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学生時代頑張ったことがない!就活コーチが教える方法とは
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目次
- 就活コーチ廣瀬さんのご経歴について
- そもそも企業はなぜ「学生時代に頑張ったこと」を聞くのでしょうか
- 学生時代に頑張ったことがないと悩む学生はどのくらいの割合いますでしょうか
- 学生時代に頑張ったことがないと悩んでいる学生にどのようなアドバイスをしますか
- 新たに何かを始める時に、取り組み方についてアドバイスされていることはありますか
- 行動した結果「学生時代頑張ったこと」として内容が完成していきますか?
- 学生時代に頑張ったことを魅力的に伝える方法を教えてください
- 学生時代に頑張ったことを伝える時、気をつけるべきことを教えてください
- 「これはダメだな」と思う、学生時代頑張ったことを教えてください
- まとめ
就活コーチ廣瀬さんのご経歴について
株式会社リクルートで管理職として10年間勤務しながら、大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、一部上場企業の人事部採用責任者として年間500名の採用と人材育成を行う。
2003年 ㈲ヒロウェイ(㈱オールウェイズの前身)設立。
2004年より、株式会社リンクアンドモチベーションの講師として、主として大企業の10,000人を超える社員に教育研修を実施。
2010年㈱オールウェイズ設立。以降、1,000名を超える学生に就活コーチングを実施。
ーー早速ですがインタビューを始めたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。
廣瀬さん:よろしくお願いします。
ーーまずは廣瀬さんのご経歴についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
廣瀬さん:株式会社リクルートに在籍中、上場企業からベンチャー企業まで1,000社を超える企業の人事責任者や経営者に採用支援の仕事をしたあと、リンクアンドモチベーションという日本で1、2を争う教育研修の会社で大企業の研修の講師をしていました。今も研修の仕事は、年間20日はやってます。
そして、10年前にリクルート時代とリンクアンドモチベーションの経験を活かせる現在の就活支援事業を始めました。
専属でやってましたが、本業は就活コーチですので今は減ってます。リンクアンドモチベーションで採用や育成を6年間経験したのですが、それをきっかけに10年くらい前にこの就活塾事業を始めました。当時丁度リーマンショックがあって、新卒の就職がなかなか上手くいかず困っているという背景があり、自分の経験を活かせると感じましたね。人材事業に携わって30年以上になります。
そもそも企業はなぜ「学生時代に頑張ったこと」を聞くのでしょうか
ーー1つ目の質問ですが、なぜ面接官は学生時代頑張ったことを質問するのでしょうか?
廣瀬さん:採用する時に企業が何を見るのかは、自分の会社に来て活躍してくれるのかなという点だけなんですよね。活躍するためには、能力と意欲と風土適性が必要とされています。
活躍してくれるかどうかをテーマで採用面接をするといった時に、4月1日なって会社に入った時に急に人が変わるかといったら変わらないじゃないですか。そうすると、今までやってきたことの延長に企業の仕事があるので、「今までどんなことをやってきたのか」を聞くことが、うちで通用するのか、活躍するのかを判断する材料になります。
ーー活躍できるのかできないかという軸を、学生時代頑張ったことに凝縮して質問するというわけですね。
学生時代に頑張ったことがないと悩む学生はどのくらいの割合いますでしょうか
ーー学生時代頑張ったことがないという学生は多いと感じているのですが、割合でいうとどのくらいいらっしゃいますか?
廣瀬さん:大雑把に言えば、8割くらいじゃないですかね。ガクチカで悩まない人はひょっとしたら1割くらいかもしれません。
学生時代に頑張ったことがないと悩んでいる学生にどのようなアドバイスをしますか
ーー学生時代頑張ったことがないという悩みを抱えた8割の学生に相談された際、どういったアドバイスをされているのですか?
廣瀬さん:今から作ろうと言います。今からやりましょうと言うのが一番多いです。選考が仮に6月だった場合、緩やかには3月くらいには就活が始まるじゃないですか。1月中くらいに来てくれる人は今から作ろうよって言いますよ。
ーーそうなんですね。学生時代頑張ったことを考える際、過去の経験をとにかく振り返るというノウハウが多いと思うのですが、振り返る前に作るのでしょうか?
