業界研究
【大企業の従業員数ランキング】中小企業との違いや特徴を紹介
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目次
大企業についての理解を深めよう
就職先を考えた時、できるなら大企業に就職したいと考える人は多いでしょう。大企業=優良企業、知名度が高くて信頼できるといったプラスのイメージを持つ人は少なくありません。大企業だからといってすべてが優良企業であるとは限りませんが、可能性は高く、信頼できる企業が多いことも確かでしょう。
しかし、ひとくちに大企業といっても種類は多く、そもそも何を持って大企業と呼ぶのかを理解できていない人は多いです。大企業を読み解く鍵は従業員数や事業規模にあります。大企業とはどのように定義されるものかを知ることで、就活の選択肢はさらに広がるでしょう。大企業についての理解を深め、該当する企業、しない企業の両方に注目してみましょう。
大企業の定義は資本金と従業員数
まず、大企業とはどのように定義されるのかですが、これは資本金と従業員数によって決まります。基本的には資本金と従業員数が多いほど企業規模は大きくなり、大企業に該当するようになると考えましょう。区分でいえば、大企業、中小企業、小規模事業者の3つに分けられ、大企業がもっとも資本金と従業員数は多いです。しかし、大企業と定義されるにはいくつか条件があるため、詳細がどのように決められているのかも知っておきましょう。
業種によって違う
【製造業における中小企業と大企業の違い】
中小企業:資本金が3億円以下または従業員数が300人以下
大企業:資本金および従業員数が中小企業の基準を超えている場合
大企業の定義は、資本金と従業員数が基準になっていることは確かですが、実際にどの程度で企業規模が決まるかは業種によって異なります。同じ資本金額、従業員数でも、業種が違うだけで、企業の区分が変わる場合があることは理解しておきましょう。例えば卸売業の場合は、資本金が1億円以上か、従業員数が100人以上で大企業となります。
しかし、この規模の製造業に該当する企業は中小企業とみなされ、企業規模が一段階小さいと定義されます。製造業の場合、大企業とみなされるには資本金が3億円以上か、従業員数が300人以上が必要です。また、さらに別の業種では、小売業だと資本金5,000万円以上か従業員数50人以上で大企業と定義され、業種によるハードルの違いはかなり大きいです。
法律上の大企業とは中小企業以外
大企業の定義は業種ごとに違いますが、厳密にいえばどの程度の資本金、従業員数から大企業になると決められているわけではありません。法的に決められているのは、小規模事業者と中小企業に該当する条件であり、それに該当しないものは便宜上大企業と定義されていると考えましょう。
つまり、大企業といっても、有名な大手企業とは限らず、単に法的な中小企業の基準を超えているだけに過ぎません。そのため、知名度の高い企業でも、資本金を減らしたり、従業員数を減らしたりすることで中小企業の枠内に収まり、節税効果を狙っていることもあります。大企業は中小企業と小規模事業者以外という曖昧な存在で、知名度の高い企業=全て大企業ではなく、反対に知名度がなくても大企業である可能性は頭に入れておきましょう。
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大企業の従業員数ランキング
大企業についての理解を深めるには、実際の企業の従業員数を参考にするのがおすすめです。従業員数のランキングからその規模の大きさを知ることで、さらに大企業へのイメージを膨らませることができるでしょう。大企業は法的な意味合いでいえば中小企業と小規模事業者以外の企業で有名とは限りませんが、さすがに従業員数が多い企業なら、国内有数の知名度を誇っています。大企業に該当する3社の従業員数を知って、規模の大きさを把握しておきましょう。
①トヨタ自動車
トヨタ自動車は日本を代表する自動車メーカーで、世界的にも高い評価を受けています。事業規模が大きいため、当然従業員数も多く、2018年3月時点で、グループ連結で369,124人もの従業員を抱えています。また、資本金は2016年3月時点で6,354億円であり、こちらも高額です。自動車メーカーは製造業に該当するため、大企業の条件は、資本金が3億円以上か、従業員数300人以上が必要です。
大企業と認められるには、どちらか一方の条件を満たしている必要がありますが、トヨタ自動車は両方を大きく超えており、文句なしで大企業といえるでしょう。自動車業界に限らず国内でも最大手の存在であり、その他業界で比較した場合でも、特に有力な大企業であるといえます。
