企業探検隊

各分野のエキスパートが集い、世界市場を見すえる|サンギ

目次

  1. 企業体験隊の発見|サンギの社風
  2. 企業探検隊の発見|サンギの採用面接
  3. 企業探検隊の発見|サンギで活躍する社員の特徴

ロズリン・ヘイマンさん(代表取締役社長)

今回、企業探検隊が訪れたのは、オーラルケアの領域で質の高い製品を開発し、世界28カ国で発売している日用品・化学品メーカー「サンギ」。1995年に放映された「芸能人は歯が命」のCMで大ヒットした同社の看板商品である美白歯みがき「アパガード」を生み出した会社です。

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サンギは1974年に貿易商社としてスタートした歴史を持ちますが、NASAの技術をヒントに、骨や歯の主成分である「ハイドロキシアパタイト」を配合した「修復型歯みがき剤」を開発し、メーカーとして発展。1993年、サンギが開発した「薬用ハイドロキシアパタイト」がむし歯予防の薬用成分としての認可を受け、TVCMによって一気に知名度を広げます。今では一般的になった高性能・高価格帯の歯みがき剤ですが、「美白歯みがき」の市場を創出したものとして、同社の影響は大きいでしょう。

2011年以降はカナダやロシア、中国、EUなど海外28カ国への輸出やOEM事業も軌道に乗せており、2018年からはスキンケア商品の発売もスタートさせています。そんなサンギの成長の原動力や社風について、代表取締役社長を務めるロズリン・ヘイマンさんにお伺いしました。

企業体験隊の発見|サンギの社風

企業探検隊の発見_サンギの社風の特徴

Q.サンギの企業カルチャーとは何でしょう?

当社には年齢や役職が違う者同士が、フランクに意見交換ができるカルチャーがあります。堅苦しい会社にしたくはないので、誰もが自由に意見を言いやすい職場を作ってきたつもりです。時には議論が白熱することもありますが、熱弁するのはそれだけ仕事に熱心に取り組んでいる証。素晴らしいことだと私は思います。

いろいろな意見を共有することが楽しいので、有志で会食をするような機会は結構多い会社かもしれません。コロナ禍の時期も全社員の自宅にワインと食事を配送して、オンラインでもコミュニケーションを取る場を設けていました。

Q.社内のコミュニケーションを大切にしているのですね。

120名程度の会社なので、全員の顔や名前、キャラクターなどは互いに理解しあっていますね。年2回のゴルフコンペなど定期的なイベントも開催していますし、毎年の社員総会には地方や研究所の社員全員を招待しています。

昨年は創業50周年だったので大々的なパーティをおこなったのですが、取引先の方々から「サンギは本当にアットホームで、フレンドリーな会社ですよね」と口々に声をかけていただきました。ほぼすべての社員が参加しましたが、当日展示会のため出席できなかった社員を集め、後日別のパーティも開催したほどです(笑)。

Q.これから会社が大きくなっても、このカルチャーを守っていきたいですか?

変わらず今のまま仕事をしていくつもりですが、私は「Small is Beautiful」がモットーなので、むやみに会社を大きくしたいとは考えていません。一人ひとりの社員が満足して仕事ができる会社を作っていれば、数字というReward(報酬)が付いてくると思っています

Q.社長はオーストラリア出身で、海外の政府機関や外資系企業でも働いた経験があるとのこと。やはり外資系の風土があるのでしょうか。

私のキャリアを思えば、多少なりとも海外の影響はあると思いますし、私がこの見た目だからか、外資系企業だと思って採用に応募してこられる方は一定数います。ですが、サンギは日本人である夫(現会長)が起業して日本で成長してきた100%日本の会社なので、ここはアピールしたいポイントです。

社名であるサンギはカタカナ表記ですが、孟子が唱えた「三儀」(天の時・地の利・人の和)から名づけています。私はいろいろな組織でキャリアを積んだのち1999年から当社に参加し、経営企画室長、副社長を経て、2016年に代表取締役社長に就任。以降現職に従事しています。

雰囲気的に外資系企業っぽいところがあるとすれば、社員も役員も「さん付け」で呼び合っているところくらいでしょうか。日本でも今はそういう会社がたくさんあると思いますが、私自身も「社長」より「ロズリン」と呼ばれたいです。個別にとても仲良くなって、好きな名前で呼び合っている社員たちはいますが、社内はかなりフラットな雰囲気だと思います。

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企業探検隊の発見|サンギの採用面接

サンギが求める人物像

Q.どのような採用選考なのか気になります! 現状、新卒採用はされていないとのこと。中途採用の面接ではどんなところを見ているのでしょうか?

