企業探検隊
アウトプットの文化から、まだ世にないサービスを創出|エムティーアイ
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今回、企業探検隊が訪れたのは、IT企業「エムティーアイ」。音楽・動画・書籍を配信する総合Webサイト 「music.jp」やウィメンズヘルスケアサービス「ルナルナ」などコンシューマー向けのサービスを展開してきた企業ですが、創業29年目を迎える現在の同社は、法人・官公庁向けのヘルスケアのシステム&サービスやDXソリューションなどの提供にも注力しています。
「生活者の暮らしを豊かに便利に彩るサービス」を生み出し続けるエムティーアイの成長の原動力や社風について、人事/採用担当の衣川アキオさんにお伺いしました。
企業体験隊の発見|エムティーアイの社風
Q.エムティーアイの企業カルチャーとは何でしょう?
当社の社風の特徴として感じるのは、一人ひとりがいろいろな価値観や考え方を柔軟に受け入れられることです。
変化や進化が激しい領域でビジネスをしているからかもしれませんが、良い意味で固定のルールややり方がありません。多様なサービスを手掛けているので、部署ごとに最適解も異なります。世の中の変化や他人の意見に寄り添える柔軟さがあるからこそ、創業29年目の現在まで事業を継続できているのではないかと思いますね。
また、オープンマインドかつフラットで、アウトプットを大切にしていることも当社のカルチャーです。フラットの定義も一様ではないと思いますが、当社の場合は上下の壁がなく、誰とでも活発に議論する風土という意味合いです。
年齢や立場に関係なく意見を言い合える風土が浸透していて、経験の有無にかかわらず、積極的にアウトプットや発信をする文化があります。私自身も一番驚いた点ですが、入社当日から「あなたはどう思う?」と自分の考えや意見を求められる環境です。社長自ら社員のフロアに足を運び、よく話しかけてくださいます。
Q.アットホーム、というのとは少し違う雰囲気なのでしょうか?
そうですね、馴れ合いを好まないという点で、いわゆる「アットホームな会社」という表現は少し違う雰囲気かもしれません。
各々が正しいことだと思えば率直に意見をぶつけ合いますし、ときには議論が白熱することもあります。ただ、あくまで活発に意見交換をすることでより良い正解を導き出そうよ、というムードです。
これができるのは、普段から信頼関係を育めているから。ディスカッションの結果一つの方向性が決まれば、足並みを揃えてチーム意識を持って実行していける会社でもあります。
Q.社内のコミュニケーションはどのようにおこなわれているのでしょうか。
テレワーク制度を導入していることもあり、ITツールを活用したコミュニケーションの手段が定着しています。私自身もオンライン通話をつなぎながら作業をする時間が長いのですが、むしろ対面のコミュニケーション以上に、気軽な会話や相談ができている気がします。
たとえば、チャットツールに困っていることを書き込むと、誰かがすぐに反応してアドバイスをくれます。「対面では逆に発言がしにくい」という若手社員も少なからずいて、こうしたオンラインでのやりとりが大きな支えとなっていると思います。
一方で、対面での交流も大切にしています。チームごとに出社日を調整しながら、直接会っての雑談やランチなど、リアルならではのつながりも大事にしています。上司と部下の1on1面談も定期的に実施しており、形式に縛られず、お互いが話したいことを率直に共有できる機会となっています。
Q.リモート中心の働き方が定着しているのですね。
どの部署もリモートワークを積極的に活用していますが、オフィスのほうが集中できる人は出勤して仕事することも可能です。出社日の回数や配分も基本的に各人の自由で、オンラインとオフラインの両方を活用するハイブリッドなスタイルもOKです。フレックスタイム制度も当たり前に活用されています。
ただし、柔軟な働き方が可能ということは、すなわち「自ら意思決定し、コントロールする力」が求められるということでもあります。このワークスタイルで成立しているのは、自由と責任のバランスを意識できる社員が多いことの表れとも言えるのではないでしょうか。
企業探検隊の発見|エムティーアイが求める人物像
Q.採用選考で見ているポイントは?
