【公務員試験の作文対策】書き方について分かりやすく解説

公務員試験では作文などが課される場合が多い

この記事を読んでいる方の中には、すでに公務員試験の作文対策を行っている方もいるかもしれません。というのも近年では、公務員試験に作文のような筆記試験を課す自治体や組織が増えてきているからです。公務員として業務にあたる際は、どのような職種でも文章を書くことが多いです。報告書などをチームで共有するとき、ホームページやパンフレットなどの国民に対する公的な文章を作るときなど、正しく魅力的な文章を書く力が求められています。

情報を発信する相手や状況に応じ、適切な文章を書く力を持っているということが公務員にとって非常に大事な力なのです。そこで本記事では、そんな作文に関する試験への対策方法を紹介します。対策の難しい作文ですが、しっかりと効率的に学習をして、合格へ一歩踏み出しましょう。

公務員試験の作文の評価について

作文というと、多少似るところはあっても10人が書けば10個の異なる文章が出来上がるでしょう。文章は特に一つの正解があるわけではないので、受験生は対策に困るわけです。

しかし、作文の試験は評価者の完全な主観で評価するわけにはいきませんので、必ず共通の評価基準があります。公務員試験の作文対策をするには、この評価基準をしっかりと理解した上で行うことが重要なのです。

内容と同様に作文は書き方のルールを守ることも大切

公務員試験では、正直なところ内容については大きく評価していません。公務員の書く文章には、独創性やオリジナリティを求められる場面は少ないのです。もちろん、業務内容が機械的だとか、独創性を求めないと言っているわけではありません。ただそれよりも、しっかりと決まった書式で正しい日本語を使った文章を書くことが求められているのです。

公務員は国や地方自治体のような、非常に大きな規模での業務を行います。そのような大きな規模の組織を背負って業務をするわけですから、みなさんの書いた文章は国や自治体の言葉と一緒です。正しい体裁で、正しい文章を書く能力は必須だということが何となく理解できるのではないでしょうか。

書き方のルールとは?

それでは、具体的に文章の体裁とはなんでしょうか。もちろん、それはときと場合によりますが、今回は作文用紙に書く場合に限って紹介します。まず、作文用紙の使い方を守ることです。上記の通り、作文用紙はある程度統一された記入方法があります。これは最初に用紙を見た際のきれいさや、読みやすさなど読み手の印象に強く影響する要素です。必ず確認しておきましょう。また、制限文字数は8割~上限までに収めましょう。これは整った文書を作る上でも大切なことです。

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内容は論旨展開が鍵

ただただ思いついたことを書き連ねていくのはNGです。小説などとは違い、展開の読めない緊張感は求められていません。ある程度、展開を予想して読める論旨展開をすることが重要です。上記の「序論・本論・結論」が基本です。特に、序論で結論を軽く述べることを意識しましょう。ひたすら説明して、最後にようやく結論という話し方がよくありますが、これは作文で使うと言いたいことが最後までわからないので、内容が全く入ってきません。

結論がテーマとズレていないか確認する

作文を作成するなかで、気をつけなくてはいけないのがテーマとズレた内容になることです。作文を書くうちに、自分の考えがまとまり、書きたいように書いてしまっては、テーマとズレた内容になってしまいかねません。

途中ズレてしまった場合、そこで気付けばまだテーマの内容に戻すことは可能です。しかし、気が付かずにテーマと違う内容で結論までいってしまった場合、書き直す時間がなくなってしまいます。そのため、書くのに夢中になりすぎず、作文を記載中もテーマを振り返り内容がズレていない確認しましょう。

例だけでなくテーマについての自分の考えも記載する

作文は、具体例や事実のみを記載するのではなく、自分の考えについても記載していく必要があります。なぜなら、選考で作文が出ているのは、テーマに対するあなたの意見や考えを知るためです。作文の1割程度はそのテーマに対する具体例を記載していいですが、約半分は、あなた自身の考えや取り組み、体験をベースに記載していきましょう。

公務員試験の作文の試験対策

それでは、具体的に文章を書いて勉強する際の注意点を考えていきます。作文試験の対策は何をしていいのかわからないと考える受験生が多くいるのが事実です。しかし、作文の対策は評価基準となる事項をクリアすることが目的ですから、ひたすら上記のような体裁を意識した文章を素早く書く練習をするだけでも十分なのです。それでは、練習する際の注意点を3つ紹介します。