中途採用なので、それまでの経験値を発揮できる人材かどうかを見ています。当社には営業・管理・マーケティング・研究など複数の部門があるので、「なぜ当社に入りたいか、その部署の仕事をしたいのか」はしっかりお聞きしたいですね

仮に別の分野から来て、違う分野に挑戦したいという人でも、その経験値をどのように活かしたいのかを十分に説明いただけるならば歓迎します。たとえば当社の専門分野はハイドロキシアパタイトといった無機化学ですが、有機化学が専門の方も入社していますし、「営業をやったことがないけれども、当社での製品が好きでやってみたい」と営業職志望で入社し、活躍してくれている社員もいます。

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Q.人間性の部分では、どのようなポイントを見ていますか?

「当社に心から興味を持ってくれているか」そして「自己表現ができるか」の2点を重視しています

当社の製品に魅力を感じてくれている人、製品を知らずとも「応募前に買って使ってみました」などと伝えてくれ、こちらへの興味を感じさせてくれるような、それくらいの熱意を持っている方であることは必須条件かなと思いますね。面接の際、応募者の方に「当社に対して質問ありますか?」と聞いて「特にありません」と言われると、ちょっと寂しいです(笑)。

過去には「当社の製品のことを知りません」という人もいて驚きましたが、普通の人間関係と同様、双方が興味を持ち合えない関係では一緒に働くのは難しいと思いますね。

Q.会社と個人が興味を持ち合える関係が望ましい、ということですね?

入社時点で興味を持てないのは、お互いに不幸なことですよね。もちろん当社としても、後で「思っていたのと違った」とならないような配慮もしています。面接の後、内定の後でも希望者には社員面談の機会を設けており、業務内容、社風や働き方、スキルなど、なんでも気になることを聞いていただける場を設けています

Q.ほかにも見ているポイントはありますか?

志望動機を具体的に言語化できるかにも注目しています。緊張はすると思いますが、大事な場面でしっかり話さなければならないシーンはどんな職種でもあると思います。自分の経験やスキル、興味のあることについてきちんと自分なりの言葉で説明してくれれば嬉しいです。

それと、個人的には、特定の趣味を持っている人はおもしろいなと思いますね。趣味があるのは、いろいろな世界にアンテナを張っている証拠。好奇心豊かなことは仕事にも役立ちます。履歴書に書かれていないことも多いのですが、面接で会ってみたら自分の世界を持っている人だとわかって入社いただいたケースもあるので、できるだけ直接お会いしてみたいですね。

Q.反対に、ここは歓迎しないという要素はありますか?

働きやすい環境は整えているつもりですが、「働きやすそうだから御社に入りたい」といった志望動機にはあまりピンときません。あとは、社会人としての基本的なマナーなども見ていますし、採用の判断に直接影響することはないものの、職業柄、歯にはついつい注目してしまいますね(笑)。歯がきれいだとそれだけでマナーがあり、オーラルケアに興味が向いている人物であることが伝わってきます。

企業探検隊の発見|サンギで活躍する社員の特徴

企業探検隊の発見_サンギで活躍する社員の特徴

Q.社員の皆さんの共通点はありますか?

