企業探検隊
熱意を持って各々のテーマに向き合う法律のプロ集団|レイ法律事務所
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今回訪問したのは、14名の弁護士が在籍し、それぞれの得意分野を活かして幅広い事案に対応しているレイ法律事務所。
2014年の設立以来、メディア・エンターテインメント分野や、学校法務、企業法務、家事事件から労働事件まで幅広い問題を扱っており、インターネット・SNS・LGBTトラブルなど、新しい時代の問題にも積極的に対応している法律事務所です。所属する弁護士の皆さんはメディア出演も積極的におこなっており、オフィスにはTVのコメンテーターなどで見覚えがある方も。
事務所名である「レイ」には、「相談者・依頼者の心(i)の再スタート(restart)を支えたい」という思いが込められているとか。世界一の総合法律事務所を目指すレイ法律事務所の成長の原動力や社風について、共同経営者弁護士である髙橋知典さんに取材しました。
企業体験隊の発見|レイ法律事務所の社風
Q.レイ法律事務所の企業カルチャーとは何でしょう?
弁護士事務所は弁護士と事務員で成り立っていますが、役割分業をし合う仲間としてのフラットな関係性が特徴です。基本的にペアで行動する関係性なので、私たち弁護士からは「具体的に指示をする、言いたいことを汲み取って言語化してあげる、口撃をしない、事務員の行動に最終責任を取る」といったことを大事にしていますし、事務員の方々もクレーマーも含めたすべての対応の窓口として、私たちを守ってくれています。
互いを守り合い、感謝し合える関係でいたいというのが、事務所としての方針です。外では依頼者を守るために戦う仕事だからこそ、身内同士は守り合いたいよね、内部の人間関係では絶対に揉めたくないね、というのが共通認識です。「悪口は禁止」「不機嫌な態度を取らない」といった人としてのルールを大事にしています。
Q.人としての基本的な姿勢を大切にしているのですね。ほかにはどんな特徴があるのでしょうか。
話し合って物事を決める場面が多いことは、当事務所の文化だと思います。弁護士それぞれに専門分野を持っており、お互いの脳みそをつなげあったほうが良いアイデアが生まれるという考えからです。
弁護士事務所はパーテーションや半個室で仕切られているところが多いですが、うちはあえて、仕切りのない広い部屋に全員の机を並べています。「コミュニケーションがイノベーションを起こす」と信じているので、今後もこのオフィスの形を変えずにいく予定です。そのため黙々と仕事がしたい人というよりは、話しながら仕事をしたい人に合う事務所だと思いますね(笑)。事務員の方々にも経営会議にも参加してもらっています。
Q.コミュニケーションの場づくりを大切にしているのですね。
はい。ほかの事務所を経験してきた事務職の方々の話を聞いていても、かなり仲は良いほうだと思います。個別の食事会もおこなっていますし、事務所全体でのBBQや忘年会なども開催しています。こうした交流の機会も、誰かが一方的に決めて「今度はここでやります」と周知をするのではなく、皆の都合や希望を聞いていますね。「今度はどのお店でやる?」なんてことも、すべて話し合いの場に乗せてから決めています。
企業探検隊の発見|レイ法律事務所の採用面接
Q.どのような採用選考なのか気になります。新卒の採用面接では具体的に何を質問するのですか?
事務職への応募であれば、所内で連携しあいながら弁護士のサポートをおこなうのがおもな業務となるので、周りと協調して仕事ができる方か、サポートのポジションにやりがいを見出していただける方か、といった点を見ています。事務員としてキャリアアップしている方もおり、将来への展望も持てる事務所だと思います。
弁護士への応募であれば、「自分がやりたいこと」と「自分ができること」の両方について聞きたいですね。「あなたは何をやりたい人なの?」ということをぜひ知りたいと思っています。
Q.面接でその質問をする意図はなんでしょうか?
