企業探検隊
地方と世界を食でつなぎ、地域産業の振興を目指す|門崎
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今回、企業探検隊が訪れたのは、岩手産牛肉を扱う事業を幅広く展開している「門崎」。同社は精肉の販売小売・卸売事業者として創業し、その後まもなく「格之進TOKYO」などの外食事業を開始しました。
2008年以降に現在の会社形態となって以降は、東京を中心に岩手や熊本でも店舗事業を拡大させながら、一般消費者向けのEC事業や飲食店運営のサポート事業、牛肉の啓蒙活動を手掛けるなど幅広い事業を展開しています。
「世界で一番、お肉に真剣な会社」をスローガンに、食を通じた地域創生にも取り組んでいる門崎の成長の原動力や社風について、最年少取締役を務める繁永達也さんにお伺いしました。
企業体験隊の発見|門崎の社風
Q.門崎の企業カルチャーとは何でしょう?
東京と岩手に拠点が分かれており、それぞれにカラーがあって一様に語るのは難しいのですが、ざっくり分けるならば、岩手には地元の産業への貢献意欲を持ったメンバーが、東京の拠点には成長意欲が旺盛で、成果に重きを置けるメンバーが多く集っている傾向があります。
営業、製造工場、卸や販売、店舗スタッフなど、部門ごとのメンバーの雰囲気も結構違いますね。たとえば製造部門では、決められた数を決められた品質できっちり作り上げるような緻密で責任感のある人材が多いですが、店舗の部門ではホスピタリティに長けた人材が多い、といった違いがあります。
とはいえ、完全にバラバラに動いているというわけではありません。年に一度は全社員集会を実施していますし、オンライン研修なども活用しながら拠点間・部門間の交流を図っています。それぞれの部門内でも、食事会などのコミュニケーションの機会を定期的に設けていますね。
全体の共通点を見出すとすれば、理念や事業の方針に共感しながら日々の業務に取り組んでいるメンバーが多いことが当社のカルチャーと言えるかと思います。
Q.なるほど。具体的にはどのような理念や方針を掲げているのでしょうか。
経営理念には「私達は、仕事を通じて人間的に成長し、仲間・顧客・社会に必要とされ続け、物心ともに幸せになる集まりです」というメッセージを掲げています。
経営方針には「一関と東京を食で繋ぐ。岩手を世界に届ける。」、ミッションには「消費者(=投資家)と生産者とのプラットフォームとなり日本の食の未来を創る」という文言を掲げており、カスタマーファースト・プロダクト愛 ・創造性と革新性の姿勢を持って、志のある生産者を支援することを目指している会社です。
この先も、理念や事業など共感してくれるメンバーと働きたいという思いから、このような自分たちが大切にしていることを明文化し、Webサイトでも強調してメッセージ化しています。
企業探検隊の発見|門崎が求める人物像
Q.どのような採用選考なのか気になります! 新卒採用もおこなっているのでしょうか。
新卒採用はおこなっていますが、学生の方の場合、インターンシップ経由で入社するケースが大半ですね。名前の通った大企業ではない分、事業や仕事におもしろみを感じてくれ、心からコミットしたいと思ってくれる方に出会うには、当社としても現状それがベストな方法だと考えています。
入社後のギャップなく入社してほしいという思いも強いので、インターンも短期ではなく、週20時間以上、または1年以上という長期で開催しています。将来の正社員候補として見ているので、事務作業など簡単な作業だけを任せるのではなく、意思決定の部分にもかかわれるようなインターンです。
Q.インターンや新卒採用の面接においては、どのようなポイントを見ていますか?
知識や能力については、最初から十分でなくてかまいません。主体的に取り組める人や、自分で反省して次のことを考えられる人、自分で情報を覗きに行って問題点を見出そうとする姿勢がある人かどうか、といったポイントを見ています。
デザイナー職など一部、例外的に一定のスキルを求める職種もありますが、基本的には「人間性」と「学びを得るときの姿勢」を重視している、と理解いただいて差し支えありません。
面接では部活や学校、アルバイトなどのオーソドックスな話を聞いており、それぞれの経験にともなって深掘りさせてもらっています。面接回数もケースバイケースで、「もう少しイメージとのギャップを埋めてほしい、実務を知ってほしい」と思う方には、実務について話せる社員との面接をセッティングしますし、社長と直接話してもらうこともあります。
我々側が一方的に選ぶというよりは、互いの相性を見る場であり、候補者の方も自分が入社する場所を選ぶ意識で来てもらえたらという思いです。
Q.応募者に知っておいてほしいことはありますか?
かなり幅広い経験を積める会社であることは、ぜひ知っておいてほしいです。当社は直営のレストランだけでなくインターネット販売もやっていますし、自社工場を持っているので商品開発などに携わるチャンスもあります。
地方の生産物を都会や海外に供給する「地産外消」というチャレンジをしており、地方の産業からお金を生み出す仕組みの作り方を間近で見られる環境なので、そこに価値を感じていただけたら嬉しいです。
独立志向の人も歓迎します、ということも伝えたいですね。もちろん当社としては優秀な人材が流出するのは惜しいことですし、できればずっと当社で活躍してもらいたい思いはありますが、卒業生の活躍は当社のPRにもつながりますし、独立のビジョンがある人はその旨、包み隠さず伝えてもらってかまいません。
Q.反対に、ここは歓迎しないという要素はありますか?
