キャリア講義
迷ったときこそ行動に移せ! 興味関心も成功もすべては行動のうえに生まれる
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嶋 信彰さん(アスパーク・Lognavi事業部事業責任者)
Nobuaki Shima●同志社大学卒業後、新卒でアスパークに入社。1年後には新規事業部「Lognavi(ログナビ)」の立ち上げに携わる。現在はLognavi事業部責任者として、コンサルタントのマネジメントやアプリ開発の指揮を執っている
Q.嶋さんはどのような学生時代・就活時代を過ごされていたのでしょうか。
人生のモットーとして「好きなときに好きな人と好きなことがしたい」を掲げていて、興味をもったことにどんどんチャレンジをしていました。服飾が好きだったこともあり、友人と2人でその当時としては珍しくインスタグラムを活用して服を販売する事業を立ち上げたことがあり、その経験もあって将来は「仕事をつくる側」になりたいと考えるようになりましたね。
その起業経験から、就活時代は自分の軸を「決裁権が一番早く得られる企業」としていました。業界は特に定めていなかったですね。たとえば、今私は「Lognavi(ログナビ)」というサービスの事業責任者を務めていますが、20代で事業責任者になるのと50代で事業責任者になるのとでは、キャリアにおける経験値が大きく変わりますよね。「仕事をつくる側」になるためには、早いうちからさまざまな経験を積んでおくべきだと考えていたのです。
Q.「仕事をつくる側」から「早く決裁権を得たい」という軸を持つに至ったプロセスについてもう少しご説明いただきたいです。
実際に起業してみたことで、事業をおこなうのに対しより大きい額のお金を動かせるのは、個人より企業であると実感しました。企業の方がより事業ややりたいことを進めやすいのだと。
そして「仕事をつくる」という自分のやりたいことを実現するためには、企業の中で決裁権を有することが重要だと考えたのです。より早く・そしてより大きく自分のやりたいことをかなえるために、企業に属しそしてもっとも早く決裁権を得たいと考えて、この軸を掲げるようになりました。
Q.業界などにはこだわっていなかったようですが、それはこれから仕事をすると考えると怖くはなかったのですか?
そうですね、怖さや不安はありませんでした。「天職」という言葉を耳にすることもあると思いますが、天職や自分に合う仕事は入社前から在るものばかりではなく、自分で見つけていく必要も一定あるものだと思っています。
仕事をする中でその仕事に対するやりがいや楽しみを覚えていくことも多いですから、事前に業界を定めておかないことに対する不安はなかったですね。
自分のやりたいことをかなえるためのツールが「会社」だと考えてみよう
Q.とすると、嶋さんは学生が企業選びをおこなうにあたって業界を決めておく必要はないとお考えでしょうか。
それは人によると思っています。もちろんやりたいことが明確にある人は業界を絞って企業を見ていくべきですよね。また今後生きていくうえで、たとえば安定性を求めるのであれば、今後廃れない・伸びていく業界を選ぶといいでしょう。現在だとIT業界は特に需要が高いのではないでしょうか。
全員が業界を選ばなくて良いわけではありません。自分の希望にしたがって、必要であれば業界を選んでいくと良いと思います。
Q.では業界にこだわらず、学生がファーストキャリアを選ぶ決め手としてどのような点をもっとも重要視すると良いと思っていますか?
