企業探検隊
一人ひとりの「当事者意識」を推進力にCXの向上を牽引|モビルス
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今回、企業探検隊が訪れたのは「モビルス」。モビルスは2011年に創業したSaaS企業(サーズ/クラウドを通じてソフトウェアを提供する企業のこと)です。
「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」をビジョンに、コンタクトセンター(コールセンター)向けのCXソリューションを提供。AI(人工知能)や生成AIを活用したオペレーション支援生成AIサービス 「MooA®(ムーア)」 や、顧客コミュニケーションのノンボイス化とデジタル化を推進するSaaSソリューション「モビシリーズ」の開発などを手掛けています。
学生の皆さんも、各種サービスの窓口で「有人チャット」や「ボイスボット」を目にしたことがあるのではないでしょうか。同社はそれらを手がけるクライアントに対して、システム面での開発や支援をおこなっている企業です。
最新テクノロジーを駆使したソリューションを得意とするモビルスの成長の原動力や社風について、取締役 兼 最高財務責任者(CFO)コーポレートディビジョン長を務める加藤 建嗣さんにお伺いしました。
企業体験隊の発見|モビルスの社風
Q.モビルスの企業カルチャーとは何でしょう?
現在はエンジニアとビジネスサイドの社員がおよそ半数ずついる会社ですが、もともとエンジニア中心の会社ということもあってか、割と落ち着いた雰囲気があると思います。
今年度初めて新卒入社の社員を迎えましたが、それまでは中途採用でメンバーが集っており、バックグラウンドも多様です。特にエンジニアの2〜3割は日本在住の外国籍の人たちなので、グローバルな雰囲気もあります。
社長も含めて「さん付け」で呼び合っており、人間関係はとてもフラットですね。創業以来のベンチャー気質も健在です。アイデアがあればとりあえずやってみよう、未完成でも良いからスピード感をもって実行しようというチャレンジ精神を持っている人が多く、失敗はチャレンジととらえる風土です。
Q.加藤さんも2018年に中途入社されたそうですね。その際にどんな印象を持たれましたか?
会社のイベントを嫌がる人がいないことは、良い意味でのギャップでした。会社側が作った制度や環境を積極的に利用するかは社員次第だと思うのですが、当社は積極的に利用してくれる人が多く、社内の人間関係を楽しんでいる人が多い会社だと思います。同席してくれている鳥居さんはどう思いますか?
マーケティングディビジョン・鳥居由利子さん(以下、鳥居):「人が良い会社」だと思います。お客様だけでなく、社内のメンバーに対しても親身に接する人が多いです。質問や相談をすると自分のことのように考えて言葉を返してくれますし、一緒にアイデアを考えてくれる人も少なくないですね。
加藤:コンタクトセンターのビジネスは「お客様の立場になって考える気持ち」が必要で、当社の社員たちはそういうお客様に常日頃接しているので、影響を受けているのかもしれませんね。
鳥居:あとは個人的な意見ですが、子どもがいる人もかなり働きやすい会社だと思います。出産後の復職率も100%ですし、福利厚生制度も気兼ねなく利用できます。女性はもちろんですが、半年近く育児休暇を取得した男性社員もいます。こういったエピソードは会社のブログでも発信しているので、気になる方は見てみてください!
加藤:育児中の社員は、言われてみればかなり多いですね。全社的には週2回までリモートワークOKにしていますが、お子さんの体調不良等、事情がある場合はその限りではなく、柔軟に対応しています。
Q.社内のコミュニケーションの場はどのように設けているのでしょうか。
「MRT」と称するラウンドテーブル形式の全社会議を毎月おこなっています。会議の内容としては中期経営計画書の方針を発表したり、ゲストスピーカーを招いて話してもらったり、堅いものから柔らかいものまでさまざまです。会議の後には立食形式の懇親会を有志で開いており、こちらも毎回60名近くが集まってくれます。
釣り部、登山部、英語部など、社員たちの発案でどんどん新しい部活も誕生しています。部活は部門間のコミュニケーションの促進につながるので、会社としても一人あたり月1,500円の部費を支給して支援しています。
そのほか、普段仕事であまり接点のない社員同士をランダムに組み合わせ、ランチに行く費用を出す「シャッフルランチ」といった企画も半期に1回実施していますが、こちらもうれしいことに多くの社員が参加してくれています。
企業探検隊の発見|モビルスが求める人物像
Q.新卒採用を始められたばかりとのことですが、どのような方を募集されているのですか?
エンジニア職とビジネス職の両方を募集しています。あくまで現時点の予定ですが、今後はそれぞれ1〜2名ずつの採用を毎年必ず続けていこうと思っています。
一つだけ条件を挙げるならば、「CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験・顧客体験価値)」や「DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル変革」)といったキーワードに興味がある方にお会いしたいですね。
とはいえ、当社はBtoBの会社ですし、学生の方々にとってコンタクトセンター向けのビジネスはイメージしやすい分野ではないと思うので、最初の応募の時点で完璧に事業内容を理解している必要はありません。選考を通して、理解を深めてもらえればという思いです。
Q.採用過程では、どのようなポイントを見ていますか?
