キャリア講義

社会を見極め市場価値の上がる選択をしよう|型に凝り固まらず気楽に就活したっていい!

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目次

  1. 津田 大輝 さん(JHR・代表取締役)
  2. 稼ぐためには・市場価値を上げるには? 社会を見て考えることが大切
  3. やりたいことはなくていい! 学生時代の「やりたいこと」でキャリアを決めるな

津田 大輝 さん(JHR・代表取締役)

Daiki Tsuda●学生時代から起業を試みる。大学在学中にITベンチャー企業の代表に事業提案をおこない、同社内に人材紹介事業部を立ち上げる。2018年10月から人材総合サービス「JHR」をリリースし、2018年12月に独立しJHRを設立、代表取締役に就任し現在に至る

Q.まずは津田さんのご経歴を簡単に教えてください。

私のキャリアは実は大学4年のときからスタートしています。大学4年でとあるITベンチャー企業に業務委託という形で入りました。正社員ではなく業務委託だったのは、初めから独立前提だったからですね。

大学の頃から「起業したい」「独立したい」という思いが強くありました。そんな中で、学生時代の経験から自分は集客が得意であり、それを活かしたビジネスをできないかと考えた結果人材にたどり着きました。そんなときにそのITベンチャー企業の代表と会う機会があり、人材ビジネスを立ち上げたいと話したところ「うちでやりなよ」というお声掛けを頂いて、その企業で人材紹介事業部を立ち上げることになったのです。

そこから2年ほど経った頃には部署も成長してきたため、そのままスピンアウトして独立し、現在に至ります。

Q.学生時代から起業したい思いがあったのですね。

そうですね、もともと昔から「人生一度きりならたくさん稼ぎたい」という野心を持っていました。というのも私の父親が公務員で、若くしてキャリアを積んできたためそれなりに稼ぎはあったようです。その姿を見て「自分も父親のように稼ぎたい」と考えるようになったのでしょう。

そんなバックグラウンドがあったので、当初は当然公務員になる気まんまんでした。しかし大学時代のアルバイトがきっかけで「実は民間企業のほうが稼げるのでは?」と感じるようになりました。そこから「起業」に目が向き、ITベンチャー企業の代表と出会い……といった形です。

Q.ご自身のキャリアにおける目標点は「起業」だったということでしょうか。

いえ、起業は自分にとってただの通過点でしかないですね。そしてこれまでの経験は今後につながる素材集め、ステップのひとつだったという感覚です。

Q.では津田さん個人の今後のキャリアにおける目標は何なのでしょうか。

それが特にないのですよ。あまり自分のキャリアについて考えたことはないですね。特に起業してからは会社のことばかりを考えています。会社が好景気であれば自分も好景気になりますから、会社のキャリアが自分のキャリアになるのではないでしょうか

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Q.今は自分のキャリアよりも会社の成長に力を入れられているのですね。

そもそも、正直あまり仕事は好きではないのです(笑)。働くのもあまり好きではないです。特に学生のときは稼ぐための手段のひとつとして仕事をしている印象が強かったですね。

しかし今はひとつの会社の社長ですから、私の下には社員がいます。今はその社員たちが売上を立て、お金を稼いでいる姿を見るのも良いことだなと感じますね。昇給・昇格をしてお金をより稼げるようになると、誰でも喜ぶじゃないですか。仲間が喜んでいる姿を見るのがとても嬉しいですね。

それが「人生に幸せと感動を。」という当社の理念にも反映されています。お客様だけではなく社員にとっても当社が良いきっかけとなり、その人が働いて幸せになっていく姿を私は見ていきたいです

チームプレーで一緒に稼ぎ、そして会社をも大きくしていければとても嬉しいですね。今は自分が稼ぐよりも「会社をより大きくしていきたい」というところにフォーカスしてやっています。

稼ぐためには・市場価値を上げるには? 社会を見て考えることが大切

Q.ここからは学生のキャリア選択の話に移っていきますね。学生に対して、企業選びの際にどのような点を見ると良いと考えられていますか?

あくまで稼ぎたい人に向けたお話にはなりますが、ビジネスでいえば流行っているビジネスを選ぶと良いと思います。入ったときに業界水準が上がっている状態であれば、イコール市場規模が拡大している状態なので稼ぎやすいといえます

もちろん今流行っている事業が今後何十年と継続して発展していくとは限りません。しかし現在は終身雇用制度が崩壊し、第二新卒として転職活動を進める人が多くいる世の中です。ひとまずその時期に流行っているものであれば、今後4、5年は業界水準が向上し続けていくはずです。それとともに社員一人ひとりの給与も上がりやすく、自分も稼ぎやすくなるでしょう。

ただ、実際に入る会社であれば基本的には「人」で選んだほうが良いと思っています。実際社会人の中で「人がいいからこの会社で働き続ける」という人は多いですから。

Q.たしかにそうですね。「人」の中でも企業におけるどの「人」を見ると良いでしょうか。

上司でしょう。もっとも直近でかかわる人なので、そことの相性は見ておいた方が良いです。

ちなみに、私は経営者はそれほど重視する必要がないと思っています。もちろん20~30名規模の企業であれば多少は重視してもいいかもしれません。しかし従業員数が100名程の企業になると、経営層とかかわる機会がほぼないものです。

