企業探検隊
成長にコミットし合える熱い仲間が集まる|マイクロアド
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「開放感があって気持ちが良い反面、ときどき日焼けに注意しないといけないんです」と社員が冗談半分で言うほど、オフィスにある大きな窓からは明るい日差しが差し込んでいました。今回、企業探検隊が訪れたのはデータプラットフォーム事業を運営するマイクロアド。渋谷駅前の歩道橋を渡り、桜並木の坂道を上ると目の前に見える高層オフィスビルに本社を構えています。
オフィスに一歩足を踏み入れると、バーカウンターやソファも備えるワークラウンジがあり、フリーアドレスで仕事をしたりコーヒーブレイクしたり、社員たちが思い思いに利用しています。奥の執務スペースもフリーアドレスで、開放感あふれる明るい雰囲気は変わりません。
マイクロアドは、ビッグデータを基盤にしたデータマーケティングプラットフォーム「UNIVERSE(ユニバース)」を中心に、各種マーケティングプロダクトを提供するテクノロジー企業です。創業時よりアドテクノロジー企業としてサービスを提供してきましたが、現在はインターネット広告の会社という枠を超えて、膨大なデータを活用したさまざまなマーケティングプロダクトを提供する「データカンパニー」へと事業を拡大しています。
2023年からは、高い成長意欲とチャレンジスピリットが共通するサッカーチーム「FC町田ゼルビア」と、プラチナパートナー契約も結んでいます。今シーズンがJ1リーグ初昇格にもかかわらず、開幕直後から上位に食い込むチームの健闘ぶりに社員も大いに刺激を受けているようです。
そんなマイクロアドの成長の原動力や社風について、人事部のマネージャーを務める緒方慎吾さんに取材してみました。
企業体験隊の発見|マイクロアドの社風
Q.マイクロアドの企業カルチャーとは何でしょう?
スピード感と、それを可能にする切り替えの早さです。私たちは広い意味ではIT業界、もう少し絞り込むとデータマーケティング業界に属しています。いずれにせよとても早く変化する業界なのでスピードは命綱ですから。
たとえば、2000年以降モバイル通信が3G→4G→5Gと進化して来たことや、携帯デバイスそのものも日々アップデートされます。近年ではChatGPTをはじめとするAI(人工知能)への注目及びビジネスシーンでの活用が当たり前になりつつあります。
つまりITやインターネットを取り巻く環境は日々トレンドが移り変わり、今日まで当たり前だったことが明日にはそうではなくなります。
この業界の企業にとって不可欠なスピードを実現するのは社員一人ひとりのオンオフの切り替えの速さです。そのスイッチングが上手な人はスピードへの対応も優れています。
社内で見ていても、仕事に集中したオンの後はしっかりオフに切り替えて、社内イベントやエンタメで盛り上がり楽しめる人がスピード感にも優れている傾向があります。だからこそ会社の組織も意思決定もスピード感を重視した体制を強く意識しています。社員一人ひとりの資質と会社の体制が合致して、マイクロアドのスピード感ある企業カルチャーが形作られています。
Q.スピード感以外には、どんな特徴があるのでしょうか。
「データカンパニー」と聞くと、少し無機質な冷たい社風をイメージする人もいるかもしれませんが、自分だけの成果だけでなくチームとしての成果にこだわる社員が多いです。
たとえば、自分の成績や利益を最優先するのではなく、どうすればチームとしての成績が上がるかを優先して考えたり、「あの新卒社員に新人賞を取らせてあげたい」とか「あの先輩が社内表彰を受けられるように頑張ろう」と考える社員が、実はたくさんいる。私たちは「ウェットなカルチャー」とよく表現するのですが、社員同士の関係性が厚いカルチャーが根付いています。
マイクロアドはテクノロジー企業ですが、技術を開発するのも活用するのも人間。もちろん商談相手も人間ですから、人を大切にすることを重要視しています。成果を上げることは最重要ですが、それだけではなく、成果を出して周りを幸せにしていくこと、そしてその範囲を広げていくことが求められる環境です。
Q.会社としてもそのような社風づくりに取り組んでいるのですか?