働くこととは関係なしに、自分が「何がやりたいか」を考えるべきだと思っています。
私自身、会社はいち「プラットフォーム」だと思っています。自分の望む人生をかなえるための器ですね。そしてそのプラットフォームに納得できるかが大切です。企業は自社の成長のために社員を利用し、社員もまた自身の生活や望む将来像のために企業を利用します。お互いがお互いの方向性に納得し、利用し合えるかを考えておくと良いですね。
たとえば、サーフィンが大好きで趣味、という人がいたとしましょう。その人からするとこの「何がやりたいか」はサーフィンにあたります。企業をいちプラットフォームと考えると、オンオフをしっかり分けられる会社や海が近い会社であることが必須条件に入りますよね。将来的に社長になる夢がある人は、経営者との距離が近い企業や経営のいろはを学べるような企業を選ぶべきです。
自分の人生は自分が主役で、会社は自分の人生を豊かにするためのプラットフォームであると考えると、企業選びについて視界が少し変わるのではないでしょうか。
Q.学生時代からさまざまなことに興味をもたれていた嶋さんですが、学生の中にはやりたいことや興味がないという人も多いと思います。このような学生が何かに興味を持てるようにするにはどうすれば良いでしょうか。
私は、「やりたいこと」は「知っていること」と「できること」とが合致するところにしか生まれないと思っています。
たとえば、インスタグラムで美味しそうな料理を見かけたとしましょう。それを「食べに行きたい!」と思えるのは、まずその料理を「知っている」必要がありますよね。知らない料理を美味しそうとはあまり思わないはずですから。そして、その料理を提供するお店が自分の足で行くことが「できる」範囲であれば、「行きたい、行こう」と思えるのではないでしょうか。
仕事選びにおける興味もそれと同じで、知っていることとできることが合致しなければやりたいことにはつながらない。だからこそ、やりたいことがない人はこの2つの○を大きくし、その合致する箇所を大きくしていくことから始めると良いと思います。
Q.「知っていること」と「できること」を増やすための具体的な方法はありますか?
行動あるのみでしょう。行動することでアンテナを張り巡らすことができます。たとえば企業選びにおいては、よく知らない企業の説明会にも足を運ぶことで「知っている」の○を大きくできますよね。インターンであれば、「知っている」だけでなく「できること」の○を大きくすることもできるかもしれません。
また、すでに何かしらに興味関心を持っている人も、積極的に行動することがおすすめです。たとえば営業がやりたい人であれば、今は営業の仕事を体験できるインターンも多くありますからぜひ参加してみましょう。マーケティングがやりたい人は、SNSなどのツールを使って実際に販促などをおこなってみると良いかもしれません。
これは、それぞれの○の合致箇所の巨大化にもつながりますが、就活時の武器にもなり得ます。「やりたい」という人と「実際にやってみた」という人ではやはり企業からの評価も大きく変わりますから。まずは行動、それに尽きますね。
失敗したら改善したらいい。行動すればその分成功に近づいていく!
Q.嶋さんは、入社後もかなり早い段階で昇格を重ねられていますよね。成果を挙げるために日々されていることはありますか?
ずばり「成果を出すために改良すること」ですね。かっこよくいうと「PDCAを回すこと」です。私自身、物事に対してかなえたいゴールは明確に持っているのですが、そのゴールに到達するまでの道のりについてはこだわりが特にないのです。だからこそ「このやり方じゃうまくいかなさそう」と思ったら、すぐにシフトチェンジをしています。
Q.「これはうまくいく!」と思ったやり方でやってみて、成果が挙がらず失敗してしまうことはないのですか?
もちろんありますよ。でも、私自身物事のゴールは「成功」と「失敗」の道に分かれているとは思っていません。ゴールは「成功」だけで、失敗は道のりの中にあるひとつの壁です。
そのやり方ではうまくいかなかっただけなので、それなら別のやり方でやってみればいいだけの話です。また失敗してしまうかもしれない、でも目指すゴールに向かって改良を続ければ、必ずゴールに到達でき成果が挙がりますよ。
Q.では、自分の望むゴールに向けて、まさに今就活という道でがんばる学生へメッセージをお願いしたいです。
「迷ったらやる」ということは徹底しましょう。就活に限らずですが、やったほうが良いのはわかっていても面倒なことってありますよね。就活だと特にその傾向が強く誘惑に負けてしまいそうなことも多いのではないでしょうか。でも、自分で「やったほうがいい」とわかっていることこそ、面倒でも「やる」べきです。
たとえ行動に移した結果、それが望まない結果や「失敗」につながったとしても、それは成功という唯一のゴールに向かう道のりの中にある壁のひとつです。成功のほうを向き続けていれば、必ずそれはかなうはずですよ。