キャリア講義
キャリアの軸は「やりたいかどうか」|かっこいい社会人であるために
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星野零生さん(Acroforce・Growth Stage事業責任者)
Reo Hoshino●就活生と企業のマッチングイベントの開催を手がけるAcroforceに2018年4月に入社。入社後2~3年は、法人営業や1,000人以上の学生とキャリア面談を経験した後、就活生と企業のマッチングイベントであるGrowth Stageを開催。現在はGrowth Stage事業責任者として事業を統括
Q:星野さんは現在、24歳という若さで事業責任者を任されるなどとても活躍されていらっしゃいますが、どのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
実は大学を卒業後、ファーストキャリアとしてはAcroforceではなく、不動産の会社で営業として働いていました。創業5年目のスタートアップの会社でした。
もともと、短大を卒業するタイミングで就職ではなく、4年制大学に編入するつもりでいました。編入試験に挑もうとしているさなか「一緒にAcroforceを立ち上げないか」とAcroforce代表の高橋(飛翔)から声をかけてもらいました。
高橋とは大学入学前からの長い付き合いで、彼の常に新しい物事にチャレンジする姿に憧れていました。
大きな目標を掲げ、実際に成し遂げていく姿を見て、有言実行していく彼と一緒に働きたいなと思っていたので、声をかけられたときはとても嬉しかったです。
しかし、私自身の実力不足を感じており、初めからAcroforceで働くのは難しいと思いました。
高橋と一緒に働きたいという思いがあったからこそ、同じ視座をもって仕事がしたいと考えていて。後ろからついていくのではなく、共に目標を掲げ、横並びで働きたかった。それにはまだ自信がなく、実力が足りないと感じていました。
だからこそ、スタートアップの不動産の会社で力をつけようと考えたのです。
なりたい自分になるために必要なこと
Q:ファーストキャリアの決め手や軸はなんでしょうか?
一番の軸は自分のスキルをいかに最大化できるかです。
自分としては最終的には魅力的な人と働きたいという思いがあって、短大時代に出会った高橋と働きたいと考えていました。一緒に視座に立って仕事をしていくことが目標だったので、「スキルを最大化」できるかがファーストキャリアの一番の軸でした。
当時、メンターに就活の方向性について何度も相談をしました。メンターとは就職活動やキャリアに関して相談に乗ってくれる社会人のことですが、私の場合は、高橋や会社を経営されている社会人の方がメンター的な存在でした。
自分が高橋と仕事をする上で足りていない要素を洗い出していった結果、「職種は営業にしよう」と決めました。ビジネスの根幹を担う営業こそ、自分に足りないものを幅広く補えると考えたのです。
業界に関してもいろいろ考え、4つの軸を固めました。
1.営業として働くことができる
2.高額なものを売る業界
3.無形商材
4.持っていなくても生活できるような潜在ニーズにあるものを扱う
業界や企業を選ぶ際は、いきなり絞り込むのではなく、少しずつ自分の求めている条件から選出していきます。私が出した4つの軸をまとめると以下のようになります。
高額かつ無形商材で、持っていなくても生活できるものを売る営業というところで、高いレベルを身に付けていきたい。その思いから不動産業界を選びました。
約1年間不動産会社で働き、営業として「アポイントメント→商談→契約→フォロー」と、一通りの業務をやらせてもらいました。一気通貫して担当することで、ビジネスの基礎を学ぶことができたのは非常に良かったですね。
そうして働いている中でも、高橋をはじめ、社会で活躍している経営者など、いろいろな人とつながりを大切にしていました。社会で活躍している方と関わっているうちに、自分ももっと成長していきたいと強く思うようになりました。
大きな夢や目標を口だけでいう人はたくさんいるけれど、私自身はそれを本気で成し遂げていくような“かっこいい大人”でいたいんです。
私はその“かっこいい”というキーワードを、日々働く上で何よりも大切にしています。
「ワクワク」「かっこいい」のアップデートがキャリアの基盤
Q:星野さんの言う「かっこいい大人」がキャリアを歩んでいく上で大切にしていることなのでしょうか?