自分の過去や価値観としっかり向き合えていて、本当にこれをやりたいんだ、ということを見つけられている人が当事務所の弁護士のカラーだからです。当事務所の弁護士はそれぞれに注力しているテーマがあり、新しい分野を開拓している人も少なくありません。「降ってくる案件を選り好みなくやっていきたい」という弁護士が入所してくれることも歓迎なのですが、やれと言われたことをやるだけでは満足できない人が集っており、ビジネスだけではない志を持っている弁護士が多い事務所です。
過去の実績やキャリアはなくても大丈夫です。「自分はこの分野をやりたくて、こういうことが得意なタイプだけど、まだキャリアはない」という状態でかまいません。自分の過去や経験としっかり向き合ったうえで、どんな志に基づいてこの仕事を選んだのか、話せる状態で来てほしいです。
やりたいことが明確になっていなくても「これから見つけたいと思っています」という真剣さを伝えてもらえたらうれしいですね。少なくとも「この分野には興味がある」「自分の得意なことをこんなふうに活かせると思う」といったことは聞いてみたいです。
Q.面接のときに「これだけは注意してほしい」という点はありますか?
2点あります。一つは、何はともあれ本音で話してほしいということです。本音で話していない人は罪悪感があるからか、会話の反応がワンテンポ遅くなり、苦しそうに見えます。もちろん緊張もあるでしょうから、リラックスしていない印象を持ったときには「本音のところ、どう?」と聞くなどしています。そこで打ち解けて本音を聞くことができれば、採用を検討するようにしています。本音のところで何がしたいかが見つかっていない様子であれば、それを考える時間を持つようアドバイスすることもありますね。
もう一つは、「テレビやメディアに出たい、有名になりたい」といった志望動機での応募は歓迎しないということです。「何のために有名になるの?」と聞いて、納得できる理由があるならば話は別ですが、本当にメディア中心でいきたいならば、タレント弁護士になったほうが良いと思うからです。
当事務所にはメディアに出ている弁護士が複数いますが、あくまで基礎的な弁護士業務の能力が備わっている状態で、かつ目的を持ってメディアに出ている人ばかりです。目の前の仕事に興味関心を持ち、大切にできる方を採用したいと考えています。
Q.髙橋さんも積極的にメディア出演をされていますよね。その目的をぜひお伺いしたいです。
私の場合は「いじめなどの学校問題に弁護士を当たり前に使う世の中にしたい」という思いがあり、悩んでいる人たちに声を届けるために積極的にメディア出演をしています。書籍監修などを積極的に引き受けているのも「弁護士費用を払う余裕はないけれど、学校問題に悩んでいて知恵が欲しい」という人たちに情報を届けるためです。
メディア出演は華やかに見えるかもしれませんが、そうした目的に基づく覚悟がなければリスクやデメリットのほうが大きいです。私自身、根も葉もないことをSNSで拡散された経験もあります。発信手段として自ら選んでメディアに出ているので耐えられましたが、「こんなにもSNSでの炎上は不快なのだな」と体感でき、当事者である人たちの気持ちがほんの少し理解できたように思います。この経験が「もっと楽しい方法で発信していこう」という決意につながり、最近は漫画監修なども積極的に引き受けています。
企業探検隊の発見|レイ法律事務所で活躍する社員の特徴
Q.弁護士の皆さんの共通点はありますか?
当事務所の理念として掲げているのは「子どもたちを被害者にも加害者にもさせないために」「アーティストの権利を守る」といったメッセージです。どちらのメッセージの根底にも「構造的に見えなくなっている現代の弱者の立場の方を助けたい」という思いがあるので、損得抜きで依頼者を助けたい思い、志を持った弁護士が集まってくれています。
代表弁護士が「本当に困っている人がいたら、世の中を敵にしてでも助けたい」という情熱や熱意がある人なので、そういった価値観に共感できるかどうかもポイントになるかもしれません。弁護士の仕事は少なからず「なぜあんな人、あんな会社を弁護するの?」といった批判を浴びることがあるものですが、当事務所では自分たちが損をするから引き受けないといった判断はしません。
熱意がある人が多いというと少々暑苦しい印象があるかもしれませんが(笑)、上述したようにコミュニケーションが盛んで、賑やかで明るい雰囲気の職場です。マイペースにのんびりと、しっかりと仕事ができる人たちが集っています。事務職内部、弁護士内部でも、それぞれ専門性が異なる仕事を担っていますが、できることや技術に違いがあるだけで、人柄はそれぞれ親切な人たちばかりです。
Q.どんなバックグラウンドを持った弁護士が多いのですか?
