キャリア講義
仕事への本気度は自責思考を生む|楽しませてもらうのではなく自分の力で仕事を楽しめ!
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平原 葉子 さん(パフ 専門役員)
Yoko Hirahara●2005年パフに新卒入社。新卒第4期生として入社から一貫して営業職として従事。2019年4月より専門役員に就任。新卒採用の課題抽出、解決策の企画提案、プロジェクトの実行を得意とする。現在は「顔の見える就職と採用」の具現化の場である「職サークル事業」の責任者として、企画から運営まで担当
Q.現在、人材業界に15年以上身を置く中で、学生に対してはどのように企業選びをしてほしいと考えていますか?
自分が本気で頑張れる環境に身を置いてほしいと思っています。本気で取り組めば、それがどこであってもどんな仕事であっても良い結果がついてくると思うからです。
私はあの当時、そこまで確固たる思いをもって就活をしていたわけではありませんが、「どうせならがむしゃらに働ける会社がいいな」と思って就活をしていましたし、その基準でパフという会社を選びました。そして入社してから15年以上、仕事に対して前向きに、熱く本気で働けています。
Q.そうなのですね。平原さんは就活をどのように進められていたのでしょう。
就活していた頃はいわゆる就職氷河期真っただ中。そして私は実は理系の出身で当時はバイオサイエンスを学んでおり、就職先としても狭き門の研究職を希望していました。ビジネスに興味はあまりなかったため、文系就職には目もくれず。
そんなわけですから、就職に高い壁を感じていたことは想像に容易いでしょう。どうしたものかと悩んでいた大学3年の頃に、パフの創業者で現在は会長を務める釘崎が著した書籍を読んだことがパフとの出会いです。
そこからパフが主催するイベントに行ったことで、初めて就活にワクワクしました。パフのイベントのファンになり、たくさんの社会人・たくさんの企業に出会う中で、いつの間にか私の就職感も柔軟になり広い社会に興味を持つようになっていました。
そして、当時から「顔の見える就活」というコンセプトを掲げるパフに共感を覚えて、こんな就活を広くすすめていきたいと思いそのままパフへの就職を決めました。
Q.そのときに考えていたことが「本気でやれるか」という視点だったのですね。
そうですね。このときパフに感じたことがまさしく「パフなら本気で働ける」ということ。
パフが掲げている「顔の見える就職と採用」というコンセプトに出会ったとき、非常に共感しました。この考え方によって私は就活を楽しむことができたし、社会が広くて深くておもしろい場所だと知ることができました。
そんな視野の広がりを後輩たちにも提供したいと思ったのです。
その実現のために本気で取り組みたい。厳しい環境で血反吐を吐けるか、それくらい自分が本気で取り組みたいかと考えたときに、やりたい、頑張りたいと思えたのです。
その結果として今があり、こうして仕事に熱中することができていると思っています。
Q.平原さんの想いをご自身で体現されていることで非常に納得感があります。そんな環境・企業を見つけるために、学生が就活でやるべきこととは何だと考えていますか?
当社の社長が言っていたことですが、たいていの人は身の回りの360°にある企業のうち、およそ270°くらいの企業に合うのではないかと思っています。
ただ、そもそも自分の身の回りを360°きちんと見られていない学生が多いとも思っていて。学生が思う360°は、実はまだまだ実際の20°くらいなのではないでしょうか。
だからこそまずは社会を正しく360°知ること。そのために、知らないことに出会ってみることが大切だと思います。
もっと柔軟に社会と接してほしいです。たとえば学部や学歴など、何かしらの理由で「これを選ぶべき」という、固定観念のようなものを学生は持ちがちですが、そんなことはありません。私も理系なのに人材業界に飛び込みましたから。
もっと視野を広げてみると、意外と自分が活躍できるフィールドは多くあることに気付けるはずです。
本気で仕事に取り組むことが仕事をどんどん楽しくさせる
Q.ありがとうございます。次は「本気になる」ということについてもう少し伺ってみたいです。具体的にどういったことでしょうか?