求める人物像と逆で、他責思考な方、物事をネガティブにとらえがちな方は、あまり好ましくないと判断すると思います。
また、仕事でどう動けば良いかわからないときに、なんでも「教えてもらう」という前提でぼんやりと指示を待っている人にとっては、当社の環境は居心地が悪いかもしれません。
非常にフラットな風土で、誰でも分け隔てなく一人のメンバーとして扱いますし、「学生インターン生だから、新人だから」という見方をしないので、 その環境を好ましく思ってもらえる人にとってはやりがいを感じやすい環境だと思います。
もちろん、わからないことがあれば教えるのですが、「自分でできる限り調べてから積極的に聞きに行く」ということが当たり前にできるかどうかが重要になると思います。
企業探検隊の発見|門崎で活躍する社員の特徴
Q.新卒入社後、想定しうるキャリアパスについて教えてください。
入社後は管理部、法人営業部、オンライン営業部、情報システム部、飲食事業部(岩手・東京)のいずれかへの配属になりますが、キャリアパスに決まりはありません。スペシャリストとして一つの領域を極める人もいれば、ジョブローテーションを繰り返してゼネラリストとして活躍する人もいます。社員のなかには、マーケティング、製造、販売など多職種を経験して力を付けている例もあります。
人員配置はできるだけ本人のなりたい姿、やりたいことに寄り添っておこなっていますが、ジョブローテーションを希望する際には、「なぜその仕事をやりたいのか」「こういうものを目指しているから、こういう経験がしたい」といった本人の意思を聞いたうえで決定しています。
Q.活躍している社員の共通点はありますか?
理念や事業に共感している人や、自立して主体性を持って仕事に取り組んでいる人が多いということのほかには、会社が完全に整っていないことをおもしろがることができるメンバーは多いかもしれません。このあたりは、ベンチャー企業らしいところだと思いますね。
会社の仕組みやルールなども自分たちで考えながら手探りで整えている最中ですし、すでにある制度のなかにも時代に合わせてアップデートが必要なものもあります。
新しく入る社員の方は「思った以上に整えがいのある会社だな」と思うかもしれませんが、「社内にこういう課題があるから、こういう仕組みやルールが必要だ」と自分たちで考えて実装していくプロセスは結構手応えが大きいもの。若手でもその目線があれば先頭に立って引っ張っていくことができますし、年齢や年次等に一切関係なく役職や給料を取っていける会社であることは間違いありません。
Q.年齢に関係なくステップアップできるのは、繁永さんのキャリアからもよくわかりますね。
そうですね、私も入社から4年ほどで課長、部長、執行役員、取締役とステップアップさせてもらっています。成果は重視されますが、プロセスも含めて評価してもらっている実感があります。
入社間もない頃から意識していたのは、自分の考えや意見をガンガン伝える姿勢です。それによって社長からフィードバックをもらうことを繰り返し、意思決定の訓練をさせてもらってきました。
社長の権限を委譲してもらうには「任せても大丈夫だ」と思われる社員でなくてはと考えていたので、とことん認識のすり合わせをしてきたつもりです。その積み重ねで、最近はあえて話さなくても共通認識が持てる場面が増えてきました。
Q.これから入る学生にも目標となるキャリアパスですね。最後に御社への入社を考えている方にメッセージをお願いします。
当社は直近で売上高11億を超え、第二創業期に入りつつある会社です。ここからは30億、100億という規模を見すえて、どんどん新たな殻を破っていくフェーズととらえており、今まで築いてきたビジネスを着実に進めつつ、プラスαで新規ブランドを考えたり、海外展開を考えたりと新たなチャレンジが始まっています。現状でも幅広い経験を積める会社ですが、今後はさらに多彩な活躍フィールドが臨めると思います。
「地方創生」という難易度の高いテーマに、ボランティアではなくビジネスとして取り組んでいる会社なので、簡単に乗り越えられない壁や局面にぶつかることもありますが、その試行錯誤の先に、大きな可能性が見込まれることをやっている会社だと自負しています。まずは理念やビジョンに目を通していただき、共感できるポイントがある方には、ぜひインターンや面接に足を運んでもらえたらと思います。
繁永 達也さん(取締役)
Tatsuya Shigenaga・山口県出身。教育人間科学部卒。2019年に大学卒業後、リクルートに新卒入社。2020年3月に退社し、アメリカンフットボールのプロ選手を目指して渡米。現地でプロ養成リーグに通いながら門崎に入社し、日本と行き来しながらオンラインを駆使してビジネスサイドのキャリアも継続。2023年に帰国後は東京オフィスに勤務。店舗運営、営業支援、人事採用など、さまざまな業務を経験したのち、2024年より現職
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