廣瀬さん:いえいえ、もちろん振り返りも聞きますよ。その上で、なくて困っている学生にはじゃあ作ろうと言います。振り返りますし、再構成もしてみます。本人は気づいていないんだけど、僕がそれいいねっていうのもありますよ。
もしくは、掘り進めていくとそれなりに聞き応えのあるストーリーになる学生も中にはいます。だけど、そこだけではないよねという子も多いのが事実ですね。作ろうっていうと語弊があるかもしれないけど、架空話をしようよっていうことではなくて、実際にやろうよっていうことです。ゼミやサークル、アルバイト、ボランティアなど色々ありますよね。
ーーその中から自分で前のめりになるものを探して今から作っていこうというアドバイスをするんですか?
廣瀬さん:今まですでに所属していた集団がある場合は、その中で目標とか課題を見つける必要がありますね。所属している集団がない子の場合は、新たに集団に入ってもらうしかありません。割合的には新しく何か始めてもらうことが多いです。
過去の話を再構成して聞き応えのある人もいるけど、実は昨日こんなことがあったんですよっていう話は面白いじゃないですか。鮮度が高い方がより熱量を持って話ができるので。だから、少なくとも3月以前の子達は何かやってもらうケースが多いです。
新たに何かを始める時に、取り組み方についてアドバイスされていることはありますか
ーー何かを新たに始める時に、これまで能動的に動けなかったという学生も多いと思います。その学生に「何かやろう」と言っても能動的に動けないと思うのですが、どういったアドバイスをされるんですか?
廣瀬さん:具体的に何をやるかを一緒に話し合うのですが、その前に社会人基礎力をちゃんと理解してもらいます。社会人基礎力の3つの能力は、チームの中でまずは取り組むということ、それから課題をちゃんと発見してチームの中で考える。最後に人に働きかけて何か成果を出すという3つです。
僕のところに来てもらう学生の中には、頑張った経験として個人の経験を語る人がいるんですよ。わかりやすく言えば「資格の勉強をしました」とか。しかし、これは話の内容としては全然魅力的ではないです。
「大学受験頑張りました」が話にならないのと一緒です。チームの中で取り組んだことが大事なんです。チームには必ず課題があります。まずは課題を発見するところから始める必要があります。かつ、チームである以上は本来目的があるわけじゃないですか。
目的を設定して、それを達成するために周囲を巻き込んで何かしましょうとアドバイスします。テーマが決まると人に働きかける必要がありますが、そこでLINEを使うのはダメです。LINEで話すのは「相談したいことがあるから時間を欲しい」という内容だけにして、細かい話は会って2人でするべきです。
ーー会って2人で話すのとLINEでやり取りをするのでは、具体的にどういった違いがありますか?
廣瀬さん:会えば相手の気持ちがわかるし、例えLINEで「いいよ」と言っていても乗り気かどうかの本心はわかんないじゃないですか。本気でパートナーになってもらうならLINEなどのメッセージアプリでは無理です。ここにくる学生の中には、対面で話すという機会がない子がものすごい多いです。サークルに入っていても集団では喋るけど1対1では話さないんですよ。
ーー今のお話を聞いていて、社会人基礎力でいうとチームでやる、課題を解決する、人を巻き込むことって難しくてできない人はたくさんいると思います。どういったサポートをされているんですか?
廣瀬さん:やれと言われてもできることではないので、階段を1段1段上がるように具体的にアドバイスするようにしています。1人1人と時間をかけて話すためにも、うちでは個人コーチングしかやっていません。できないという学生は、やり方がわからないというのが大きいですね。今の学生は、言われたことをやることに慣れすぎているように感じます。
一流企業の新入社員研修をずっとやってきて、どの会社でも新人は覇気がないとか自主性がないとか言います。特にここ10年くらいの子達は自主性がない感じがします。こんな言い方は変だけど、真面目にみんな授業出すぎているというか、僕たちとか僕たちの前の年代の人たちは授業に出ないで何か自分でやりたいことをやっていたというか。
今の学生はそうでない人が多いですね。授業に出たらだめといういうわけじゃなくて、与えられてた環境の中で素直に従っている印象です。そこで学生の話を聞いて、その子がやりたいこと、できそうなことの延長線上に何か新しいことをやろうよとアドバイスをしています。
行動した結果「学生時代頑張ったこと」として内容が完成していきますか?
ーー相談された学生さんは、やる気になってストーリーが出来上がっていく人が多いんですか。
廣瀬さん:そうですね。場合によっては新たに長期インターンを探してもらって、最初はそこに入ってもらいます。そして状況がわかったら課題をすり合わせたり。最初は言われたことを当然やるわけですが、そんなところから始める子ももちろんいます。アドバイスに時間をかけることができるので、なるべく早く来てもらった方がいいですね。
ーーお話を聞いている感じだと密にコミュニケーションを取っているなという印象があるのですが、1人の学生にどれくらいの頻度で会われているんですか?
