キャリア講義
「自分の選んだ道を自分で正解にする」|自責思考がキャリアアップの近道
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二川喜文さん(リアステージ執行役員/リアルマーケティング事業部長)
Futagawa Yoshifumi●人材紹介事業を手掛けるリアホールディングスに2015年新卒入社。関連会社リアステージでの営業やキャリアアドバイザーを経て、リアルマーケティング事業部の立ち上げに携わり、同部の部長を務める。2021年7月に同社執行役員
Q:二川さんご自身は就活生時代、どのような就活をされていたのでしょうか。
「東京のベンチャー企業」という条件で企業探しをしていました。
なぜなら年功序列主義ではなく実力主義の会社に入りたいと考え、業界や職種にはこだわらず、仕事で成果を出せばキャリアアップできる環境で働きたいと考えたからです。
結果に応じて早くから昇進・昇給できるシステムに魅力を感じていました。スポーツと同じで、実力のある人が上に立つ世界に身を置く方が、自分のモチベーションにつながると考えたのです。
また企業探しをする中では「自分の成長と共に会社も成長していくかどうか」と「多角的な事業展開をしているか」といった点もよく見ていました。
一つの会社でしか通用しないのではなく、将来的にはどの業界・企業に行ってもビジネスを成功に導ける人材になりたいという思いがあったためです。
そのような条件で企業を探していたとき、リアホールディングスに出会ったのが入社のきっかけでした。
「自分の選んだ道を自分で正解にする」
Q:「どの業界・企業に行っても通用する人材になる」という軸で就職先を選んで正解だったと思われますか?
はい、正解だったと思っています。この軸が良かったというより、この軸でファーストキャリアを歩み始めたことを、自分の力で正解に近づけていく姿勢が良かったかなと思います。
どの企業に入っても、その選択を自分の力で正解にする姿勢があれば、自責的な思考をもって日々の業務に臨むことができます。
その結果、早期のキャリアアップにもつながったように思います。
Q:どこでも通用するスキルを身につける手段としては転職もあると思いますが、当時は転職も見据えていたのでしょうか?
転職せず、同じ会社の中でやりたい事業を立ち上げることを通じて、どんな業界や企業でも通用するスキルを身につけようと思いました。
そういった目的があって、ひとつの事業や商材にこだわらず、多角的に事業を展開している企業を選んだ面もあります。
やはりどんな事業に携わっても成功に導けるビジネスパーソンになりたいという思いが強かったです。
「自分はこうありたい」というビジョンを持とう
Q:これから社会に出る就活生には、どのようなマインドを持っていてほしいですか?
「これをやりたい」というよりは「自分はこうありたい」といった観点を持っていてほしいです。
なぜなら時代の変化や経験、属するコミュニティといった自分が置かれている環境の影響によって、自分がやりたいことや携わりたい業務はどんどん変わっていくからです。
そのため就活の段階で自分がやりたいことを決めてしまうよりも「社会人としてこういう人材でありたい」というビジョンを先に固めるほうが重要です。
入社後に自分がやりたい業務を任せてもらえないと、それを周囲のせいだと他責的に考えてしまう人が最近多く見受けられます。
どんな業務をやりたいかというよりは、どんなビジネスパーソンでありたいかという自分のスタンスを大切にした方が良いでしょう。
“for me”よりも“for you”の目線が充実したキャリアにつながる
Q:ファーストキャリアを歩み始める上で、新社会人が持っておくべきスキルや考え方を教えてください。
いろいろなお客様とつながりを持つ中で、“for you”の目線を持つこと大切だと感じています。
例えば「キャリアを積みたい」という気持ちだけだと、自分のことばかりで“for me”の視点しかないことになります。
お客様のために成果を上げたことで、結果的にキャリアアップに繋がった形であれば”for you”の視点を持っていると言えるでしょう。
目の前のお客様のために何ができるのかという、“for you”の精神を常に持つことを心掛けることが大切です。
Q:キャリア形成を意識し過ぎて、自分のことばかり考えるのは良くないということですね。
「キャリアを積みたい」というのは、あくまで自分の欲求です。まずはお客様に対して何ができるのか、といったところに目を向けるべきだと思っています。
Q:とはいえ中長期的に見れば、キャリアを積んでいく視点も大事ではありますよね。
そうですね。会社という組織に属している以上、自分を評価する企業が存在するはずです。
上司にあたるわけですが、自分に何を期待しているのかを理解することが、キャリアップのコツの一つだと思います。
自分のことばかり意識し過ぎると、会社の中で良い評価が得られず、結果的に自分の望むようなキャリアを歩むことはできなくなってしまいます。
上司が求めている頑張りと、自分が認識している頑張りが一致しないと、どれだけ一生懸命仕事に打ち込んでも評価されないからです。
私はこのことを理解していたので、自分の上司がどのような成果を望んでいるのかを評価面談やOJTを通じてヒアリングし、それに対して期待以上の成果で応えることを意識していました。
心を動かされた企業に就職しよう
Q:「こうありたい」というビジョンがあると、企業の方向性と噛み合わない時もあると思いますが、どのように折り合いをつければ良いのでしょうか?
難しい質問ですね。組織に属する以上、自分のビジョンは企業の方向性の中で描かざるを得ません。
そういった意味では、就活をする上では可能な限り自分のビジョンを明確にしておいて、そのビジョンと企業の方向性が合っているかどうかを確かめておくことも大切だと思います。
Q:自分のビジョンと企業の方向性は、どの程度合っているべきでしょうか?
個人的には「ピンときた瞬間」があれば、その企業に入社してしまっても問題ないと思っています。
どの程度合っているべきかは、言葉で定義することは困難です。
説明会や面接を通じて、感情が動く時があると思います。私が入社を決めたきっかけも、説明会で社長の話を聞いて良いなと感じたからです。
そこで「なぜ良いと思ったの?」と深掘りされても、感情的な部分なので明確に答えることは難しいです。恋愛と同じで、フィーリングで相手を選ぶのも全然ありです。
感情的な部分で共鳴できる企業に入社すれば、自分のビジョンと合致している可能性は高いと言えるでしょう。
このように、ふと「この会社良いな」と思えば、その会社に入っても大丈夫だと私は思っています。
Q:最後にこれからファーストキャリアを歩み始める就活生に向けてメッセージをお願いします。
最後は自分の意思で就職先を決めてほしいです。最終的な責任は自分にあることを強く意識して、シビアに就職先を選んで貰いたいものです。
そうすれば働き始めてから辛いことがあっても「自分で選んだ道だから」と、気持ちを強くもって乗り越えることができるでしょう。
自分の意思に責任を持つことが、何事も重要です。