そうですね。たとえば、マイクロアドの企業サイトを見ていただければわかりますが、会社としての行動指針やミッション、バリューなどは掲げていません。ビジョンは掲げていますが、それも「Redesigning the Future Life」という抽象度の高い内容です。
行動指針やミッション、バリューを掲げると具体的な言葉の持つ意味が強くなりすぎるため、人の考え方を縛ってしまうことも。そのような考えからあえて抽象度の高いビジョンのみを掲げています。
当社はデータカンパニーとしてマーケティングの変革を目指しているからこそ、自由な発想や多様な人材を受け入れる柔軟性は不可欠だと考えています。業界や市場をけん引していくために、人材の多様さや組織としての柔軟性も重視しています。
企業探検隊の発見|マイクロアドの採用面接
Q.どのような採用選考なのか気になります。新卒の採用面接では具体的に何を質問するのですか?
過去の人生や生活における意思決定について尋ねます。といっても学生時代に頑張ってきたことや部活の内容を聞きたいというより、どのような人生を歩み、どのように決断をしてきたのかを知るためです。
Q.面接でその質問をする意図はなんでしょうか?
入社後、特に新しい挑戦を重ねている当社だからこそ、正解がわからない未知の領域で決断を迫られることも多いです。その際に一番大切なのは、自分で決断して行動し、その結果を正解にしていくということ。だからこそ、これまでの人生のなかでの決断の背景とそこからの行動や考え方を聞いています。
周りの人の意見に委ねて決断した場合、失敗や苦しいことがあったときに他人のせいにしてしまうことが多いです。一方で人生における決断を自分で下してきた人は、自分の決断にも責任を取れます。
具体的な質問の仕方としては、幼少期の習い事までさかのぼることもありますが、部活動選びや高校受験、大学受験など、節目節目で選択肢をどのように考えてきたのかを聞いています。
Q.ほかにも見ているポイントはありますか?
「入社後まで見据えて活躍できる人材か」「マイクロアドのカルチャーにフィットしているか」のこの2点ですね。
まず、採用側としてマイクロアドが求めているのは、当たり前ですが会社に入ってもらうことではなく、入社後に活躍してもらうことです。内定をもらって入社するところをゴールとしているのではなく、入社後自分がどのように活躍していけるのかまで考えられる人を採用したいと思っています。
ところが就活生のなかには、就職すること、入社することがゴールになってしまっている人もいます。その場合は、もう少し長く広い視野で「人生を考えた際に“働く”とは何だろうか?」と問いかけさせていただくことも多く、時には面接の中で一緒にゴール設定をすることもあります。
また、優秀な人を選びたいというより、会社のカルチャーにフィットする人を探します。能力があって優秀な方でもカルチャーになじめなければ力を発揮してもらえない可能性もありますし、カルチャーのフィット感は大切なものだと考えています。どんなに優秀でどんなに意欲のある人材でも、カルチャーが肌に合わなければ次第に会社とベクトルがずれていきますし、モチベーションも上がり切らないはずです。
入社してから自他ともに活躍できていると実感できることを目指しているため、そこを見据えた採用をおこなっています。
Q.御社の採用面接に関する学生のコメントの中に、「無料で人生相談してもらったようだった」とか「大切に応対してもらえていることに涙が出そうだった」とあり、驚きました。
学生からそう言ってもらえるのはうれしい限りです。当社の選考での体験を通じてマイクロアドや私たちの業界そのものも好きになってほしいと思っているからこそ、学生にとって良い選考体験を届けたいと考えています。
個人的には、マイクロアドを好きになってもらうことは最後だと考えていて、私たちとの出会いをきっかけに「働くって面白いかも?」「ITやデジタルマーケティングって面白いかも?」という人が一人でも増えてくれればと思っています。
その結果、最終マイクロアドを社会人人生第一歩にふさわしい場だと思っていただけることに幸せを感じますね。
Q.反対に、面接のときに就活生に持っていてほしい視点はありますか?
その会社に入ってどのように活躍ができるか、キラキラした場面ばかりを想像するのではなく、失敗したときのことをシミュレーションしてみてほしいですね。どの会社に入っても、仕事で失敗や挫折は避けられません。
本当に重要なのは、失敗した時、どん底に落ちた時、一番そばにいてほしい人がその会社にいるか、立場が反対でもそばにいてあげたいと思える環境がその会社にあるかどうかです。
面接では企業に対してそういう質問もぶつけてみてください。面接の担当者に「一番苦しかったのはどういうときでしたか」「苦しかったときに周りはどういう風に助けてくれましたか」。そのように尋ねることで、自分がその会社に入った後の状況を想像するための大切な材料が得られると思います。
企業探検隊の発見|マイクロアドで活躍する社員の特徴
Q.社員の皆さんの共通点はありますか?