廣瀬さん:学生によって違いますが、就職活動期間中にだいたい20回くらい個別で会いますね。自分はこれが最後の仕事だと使命感を持ってやっています。
ーー就活生からすると上司みたいなイメージですね
廣瀬さん:上司というかコーチですよ。「就活コーチ」ですから(笑)コーチだから、その子が伸びるような色々な働きかけをします。ティーチングとコーチングとカウンセリングを3つします。ティーチングだけだと本人は成長しないので。ティーチングは本人に気づいてもらうっていう役割が大きいですしね。
あとは選考が始まると、落ちない子はいないわけですよ。落ちるとやる気をなくすから、元気付けなきゃいけないじゃないですか。そのためにも人数を限定して、いつでも連絡が取れる状態にしています。必要だったら電話も直接しますね。一緒に歩む感じです。一番大事にしているのは受講生の声ですね。
学生時代に頑張ったことを魅力的に伝える方法を教えてください
ーー学生時代に頑張ったことを面接やESで魅力的に伝えるにはどうすればいいでしょうか?
廣瀬さん:魅力的に伝えるには表情と声が重要です。声で言えばトーンや大きさ、説得力の有無などが大きいですね。学生の中には、説得力がないというか話し方がつまらない平坦な人が多くいます。話し方に自信のない学生は多いですよ。この事業を始めて最初の2年くらいは見るからにしょんぼりしているか暗い感じの子が結構来て、どうしようかなと本当に悩みました。
悩んで色々な本を読んで最終的に声だっていうことがわかったんですよ。そこで僕自身が1年間ボイストレーニングに通いました。当時研修の講師をしてたから、そんなに自分は教え方下手じゃないし、会場を沸かせるくらいの力はありましたよ。だけど、しょんぼりしていて元気のない学生をある程度よくするのは難しかったです。
気持ちがわからないというか、うまくする技術がわからない。本人もそれでいいとは思ってない。だけど、みんな性格だと思ってるんですよ。自分の力量や表現力を変わらないと思っている人が多い。でも声も含めて話す力っというのは、性格でもなんでもなくて技術なんですよ。いくらでも変えられます。
ーー教えた学生の皆さん変わりますか?
廣瀬さん:トレーニングをした学生は必ず変わっています。グループワークのメンバーが「変わったね」と驚くくらいです。表現力はスポーツと同じなんですよ。就活というのは頭で考える要素もあるけど、体で表現するものだと思ってます。コミュニケーションなので、そこはスポーツと同じなんですよ。だからトレーニングをしなきゃダメ。自己分析をいくらしたって話す技術は上がらないと思っています。
楽しく話せるようにならないと多くの就活では成功しません。最近学生さんから紹介されて読んだ本で「中身が面白いから面白いのか、面白く話すから面白いのか」という話があって、どちらも真実なんですよ。でもはっきりしてるのは、面白く話せば面白い、だけど中身が面白くてもつまんなく話せばつまんないんですよ。
ーー見せ方が大事ということですね。
廣瀬さん:見せ方「も」大事です。面接練習は大事とよく言いますが、それは場数を踏めばいいっていう話とは違うわけです。スポーツでも一生懸命練習をして場数を踏んだとしても、強い人と強くない人がいるじゃないですか。正しいことを理解して正しく練習すればうまくなるけど、単にやればいいっていう話ではないよねということです。
ーー就活では結構テクニカルな話がされがちじゃないですか。自己分析が必要だとか。そんな中人間味があるというか、コミュニケーション部分を重視するのは斬新ですね。
廣瀬さん:現実に、企業は入って活躍できる人間を取りたいわけです。だとしたら、特に理系でもそうだけど、人との関係をいろんな意味でリードできる人を採用したいに決まっているじゃないですか。そうしたら、理系の研究者だってある程度話せるようにならないとダメですよ。まして、営業や総合職はある程度話が面白くなきゃ。
ーーアドバイスする学生の中で、スタートが暗い学生って多いのでしょうか。
廣瀬さん:多いか少ないかでいうと、来てくれる人はどっちかっていうと性格が暗い傾向にある子が多いんじゃないかな。うまくいかないと思っているから来ているので。うまくいかな理由には2つしかなくて、コンテンツと表現力なんですよ。
現実にうちに来てくる4人に1人くらいは再チャレンジ組です。結果が出ると喜びはひとしおですよ。うちに来る動機は、例えば夏のインターンでうまくいかなかったとかね。うまくいかなかったから来るっていう子は少なくないですよ。
学生時代に頑張ったことを伝える時、気をつけるべきことを教えてください
ーー魅力的に伝える方法を聞いたのですが、気をつけたほうがいいポイントについて教えてください。
廣瀬さん:事前に用意したり準備はしたりしてもいいけど、相手にうまく伝わることだけを考える必要があります。用意した原稿を読んだり、相手が聞いてもいないことを話たりするのは、コミュニケーション的におかしいですよね。
「ちゃんとコミュニケーションをとる」ということを本当に気を付ける必要があります。あとは、コミュニケーションには意思疎通だけではなく気持ちも伝えることも含まれます。ロジックだけでなく、気持ちも大事だよということですね。うちではそういうトレーニングもしています。
ーーどういったことをされるんですか?