バックグラウンドは本当にさまざまです。たとえば当事務所のNO.2は、エンターテインメント分野に強い弁護士です。「人生でつらいときに生きるエネルギーをくれたアイドルの人たちに恩返しがしたい、客席からではなく背中側から応援したい」という思いから、この分野を専門として活動をしています。
また、「女子の発達障害は周囲に認知されにくく、療育にかかるチャンスが少ない」ということに問題意識を持ち、学校の勉強についていけない女の子を助けたいという思いを持っている弁護士もいます。
超大手の弁護士事務所に新卒で入所したものの「大きな案件の歯車ではなく、お客様の顔を見ながら仕事をしたい、誰かの助けになれたという手応えのある仕事がしたい」という思いが芽生え、当事務所に来て活躍してくれている若手弁護士もいます。40代で司法試験をパスして入所している弁護士もいて、幅広い世代が活躍しています。
企業体験隊の発見|レイ法律事務所で描けるキャリアコース
Q.入所後は、どのように新人をサポートしていますか。
弁護士の場合は入所後まずアソシエイト(パートナー弁護士の業務を補助する所内の弁護士)として、部門を統括するいずれかの弁護士のもとで基本的な業務の流れを学んでいただきます。一人ひとりが省庁のように専門分野が異なる事務所なので、できるだけ本人がやりたい領域の弁護士についてもらいたいと思っています。一時的にほかの案件への協力をお願いすることはありますが、やりたい案件に携わるチャンスは必ず与えます。
幸いなことに、入社いただいた方々は皆さん一生懸命に仕事をしてくださっていたので、退職理由としても「入社前後でギャップがあった」という声は聞いたことがありません。
Q.経験を積んだ後は、どのようなキャリアコースが想定されるのでしょうか。
ストレートで弁護士として入った人であれば、20代後半くらいから自分の担当事件を持ち、裁量権を持ちながらアソシエイトを続けるか、もしくはジュニアパートナーとして、自分の部門を持つかを選択していきます。ジュニアパートナーは経営者にも近い立場です。集客の目線も必要ですし、将来的にメンバーを集めて部門を育てていくことも考える必要があります。責任は大きくなるものの、自分が希望する案件をやりたいんだという気概がある人には、こちらが向いていると思います。
事務職の場合は、おもに2つのキャリアコースがあります。一般的な法律事務の仕事を突き詰める形か、もしくは法令や裁判例等のリサーチ業務をおこなう方に分かれていきます。
Q.最後に就活生へのメッセージをお願いします。
就職活動の時期は、周囲の知人や友人に対しても、自分を強く、良く見せようとしてしまいがちです。私も最初の就職活動では結構苦労したのですが、うまくいっている友人の成功談や自慢話に焦らされることが多かったです。
しかし、そうした友人たちも就活で得た地位に満足できず早々に辞めてしまったり、キャリア選択に後悔していたりと、就職活動が順調だとしても後々うまくいくとは限らないのだなと今は思っています。
就活生の皆さんにはできるだけ多くの企業を調べて、自分に合ったところを楽しみながら探してみてほしいですね。就活を楽しむためには「就活がうまくいかなければならない」という考えを捨てることが肝心です。周囲の人と比べる癖も捨ててしまいましょう。「自分自身がこの生き方をしたら満足できる」というところから逆算して、そこに近い仕事を探してほしいなと思います。
レイ法律事務所 パートナー弁護士(共同経営者) 髙橋 知典さん
Tomonori Takahashi・明治大学法学部法律学科卒業、中央大学法科大学院卒業。2013年に司法試験に合格後、障害のある児童向けの学童サービスでのアルバイト期間を経て、レイ法律事務所に入所。以降、子どもにかかわる事件全般、いじめ、退学、体罰、学校内での事故等の学校問題、離婚等の夫婦関係の問題まで幅広く事件に対応。 士業の傍ら、東京こども専門学校で講師を務めた時期も。TV等へのメディア出演や漫画・書籍の法律監修も積極的に引き受けている
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