企業研究

業務内容・事業内容・職務内容の違いを解説|該当例についても紹介

業務内容を正しく理解できていない人は多い

就活では「業務内容」という言葉が頻繁に登場しますが、この意味が正しく理解できていない人は多いです。企業での仕事の内容を指して業務内容と考える人も多いですが、これは必ずしも正解とは限りません。業務内容には明確な意味があり、指し示す仕事の範囲も決まっています。

間違った理解で使っていると、思ったとおりのアピールができず、間違った意図で伝わってしまう可能性もあるので注意が必要です。業務内容とはどんな意味なのか、正しく理解して社会人に備えてビジネス用語を身につけましょう。

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業務内容・事業内容・職務内容の違い

業務内容を正しく理解する上では、事業内容や職務内容との違いを明確にしておかなければなりません。これらは業務内容と同様に頻繁に登場するものであり、それぞれの意味を混同して覚えている人も多いです。業務・事業・職務は別物であり、示す仕事の範囲も違うため、それぞれの意味を理解しておかなければなりません。それぞれの違いを把握して、言葉の意味を正確に理解しましょう。

業務内容:部署の仕事

業務内容は、その部署における仕事を指した言葉です。企業では営業部や人事部、総務部などさまざまな部署があり、それぞれのチーム単位での仕事が、業務内容だと考えましょう。企業は大きな目標の実現に向けて仕事に取り組んでいますが、大きな目標を実現するには、それを分解して小さな目標から達成しなければなりません。

目標を小さく設定し直し、それぞれの部署に当てはめて分業して取り組んでいるものが、業務内容と考えるといいでしょう。業務内容は部署ごとの仕事なので、業界や企業に関係なく共通しているものもあれば、その業界、企業特有の部署も存在します。企業によって内容はさまざまですが、大枠では共通したものが多いと考えましょう。

事業内容:企業全体の仕事

事業内容は企業全体の仕事であり、業務内容よりさらに広義の仕事を指した言葉です。企業はそれぞれ大きな目標の達成に向けて仕事に取り組みますが、全体の目標部分が事業内容に該当すると考えましょう。事業内容の幅は広いですが、仕事を大枠で捉えたものになるため、業界や企業に関係なく、共通している点も多いです。

たとえば物の販売をおこなっている場合、商品の販売が業務内容のひとつになります。商品の販売は、小売りやメーカー、商社など、さまざまな業界で挙げられ、仕事の特徴は違っても、事業内容は一致しているということも少なくありません。事業内容は企業全体の仕事を表しているため、その企業でどのような仕事に携われるかを知りたいときに、チェックするといいでしょう。

職務内容:個人が受け持つ仕事

職務内容は個人が受け持つ仕事であり、業務内容よりさらに狭い範囲の仕事を指した言葉です。企業での仕事は事業内容→業務内容と細かく分解されますが、さらに部署全体から個人に仕事が割り振られます。事業内容を最も大きな目標とするなら、業務内容はそれを達成するステップとなる中くらいの目標、職務内容は業務内容を達成する、さらに小さな目標と言えます。

部署扱う仕事といっても幅は広く、全員で同じ仕事をしていても効率的ではありません。仕事はチームで連動しておこなうことが多く、個人の成果を集合させて、ひとつの目標の達成を目指します。職務内容はチームとしての目標を達成するための、パズルの1ピースになると考えましょう。

業務内容の例

業務内容についてさらに理解を深めるためには、実際の例からイメージを膨らませることが大切です。独自の部署を構えている企業もありますが、基本的には部署については業界に関係なく共通していることが多くあります。

実際の職務内容や手がける仕事の詳細は異なりますが、部署名が同じならば業務内容もほぼ同じと考えましょう。業務内容の例からより詳細まで仕事の内容を理解し、言葉の意味を明確に把握しておく必要があります。

営業部

営業部は商品やサービスの販売をおこなう部署であり、そのまま業務内容になります。業界によって扱う商品や対象となる相手は異なりますが、基本的には商品・サービスの販売が仕事になると考えましょう。営業部での仕事は大きく個人営業、法人営業に分かれることが多く、これも狭義の意味では業務内容と言えます。

