企業探検隊

多様な生き方を尊重する「ウェルビーイング経営」を実現|アジャイルウェア

社員の幸福を会社の推進力に自律に基づく自由とチームワークで創るFeelGoodな未来SaaSシステム開発企業アジャイルウェア人事加藤愛さん

今回、企業探検隊が訪れたのは、大阪に本社をかまえる「アジャイルウェア」。自社プロダクトの開発販売や、Webシステムの受託開発をおこなっているIT企業です。

創業14年目を迎える現在の主力製品は、プロジェクト管理ツール「Lychee Redmine(ライチレッドマイン)」。スケジュールとタスクを一元管理でき、大手上場企業も含め、多種多様な業界のクライアントに支持されています。また近年は、スマートフォンアプリで運動の習慣化や従業員同士の交流を促進する企業向けウェルビーイングサービス「KIWI GO(キウイゴー)」も注目を浴びています。

アジャイルウェア社内写真1

同社は「Feel Goodな明日をつくる」というミッションを掲げ、社員一人ひとりのウェルビーイング向上を図ることによって業績アップを実現しているとのこと。2022年からは週休3日制を導入するなど、興味深い取り組みを時代に先駆けておこなっているアジャイルウェアの成長の原動力や社風について、人事担当を務める加藤愛さんにお伺いしました。

企業体験隊の発見|アジャイルウェアの社風

企業探検隊の発見|アジャイルウェアの社風

Q.アジャイルウェアの企業カルチャーとは何でしょう?

「多様性」「自由」「自律」という言葉がぴったりの会社だと思います。社員の考えを信じて任せてくれますし、社員一人ひとりに決断させてくれる会社です。外国籍の社員もいますし、社員たちのライフスタイルややりたいことに制限をかけることなく、多様な生き方を尊重する文化が根付いています

一例として、私のお話をしますね。たとえば、担当する採用業務で何かやりたいと思ったときに上司の許可は不要ですし、費用がかかる場合にも役員の決裁承認は必要ありません。自分で責任を持って決断する機会がとても多い分、成長実感が大きいですし、社内を説得するための資料作りやプレゼンにリソースを割かなくて済むので、生産性も高まります。

軸にあるのは「人を大切にするウェルビーイング経営」であり、それに基づく仕組みをさまざまに構築している会社だと思います。

アジャイルウェア社内写真2

Q.具体的にはどのような仕組みなのでしょうか。

まず働き方においては、リモートOK、フレックスタイム、週休3日制を導入しています。これらを活用しながら、社員一人ひとりが自分らしく働くことができ、かつ、より良い成果を上げられる環境を自由に選ぶことができます

実際に、家庭の事情や趣味など、社員はそれぞれのライフスタイルに応じた働き方をしています。子どもがいる社員は早朝に1時間仕事をして、子どもを保育園に送って9時から15時半まで仕事をし、子どもを迎えに行って食事やお風呂の世話をして、20時に寝かしつけてからまた1時間仕事をする、なんて変則的な働き方をしていますね。

アジャイルウェア社内写真3

趣味で平日に休みたい用事が多くある分、土日に勤務を多く入れている社員もいますし、私も趣味中心のライフスタイルです。週4日ピラティスに通っているので、何があっても18時には退勤しており、レッスンを終えてから仕事を片付ける日もありますね。メリハリをつけて働いている社員が多いので、残業時間の月平均は10時間程度です。

大まかな勤務状態(勤務中・休憩・退勤等)はチャットツールで確認できますが、細かく監視はしません。性善説が基本なので、勤怠管理もすべて自分でやってね、そのやり方で成果を出してね、という自律を求めるスタイルです。

ウェルビーイングには心身の健康も欠かせないことから、運動促進アプリの活用や法定項目以外の健康診断項目への受診補助など、健康管理にまつわる施策も積極的に推進しています。

アジャイルウェアが目指すもの

Q.それぞれが自由な働き方をするなかで、社内のコミュニケーションはどのように取っているのでしょうか。

ウェルビーイング経営を実践するためには「心理的安全性の高い職場」が欠かせません。そのため、社員同士がフラットに交流できる場づくりは、会社として積極的に支援しています。

全社的には月に1回、大阪オフィスに集合する機会を設けています。対外的には会社の休業日として、社内でのグループワークや研修をしています。東京オフィスの社員たちも全員出張してきてもらっており、お互いの顔を知ることで意見交換がしやすい風土を醸成しています。誰もが安心して意見を発信できる環境を作るためにも、社員一人ひとりにアサーティブコミュニケーション(=お互いを尊重し合いながら意見を交わすコミュニケーション)のスキルを身に付けてほしいと考えています