責任感や完遂力、チャレンジ精神、成長意欲、変化への柔軟性、問題解決能力など、いろいろな力を持った社員たちの活躍にも支えられていますが、全体的な共通項を挙げるならば、「やることを自分で探せる人」や「協調性が高い人」は多いように思います

120名ほどの会社の中に多くの部門があり、各部門はそれぞれ少数体制なので、一人ひとりが主体性を持って動く姿勢は求められるかと思います。

また、各部門で連携しながら製品を世の中に出していくので、周囲と円滑にコミュニケーションを取っていくチームワークも必要です。 当社で活躍している人材の特徴を部門別に挙げるとすれば、それぞれ次のようになるかと思います。

サンギの各部門で活躍する人材の特徴

Q.多様な人材が活躍しているのですね。社内を見渡してみると、なんとなく女性社員の割合が高い気がします。

言われてみればそうですね。昔からこうだったわけではないですし、拠点によって割合は異なるのですが、会社全体で見ると、今は女性社員のほうが少し多いくらいのバランスになってきました。

女性活躍というテーマでいえば、当社は女性社員もサポート役ではなく管理職やリーダーを担っている社員が多い、ということは言えると思います。一例ですが、国際部門の部門長も女性です。部門を立ち上げた当初は社内で語学ができるのが私だけだったので、一人で輸出入の仕事をやろうとしていたのですが、彼女が語学に加えてマルチなスキルを発揮してくれたので、今は完全に一つの部を任せています。国際部門はまだ数人しかいませんが、社内で一番伸びている部署だと思います。

サンギの事業展開地域

Q.男女がフラットに活躍できる風土なのですね。そういえば同席いただいている広報部門のお二人も女性です。

広報室長の市川さんは当初、紹介予定派遣で来ていた方なのですが、10年以上にわたって活躍してくれています。市川さんは息子さんもいるのに、いつ育児しているのかと思うほど、意欲的に仕事をしてくれています。

市川:手のかからない息子でありがたいです……と、横から口を挟んですみません(笑)。私がサンギに入社したのは、サンギの商品に魅力を感じたこと、そして商品を通じて口元の健康、美しさだけでなく、その人自身を輝かせることができる、人の人生にまで影響を与えられる仕事だと心から興味を惹かれたからです。自分が良いと思えるものをPRできる喜びを感じています。大変なことはもちろんありますが、PRの仕事はいろいろな方と出会い刺激をいただけるので楽しいです。

ロズリン:広報のもう一人のメンバーも紹介しますね。島袋さんはいつも何かの試験を控えていて、すごく勉強熱心なんですよ。

島袋:勉強に取り組む姿勢が身に付いたのは、ロズリンさんの影響も大きいです。トップが常に新しいことを学び続けている姿を見ると、自分も努力しなければと刺激を受けます。広報室は2名体制ですが、私たちは社長の意向を大切にしながら「会社・商品のファンを増やす」という共通の目標を持ち、日々率直に意見を交わしながら企画を考えています。

Q.最後に御社への入社を考えている方へのメッセージをお願いします。

当社は昨年、創業50周年を迎え、「あなたと輝く毎日へ」 というコーポレートスローガンを制定しました。この大きな節目を迎えるにあたり、社内横断的なプロジェクトチームを発足させ、これからのサンギについてディスカッションを重ねました。この言葉には、「皆様一人ひとりに寄り添い続け、共に歩んでいきたい」 というお客様への想いと、「毎日が素敵に輝くような価値ある商品を提供していく」という私たちの決意が込められています。こうした思いや決意を一緒に共有していける方にお会いできることを、心から楽しみにしています!

サンギ本日の企業探検まとめ

ロズリン・ヘイマンさん(代表取締役社長)

Roslyn Hayman・1945年オーストラリアのメルボルン生まれ。1967年メルボルン大学卒業、1969年フランスのニース大学卒業。1971年オーストラリアの貿易産業省を経て、日本に留学し、1977年東京大学大学院修了。同年に帰国し、在オーストラリア日本大使館に勤務。サンギの創業者である佐久間周治氏(現:同社会長)と結婚して来日後、1979年に共同通信社でジャーナリストを経験。1985年からはジャーディン・フレミング証券で証券アナリストとして勤務。その後、麻布大学に編入して1999年に獣医師免許を取得するも、同年に歯みがき剤「アパガード」などを展開する株式会社サンギへ入社。入社後は海外展開やリブランディングに注力し、景気低迷に落ちていた同社の立て直しに寄与。経営企画室長、副社長を経て、2016年に代表取締役社長に就任し、以降現職

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