またよく「その企業の理念に共感できるか」という話を耳にすると思いますが、経営層と新卒とが同じ理念や価値観を持てるかというとほぼ確実に無理だと思っています。新卒が経営層の考えを100%理解するのは難しい、だからこそ経営層に目を向ける必要はあまりないと思いますね

Q.ちなみに、そのほかに企業選びで考えておくべき点はありますでしょうか。

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これも稼ぎたい人に向けて、また自分の市場価値を上げたいと考えている人に向けての話になりますが、ベンチャーか大手か、ここで迷う人は基本は大手を選ぶと良いと思っています。大手の方がその分大口顧客とやりとりができるからです。

ただし、学歴に自信がない人や、あまり器用でなかったりする人はベンチャー企業を選ぶと良いでしょう。ベンチャーの特性上、マルチタスクができるようになります。これは自身の成長や武器にもつながり、市場価値が高くなりやすくなりますから。

Q.大手企業の話について、もう少し詳しくお伺いしたいです。

大手企業の取引先は大手企業で、小さな企業の取引相手は同じような規模の企業であることが多いです。つまり自社の規模感に合わせて取引相手も変わるということですね。弊社もまだ規模は小さめの会社ですから、取引相手も小さめの企業です。

ということは大手であれば同じような規模の大手企業とつながりができる。そして仮に今後自分が別の企業に転職したり個人事業主になったときはそのクライアントの大手企業を新天地にそのまま連れていけるのです

また大手企業はそのネームバリューから大手に限らずさまざまな企業とも取引ができます。転職・起業後も、新規開拓ばかりでなく手持ちがある状態で事業をスタートしやすくなりますよね。ただしここは自分個人がその企業と良好な関係性を築けていることが前提とはなるので、個人の努力は欠かせませんよ。

やりたいことはなくていい! 学生時代の「やりたいこと」でキャリアを決めるな

Q.津田さんはもともとやりたいことがあり、それに向かって進んでいたイメージですが、やりたいことがない学生はどのようにやりたいことを見つけると良いでしょうか。

私自身はやりたいことをやらなくてもいい派ですし、今の就活はやりたいことで仕事選びをして失敗するパターンの方が多いと思うのですよね。だからこそ就職先は「人」で選んだほうがいいです。大前提として無理にやりたいことを見つける必要はないと思っていますし、やりたいことをやらなくていい。やりたいことを探さなくていいと思います

仕事選びにおいては「これできそう」「おもしろそう」「かっこよさそう」これくらいの感覚で仕事を選んで良いでしょう。むしろ、ビジネスの仕組みが理解できていない状態での「やりたい」は就活の失敗を引き起こしがちです。

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自分の好きなものを好きなように動かしたいから「やりたい」という感情が芽生えると思うのですが、ビジネスにおいては会社の仕組みや考え方があります。売り方など、どうしても思う通りにはいかないことだらけの中で本当に「やりたい」と思い続けられるかはわかりません。享受しているから楽しいのであって、それを提供する側でも楽しいのかは別問題ですから。

Q.こういったやりたいことがない学生でも今後のキャリアを描いたり考えたりする方法はありますか?

今後のなりたいキャリアも、理想の将来像も、学生のうちからもっている必要はないです。もっている人が偉いというわけでもないので。

正直そういったものは企業に勤めてから考えるものでしょう。まずは目先の仕事をがんばって売上をつくること。そうすることで見えてくるものが必ずあるはずです。就活中の「今」考える必要はないと思いますよ。

私もそうでしたが、新卒のうちはどうしても「社会人」とは何かうまくわかりませんでした。それが実際働くことで大人や会社の都合や腹黒い部分が見えてくることもあり、そしてそういった面には就活中には気づけないものです。社会人としての実態すべてを含めて、今後のキャリアや将来像は就活中ではなく働いてから考えれば良いと思っています

Q.ありがとうございます。では最後に就活生に向けたメッセージをお願いいたします。

就活は頑張ってほしいですが、難しく考えすぎないでほしいとも思いますね。自分の勘で決めた企業が実はとても相性が良かったということもありますから。

学生は「業界研究うまくいかない」「職種研究うまくいかない」と就活の「常識」に凝り固まって取り組んでいる人が多いと思います。でも、実際社会人になったときにそれまでの「研究」がダイレクトに役立った人はほぼいないです。だからこそ従来のやり方に凝り固まってガチガチに臨むよりも、ある程度気楽な心で進めたほうが良いです

いわば就活とは「お見合い」です。365日の中で2/3の時間を仕事に費やします。だからこそ過ごしていて居心地の良い企業を選ぶ必要があると思いませんか。恋人探しと同じように、フィーリングが合う「人」がいればその企業を選ぶ。力みすぎずにそれくらいの感覚でいいと思いますよ。

津田5

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