基本的なコミュニケーション能力、顧客を理解する姿勢やその力があるか、考え抜く洞察力や情報を整理して提案に結びつけていく力があるか、といったことを総合的に見ています。
定番のセールストークで数を打っていく営業や、足で信頼を稼ぐタイプの営業がしたい人、そちらのほうが向いているという人もいるでしょう。その営業スタイルも正攻法の一つです。
一方で、当社がおこなっているSaaS製品を通じたソリューションの提供やコンサルティングの仕事は、完成品を販売するようなシンプルなビジネスではありません。顧客それぞれに異なる課題に対して提案を考えたうえで、抽象的なものを提案する作業を担うので、「知的生産が好き、頭を使うのが嫌いではない」という人のほうがよりミスマッチが起きづらいと思います。
Q.人間性の部分で見ているポイントはありますか?
いろいろな人に来ていただきたいので、特にカルチャーマッチは考えていません。ただ、社会人になってから新しく学ぶことはとても多いと思うので、素直な部分がある人のほうが吸収スピードが速いだろうとは思っています。
また、先ほど鳥居も語ってくれたとおり、人をサポートしたい気持ちがある人、協調性がある人のほうが、やりがいを感じやすい会社ではあるかもしれません。成功する人の足を引っ張るような人もいないですし、社内で競い合うというよりは、チームワークが好きな人によりマッチすると思います。
Q.反対に、ここは歓迎しないという要素はありますか?
面接の際、当社に対する質問がまったくないと「あれ、うちに興味がないのかな?」と思ってしまう気がします。一次面接では、むしろ我々のほうをインタビューしてもらってもかまいません。こちらにガンガン質問して理解を深め、何か決め手を見つけてもらって、最終面接で社長に会うまでに「なぜモビルスに入りたいのか」を語れる状態になっていてもらえたらと思います。
「なぜモビルスなのか」について答えられる思考力は、顧客に自社のサービスを選んでもらうためにも必要なので、応募者の方にもぜひ「なぜ当社なのか」を準備して選考に臨んでもらえたら嬉しいです。
企業探検隊の発見|モビルスで活躍する社員の特徴
Q.社員の皆さんの共通点はありますか?
世代に関係なく、最新技術やビジネスのトレンドに敏感な人が多い会社です。エンジニアに関しては、「ITやテクノロジーが大好き」という人が多いですね。生成AIを研究している社員もいますし、有志の競技プログラミング部などもあり、趣味としてプログラミングを楽しんでいる人もいます。
技術やプロジェクトに興味関心が強く、良い意味で根っからのギーク(ポジティブな意味のオタク)で、仕事だからというより「好きだから」という理由で働いている人もいるくらいです。
ビジネスサイドの社員たちのITリテラシーの差はあれど一定のレベルが求められるため、情報をキャッチアップする力はとても高いです。「自社の何が課題になっているか」を考えて発信し、自ら行動に移している社員ほど、活き活きと仕事をしているように思いますね。
Q.新卒として入社した場合、どのようなキャリアパスを描けるのでしょうか。
2025年卒の社員が新卒で入ったばかりなので、実際の例としてご紹介できるものはまだないのですが、成長のためにもまずはいろいろな役割を経験してもらう予定です。ひと通り経験を積んだら、ゆくゆくは専門性を磨いていってほしいですね。
エンジニア職では現状、基本的なプログラミングスキルがある人を迎えているので、開発案件にどんどん入ってもらい、やりやすいところから経験を積んでもらおうと考えています。
ビジネス職のメインはセールスになりますが、当社のお客様は大企業が多く、先に述べたように難易度の高いセールスなので、本格的にやれるようになるまでには多少時間が必要だと見込んでいます。まず社内のインサイドセールスやカスタマーサクセスの部門で商品知識を身に付けつつ、早めにお客様と接することができる経験を積んでもらおうと思っています。
Q.新卒社員向けの研修もすでに用意されているのでしょうか?
今ちょうど実施しているところです。新人研修では、社内の全部門をひと通り経験します。一つおもしろい内容としては、一人1週間ずつ「社長のカバン持ち」をやってもらう研修があります。社長がお客様と会う際にも同席し、経営層の会議内容なども全部見てもらおうと思っています。
新入社員に話を聞く限り入社前後のギャップは特にないようですが、研修カリキュラムについてはまだまだ手探りの部分があるので、毎年ブラッシュアップしていく予定です。
Q.最後に御社への入社を考えている方へのメッセージをお願いします。
当社は長年コンタクトセンター業界で培ってきたノウハウと、AIなどの最新技術を掛け合わせた製品に対して、業界から非常に共感や信頼をいただいている会社です。
コンタクトセンター業界ではトップランナーになりつつある“知る人ぞ知る会社”であり、「その業界で一番のもの」や「お客様に評価される製品」を扱える会社であることを、学生の皆さんにも知ってもらえたら大変うれしく思います。
取締役 兼 最高財務責任者(CFO)コーポレートディビジョン長 加藤 建嗣さん
Kenji Kato・国際基督教大学卒、2002年に大和証券SMBC入社(現:大和証券)。同社およびDaiwa Capital Markets Hong Kongにて、14年間、投資銀行業務に従事。上場企業及び非日系企業への資金調達/M&A等の提案業務、PEファンドのカバレッジ業務を担当。2009年にはペンシルバニア大学ウォートンMBA取得。2016年、食品商社である帝エンタープライズジャパン(現:ゼンフーズジャパン)に取締役副社長として入社し、経営全般を管掌。2018年5月にモビルスに参画し、CFO就任。同7月に執行役員CFO、同11月より現職
企業詳細:コーポレートサイト