公務員は本当に安定しているのか?就活生が知るべき実態
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目次
公務員を志望する学生はまだまだ多い
就活生としては、公務員か民間の一般企業を目指すかは非常に大きな決断となります。多くの就活生は一般企業を目指すのですが、公務員を志望する学生も少なくありません。子供の頃からずっと特定の職業に就きたいと夢見ていた人はともかく、特別やってみたい仕事がなければ公務員という選択肢も悪くないでしょう。
しかしどうして公務員を目指す人が居るのでしょうか。それは公務員にしかない魅力があるからです。そのメリットをきちんと理解すれば、一般企業を考えていた人も公務員が十分に選択肢に入るはずです。逆に「やはり一般企業の方が良い」と思う人も居るでしょう。公務員か一般企業かを目指すか判断材料の一つにしてみてください。
公務員は大きく分けて2種類ある
公務員と言っても大きく2つに分けられます。一つは国家公務員でもう一つが地方公務員です。国家公務員と地方公務員は同じ公務員ですが、実際のところ大きく異なる部分があります。それは仕事内容や立場などです。
この点をきちんと理解しましょう。同じようなものと考えていると、なってから後悔することになるからです。公務員を目指すなら最低限押さえておきたい、国家公務員と地方公務員の違いについて解説いたします。
国を支える国家公務員
国家公務員は司法や立法や行政に関連した各国家機関に所属します。例えば各省庁や裁判所、国会などを運営する機関で仕事を行います。また、国で行われる行事や国民の生活などに大きく関わってくる業務を行うのです。携わるのは行政ですから本当に幅広いです。経済や外交や法務、財政や税や環境、農業や医療、教育まであらゆる分野の専門家として国を実際に動かします。例えば省庁の官僚などは国家公務員に入ります。
国家公務員でもより上の立場となれば、国の方向性や政策に関する重大な意思決定にも関係してくる仕事も行わなければなりません。非常にスケールが大きくやりがいのある仕事となります。同時に国民の生活が左右されるので個人の責任感は非常に重たくなるとも言えるでしょう。
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地方を支える地方公務員
地方公務員は都道府県の市役所に勤務し、地方を支えています。治安や教育や交通など、地域の生活に関する仕事を行うのですが、その種類は本当にさまざまと言えるでしょう。国家公務員は一般の庶民には生活上、遠い世界の人間に思えるかもしれません。しかし地方公務員は、ある意味、その地域住民と距離が非常に近いと言えます。
国家公務員の場合、ある分野の専門家とも言える存在ですが、地方公務員は比較的、あらゆる分野の仕事をすることが多いです。例えば都道府県庁や政令指定都市で土木や電気や建築に関する技術職の人もいれば、警察官や県立高校の事務員も居ます。また消防官や、市町村立の小中学校事務に関する仕事もこの地方公務員の仕事です。
公務員が安定しているといわれる理由6つ
公務員についてはその仕事内容も重要です。ただ、働くということは対価が必要となります。どんなにやりがいがあったとしても、対価が少なければ生活ができません。公務員を選ばれる方、あるいは「仕事なら公務員」とオススメされる方はこの経済的な部分を指して言う人も多いのです。また、経済以外でも公務員が安定していると言われる理由があります。どうして公務員は「安定している」と言われるかその理由を解説します。
①給与が高くボーナスが必ずもらえる
公務員は経済的に安定しています。まず一般企業より給与が高めなだけではなく、確実にボーナスがもらえます。公務員は「国家公務員法」や「地方公務員法」により身分が保証されている立場です。憲法によっても日本の国民や地域住民に奉仕する立場です。民間企業の一般社員のようにある特定の企業に対する奉仕者ではありません。
国や地域のために働くので経済的な不況や業績、個人の能力に関しての評価リスクが少ないのです。そのため収入の激変や無報酬、倒産による失業はほとんどありません。また、一般企業ではまだなかなか浸透していない産休や育児休業はもちろん、有給休暇などの手当も充実しています。このような待遇面について公務員は充実していると言えるでしょう。