その通りです。私は小中学生の頃から、自分の胸の高まるワクワクすることに常に目を向けていました。そして、そのワクワクを大切にしているのってとてもかっこいいと思っています。
大学生の頃に「ワクワクって何だろう」「かっこいいって何だろう」と考え、共通する言葉や思い描いていることを50個以上書き出しました。そこから自分にとってのワクワクとかっこいいの意味がはっきりとしていきました。
このワクワクとかっこいいは自分の中でとてもピンと来ている言葉で、これから先もずっと自分を作ってくれるものだと思っています。
できないこと・わからないことはそのままで、何に対しても本気じゃないってすごくダサいと思うんですよね。そうじゃなくて、常に新しいことにワクワクして、色んなことに本気でいたいです。
Q:それが星野さんご自身の成長となり、事業、会社の成長にもなっているのですね。
自分のキャリアに満足することなく、できることがどんどん増えていけば、もちろんそれは会社の成長にもなります。
誰にも奪われない人とのつながりや自分の経験
Q:Acroforceで充実したキャリアを実現するために大切にしていることは何でしょうか?
人とのつながりや自分の経験は、本当に大切だと思っています。
私自身、採用にも携わっているのですが、働く仲間はとても重要だと感じる場面が多くあります。売り上げや目標としている数字を達成するためには、同じ目標に向かって走る「誰と働くか」が何よりも重要です。
よく、ヒトが組織を作っていくと言いますが、まさにその通りで。誠実で常にかっこよさを大事にしている人が今の仲間で、みんな活躍しています。
以前、営業先の人事の方から「今年も星野さんがいるから契約しようと思っています」という言葉をいただきました。素直にすごく嬉しかったですね。自分が少しでも誰かのため、世の中の為になっていると実感できた瞬間でもありました。
それまではキャリアは自分一人のものだと思っていましたが、そうではなく、人との関わりやその中の経験がキャリアを作っているのだと感じました。キャリアは多くがつながって作られているんですよね。一人のものじゃない。
自分だけの意思決定で簡単に変えられるものじゃないっていうのも、Acroforceで働く上で大切にしています。
Q:一緒に働く仲間や環境がすごく大切なんですね。
もうそれだけだと思っています。
先日入社した新入社員の2名もすごくて。彼らがインターン生としてAcroforceに来たとき、高い目標を立てて、それを達成しなかったら辞めるって言っていたんです。見事達成して同じ仲間になりましたが、それくらい一生懸命になれるってかっこいいし、私にとってもとても嬉しいことです。
「やりたいのか・やりたくないのか」がファーストキャリアを決める
Q:これからファーストキャリアを決める就活生に、どんなアドバイスをしたいですか?
今の就活生は話を聞いていると
「自分にできるか・できないか」
「自分に合うか・合わないか」
というモノサシで就活をしているイメージがあります。
でもそうではなくて、まずは自分の心にその仕事を「やりたいのか・やりたくないのか」と聞いてあげてほしいです。就職活動は就職するための活動ですが、そこがゴールではありません。皆さんのキャリアはそこから始まるんです。
就職したら終わりではない。そこがスタートになります。自分のやりたいことを一生懸命できる環境であれば、出会うべく人とのつながりも生まれます。一緒に頑張れる仲間ができれば、なりたい自分になれると思っています。
それが一番いいファーストキャリアになるのではないでしょうか。
Q:確かに、就活中はとにかく内定をもらいたいの一心で、就職してからのことを見失いがちです。
そうですね。少し矛盾するかもしれませんが、私としてはやりたいことってなくてもいいと思うんです。だって、社会人でもやりたいことが見つかっている人はなかなかいませんよね。
でも、将来どんな自分になりたいかは考えられると思うんです。ロールモデルは親でもアニメのキャラクターでも見つけてあげられるといいですね。まずは「どんな自分になっていたいか」を発見することが一歩。
やりたいことは、目の前のことを一生懸命に取り組んでいるうちに見つかったりもしますが、理想像は自分にしか考えられないものです。まずはそこから踏み出してみるのもいいと思います。
Q:星野さんのその「かっこいい」という考え方、とても新鮮でした。
自分の将来ありたい姿になるために、できることを一生懸命頑張って、それがやりたいことになっていって。多くの人と繋がって、色々な経験をする。それが一番ワクワクするし、かっこいいと思うんです。
<取材後記>
「わくわく」「かっこいい」というキーワードから一貫した働き方をしている星野さん。取材を通して、私も働く上で大切にしたいことを改めて考えてみようと思いました。就活をしていると、目の前の選考や内定ばかりに目を向けてしまいがちですが、一度自分の心に目を向けて「自分はどんな社会人になりたいのか」を考えてみてはいかがでしょうか?社会人0年目だからこそ、まだ見ぬたくさんの可能性が見つけられると思います。