企業探検隊
子どもの興味やタイミングに寄り添う未来型保育施設|Lateral Kids
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目次
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仙台を中心に、全国でたくさんの保育施設を運営するLateral Kids。“こども時間”を尊重しながら、さまざまな先進的な取り組みをおこなっています。
一方で経験の浅い職員が自信を持って働けるよう細かなマニュアルを整備したり、意欲ある職員の意見を直接経営にも反映させたりと、組織や仕組みを整えて社員全員が活き活きと働けるような工夫がなされています。

「一職員であっても、ビジョンや夢、自分の思いを大切にしながら働いてほしい」と語る専務取締役の佐藤大介さんに、自信を持って活き活きと働ける職場の秘密をうかがいました。
企業探検隊の発見|Lateral Kidsの社風

Q.広い地域で多くの保育施設を運営していますね。
本社のある仙台周辺はもちろん、関東や沖縄で保育園などの施設を運営しており、その数は約60園にのぼります。

これだけ数が多いと各園がバラバラになってしまいそうなものですが、法人理念と現場理念の浸透によって、また現場で動けるようなマニュアルを用意することで、同じ方向を見て保育ができていると感じます。もちろん地域や園によって事情が違うので、運営上の細かな部分は各園に自由な裁量を与えています。
Q.どんな理念とマニュアルがあるのですか。
法人の理念は「グローカル(グローバル×ローカル)な社会で輝ける子どもの個性を育む」、現場の理念は「寄り添う、孤立させない、こども時間で生きる力を育む」というものです。この理念に基づいて行動指針を作り、さらにそれをブレークダウンし、国や自治体のガイドラインと擦り合わせたマニュアルも完備しています。
保育の現場では予想外なことがよく起こります。法令に則って、さらに子どもの発達を考慮して動かなければならないのですが、保育士個人でとっさに判断するのは難しいものです。だからこそ、わかりやすい形で判断・行動ができるようなものが必要だと感じていました。
当社ではこのマニュアルを徹底しているので、経験の浅い保育士でも自信を持って動くことができると思います。保育士の行動を縛り付けるものではなく、自信を持って子どもとかかわる助けになるものです。

このマニュアルがあるからこそ、保育士の皆さんが活き活きと活躍できていると言っても過言ではないでしょう。BCP(災害などの緊急事態が発生したときに企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画)もしっかりと定められいます。きちんとした体制のもとで働けることは、安心につながりますよね。
企業探検隊の発見|Lateral Kidsで築けるキャリア

Q.現場理念にある“こども時間”とはなんですか。
子どもの興味関心にそって立ち止まったり、寄り道ができたりするような時間を指します。いわば、子ども目線に立った時間のことです。
実際の保育の現場では、すべて子どものタイミングで動くわけにはいきません。それでも、公園までの散歩道で子どもの興味に寄り添って少し立ち止まったり、トイレに行きたくないという子を急かしたりせずに過ごしたり──行動指針として明確化することで、子どもの主体性を尊重することは不可能ではないと思っています。
大人の都合でやるべきことだけをこなしていくのではなく、1分1秒でも多く子どもの意思に寄り添うことができるようチームとして、個人として工夫をしていく。そうした方向性を皆で共有しています。
Q.同じ方向を向いて理想の保育を追求できるんですね。
現時点で理想が達成されている、とはもちろん言えないですが、もっと子どもの興味・関心に沿って保育をしたいという思いから、「サイエンス+」 「もぐもぐ+」 という保育の仕組みの導入を進めています。
サイエンス+は何か成果物を作り上げる、きちんと終わらせる、目標を達成することを目的とせず、子どもの関心や反応を大切にしながら、それ自体を活動の中心にすえるような取り組みです。

たとえばスライムを作るとしても、それぞれの材料を正しい分量で混ぜて、あるべきスライムを作っていくことにフォーカスするのではなく、途中で量を変えてうまくまとまらなかったり、色を混ぜすぎて汚くなってしまったりしても、その「やりたい」という思いや経過、失敗という概念はなく楽しめる。そんな活動を展開しています。
まさに子ども時間を一緒に味わいながら、子どもの主体性を育むのに適した活動だと思います。
Q.子ども時間に寄り添う保育は難しいと感じる人もいそうですが、職員研修などはあるのですか。
職制などに応じて、法人としての全体研修を年間7回~10回、園毎の研修も毎月おこなって、理念の浸透はもちろん、実践的なスキルアップも支援しています。保育の現場から学ぶことは大切ですが、それだけでは学べないことを学ぶ研修の場です。
保育園や幼稚園は一般の企業と比べて、個人の力量・意欲に任せてしまうような法人も少なくないもの。そうではなく、企業がきちんとした仕組みや体制を作って、個人が成長できるように整えることが重要です。
さらに今後は、海外研修なども取り入れていきたいですね。意欲のある人がしっかりと学び、その成果を日々の仕事に発揮できるようにしていきたいです。
企業探検隊の発見|Lateral Kidsで活躍する人材

Q.どんな人材が活躍していますか。
保育の仕事は、ともすれば子どもと遊んでいる感覚になったり、子育て経験があると自分の育児の延長線に思えたりすることもあるでしょう。こうした経験が自然なかかわりという点で保育に良い影響を与えることもあるのですが、やはりそれだけでは成り立ちません。
大切なのは、プロの保育士として、仕事としてのプロワークを意識すること。「自分の子どもや親戚と遊んでいる」という感覚を超えて、大切な子どもを養護・教育していく視点を持っている人が特に活躍していますね。さらに日々の仕事に慣れすぎず、緊張感と新鮮さを持って子どもに向き合えると良いと思います。

一方で自分の意見を持ち、伝えてくれる人を高く評価します。採用時にも、きちんと自分の考えを伝えてくれる方かどうかは重視していますね。当社は“全員経営”を目指していて、現場の職員の皆さんにこそ、どんどん意見を出してもらい、当たり前にとらわれず、チャレンジしていってほしいと考えています。

Q.社員一人ひとりの意見が保育園を変えていくのですね。
今後、少子化によって保育園は淘汰されていくでしょう。特色を持った園や、より地域に貢献できるような園が生き残っていくのだと思います。現場の意見を反映して、より求められる運営や事業・サービス展開をしていくためにも、みんなが経営に携わる意識を持って意見を交わすことが重要です。
一時預かりの拡充、病児保育や障害児保育など、力を入れるべき領域はまだまだあるはず。できることを広げるためにM&Aなども視野に入れながら、たくさんの親子のためにしっかりと生き残っていく企業にしていきたいですね。
Q.最後に就活生へのメッセージをお願いします。
子どもにかかわる事業であっても、ほかの業種であっても、企業を選択し、働く理由はみんな違っていて良いと考えています。大切なのは、その先のやりたいことや思いです。仮に子どもがそれほど好きではなくても、子どもを守り育てることで達成したいビジョンがあれば、ぜひ一緒に働きたいと思っています。
無理に良い面を見せようとしたり、自分を企業のカラーにはめ込んだりするのではなく、自然体で夢や展望を語ってほしいです。無理に自分を偽ってもうまくいきません。自分の良い部分をしっかりと発揮して、自らの夢に向かって自走できる方とぜひ未来の保育園を作っていきたいと思います。

佐藤 大介(専務取締役)
Daisuke Sato・宮城県出身。駒澤大学卒業後、アパレル業界を経てテニススクール講師に従事。東日本大震災を機に、地元宮城でNPO活動に参画し、放課後子ども教室を運営する。その後、Lateral Kidsに入社し、2021年より現職
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