当社が提供している企業向けウェルビーイングサービス「KIWI GO」のギルド機能(従業員の趣味や興味をもとに立ち上げられた社内サークルを通じてコミュニケーションを促進する機能のこと)によるイベント支援や、月一のゆる募バーベキューイベント、お花見、運動会など、季節ごとにさまざまなイベントもおこなっています。会社の業務として扱うイベントも多く、参加率は非常に高いですね。運動会では、普段の仕事で接点がないメンバーとも仲良くなってほしいという思いから、あえて部署をごちゃ混ぜにしてチーム分けをしています。

そのほかリモートでも気軽に話せる雑談チャンネルがあったり、ダーツやボードゲームなどの遊びツールもオフィスに用意していたりと、 オンライン・オフライン問わず、社員が気軽に交流できる場づくりをしています。

企業探検隊の発見|アジャイルウェアの採用面接

企業探検隊の発見|アジャイルウェアが求める人物像

Q.現状、中途採用のみとお聞きしていますが、今後は新卒採用も予定していますか?

はい。まず前提として、当社はここ数年、社員数が急激に増えている状況があります。2025年1月現在で社員数64名になりますが、2〜3年前は30名ほどだったので、倍以上になっていますね。退社する人がほとんどいないなかで続々と新しいメンバーが加わっている背景があり、業績好調を受けて、これから新卒採用を始めていこうという段階に入っています。

社長はよく「新卒採用は社会貢献」と言っています。他社が育成コストをかけて育ててくれたメンバーが当社に来て活躍してくれたおかげで、今の自分たちがある。これからは未来を担う人材を自分たちでも育てていこう、という方針です。新卒採用のメンバーが入ってくれることは会社全体への刺激になり、既存の社員たちのためにもプラスの影響があると考えています。

Q.どのような新卒採用をおこなっていく予定なのか気になります!

いわゆる採用面接のようなものを実施せず、「今年は新卒を何人採用する」といった採用枠も決めていないことは、当社の採用スタイルの特徴かもしれません。

大阪本社で2~3週間のインターンシップをおこなった後に、お互いに良い関係になっていけそうだね、と合意形成を図れるかどうかを見ています。現場のメンバーから「この方なら責任持って育てられます」という意見が出て、かつ応募者の方にも「当社の環境で成長できそうだ、ここで頑張っていきたい」という意思が芽生えた場合、つまり両者のマッチングができたときに社員としてお迎えしたいと考えています

開発エンジニアの採用がメインなので、インターンシップでは毎日大阪のオフィスに出社してもらって一緒にモノづくりをするプログラムを用意しています。現在は、2027年卒業の学生さんに向けてプログラムを準備中です。

Q.インターンシップで見ているポイントは? 

当社は数年前から週休3日制を導入しており、有難いことにこの制度に注目いただくことが多くあります。しかしこの働き方は、週4日という限られた勤務時間で最大限の成果を出すことができてこそ実現できるものなので、その意識や心構えは必要です。

誰かに監視や管理をされない状態で、しかもリモートワークやフルフレックスという働き方で十分な成果を出すためには、自己管理ができる人でなければ難しいかと思います。それが当たり前にできるメンバーが集まっているので、「ウェルビーイングを実践する当社の社風や文化に馴染めるか」というところは重点的に見ているポイントです。

自由には責任がともなう、ということを心得ている人にお会いできたらうれしいですね。

インターンシップで見ているポイント

Q.これだけは準備してインターンにきてほしい、ということはありますか?

「なぜこの会社で働きたいのか?」を自分の価値観と結びつけて考えてきてほしいですね。当社は仕事以外にも夢や大切なものがあり、「これが好きで、これをやりたい」ということがはっきりしている社員が多いので、特にやりたいことがなく、周りになんとなく流されるタイプの人には、ちょっとしんどい会社かもしれません。

また、ウェルビーイング経営が、イコール「ラクに働ける」という意味ではない、という点は理解したうえで参加してほしいです。なぜこのスタイルを採用しているのか、真の価値を理解いただけたらうれしいです。社員たち皆が頑張っているからこそ当社はこの姿で在れているので、「自由な環境で、自分が頑張ることができるだろうか」ということを、あらかじめ自分に問うてきてほしいですね

Q.「自由」「自律」のカルチャーには責任がともなうということですね。

まさにそういうことです。この働き方で成果を出すには、自分なりの努力や工夫が必要です。「休みが多いから入社したい」というタイプの人や、受け身で指示を待ってしまう人は、当社のカルチャーにはマッチしないと思います。

どうすれば当社がより良くなるかを自分たちの頭で考え、それぞれが周りと協力し合って働きやすい環境を作っているので、「会社が何とかしてくれる」と考える人や、個人プレーが好きな人も馴染みにくいかもしれません。

企業探検隊の発見|アジャイルウェアで活躍する社員の特徴

企業探検隊の発見|アジャイルウェアで活躍する社員の特徴

Q.社員の皆さんの共通点はありますか?