職種を問わず「コミュニケーション能力」を非常に重視しています。当社は自社サービスの企画開発を主軸にしている会社なので、職種や部署の垣根を越えて、多くの関係者と協力しながらプロジェクトを進めていく必要があるからです。
最初から答えを持って会話を始めることは少なく、問いを立てるところからスタートし、「どうやって事業化するか」の議論をとにかくたくさん重ねます。どうしてそのテーマをやるのか、その先に何が待っているのか等々、とことん話し合っていきます。
コミュニケーション能力と言っても、単に「話すのが得意」という意味ではなく、「なぜそうしたいのか」「なぜそれが必要なのか」といった本質をとらえたコミュニケーションができること、自分の考えを論理的に整理し、相手に伝わるように言語化できる力が求められる会社と言えるかと思います。
Q.非常にハイレベルなコミュニケーション能力ですね。
自分の言葉で意図や背景を語れる力があることは理想ですが、入社時点からハイレベルなコミュニケーション能力を求めているわけではありません。採用の時点で言語化が得意でない方でも、当社の環境のなかで育成・成長できると考えているので、今持っているスキルだけでなく、その方の考える姿勢を大切にした選考をおこなっています。
ちなみに、入社後に成長できるだろうなと思う人材には、往々にして素直さや明るさがあると思います。あとは学生時代にリーダーを務めた経験談や、周囲と良好な関係を築いてきたエピソードなども好印象ですね。仕事でもそのように活躍する姿が目に浮かぶからです。
Q.やはりサービスを通じて御社を知って応募される方が多いのでしょうか。
そうですね。当社の選考に来られる方は、ありがたいことに「当社のサービスを利用したことがある」という方が非常に多いです。
特に「ルナルナ」は知名度が高く、このサービスに携わりたいという思いを持ってきてくださる方は少なくありません。ただ、面接で会話を深めていくと「当社のそれ以外のサービスでも、その思いはかなえられるよね」という結論や合意に至ることも少なくありません。
配属にあたって皆さんの“思い”の部分は重視していますし、特定のサービスに思い入れを持って長くかかわっている社員もいます。一方で、当社はヘルスケアや防災など社会貢献の意義を感じられるサービスをたくさん手掛けているので、一つの分野にこだわりすぎず、柔軟に考えてもらえる方だと、より活躍の場が広がると思います。
Q.応募にあたって、ここは歓迎しないという要素はありますか?
リモートワークメインの会社と言っても「出社したくない」という人は、当社の趣旨とは少しずれてしまうかもしれません。
また、与えられた役割を遂行することに全力を注ぐタイプの方は、もしかしたら当社との働き方とはマッチしないか可能性もあります。先にもお伝えした通り、当社は自社サービスの企画開発を手掛ける会社なので、自ら課題を見つけて挑戦したり、自ら役割を広げていったり、という能動的なアクションが求められることが多いです。
初めから完璧に自走できる必要はありませんが、将来的には「自分なりのビジョンを持ち、自身のコンフォートゾーン(安全地帯)を越える意欲を持って活躍してほしい」と思っています。
もう一つ挙げるとすれば、当社は社会に貢献するサービスの創出を目指していることもあり、面接でも「社会貢献性の高い事業に携わりたい」という思いを持った方が集まってくださいます。しかしボランティア活動の延長のようにとらえている人は注意が必要かと思います。企業なので、ビジネス目線は必要です。
私たちも「世の中を良くしたい」「社会を変えていきたい」という思いは強く持っていますが、それをいかにビジネスとして成立させ、継続的に価値を提供していくか、を日々考えています。理想を実現するには、ユーザーのニーズをとらえ、成果を出し、事業を成長させていく視点や責任感が必要です。社会課題への共感と、ビジネスパーソンとしてどう価値を発揮していくかの両方を考えながら、ともに挑戦してくださる方とご一緒できたらうれしいです。
あとは「自分の強みを活かす」という目線を持っているとうれしいですね。「自分にはこういう強みがあって、エムティーアイのビジネスのここにフィットすると思う、こういうところで自分は役立てると思う」といったお話を聞いてみたいです。
Q.そのほか、応募者に知っておいてほしいことはありますか?
自分自身について飾らずに語れるよう準備してきてほしいです。「採用されたい」「良く見られたい」という気持ちが先行し、自分自身を自分の言葉で語れないのはとてももったいないことだと思います。テクノロジーが進化している時代だからこそ、模範解答よりも、一人の人間としての率直な思いを聞かせてほしいです。
自分の言葉で自分を語るためには、準備として「自分はどんな人間か」「何を大切にしているか」といった自己理解を深める作業が必要です。自分の良さを理解し、「どうやったら自分の良さを伝えられるかな?」というところまで掘り下げて考えている人は、面接でも高い評価を得られると思います。我々も定型の質問ではなく、その人が話してくれた内容に応じて、キャッチボール形式で話を深掘りしていくような面接をおこなっています。
ちなみに、学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」についても、必ずしも必要だとは考えていません。ガクチカはあくまで、自分の思いや人柄を伝えるための一つの手段。無理に誇張したり、立派な成果を語ろうとしたりする必要はまったくありません。等身大の経験を、自分らしい言葉で伝えてもらえたらと思っています。
当社の応募者でも以前「ガクチカはありません」と話してくれた方がいましたが、社会人になってからのベクトルを定めており、学生時代には誇れる経験はないけれど将来はこんなビジョンを持っている、という話をしっかりとしてくれ、非常に好感を持ちましたね。
企業探検隊の発見|エムティーアイで活躍する社員の特徴
Q.活躍している社員の皆さんの共通点はありますか?
