企業探検隊
健全な挑戦を楽しむ仲間が集う|AnyMind Group
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目次
オフィスの扉を開け、最初に聞こえてきたのは英語での会話でした。英語で話す女性たちはどうやらお昼に向かうようです。今回はアジアを中心にグローバルに事業を展開するIT企業、AnyMind Group(エニーマインドグループ)を探検していきます。
AnyMind Groupは2016年にシンガポールで創業しました。アジアを中心に世界13カ国・地域で、ECやマーケティング、メディアの支援をおこなっています。社員は1300人以上にのぼり、従業員の約70%以上 が日本国籍以外のメンバーとなっています。2023年は過去最高の売上をあげ、2023年3月に東証グロース市場に上場しました。
東京・六本木ヒルズの31階に本社を構えるAnyMind Groupは、どんな雰囲気なのでしょうか。AnyMind Groupの人事責任者の水谷健彦さんは「挑戦することをおもしろいと思う人が集まっている」と語ります。会社の雰囲気、そして働く人たちについても探っていきます。
あなたの趣味をたっぷり聞かせて! 面接での特徴的な質問
Q.さっそくですが、新卒の採用面接で変わった質問があるそうですね。どんな質問なのですか?
「趣味について10分間語ってください」と学生にお願いをしています。学生の趣味自体に興味があると言うよりも、その趣味に興味のない私に自分が好きな趣味をどう語るのか、いつも楽しみにしています。
Q.どんな意図があるのですか?
頭の回転の速さと言いますか、「脳のエンジンの大きさ」を測っています。自分が詳しいことを、何も知らない人に説明するというのは結構難しいことです。相手が理解できるように、話の抽象度をコントロールしたり、話す順番を工夫したりできるのかどうかを見ています。
抽象度の高い説明から、自分が好きであるポイントに向かって具体性を増していく説明をされたときは、大変感心しましたね。素晴らしい説明のおかげで、何も知らなかったバレエの面白さを教えてもらったこともありました。
また、話し方やトーンなど、伝え方にも注目をしています。伝え方によって周りへの影響力は大きく違ってきますよね。コミュニケーションの取り方から一緒に働きたいと思えるか、という部分も考慮して質問をしています。
ただ、今回のインタビューで質問内容や意図を答えてしまったので、次の選考からは同じ質問はできませんね(笑)。
AnyMind Groupの事業内容
Q.事業概要を教えてください
アジアを起点に、EC・D2C、マーケティング、生産管理、物流、アプリ・メディア運営支援などの領域で事業をおこなっています。ビジネスの幅が非常に広いことが特徴で、商品開発から生産、物流やマーケティングまで、すべてを一気通貫で支援できる会社は弊社以外にないと自負しています。
CEOの十河が2016年に弊社を設立し、マーケティングを軸に事業をスタート。事業を進める中でその根本となる商品の生産過程はどうなのか、商品が売れた後に購入した人へ届ける物流や配送まで支援の幅を広げたほうが良いのでは、と視野が広がり、事業内容が幅広くなっていきました。
シンガポールで起業したという背景もありますが、今ではアジアを中心に、13カ国・地域で事業を展開しています。
Q,アジアをビジネスの舞台にしているのはなぜでしょうか?