②年功序列で昇給する
公務員が安定しているといわれる理由として、給与が高くボーナスが必ずもらえると先述しましたが、実は公務員の給与形態は初任給が比較的低く、年功序列で昇給していくという特徴があります。だからといって入職当社は生活に困りやすいのかというと、もちろん厳しい公務員試験に合格して採用されているので、手厚い待遇のもとに初任給を迎えます。勤務開始から数年は給与の手取りは少ないかもしれませんが、安定した環境で職務を全うすることができ、年功序列のもと給与は着実に高くなっていきます。
一般の企業と何が違うのかというと、勤続することが給与の最大評価にあたります。最初の給与こそ低く設定されていますが、勤続年数が増すごとに基本給がアップするのが公務員給与の特色です。勤続年数を積み重ねることで得られる対価は大きいのです。勤続年数を増すごとに給与が上がっていく年功序列は、公務員が安定している理由のひとつといえます。
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③転勤が少ない
公務員は転勤が少ないです。転勤が多い部署もありますが一般企業と比較すると少ないと言えるでしょう。しかし人事異動はあります。民間との癒着を防ぐ、全国的に均一な行政サービスを提供するためだったり、さまざまな職場で知識や経験を積むことが目的の異動です。ただ地方公務員は基本的に管轄内の異動となりますが、国家公務員は少し違います。
国家公務員は日本全国が異動先の対象となります。他にも3年ぐらいの短いスパンで転勤となるのも特徴でしょう。ただ、総合職として採用される幹部候補生の場合、1~2年の短期間で全国を異動することも珍しくありません。このように転勤に関しても地方公務員と国家公務員は異なると考えてください。
④リストラの可能性が低い
公務員はリストラの可能性が低いです。もちろんまったくリストラがない訳ではありません。それでも一般企業と比較をすれば圧倒的に可能性が低いと言えます。それでもリストラされるのはよほどの理由からです。犯罪で刑罰を受ける、情報漏えいのような規律批判などの理由で解雇される場合はあります。また勤務成績が圧倒的に悪い場合もリストラされる可能性があります。
しかし能力に関することはよほど勤務態度が悪い場合でしたら別ですが、普通に働いているのであればリストラの可能性は低いと言えるでしょう。一般企業では不況の煽りで倒産することもあります。それは大手企業でも同じです。しかし公務員はそのような問題に対して影響がないため安定していると言われるのです。
⑤離職率が低い
公務員は基本的に離職率が非常に低いです。民間から公務員になる人は少なくありません。しかし公務員から民間に転職する人は少ないです。まず世間一般からすれば公務員は、育児休暇や体制、さらに給料について非常に安定しています。不況でも残業代をきちんともらえます。しかし民間企業へ転職をしたくてもハードルが高いことが離職率の低さに関係しているのです。
企業としては「なぜ恵まれた公務員から離れるのか?変な理由があるからだ」と疑われる可能性があるのです。また民間企業は公務員の離職者についてキャリアが問題視されることも珍しくありません。特に地方公務員のキャリアはキャリアとして認めないというところも多いです。そのため離職率が低くなるのは必然とも言えるでしょう。
⑥もらえる退職金の金額が多い
公務員はもらえる退職金の金額が大きいことも、安定している理由のひとつです。退職金とは、勤続年数に応じて退職後にもらえるお金を指します。退職金の内訳は、退職時の基本給に勤続年数に応じた支給率を掛けた金額となります。公務員は年功序列なので、給与も高く、退職金の金額は勤続年数を増すごとに大きくなっていきます。よって公務員は退職金の算出額が高く、退職金の金額が高い傾向にあります。
今や年金受給開始の年齢は引き上げされ、老後に不安をかかえている若者も多い時代です。退職後に退職金制度を活用でき、かつ確実に高い給与をもらえる公務員は経済的にも安定しているといえます。勤続年数を増すごとに金額が大きくなる退職金は、長年勤め上げた人にとっては最高のご褒美ともいえるでしょう。