組織としての成果にこだわるというところ以外にも、未知の領域に挑戦していくことにわくわくできるというところも共通点として挙げられます。
マイクロアドは事業内容的に、データ業界のなかでも独特な位置づけです。そのため、既存の概念にとらわれず「データ業界を作っていくんだ」と立ち向かっていける人が多いです。
Q.会社のなかで活躍している人の共通点はありますか。
新人、メンバー、リーダー、マネージャーなどキャリアのフェーズで異なりますが、あえて挙げれば自分の強みを自分で理解したうえでビジネスの場で戦えていることだと思います。
誰よりも行動力があるとか、誰の懐にも入り込めるコミュニケーション力を持っているとか、強みは人それぞれです。
特に強みを重視するのは、学校の勉強と違ってビジネスの場では100点満点がないため、減点思考ではなく加点思考で強みをとがらせていく姿勢が必要だからです。これは新人研修でも会社として強調しているポイントです。
Q.それぞれの強みを持ち寄って強力な集団を作れば怖いものなしですね。ちなみに、緒方さんの強みは?
適応力と戦場(仕事)の選び方ですかね。採用活動を主軸としながらも、部署名のコーポレートデザインという文脈で考えると、さまざまなアプローチが出来ます。なかには、誰かがやらなくてはならないが、誰も手を出せていない仕事も多く存在します。この点をあえて自らが巻きとることで、かゆいところに対し、常にアプローチ出来る存在を目指してきたと自負しています。
企業体験隊の発見|カルチャーを学ぶ機会
Q.マイクロアドの社風やカルチャーは新入社員にはどのように伝えていっているのですか?
新入社員にカルチャーを伝えるために多種多様な工夫をしています。たとえば隔週で月に2回ほど、社内バー「ユニスタ」というイベントを開催しています。ワークラウンジにあるバーカウンター周りを会場として、ちょっとしたイベントをおこなったり、ゲストを呼んだりして開催します。新入社員も経営層と気軽に話せる場になっています。
マイクロアドのデータ基盤「UNIVERSE」と「ユニークな社員が集まる場」という点から名前をとって、ユニスタと呼ばれています。
Q.社員同士の交流の背中を押してあげるわけですね。
そうですね。また、交流を促すだけでなく、社員同士が敬意を持って評価し合える制度も用意しています。たとえばピアボーナス®制度(※)は、社員同士で感謝の気持ちをポイントにして送り合う制度で、良い仕事にフォーカスして、給与に反映しようというアイデアです。受け取ったポイントは給与に還元されます。
※「ピアボーナス®」は運営企業Uniposの登録商標です
Q.社会人1年生としては仕事や会社の雰囲気に、少しでも早く馴染みたいと思うはずです。入社後については会社としてはどのようにサポートしていますか
新入社員研修は、1カ月程度の期間で同期合同研修として実施します。その後はすぐ現場に配属されますが、社内メンター制度があり新入社員を支援しています。「米とも」という制度で、同じ釜の飯を食う間柄という意味を込めたネーミングです。部署が異なる先輩社員が親・子という関係で寄り添い、家族として新入社員を導きます。
Q.最後に就活生へのメッセージをお願いします。
皆さんが会社選びに慎重になるのは理解できますが、あれこれ考えてもはっきりとした答えが出ないことはあります。就職先選びはその一つ。A社、B社、C社と並べて、さてどの会社を選ぼうかと比較表を作ってもはじまりません。なぜなら肝心な事柄の多くは入社してみなければ分からないことだからです。
たとえばそうして思い悩むことで1カ月を費やしてしまうのなら、むしろ直感で選んでしまった方が良いと思いませんか。これまでの人生でも直感で選んで決断したことはいくつもあったと思います。だったら1カ月の時間を迷いのために浪費するのはもったいない。直感で選んだ選択肢がどれであれ、それを正解にするための時間として1カ月を使った方が有意義なんじゃないかと思います。
緒方慎吾さん(コーポレート本部人事部コーポレートデザイングループマネージャー)ShingoOgata・大学卒業後、総合人材大手エン・ジャパン入社。採用支援コンサルティングや新規事業立ち上げ等を担当。2018年にマイクロアドに人事担当として入社
企業詳細:コーポレートサイト