アジアに伸びしろを感じたからということが理由です。アジアには人口世界1位、2位の中国とインドをはじめ、見落とされがちですが世界で4位のインドネシアもあります。この人口の多さに市場の広さを感じました。
人口減少の傾向にある先進国と比べて、人口が増え続けているというところに大きな可能性があると思いませんか。
弊社は「Make Every Bussiness Borderless」というミッションを掲げており、AnyMindの事業を通して、これまで国境を超えてビジネスすることを諦めていたり、商品の作り方も売り方もわからないような人たちが、思い描いていたビジネスに挑戦する機会を作ることができたら良いと考えています。
AnyMind Groupの社風
Q社風を教えてください
チャレンジ精神にあふれている社員は多いですね。弊社の5つのバリューにも「Be Bold」という精神を掲げています。
新卒採用の説明会では、会社が急成長していることとともに、アジアという舞台で羽ばたくためにAnyMindが挑戦し続けていることを強調して説明しています。
共感して入社をしてくれた社員たちには、挑戦することができるように、意思決定の権限をかなり多くの部分で渡しています。コミュニケーションを活発にとりながら、社員にどんどん挑戦をしてもらう。そんな雰囲気の会社だと思います。
Q.コミュニケーションも活発なのですね
はい、さらにそのコミュニケーションがフラットなのも特徴ですね。
弊社は2016年に創業した若い会社です。若手社員が占める割合も高く、20代で事業部長を務めている社員もいます。そのため、事業部長でも経験が浅くなってしまうのは当然です。
そこで、上長や同僚と活発に議論をして、仕事の質を高められる環境を整えています。社員同士で活発に議論をしてほしいので、基本的には出社をしてもらい、同じチームで仕事をする社員同士で近い席で仕事をするよう促しています。
また、事業部ごとの交流も深めてほしいので、会社の制度やイベントを設けたりしています。
Q.事業部を超えた交流とはどのようなものでしょうか?
たとえば、会社のオフィスを使って、お酒を飲みながらテーマを決めて話す会や英語だけで話すイベントを設けたりしています。事業に関することを話すわけではありません。テーマを決めて話す会では、おもしろい漫画の1位を決める会やヲタクが集う会などもありましたね(笑)。
また、東京体育館を貸し切って運動会をしたり、家族も連れて参加できるBBQを開催したりといろいろなイベントがあります。ちなみに、社員で会社のロゴが入ったグラスを作ったり、オリジナルビールを作ったりと仲の良さが垣間見えることも多いです。
そういったつながりにより、仕事での相談がカジュアルにできたり、部署を超えたプロジェクトに取り組む際に円滑にコミュニケーションを取れるようになったりと、社員同士がフラットに、互いを尊重しながら話す雰囲気が醸成されていると思います。
Q.働く国が違うメンバーの交流も盛んなのでしょうか?
違う国に住んでいる社員同士も、オンラインでミーティングする機会が多いので、コミュニケーションはとれていると思います。
どの会議室にもモニターがあるのは、そのためですね。
また、国ごとに事業成績のランキングを出していて、各国のメンバーがそれぞれ互いをライバル視しながら働いています。社内で健全な競争が生まれているのも、弊社の特徴かもしれません。オリンピックのチームのように、素晴らしいライバルとの競争をしてほしいと思っています。
AnyMind Groupの社員
Q.社員の方々の特徴を教えてください
国籍に関係なく、自己成長に強いこだわりがある社員は多いです。
ある日、定時後にもかかわらず、参考書を開いて勉強をしている社員をみかけました。その社員はソフトウェアに関する仕事をしていますが、勉強していたのはそのソフトウェアを使っている顧客の仕事に関すること。
理由を聞くと「顧客が何をやっているか知っているとソフトウェアを作るときにも生かせるから」とのことでした。その社員は自分がより良い仕事をするために、直接仕事には関係ない部分まで勉強をしているのです。
自己成長のモチベーションとなることは、お金を稼ぐことでも、偉くなることでも、正直なところなんでも良い。自分のやる気をもとに仕事に向き合い、自分の成長に挑んでいける社員が多くいると感じています。
Q.では、活躍する社員の特徴はありますか?
自責性のある社員は活躍していますね。自己反省を重ねる社員は能力を伸ばしています。周りからすると失敗に見えないことも、「自分が何かを変えていればよかったのではないか」と考えることができるかがポイントです。
最近は新型コロナウイルスを原因に、取引ができなくなったとか、顧客が新規ビジネスを諦めるといったことがありました。ある程度仕方ないと世間では思われているようなことでも、自分の行動や発言を積極的に見直し、次の機会に変えてみることができる社員が活躍している場合が多いと感じます。
弊社では国籍も年齢も関係なく、自己成長し活躍していける人材を積極的に出世してもらうようにしています。自分次第で成長スピードが早くなるため、結果的に活躍できている環境だと思います。
Q.成長を後押しできるように会社としておこなっていることはありますか?
