の選考スケジュールは、だいたいの場合6~8月の間に1次選考が実施されます。しかし、志願先である地方公共団体によってその日程が異なっているので注意が必要です。

もちろん、ここでご紹介した情報には例外もあります。詳しくは各団体の試験要綱を熟読して確認するようにしましょう。

民間企業は6月開始

民間企業、特に大企業であれば、選考は6月から開始されます。書類選考を経た就活生が6月から複数の選考にかけられ、内定式解禁の10月までには企業側からの採用通知が届けられるというスケジュールです。

しかしこれは、「経団連(日本経済団体連合会)」に所属している企業のみが厳守しなければならないという規則である点には注意しなくてはなりません。そのため、経団連に加盟していない企業は、大企業に就活生を持っていかれないためにもっと早くから動き出していることが多いです。

企業によっては、いわゆる「就活解禁」である4月の段階でもう選考は終わっているというところもあるので、見落としがないようにしましょう。特に、マスコミ業界は選考が早い傾向にあるので注意が必要です。

公務員と民間企業を併願している場合の面接での答え方

公務員と民間企業を併願しており、かつ面接試験に参加することになった場合には、答え方に工夫をしなければなりません。具体的には、面接の際に「併願しています」ということをはっきりと伝えることは避けるようにしましょう。

とは言っても、「御社が第一希望です」という言葉は面接官としては聞き飽きているでしょう。そのため、これを言うことは実は危険だったりもします。優先度が低いのであれば無理に「1位」と答える必要はありませんが、それでも「とりあえず滑り止めで受けています」、「別に本命があります」という本心が面接官に簡単に読み取られてしまうような態度や答えかたをするのはやめておきましょう。

本命であろうとなかろうと、目の前の面接のことだけに集中するようにしてください。

公務員と民間企業を併願する際の注意点

ここまでの見出しの内容で気づいた方も多いでしょうか、スケジュールさえ確認して行動すれば、公務員と民間企業は併願可能です。しかし、それぞれ試験内容が全く異なる部分があるため、気を付けなければならないところがいくつかあります。

ここでは、公務員と民間企業を併願する場合に意識しておかなければならない注意点を2点ご紹介いたします。

公務員の試験対策は綿密におこなう

1点目ですが、公務員の試験対策は綿密に行うようにしてください。まずは、出題科目の中のどの分野に重点を置いて勉強するのかを決めましょう。

国家公務員を志望するのであれば必ず受けなくてはならない公務員試験ですが、出題範囲が非常に幅広いのが特徴です。そのため、まずは自分の得点源を定めて、そこから勉強を始めるのが効率的です。

また、自分がどの種類の公務員試験を受けるかによっても、それぞれの科目の出題数は変わってきます。そのため、あれもこれもと無策で複数の公務員試験を受けてしまうと、出題傾向が異なっていればそれだけ多くの範囲をカバーしなければならないことになります。複数の公務員試験を受験する際には、第一希望を出題傾向が似ているところを選ぶと効率的です。

優先順位は明確にしておく

2つ目に、優先順位は明確にしておくようにしましょう。それも、なるべく早めのほうが良いです。

併願する場合には、公務員なら公務員試験対策に団体の研究、民間企業であればSPI試験対策に業界・企業研究と、することはたくさんあります。なおかつ、このすべての工程ををエントリーまでの段階である程度終えていなくてはなりません。

それぞれ短時間で終わるものではなく、また国家公務員の選考開始と大企業のエントリー開始のタイミングはほぼ同時期です。また、経団連加盟企業でなければスケジュールはこの限りではありません。そのため、公務員・民間企業のどちらの優先順位が上なのかを決めておかなければ、ともに中途半端になってしまう可能性が高まってしまいます。明確に優先順位を付け、限られた時間を効率よく有効活用していくことが大切です。

どちらか一方に絞った方がいい場合も

公務員と民間の就職は、スケジュールだけで考えれば併願できないわけではありません。そのため公務員で落ちた場合の保険として民間の就職も考えている人は多いですが、実際に就活を進める上では、どちらか一方に絞った方がいい場合も多々あります。併願をすることで、どちらかには就職できると考えている人は多いですが、必ずしもどちらかへの就職が成功するとは限りません。併願をすることによってどのような弊害が起きるのかも理解しておきましょう。

公務員も民間も就職するのは難しい

併願ではなくどちらか一方に絞った方がいい理由としては、公務員も民間も就職するのが難しいからです。公務員になるためには、難しい試験を突破しなければなりません。合格するためには、長期間にわたって勉強しなければなりません。民間で就職する場合も、念入りに準備を進めてから選考に臨まなければならず、並大抵の努力では内定を獲得することは難しいです。

どちらかひとつだけをやり遂げるだけでも非常に大変ですので、それらを両方おこなおうと思えば、その苦労は想像を絶します。公務員になるための勉強も民間への就活も大変なものですので、就活全体としてハードになることは覚えておかなければなりません。就活のハードルを上げることにもなりますので、どちらかに集中した方がいい場合も多いです。

両方失敗する可能性もある

公務員と民間の両方を目指すことは非常に大変なことですが、単に苦労が多いだけではなく、併願することで両方に失敗してしまう可能性もあります。それぞれの対策は大変なもので、両立させるのは非常に難しいです。公務員試験の対策も、民間の就活の対策も両方が疎かになってしまう可能性もあり、それが原因でどちらにも引っかからないことも充分にあり得ます。

そもそも公務員試験に合格することも、民間に就職することも、それぞれ難易度は高いですし、対策が疎かになってしまうと合格することはできません。どちらもしっかりと準備を進めて、ようやく合格ができるものです。併願によってそれぞれの準備が中途半端になってしまうと、両方失敗する可能性があるので注意しなければなりません。

公務員と民間企業の併願はスケジュール管理を徹底する

この記事では「公務員と民間企業との併願」にフォーカスし、公務員・民間企業それぞれで働くメリットのほか、双方の選考のスケジュールや特徴の相違点などから同時期の受験が本当に可能なのかどうかについて解説してきました。

公務員と民間企業は、自分のスケジュールさえきちんと管理できていれば併願が可能です。しかし、試験対策をはじめやらなければならないことが大きく異なっているため、両方を成立させて内定を勝ち取るためには相当な時間と努力が大切になることでしょう。

そのためなるべく早い段階から、限られた時間の中で自分のやるべきことをリスト化し、また優先順位も必ず決めておいてください。どちらも中途半端になって共倒れになるという最悪の結果にならないように行動しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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