当社で活躍する社員の共通点は「変化に強く、自ら学び続ける姿勢がある」という点だと思います。当社は創業以来、モバイルコンテンツの開発を軸に事業を展開し、エンタメ領域で大きく成長してきました。時代や社会の変化にあわせて、現在ではヘルスケア、行政、防災、教育など、より社会インフラにかかわるところに事業領域を広げています。こういった変化にも柔軟に適応し、自ら必要な知識やスキルを習得していける人が活躍している傾向はあるかと思います。
また、当社のビジネスは社会課題の解決と密接に結びついており、「現場や社会を良くしたい」という強い思いを持って行動する社員が多いのも特徴です。目の前の業務だけでなく、その先にいるユーザーや社会に目を向ける視野の広さも、活躍する人材に共通する要素だと思います。
Q.部署によって人材像に違いはありますか?
社内では開発、企画、営業、クリエイターなど幅広い職種の社員が活躍していますが、正直なところ、部署ごとの性格的な傾向や雰囲気の違いはあまり感じません。職種や役割が違っても「自分たちがビジネスを通じて社会に対してできること・すべきこと」を常に意識している社員が多いですね。
もちろん、扱う領域によって専門性や知識の深さには違いがありますが、根底にあるスタンスや価値観には共通性があり、部門を越えた連携もスムーズにおこなわれています。
Q.新卒入社の場合、どのような研修をおこなっているのでしょうか。
新人研修は1カ月間しっかり実施し、その後もOJTフォローアップやメンター制度など、1人の新入社員に2人の先輩社員がついてサポートします。
研修カリキュラムには、インプットしながらアウトプットするための練習なども取り入れています。意見を出すことに慎重な人はいるかもしれませんが、可能性を広げる挑戦をしてみたいという意欲が少しでもあれば、当社の研修を通じて自分の意見を出せるようになっていくと思います。
Q.その後はどのような環境・キャリアパスが想定されますか?
研修後は、1年目でも、一人ひとりに責任ある役割を任せていきます。若手のうちからチームを引っ張るような立場に立つ社員も多く、成果を期待されるなかで、自然と成長できる環境があります。挑戦と成長を歓迎する会社なので、仮に失敗してもそこから学んだことを素早く次に活かそう、という環境があります。
私自身、当社に入って一番感じているのは、大きな決断をさせてもらえる機会が非常に多くあり、「毎日が挑戦」という気持ちになれることです。良い意味で緊張感を持って自分の仕事に取り組めており、裁量をもらえるということは、こういうことなのだなと思えています。
あえて明確なキャリアパスを設定していないので決まったレールに沿うのではなく、業務を通じて自身の強みや興味を見つけながらキャリアを柔軟に広げていくことが可能です。これは多様な事業領域を持つ当社だからこそ実現できるキャリアの自由度でもあり、自ら可能性を広げたいという意欲を持つ方には、非常にフィットする環境だと思います。
Q.実際に、柔軟なキャリアパスを歩んでいる社員の例を聞かせてください!
私がいる人事部門では、もともと営業や企画に所属していたメンバーもいます。エンジニアとして新卒入社したものの、3年ほどで人事部門に移り、29歳でマネージャーになった社員もいますね。彼はサービスを形にすることに興味を持って入社したものの、仕事をするうちに「もっと大きな枠で会社全体に働きかけていきたい」という思いが芽生えてキャリアチェンジしたそうです。
Q.多様な可能性を持てる会社ということがよくわかりました! 最後に御社への入社を考えている方へのメッセージをお願いします。
当社は人々がより自由に、自分らしく生きられる社会を実現するために、時代の変化の先頭に立ってより良い未来社会の実現に求められるサービスを生み出し、世の中の仕組みやシステムの在り方を変えていこうという思いを持った企業です。ただ便利なサービスを作るだけでなく、人々の生活に寄り添い、自分らしく生きられる社会の実現を支える存在でありたいと考えています。
また、近年は「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」の考え方も大切にしています。これはテクノロジーと人の知恵を掛け合わせ、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組むことで、持続可能な未来社会の実現に挑戦しよう、というものです。こうした私たちの考え方に少しでも共感していただけたなら、ぜひ気軽に接点を持っていただけたら嬉しく思います。
衣川 アキオさん(コーポレート本部 人事部)
Akio Kinukawa・大学卒業後、採用代行会社をはじめ日系企業・外資系企業など多様な環境で人事業務に従事。新卒・中途採用を中心に選考運営や候補者対応、業務フローの改善など、実務を通じて幅広い業務経験を積む。2021年、エムティーアイへ入社。現在はエンジニア職を中心とした新卒採用を担当し、現場と連携しながら事業成長に貢献する人材の採用に取り組んでいる
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