成果を上げた社員には、積極的に次の仕事の機会を設けています。
私個人の持論になりますが、社員の成長は、仕事での経験が70%を占めると思っています。残りは研修、上司や同僚からのアドバイスといったところでしょうか。
成長の源となる仕事の経験を積んでもらうために、会社としては成果を上げた社員にどんどん仕事の機会が回るようにしています。もちろん、最初は全員に平等に機会を与えています。ただ、成果を上げれば上げるほど、成長のチャンスが回ってくるような仕組みになっています。
AnyMind Groupの今後と求める人材
Q.今後はどのような会社を目指していますか?
アジアを代表する会社を目指しています。弊社が展開するサービスがあるとより良くなる、もっと世界がおもしろくなるものを突き詰めて作っていきたいと考えています。
あくまでも事業はそのための手段。そのため、今の事業には固執していません。
弊社が手がけているインフルエンサーマーケティングなどの事業は、10年前にもあったかと言われるとなかったと思います。そういうことを鑑みると、たとえばこれからも30年続く事業だと、考えているわけではないのです。
ビジネスの世界では常に新しいものが出てきます。時代に合わせて効果がある旬なもので、「ビジネスって面白い」と思える人たちを増やすためのサービスを展開していきたいと思っています。
こういった考え方になるのも、CEOの十河がとにかく仕事が好きというところに起因しているかもしれません。十河は価値ある商品を作り出し、顧客が喜び、それが広がっていくことをおもしろいと考えています。企業が掲げるパーパスである「誰もがビジネスに熱狂する世界を作る」にも、その思いがこめられています。
我々がいると仕事が面白いと思える人が増え、世界がより良くなる。そんなビジネスをしていきたいです。
Q.どんな人材に集まってほしいですか?
日本に留まることがもったいないと思う人でしょうか。可能性あふれるアジアに挑戦している弊社に共感し、ロマンを感じてくれる人に来てほしいですね。
グローバルな環境で成長意欲を高く保てる人なら適任でしょう。また、いろいろな仕事に挑戦をしたいと思っている人も弊社にフィットすると思います。
世界で戦う「覚悟」を持った人たちが集まることを期待しています。
広報の方に聞きました|どんな社員が多い?
Q.オリジナルのビールやグラスまで作ったと聞きました。お酒好きが多いのですか?
そうとも見えるかもしれませんね(笑)。お酒に限らず、ソフトドリンクやスナックなど、カジュアルにコミュニケーションを取るための手段の一つとして活用しています。事業部長たちがボトルキープしているお酒が社内のバーカウンターにおいてあり、終業後に飲みながら、役職や年齢に関係なく交流をするということもあります。
お酒が好きというより、水谷の話にもあったようにコミュニケーションをとることが好きな社員が多いのかなと思います。カジュアルな会話の中から、事業に関する思わぬアイディアが生まれたということも何度もあります。
もちろん仕事だけではなく、共通の趣味が見つかったり、一緒にお花見に行こうなんて話から、実際に出かけたりとさまざまです。お酒が強要されることもないので安心してください(笑)。
仕事にも遊びにも本気で取り組む社員が多いです。
水谷 健彦 さん(AnyMind Group HRマネージングディレクター)
Takehiko Mizutani•1995年リクルートに新卒入社。その後2001年リンクアンドモチベーション入社を経て、2013年にJAMを設立。2017年にPKSHA Technology社外取締役就任。2021年よりAnyMind JapanのCHRO(最高人事責任者)に就任。そしてAnyMind Group HR全体のマネージングディレクターに就任し、現職