ひとくちに業務内容といっても幅は広く、商品・サービスの販売という大枠の中に、それぞれ個人営業や法人営業なども含まれると考えましょう。営業部内では、顧客に対して営業をおこなう営業マンと契約に関する資料の作成や顧客の対応をおこなう事務職があります。これらの違いはチーム単位で見れば業務内容の違いと言えますが、大枠で見るなら職務内容の違いとも言え、区分がややこしくなるので注意しましょう。

商品・開発部

商品・開発部の業務内容は、基本的には新商品の開発、生産が該当します。企業によっては品質管理や既製品の改良なども業務内容に含まれる場合もありますが、品質管理という部署で独立しているケースもあります。また、商品を開発するための技術開発が業務内容として盛り込まれていることも多く、部署としての仕事も多岐にわたると言えるでしょう。

商品・開発部では、ただ商品の開発や研究をおこなっているだけではなく、クライアントの要望を引き出して、それを開発スタッフに伝えることもあります。部署が大きくなる場合は、クライアントの応対をおこなうチームが発足する場合もあり、チームとしておこなう場合は、これも狭義の業務内容に含まれます。

企画部

企画部は商品やサービスの企画、立案をおこなうのが主な業務内容です。個人によって担当する範囲は異なりますが、企画立案のためのマーケティング調査が部署としての仕事に含まれる場合もあります。企画部の仕事としては企画の立案までですが、実際には開発現場の指揮を取ったり、開発担当者との打ち合わせをおこなうことも多いです。

しかし、これはあくまで個人としての仕事であるため、職務内容に該当します。部署としての仕事は商品やサービスの企画、立案、マーケティング調査などに留まります。また、企業によってはマーケティング調査を専門でおこなう部署を設置していたり、外部機関に委託することもあるため、この場合は業務内容からは外れると考えましょう。

人事部

人事部は企業の人事に関わることが業務内容ですが、その幅は非常に広いです。企業内での昇進や降格、解雇、入社や退社などの手続きもあれば、採用活動も業務内容の一環です。人事部は仕事の幅が広いため、チームに分けて業務を分割していることも少なくありません。たとえば採用活動に特化した「採用担当チーム」があった場合、これは人事部の中の採用担当チームとなります。

人事部全体で見れば、企業の人事に関わること全般が業務内容になりますが、採用担当チーム個別で見た場合は、新卒や中途者の採用活動が業務内容です。さらに個人の担当業務を見た場合は職務内容となりますが、部署からさらに小さくなったチーム単位でも、狭義の意味では業務内容に該当すると考えましょう。

総務部

総務部は事務や備品の発注、書類の作成などが業務内容に該当し、仕事の幅は非常に広いです。総務部という大きなくくりの中に、事務や経理の部門、備品発注などの雑務をおこなう部門が設置されていることも多いです。また、企業によっては総務・法務と連携していることもあり、この場合は契約書の作成や法的な規定に基づく契約内容の確認も業務内容に含まれます。

総務部は業務内容が幅広いため、各部署や課、チームごとの業務、さらに個人に割り振られる職務内容の理解が大切です。漠然と全体の業務を知っているだけでは、実際に担当する仕事が全く違うケースもあるため、志望する場合は細部まで把握するように心がけましょう。

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業務内容は部署単位の仕事内容

業務内容は簡単に言えば部署単位の仕事ですが、意味は非常に幅広く、広義と狭義それぞれの意味があります。部署の仕事といっても、実際におこなわれている仕事はたくさんあり、部署の中にさらに小さく区分された課やチームなどが存在します。

基本的には部としての仕事を業務内容と言いますが、狭義の意味で考えれば、課やチーム単位での仕事も業務内容です。業務内容より細かい区分には職務内容がありますが、職務内容はあくまで個人に割り振られた仕事であり、チームとして受け持っている仕事は、業務内容と言えます。業務内容というひとつの言葉でも、捉え方によって示す仕事の範囲は違います。意味を正しく把握してビジネス用語への理解を深め、就活に上手に役立てましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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