廣瀬さん:「ありがとう」という言葉を、本当にありがとうという気持ちを込めて言ったり驚いた時にありがとうって言ったりします。同じ言葉だけど、シュチュエーションによってありがとうのバリエーションって色々ありますよね。言葉の文字の表現と言語表現とは伝わることが全然違うんだっていうことを、ちゃんと理解することが大事です。こういったことをグループワークを通して学生には伝えています。
「これはダメだな」と思う、学生時代頑張ったことを教えてください
ーーこれはダメだなと思う、学生時代頑張ったことを教えてください
廣瀬さん:内容で言えば、目標とか課題がはっきりしないのはダメです。結構あるのはムードメーカーだったり、雰囲気をよくしたという内容ですが、それってピンと来ませんよね。明確に数字で表現したり、課題を乗り越えたと言える必要があります。これは当然のことながら、チームの中で取り組んだことじゃないと本当にダメです。伝え方としては、最終的には相手との呼吸が大切です。
ーー呼吸を合わせるのって難しいですよね。
廣瀬さん:基礎はグループ講座でやって、あとは面接練習で指導したり、気づいたことを考えてもらいます。考えてもらうきっかけを作りますね。手本を見せることももちろんあるけど、必ずしも僕がやっていることが全ていいわけではありませんので。
学生が自分なりに考える癖づけができるようなやり取りをします。多くの学生さんは相手に伝わるかどうかを考えず、内容だけに触れていることが多いです。自分が言いたいことが言えたかどうかとか、自分本位のことしか考えていないように思います。
ようは相手本位ではないんですね。就活がうまくいくためにひとつだけあげるとしたら何が一番大事かって最初の段階で学生さんに聞くんのですが、皆さん色々言われますよ。自己分析とかわかりやすく話すとかエピソードとか。でも、僕はひとつだけっていう時に「相手が何を期待しているのかを汲み取って、相手がいいと思っていることを話すのが一番大事だよ」って言っています。多くの学生は相手視点がないので。
ーーそれを聞いた学生さんはどのような反応をされますか?
廣瀬さん:「そうなんですね」といった感じですよ。そこでグッとわかるようにはなりません。しかし、何回かやりとりをしていくと、同じこととをやっていても、自分が何か取り組んでいることの観点を少し変えるだけで、こんなに見え方が変わってくるのかというのが分かってきます。これは彼らが経験を積まないとわかって来ないでしょうね。
まとめ
今回は、就活コーチの現役講師廣瀬さんにお話を伺いしました。学生時代に頑張ったことについてたくさんの参考になるお話ありがとうございました。
「学生時代頑張ったことがない時は新たに作る」
「明確な課題や目標が大事」
「個人ではなくチームで頑張ったことにする」
「魅力的に伝えるには表情と声が重要」
この4つが印象的です。学生時代頑張ったことがないと悩んだときは過去の経験を振り返って再構成してみる、それでもなかった時は新たに集団の中に入って作るというのが廣瀬さんが実際にアドバイスされている内容でした。
ただ何かを始めるだけでなく、チームの中で課題や目標を設定して乗り越えていくことが必要なので、周囲との関わり方やコミュニケーション力も磨かれそうですね。廣瀬さんが「就活は体で表現するスポーツ」とおっしゃるように、何かを始める行動力の他にも、表情や声といったコミュニケーションのトレーニングも重要なことがわかりました。
また「面接では相手が期待していることを汲み取って、相手がいいと思っていることを話すのが一番大事」というお話も、内定を得るために欠かせない心構えだと言えます。
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