トヨタの社員数について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
②日立製作所
日立製作所は国内最大の電気機器メーカーです。幅広い事業展開が特徴で、情報・通信システム、社会・産業システム、電子装置システムなどの開発・製造・販売・ソリューション提供、これらに関連するコンサルティングサービスなどもおこなっています。高い技術力を誇る企業ですが、欧州で高速鉄道を受注したり日本の金融システムを支えるITインフラを構築したりしています。
日立製作所の従業員数は、2018年3月時点で34,925人です。また、連結従業員数は307,275人です。日立グループとしての連結子会社数は879社にのぼります。国内202社、海外677社と、海外にも多くの子会社を配置しています。そのうち国内で働く従業員は168,000人、海外の従業員数は137,000人と、売上収益に比例して従業員数も国内の方が多くなっています。
日立のインターンについて、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
③パナソニック
パナソニックも日本を代表する企業のひとつであり、国内外で広く活躍しています。従業員数は2018年3月時点で274,143人、資本金は2,587億円です。両方とも連結での数字ですが、これも製造業の基準を大幅に超えており、文句なしの大企業といえるでしょう。1位のトヨタ自動車とは分野が違うものの、大きく見ると製造業という点は共通しており、日本のものづくりを支える存在であることは確かです。
グループの規模も大きく、連結子会社は592社、売上高は7兆9,822億円と圧倒的な規模を誇っています。創業は1918年、設立は1935年と歴史も古く、昔から日本の物づくりを引っ張り続けている企業です。長い年月をかけて大企業へと成長した成功のモデルケースであり、実力のある企業といえるでしょう。
パナソニックインターンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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従業員数が多い大企業の特徴
従業員数が多いと中小企業の定義を外れて大企業になりますが、大企業になる要件は業種によって違います。そのため、法的な定義上の大企業と、一般にイメージされる大企業は少し区分が違うと考えましょう。大企業への理解を深めるには、なぜ従業員数の多さに注目が必要で、どのような特徴を持っているかを考えることが大切です。法的な大企業に該当するかは別にして、従業員数の多い企業には、ある程度共通した特徴が存在します。
①事業拠点が多い
従業員数が多い企業は、拠点数が多い傾向にあります。これは全国的に事業を展開することで仕事の量も増え、それだけ人員が必要になることが理由でしょう。拠点を増やしたから人材を獲得した、人材を獲得したから拠点を増やしたという順序は企業によって違うでしょうが、拠点が多い=従業員数が多いことは確かです。
大規模な企業になると、全都道府県に事業拠点を持っていたり、場合によっては海外にまで数多くの拠点を持っていたります。従業員数が多い企業なら、グローバル化を目指して事業展開を進めていることは多く、海外進出を果たしていることはほとんどでしょう。事業拠点が多いため、勤務地の選択肢が多いことも特徴のひとつです。
②福利厚生が充実している
従業員数が多い企業の場合、福利厚生が充実しており、働きやすい環境にある場合が多いでしょう。採用して終わりではなく、採用した人材をどう育てるか、辞めずに働き続けさせることができるかどうかが大切です。福利厚生が充実していないと、採用してもすぐに環境の悪さに嫌気が差し、退職することも少なくありません。
従業員数が多い企業は、福利厚生が整っている企業が多いです。社会保険完備は当たり前で、社宅や健康管理、育休、産休といった各種制度も整えられていることが多いでしょう。企業独自の制度を採用している場合もあり、働きやすい環境を提示することで、人材を獲得し続けている企業は多いです。
従業員数は大企業を定義する要素のひとつ
従業員数や資本金が多いほど企業規模も大きいと認められますが、定義づけは業種によって異なります。また、従業員数が多くても法的には中小企業ではないと判断されるだけで、実際に事業規模はそれほど大きくなく、知名度が低いこともあります。
従業員数や資本金はあくまで目安であり、実際の大企業とは定義が曖昧です。企業規模は複数の観点からチェックし、規模だけに縛られず、本当に自分に合った特徴を持つ企業を見つけることが内定する近道でしょう。