先に述べたことと共通しますが、当社で活躍するのは「与えられた仕事をこなす」という考え方ではなく、自ら考えて主体的に実行に移せる人。ウェルビーイングの価値に共感していて、チームワークを重視できる人や、柔軟な働き方に適応しながら生産性を高める工夫ができる人が多い会社です。

アジャイルウェア社内写真4

もう一つ、それぞれの得意なことで力を発揮しよう、という風潮もありますね。嫌いなことや苦手なことを無理してやろうとするより、周りを巻き込む力を発揮して社内の得意なメンバーに任せたり、外注したりしてかまわない、というのが当社の考え方です

Q.役割によって違いはありますか?

どの部署でも「ウェルビーイングを軸にした働き方」を重視していますが、部門別では以下のような人材の特徴があるかと思います。

アジャイルウェアで活躍する人材の職種別の特徴

Q.入社後はどのようなキャリアパスが想定されますか?

個々の「やりたい」を尊重しており、いかようにもキャリアを描ける会社なので、あくまで一例としてお話ししますね。

エンジニア職の場合、まずはペアプログラミングを通じて実践的なスキルを学んでいただきます。経験を積んだ暁にはスクラムマスターやプロダクトオーナーとして活躍いただき、将来的には当社の主力製品「Lychee Redmine」の新機能開発などに携わっていくキャリアパスが想定されます。

アジャイルウェア社内写真5

ビジネス職の場合は、最初に顧客サポートやカスタマーサクセスを経験したのち、企業向けウェルビーイングサービス「KIWI GO」や新規事業のプロダクト企画にかかわっていく可能性が高いかと思います。

もちろんこの限りではなく、本人に「あのプロダクト、あのプロジェクトにかかわってみたい」という意向があった場合は、社内でのチャレンジがしやすい環境を整えています

実際に、プロジェクトマネージャーとして入社したものの、「人に教えることが好きなので、そっちに全振りしたい」という本人の意向からカスタマーサクセスの部署にキャリアチェンジし、お客様に当社の主力製品を教える役割を担っている社員の例もあります。

Q.新卒入社の場合の育成プログラムはどのようなものを考えていますか?

新卒入社の社員を迎えるのはこれからなので、入社が決まれば、その人に合った教育カリキュラムを考えていきます。まずはやってみて、うまくいかなければブラッシュアップして、という形で、オーダーメイドで育成に取り組んでいくつもりです。

エンジニア職については、エンジニアの基本知識だけでなく「AI(人工知能)を使いこなせる人」かつ「営業やビジネスの目線を持っている人」に成長してもらえるプログラムにしていこう、ということを決めています

これからの時代のエンジニアには、お客様に寄り添って要望を把握する力と、その要望の実現のためにAIを使いこなす力が必須だと考えているためです。将来は「エンジニア=AIを操れて、お客様に寄り添える人」という位置付けになり、営業との線引きも曖昧になっていくだろうと予想しています。

Q.最後に御社への入社を考えている方へのメッセージをお願いします。

世の中には「社員を増やすことで戦力を高めよう」といった考え方もあると思いますが、当社は、今いる社員たち一人ひとりが120%の力を発揮できるようにすることで、会社の力を強くしようという方針です

そのため、当社の働き方や社風にマッチする方に絞って採用をおこなっていますが、本記事を読んで「我こそは」という人がいれば、ぜひ気軽にコンタクトを取ってもらえたらうれしいです。

アジャイルウェア本日の企業探検まとめ

加藤 愛さん(人事/採用担当)

Ai Kato・大学卒業後、パナソニックグループの派遣会社へ入社し営業として勤務。その後、人事紹介会社でのコンサルタント職を経て、2019年からITベンチャーにて採用および人事を担当。その後2022年2月よりアジャイルウェアに入社し、以降現職。 「人が好き」を軸に、人材業界・人事分野でのキャリアを積む

企業詳細:コーポレートサイト

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