多くの学生が「仕事に楽しませてもらおう」と思っている気がしています。「楽しそうな仕事に就きたい」とか、「好きな仕事がやりたい」とか。私はまずそこから違うと思うのです。
社会人として働くうえで大切にしてほしい心構えとして、そして私自身も何より大切にしていることとして「人のせいにしない」というものがあります。つまり他責ではなく自責の精神で動くということです。
そう考えると「仕事に楽しませてもらう」のは他責思考。そもそも、基本的に社会人とは価値を出していくもの。自分の行動や考えによって何かを生むものです。そしてこのアウトプットを本気でできてこそ、仕事が楽しくなっていくのだと考えています。
Q.もう少し詳しく教えてください。
社会に出てから腐ってしまっている人は、たとえば「上司が~」などと「誰かが自分に対して何かをしてくれない」という与えてもらう思考を持っていることが特徴として挙げられます。
でも本来仕事は何にもなしに与えられるものではないのです。
環境は悪いけれど改善のためにこうしてみよう、ここからさらに上を目指すために努力しよう、そういう心構えで動けている人はいきいきとしていますし、そういう人にはおのずと周囲も仕事を任せたいと思うようになり、仕事が集まっていきます。
つまり自分の状況を良くするために考えて動くことが大切で、そう動けている人がいきいきしているといえる。そして自らそう動くのは、その仕事に対して本気で頑張りたいと思っていなければできません。
Q.自責思考をもつと、仕事に対する感覚も変わっていくのでしょうか。
自責思考をよりわかりやすい言葉でいうなら、「つくり手になる」ともいえると思います。つくり手になると、より仕事の楽しさやおもしろさが生まれてくると思いますよ。
このつくり手とは、何もプロダクトをつくるだけでなくて会社全体という視点にもいえます。
仮に上司に対して不満を持っていた場合。自責思考のもとに考えると、私はそれってある意味自分の責任であるともいえると思うのです。その会社・体制・上司に迎合してきたり慣れてきてしまったから今そういう不満を味わっていると。
じゃあそんな今の自分の状態を、ひいては会社を変えてやろう。あきらめて辞める・出ていくのではなく自分で変えていこう。そう思えれば行動も変わるはず。
自分が会社をつくっていくくらいの精神で臨めば、きっと仕事も真の意味で与えられるようになるし、仕事がどんどん「楽しく」なるはずです。
こういう行動をしていくためにも、会社を選ぶ際は「その仕事に本気で取り組めるか」というあなた自身の本気度が重要なのです。
手を挙げる理由は「できるようになりたい」だけで十分!
Q.自責思考という点に関連させて、今の就活生が社会人になったときに心がけてほしいことについても教えてください。
自己主張を大切にしてほしいです。自己主張、といってもさまざまな主張があると思いますが、まずはわからないことはわからないと言って聞きに行く。わかっている人から知を得るのが成長への一番の近道です。
また、やりたいことは素直に「やりたい」と主張することも大切です。基本的に、仕事を誰に振ろうかは上司が決めます。そんなとき、やりたいという声が耳に入っていれば、任される確率も段違いになるはずですから。
Q.「積極的に手を挙げること」、よくさまざまな人から頂くアドバイスではありますが、人によってはやりたいと主張することを躊躇する人もいそうです。
基本的に、「誰に任せるか」は上司が決めますがそれと同時に「どれくらい任せるか」も上司が決めます。仕事はひとつ手を動かすだけでは完結しません。さまざまな工程、さまざまな人の手を借りてできあがるものが多いです。
その中で「どこまで任せるか」は、相手の技量に合わせて上司が決めることです。だから「できるか・できないか」で躊躇する必要はありません。
またここで間違えないでほしいのは、「できるからやりたい」と考えてしまうこと。できるからやりたいのではなく、「できるようになりたいからやりたい」と考えてほしいです。
上司も、その人ができるから任せるわけではありません。上司から仕事が振られる仕組みも理解して、自分の成長したいという思いを大切に、できるようになりたいことには積極的に飛び込んでみてほしいです。