公務員が安定しないといわれる理由3つ
それでは逆に、公務員が安定しないといわれる理由を、3つの項目に分けて解説していきます。これまでは公務員が安定しているメリットをご紹介してきましたが、実は公務員には安定しないといわれている側面もあります。
違う観点で公務員ならではのデメリットを解説していきますので、将来は公務員になりたいと思っている方は要チェックしてください。
公務員の良い面だけではなくデメリットをあらかじめ知っておくことで、公務員として職務をスタートする際に、自分が描いている将来像とミスマッチをしないようにしましょう。
①残業がある
公務員にも残業はあります。定時で帰宅できるイメージを持っている人も多いと思いますが、公務員だからといって残業が全くないということはありません。職種や配属先によっては残業が発生します。確かに残業が全くない職場もありますが、打って変わって1日の拘束時間が長く残業が必須の職務もあります。公務員の業務の中には残業が発生しにくい仕事、残業が発生する仕事があるので、事前に研究しておくとよいでしょう。
例えば中学校の教師である場合、1日の授業が終了した後に部活の指導もしなければなりません。担当する部活の土日の練習試合の同行なども起こり得ます。このように公務員であっても、繁忙期や残業が発生する職業があるので、一概に残業が少なく安定しているとはいえないのです。
②今後AIに仕事が移行される可能性が高い
公務員が安定しないといわれる理由2つ目は、今後AIに仕事が移行される可能性が高いということが挙げられます。公務員の仕事は事務的要素が多く、事務作業部分だけでも近い将来AIに移行される可能性が高いといわれています。例えば市役所などでは、既にAI実証テストを実施している自治体も多く、前向きに取り組んでいます。
また公務員が転職しづらいと言われている理由に、一般企業への応用が効きにくい経歴だということも挙げられます。転職の際は、もちろん人柄や性格的要素も重要視されますが、一般企業では効率性と即戦力を重要視する傾向があります。AIに移行しうるスキルと企業が求めるスキルを比較してしまうと、どうしてもミスマッチが起きやすいです。
一般企業のように従業員一人一人が売上に貢献する意識を持ちながら、効率よく案件をこなしていく環境とは相性が良いとはいえません。転職活動をしても、仕事への取り組み意識と事務スキルを活かしきれないと判断する企業は少なくありません。公務員を目指す人は、AIの影響も把握しておくべきでしょう。
③世間体を気にしやすく精神的に負担がある
よくメディアやニュースでは、公務員に対するイメージを「公務員は国民の税金で不自由なく真っ当に暮らしている」「毎年予算が勝手に下りてくる公務員には、売上をつくっていく意気込みや大変さが分からない」という意見を紹介している場面が見受けられます。
確かに公務員は、国民の税金が予算として必ず確保されているうえで、公務という業務をしているのは事実です。国民は「公務員だから贅沢をしている」と言いたいわけではありませんが、税金から給与が支給される以上、民間の人の目に触れやすいのです。誠実に丁寧に仕事をしてほしいと思われているだけなのです。
また仕事をしている以上、公務員は同じ社会人であり、一般企業の人と同様に毎日仕事をこなしています。公務員を目指している人は、世間の声の厳しさを受け止める場合もあると予測しておき、自分の仕事への意識に誇りを持つようにしましょう。
安定を求めるなら公務員になろう
公務員は国や政治体制が大きく変わらない限り存在し続けます。そのため仕事がなくなる可能性は低いと言えるでしょう。給与面や制度についても充実しているのが魅力です。一般企業では不況の影響を大きく受けて倒産することもあります。そうすると生活は一変します。家族が居ればかなり追い詰められることにもなるでしょう。公務員はその心配はほとんどないと言えます。
このように公務員は一般企業より安定していると言えます。しかし国家公務員や部署によっては残業や転勤も多くなるのは忘れないようにしてください。しかしそのような仕事に携わった場合、国や自治体を動かす仕事にもなります。そのためやりがいという部分では充実していると言えるでしょう。