印象的な書き出しを意識する

  • 地球温暖化対策で車の使用を控えるのは適切か?(Yes or Noのテーマ
    →「私は、適切(適切でない)だと考える。」
  • 地球温暖化対策にはどうすればよいか?(抽象的なテーマ)
    →「私は~について取り組むべきだと考える。」

作文の書き出しは重要です。本を読むときも、書き出しが魅力的だと「読んでみようかな」という気持ちになるのではないでしょうか。作文のポイントは体裁や論旨展開であり、論旨展開は読み手が分かりやすく読むためのものです。したがって、印象的な書き出しは分かりやすい書き出しと言えるでしょう。

まずは、序論の最初に自分の結論を述べてしまうのが無難です。最初に結論を述べることで、読み手は「そう考えるのか、なぜだろう?」と本論で来るであろう結論に対する理由に期待して読み進めてくれます。

書いた後は自己評価をする

作文は絶対的な正解がありません。そのために、自分で丸付けするのは労力を要します。しかし、書いたら満足して次に行くのでは、いつまで経っても1回目の作文から進歩しないのです。1つ書き終えるごとに必ず自己評価を行いましょう。自己評価の際は、作文用紙の使い方や論旨展開などの評価事項をチェックリストなどにまとめて1つ1つ達成できているかを判断します。

また、再度読み直すと文章に自分の癖が多く表れていることに気づくかもしれません。読みづらい、評価事項が達成できていないことに気付いたら、もう一度考え直して文章を推敲してみましょう。また、同じテーマで書かれた文章を探して参考にしたりしながら達成できるように努力することも大切です。

第三者の添削を受ける

自己評価を終えたら、できる限り第三者からの評価も受けましょう。自己評価は非常に大切ですが、もちろん評価の仕方にも自分の主観的な要素が入ります。自分が良し悪しを判断した部分が、第三者から見た場合はどのように見えているのかを知ることは重要なことです。予備校などでは、作文添削を行っているところが多くあります。予備校の講師は公務員試験のプロですから、適切なアドバイスをもらうことができるでしょう。

また、参考書の裏表紙には、作文を添削してくれるサービスを紹介されているものもあります。金銭的な部分を考慮して、そのようなサービスを利用していきましょう。もし、「ちょっとそれは厳しい」という方は、公務員試験を受けた先輩や身近な人に見てもらうことでも十分に有益な意見を得られるはずです。

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公務員試験のための作文例

テーマ:公務員として必要な能力とは何か?

【序論】
私は、第一に高い使命感と倫理観、第二に職務遂行能力を高めるために日々研鑽することだと考える。市役所では市民の福祉向上のため、健康福祉・農林水産業・インフラ整備など市民生活に関わる業務に幅広く携わる。

【本論】
市職員はいかなる業務に携わる場合も市民への奉仕者として法令に従って業務を行い、市民の福祉に貢献するべき存在である。常に地域の福祉向上という使命感を持つことで、自らを律していかなければならない。また、今後は人口が減り、地域の財政が逼迫されていくことが予想される。その中で市職員が高いコストパフォーマンスを保つことが重要である。職務の遂行能力を磨くためには積極的な研修参加や、地域への深い理解が必要となる。

【結論】
私は市職員として、強い使命感・倫理観と高い職務遂行能力を身に付け、地域がより豊かになるよう貢献するために尽力していく決意である。

今回のテーマ抽象的ですので、まずは序論の第一文で結論を述べています。これによって、読み手に自分の伝えたいことを意思表示できたという点で、わかりやすい文章になるのです。

本論では、序論で述べた結論に対する根拠を明示しています。そして最後に、公務員として必要なことを身に着け、自らも努力していく旨でまとめています。例文は400文字(原稿用紙1枚分)の例ですが、書いてみると意外と短いです。例文では多少欲張って2点述べましたが、結論は1点に絞り、根拠や結論を長くするという方法もあります。

公務員試験の作文は論旨展開を明瞭にして体裁を整える

公務員試験では、耳慣れたテーマで作文を書くことが多いです。例えば地球温暖化のようなテーマの場合、専門家でもない私たちが考える対策など出尽くしていると言えるでしょう。そこでは独創的な発想や意見は求められていません。ポイントは、文章の体裁を整え、いかに明瞭な論旨展開で読み手にわかりやすい文章を書くかです。

これは文才のあるなしではありません。試験までにどれだけ論旨展開や文章の体裁を理解して、練習を重ねたのかが差になります。作文は自治体によって非常に配点が重くなります。本番に作文で泣かないために、みなさんは本記事を参考にして効率的な作文対策を行っていきましょう!

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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